※この作品はR-18です。

僕らはみんなわがままで   作:やまのじ

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あたりまえと幸せと
14P


 

 

シャク、シャク、シャク…

 

 

四月上旬にもかかわらず季節外れの大雪。僕は山倉さんと一緒に学校に向かっていた。

 

 

『だ〜ん!』

 

 

と、大きめの雪玉を僕の頭に投げてくる山倉さんは満面の笑みを浮かべ、走って逃げ出す。

 

 

僕は『冷たいよ〜』と、頭の雪を払い走って追いかけた。

 

 

何事も無かったように明るく振る舞う山倉さん。昨日のことは気にしてないのか…そんなことを思いながら雪玉を投げ返した。

 

 

『きゃっ!…痛いな〜!』

 

 

前を走りながら逃げる山倉さん。見事に後頭部に命中…してしまった。

 

山倉さんから始めておきながら当てられると怒り出す自己中心的ワガママ姫。周りの目も気にせず雪合戦が始まった。

 

そして、お互いが雪まみれで疲れると再び学校へ向かうのであった。

 

 

 

学校が近づくにつれ、同じ制服が目立ち始める。ちゃんと整った服装をしている人もいれば、だらしない服装をした人もいる。髪型もやはり色々なスタイル、こだわりがあるようだ。

 

 

『蒼太、早く行くよ』

 

 

手をひっぱり急がせる山倉さん。

校舎の門にたどり着くとちょっとした、わかりやすい光景が目の前に広がっていた。

 

それは、派手な格好をしている生徒は左側に、僕達みたいにちゃんとしてる生徒は右側に、綺麗に別れていた。

 

 

『山倉さん?』

 

『ん?』

 

『なんで不良の生徒はあっちなの?』

 

『不良だからなに』と、笑い出す山倉さん。『あっちは一年生の下駄箱なのですの。あ、蒼太は二年からだからわからないのね〜』

 

 

朝からハイテンションな山倉さん。僕のことを小バカにしながら下駄箱へと向かった。

 

 

『おはよ〜』

 

 

教室に入ると朝の挨拶が飛び交う。

山倉さんは皆に挨拶しながら席へと向かう。僕も後を追うように挨拶をし席に着いた。

 

考えてみれば転校してからまだ一日しかたってないのだ。クラスの皆もほとんどの人が話したことないし、何もわからない。

 

そんなことを思っていると、HRのチャイムが鳴った。

 

 

『皆、おはようございます!HRを始めます』

 

 

チャイムが鳴ると同時に入って来たのは担任の吉谷先生。相変わらずハキハキとした口調で出席をとっていた。

 

 

『欠席、欠席…』

 

 

帳簿を見ながら呟く先生。

確かに辺りを見渡すと座ってない席が少し目立つ。

 

 

ガタッ!

 

 

そんな時、勢いよく教室のドアを開けたのが…

 

 

『はぁ、はぁ、すみません!雪が』

 

 

同じグループの中居君だった。

 

 

『雪?晴也の家の周りだけ降ったの?違うよね?皆、状況は同じ!言い訳はしない!』

 

 

ほ〜…

 

 

性格がストレート過ぎて怒り方も直球。怒られたくはないな〜…僕は心底思った。

 

 

先生は帳簿を教卓に置き、歩きながら腕を組む。やはり中居君の目線に目を合わせると…

 

 

『どっちが良いですか?減点か…ん〜今日は天候もあるから腕立て100回!』

 

 

その瞬間、クスクスと笑い声がした。

 

 

『先生、甘やかしたらダメですよ』

 

『おいおい!』

 

 

クラスの生徒が笑ながら話し始めると、賑やかなHRとなった。

 

 

そんなクラスの雰囲気を腕を組みながら見ている先生は満足気な表情を浮かべ、そして、ニッコリ微笑んだ。

 

ゆっくりと教卓に歩み…

 

 

『はい!し〜ず〜か〜に!』

 

 

先生という立場上、遅刻をしたという違反を見逃す訳にはいかなかった。本当なら減点されグループにも迷惑がかかるはずなのだが…

 

 

『晴也、後で皆にお礼を言って置きなさい』

 

『は、はい!』

 

 

内心、許されたのだろうと少し顔が緩む中居君。世の中そんなに甘くわない!先生の表情が物語っていた!

 

 

『晴也のグループ!前に!』

 

 

僕達は言われるがまま前に集まると、やはり注目を浴びた。

 

 

『晴也の罰はグループの責任!』

 

 

えっ!

 

 

横を見ると6人とも同じような表情をしていた。

 

 

『連帯責任として、グループ全員腕立て100回!』

 

『え〜〜〜!』

 

『わ〜〜〜!』

 

その瞬間、前にいた中居君除く五人が同時に嫌そうな声を出し、クラスの皆の喜ぶ声が教室内をお祭り状態にした。

 

 

『はい!準備して〜!ゴー!』

 

 

いきなり始まる腕立て大会。皆の前で6人が腕立てをする姿は異様な光景だった。やる方としてみれば最悪だったかもしれない。でも、クラスの一丸となった雰囲気はとても良かったのかと…腕をガクガクさせながら思った。

 

 

『一番遅いのはさらに50回追加!』

 

『も〜嫌だよ〜』

 

『ま、マジかよ!』

 

泣き言、文句、口では色んなことを口走るも僕達6人はゲームを楽しむように競い合っていた。

 

 

 

 

 

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