先に出てくれと言われそそくさと風呂場を追い出された僕は、脱衣場でパジャマに着替える。お風呂では頭を洗う山倉さん。そんな山倉さんを横目にその場を後にした。
冷蔵庫からお茶を取り出しリビングのソファーに座りテレビを付ける。画面を見ながら思ったのは、やはり山倉さんの裸だった。なんだかモンモンとしていると…
『そんなに深く考えないほうがいいよ』
『は!』
いきなりの山倉さん。身体全体で驚き振り返るとそこには『ん?』て、まん丸の目をした山倉さんが首を傾げながら髪を拭いていた。しかも、バスタオルを身体に巻いただけの姿で。
『わ!わ〜!ちょっと〜!』
急いでテレビを見る。
『ぼ、僕だって男なんだから!そんな格好したらダメだよ!』
今時の女の子は大胆というか恥じらいがないというか疲れるよ…
僕は邪念を消し去るように頭を横に振りテレビを見て紛らわせた。
これからどうするのかな〜山倉さん。困ったな〜…お腹も空いてきたしな〜…
そんなことを思っているとなんだか甘い香りが漂ってくる。僕はなんとなく横を見ると山倉さんが座っていた。
『わ、わ!』
ち、近いよ!
またしてもキョトンとした表情をし『ドライヤー借りるね』と洗面所に向かって歩きだした。あまりにも自然体で、まるで自分の家のように動きまわる。そんな山倉さんを見ててなんだか色々と悩んでるのがバカバカしくなってしまった。
髪を乾かし終わったのかペタペタと素足の足音がする。
『今日!』
『ん?』
振り返るとキャミソールに縞模様の下着姿の山倉さんがいた。
『も〜早く何か着なよ!Yシャツとかスカートとかさ〜』
『だって洗濯しちゃったから…』
と、ブツブツと呟き、風のようにソファーに腰掛ける。テレビを見ながらニヤニヤする山倉さんを見て、さすがの僕も怒った!
『女の子でしょ!』
って…
子どもを怒るように拳を振り上げるフリをすると咄嗟に避けようとする山倉さん。両手で頭を隠したことによって脇が隙だらけとなった…
ノーブラだった。
僕は勢い良く立ち上がり、急いで自分の部屋へと向かう!その勢いのままベッドに飛び込むと布団に包まった。
あの子はなんなんだ!何を考えてるんだ!どうしたら良いんだ!何が目的なんだ!…………
自問自答の繰り返し…
そして、僕の脳は現実逃避を選んだのだ。天井を見つめ、微動だにしない僕。
ぺた…ぺた…ぺた…
何やら音がする。
ぺた…ぺた…ぺた…
その音は徐々に近づいてくる。
ぺた…ぺた…ぺた!
と、足音が止む。ゆっくりと視線を向けると…
『お腹空いた』
そこには下着姿の小悪魔がいた。