ゆっくり目を開くとそこはいつもの天井。
夢…だったのか…
リアル過ぎる夢。
そして、胸くそ悪い夢…
そう思い数分間天井を見つめていた。
『はぁ、でも良かった』
夢で良かった。心の底からそう思った。
でも、あんな夢を見たってことは、僕の中で山倉さんをめちゃくちゃに犯し、泣かせてみたい…そんな願望があった…のかもしれない。
ゆっくりと起き上がり、ふと横を見ると山倉さんの姿はなく、何処からが夢だったのかもわからないまま布団をめくった…
…………!!
夢であれば良かったのに…夢であってくれよ!!!
布団に隠されていた光景を目の当たりにし、僕は再び怒りに火がついた!
布団をめくるとその下には大量の髪の毛が散らばっていた。怒りに任せて布団を投げ捨てるとシーツにはお漏らしをしたような染みが残っていた!
僕の髪の毛だよ…こんなに抜けちゃって…この年でお漏らしまでしちゃったんだな…あれは夢、夢なんだ…絶対に夢なんだよ!
と、自分に言い聞かせた。
恐る恐る枕元を見ると大量の血があちこちに飛び散り、枕付近にあるベッドの柵には削られた跡が残っていた。
そ、そんな!
じゃあ…山倉さんは何処に!?
『山倉さん!』
僕は急いで部屋を出るとリビングへと向かう。
『山倉さん!』
そこに山倉さんの姿は無かった。
僕はトイレにいるのかもしれない!お風呂にでも入ってるのかな?と、すべての部屋を見て回る。
だが、やはり山倉さんの姿は見当たらなかった。
何でだよ…なんなんだよ僕は!なんなんだよ!!
と、膝を着き何度も何度も頭を叩く。
気付いたら僕の中に山倉さんが住み着いていたんだ。
優しくて可愛くて、間の抜けた天然キャラで。ワガママなんだけど、でも暖かくて…
たった一日しか顔を合わせてない人なのに、たくさん住み着いてしまうほど好きになってしまったんだ。
『や…山倉…さん』
悔しかった…
号泣するほど悔しかった…
僕は声を殺して泣いたんだ。一人寂しく泣いたんだ。子どもみたいに…泣いたんだ…
そんな時だった。
ガチャ!
玄関から眩しい光が迷い込む。
僕は、涙を拭い玄関を見つめると…
『う〜寒い〜』
ほっぺたを真っ赤にし、頭に雪を積もらせた山倉さんが片手に袋をぶら下げ立っていた!
僕は…夢?と、頭を力一杯叩いてみると意識が飛びそうになる。
『ちょ、ちょっと!』
小走りで駆け寄る山倉さん。フラフラする僕に近づき頭を撫でてくれた。
両手首に巻かれた包帯。
やはり、夢では無かったんだ。真実を知った僕は合わせる顔が無かった。
そんな僕を優しく抱き締めてくれる山倉さん。
『よしよし』
優しく抱き締めてくれる山倉さんは暖かくて…柔らかくて…甘い香り漂う女の子。ずっと一緒に居たかった。このままずっと居たかった。時が止まれば良いのに。
そんなことを思い泣きながら願ったんだ…
やっぱりBad endは好きではないので希望の光を灯すことにしました。いつも読んでくれてる方々、ありがとうございます。一章が終わったのですが、こういう物語はどうですかね。
次回から新章が始まりますので良かったら読んでみてください。よろしくお願いします。