ガシャーン!パリン!…
窓ガラスが割られ、次々と外から入ってくる最上階の生徒。
『うわ〜…バッ!
着地に失敗し地面に叩きつけられる生徒も少なくはなかった。
先生の言うことを聞いて中に入っていた生徒と、ドア付近でダラダラしていた生徒。明暗がハッキリと別れた…
『んだテメー等!』
次々と飛び込む生徒は落ちているガラスの破片を拾うと、躊躇無く男を刺した!
『女!オンナ!おんな!…』
狂ったように連呼する侵入者!廊下で逃げ惑う女性の髪を掴むと強引に引きづり回した!そして、ガムテープで何重にも巻き付けるとそのまま外に投げ捨てた…
『なんなんだこいつ等!』
いきなりの出来事で立ち尽くすヒロ。非常ボタンを何度も何度も連打する先生。
『停電!?』
さっきの凄まじい音は落雷だった。ここら辺一帯が停電していたのだ!停電したことによりセキュリティシステムがダウンしてしまい、最上階のセキュリティが解除されてしまっていた!
『て言うか助けろ!』
窓際にいたヒロを含む男達は廊下の乱闘に加わると次々と殴り倒していった!
『辞めなさい!』
先生の声も虚しく乱闘はさらにエスカレートしていく!乱闘の波は廊下から教室内へと侵入を許し、侵入者は窓際に立つ女性を狙い始めた!
『ちょ!やめろコラ!』
教室内は騒然とした!
私は服を掴まれながらも怯える女性を守るので精一杯だった。次々と増え続ける侵入者。喧嘩なら負けなかった。だが、相手はその先まで殺ってしまう人種。
『美奈!』
助けに入ろうとするヒロも人数が違い過ぎて近寄ることも許されなかった!
トイレから聞こえる女性の悲鳴!廊下、教室と…まるで訳が分からない…
『きゃっ!』
そして、私の近くでうずくまる小牧!
小柄な小牧は服を掴まれるとそのまま引きずるように連れて行かれる。
『あぁ!た、た助け…て…』
泣きそうな表情を浮かべる小牧に手を伸ばした時、私は膝をカクンと落とした…
…あれ…
不意に受けた侵入者の拳は、痛みを感じる前に脳しんとうを引き起こしていた!
小牧…行っちゃダメ…だよ…
意識が薄れる中、見つめ合う私達。
『離せコラ!』
私と小牧の間に割って入る男!その男は小牧を連れ去ろうとする侵入者を捕まえ、何度も顔面を殴る!そして、勢い良く飛び膝を食らわせると侵入者はそのまま吹っ飛んでいった!
『大丈夫か?』
抱きかかえるように小牧を起こす男。泣きながら『ありがとうございます』と強く抱き締める小牧。そんな小牧に近寄る金髪ギャル。意識が戻りかける私の前で青春ラブストーリーを演じられ、少し照れてしまう自分がいた。
頭を押さえながらゆっくりと立ち上がる私も小牧の元へ歩み寄る…
ビービービー!
いきなりの警報機が作動!と同時に『皆!教室に入って!』大声を張り上げる先生も頭から血を流していた。
次の瞬間、廊下側の防護壁が勢い良く落ちてくる!
『あ!春奈!春奈!!!』
手を伸ばす小牧!お腹を抱えられた金髪ギャルは侵入者の撤退とともに防護壁の向こう側へと姿を消した…
『いや〜〜〜!』
防護壁の向こう側から聞こえる金髪ギャルの声…
『やべ!逃げろ!』
壁の向こう側で何が起きているのかはわからなかった。先生らしき男性の声が助けに来てくれたと思わせた。
教室内では、数名の侵入者を取り押さえる男性陣。うずくまり『春奈!春奈!』と泣き叫ぶ小牧を抱き締める黒髪の子。
教室を見渡せば壁や床に大量の血が飛び散っていた。そんな光景を目の当たりにし、私は放心状態のまま座り込む。そんな私を抱き締め『ごめん』と呟くのは血塗れのヒロだった。