日が出ている時間が短くなり、外は日中でもすっかり冷え込むようになった。
鎮守府内でも艦娘達が衣替えを済ませ、マフラーや手袋などの防寒具を身に付けている姿も見かける。特に海へ出撃する艦娘は一層寒気に襲われることになり、防寒対策は万全に整えなければならない。
そんな晩秋の夜。提督の部屋には早くも冬の定番ともいえる暖房器具、炬燵がお目見えしていた。
「はぁぁぁ……休まりますねぇ」
炬燵に入ってぬくぬくとリラックスしているのは、部屋の主ではなく秘書艦の白露型三番艦、村雨だった。
亜麻色のツインテールとよく合う、ベージュ色のカーディガンを着た村雨は紅茶を一口啜る。非の打ち所のない温まりっぷりである。因みに、飲んでいる紅茶は彼女自身がブレンドしたオリジナルである。
「そうだなぁ……」
村雨の向かい側に座る提督も、気の抜けた表情で炬燵の恩恵を受けていた。
今日の仕事はもう終えたので、あとはこうして炬燵に入りながらぬくぬくと過ごすのみである。
「今年ももうわずかねぇ」
「早いもんだな」
「お疲れ様、提督。って早かったかな?」
「そういう村雨も、お疲れ」
軽い会話をしつつ頭を下げる2人。既にケッコンカッコカリ済みということもあり、遠目で見ると熟年夫婦のようでもある。
「はい、みかん」
「ん」
村雨が剥いたみかんを提督に食べさせる。元々世話焼きな村雨は、提督と二人きりの時にも気を利かせるのだ。
提督も艦隊を前にすれば凛々しく指揮をする上官の顔を見せるのだが、村雨には気を許しているようでつい甘えがちになってしまう。
「村雨が剥いてくれたみかんは美味しいなぁ」
「たまには自分で剥いたら?」
「自分で剥いたら村雨が食べさせてくれないだろ」
「そんなこと言ってると、次から剥いてあげないよ?」
勿論、そんなつもりはないが。
村雨は悪戯っぽく笑いながら自分もみかんを頬張る。そこで、村雨はあることに気付いた。
「提督、もう一個いる?」
「ああ」
結局食べさせてくれるのか、と提督は快く頷く。すると、村雨は人差し指で自身の唇をなぞった後でみかんの一欠片を差し出してきた。
「……村雨、今のは?」
「うふふっ、か・ん・せ・つ・キ・ス♪」
このままみかんを食べれば、提督の唇は村雨の人差し指に触れる。それが間接的にキスをしたと言いたいらしい。
村雨はこういった扇情的な仕草を時折してくる。ケッコン前の提督はこの誘惑に耐えるのがとてもとても辛かったとか。
「じゃ、遠慮なく」
しかし、今はケッコン済みで二人きり。願ったり叶ったりの提督はみかんを指ごと咥えると、舌で細い人差し指を舐め回した。
流石にそこまでは予想してなかった村雨は慌てて手を引っ込める。
「ちょっ、そこまでする!?」
「なんだ、嫌だったか?」
「嫌……じゃないけど……」
提督の反撃に村雨は顔を真っ赤にして右手を抱えた。
◇◆◇
それからも二人はゆったりとした時間を共に過ごしていた。きっと、某国の戦艦が見れば「規律が緩んでいる!」と怒るくらいには。
「あ、提督。脚延ばさないでよ」
そろそろ足が痺れて来たのか、提督が組んでいた足を延ばすと村雨の足と当たってしまう。が、文句を言う村雨の足も提督側へ延ばされていた。
「痺れて来たのか?」
「ちょっとね」
少しだらけ過ぎたか、と提督は丸まっていた背を起こす。
すると、村雨の足がじゃれるように当たってきた。
「えいえい」
「子供か」
先程の仕返しのつもりか、村雨は炬燵に体を潜らせてちょんちょんと膝を突いてくる。その様子は普段のお姉さんらしく落ち着いた彼女と正反対で、可愛らしい子供のようだった。
が、突かれた箇所から痺れが襲ってくるのは提督としても勘弁してほしいところではあった。
「あっ」
「捕まえた。さて、行儀の悪い足はこれか?」
提督は小突いてくる足を手で捕まえ、意地の悪い笑顔を浮かべる。攻守逆転し、村雨は慌てて身を引っ込めようとするが既に遅かった。
「あはははははっ!? やめ、やめてって! きゃひぃっ!?」
提督の報復は、左足の裏を容赦なくくすぐることだった。ストッキングの上からくすぐり攻撃に、村雨は身をよじらせて笑うしかない。
空いている右足でガシガシ蹴られても、提督の指は止まらず。
「も、もう、ダメっ! ギブアップ!」
遂に村雨がギブアップをすることに。提督としてはもうちょっと綺麗な脚をくすぐって村雨の反応を見ていたかったのだが、これ以上はマズいと思ったようで大人しく解放した。
涙が出る程笑っていた村雨の顔はすっかり紅潮しており、息も荒くなっている。身体が炬燵の中にあるので、状況を知らない人が見たら性的な勘違いをされそうではあった。
これでじゃれ合いも終わりだと思った提督だが、村雨の身体は引っ込まなかった。代わりに、右足がもぞもぞと動いている。
「隙あり♪」
村雨に見惚れて隙が出来ていた提督の股座に村雨の右足が入る。思い切り蹴ったわけではないので痛みはなかったが、柔らかい足がズボン越しに逸物を捕えていた。
「んん? 提督、これは何ですかー?」
「いや、これは……っ!」
再びペースを握った村雨はわざとらしく聞きながら、器用にも足でそそり立った肉棒を上下に扱き始めた。
カッコカリとはいえケッコンした二人は、そういう行為も既に経験済みだ。しかし、足コキ自体は双方とも初めてのことだった。
「ふふっ、急に大人しくなっちゃって。ズボン脱いだ方がいいんじゃない?」
そういう村雨だが、足の動きは止まる気配がない。グリグリと先端を踏まれる刺激が快楽として脳髄に行き渡る。
流石にズボンを汚す訳にもいかず、提督は責め苦を受けながらズボンのチャックを空ける。
「提督可愛い♪」
実物は炬燵の中なので見えないが、立派に起った竿がストッキング越しに触れているのが村雨には分かった。
そう、これは炬燵の中での出来事。外からは決して見えないことなので余計に提督が苦悶の表情を浮かべているのがおかしく、同時に村雨の嗜虐心をくすぐった。
「む、村雨。この辺でやめ……っ!」
「ダーメ。提督だってさっきはやめてくれなかったでしょ」
器用に指で亀頭を責めると、村雨はストッキングが段々湿っているのに気付いた。外側から濡れているので汗ではない。
「イっちゃいそう? 炬燵の中で、踏まれてイきたい?」
「お前……あとで覚えとけよ……」
「我慢してないで、イっていいんだよ?」
蠱惑的に笑う村雨と対照的に頑なに堪える提督。が、とうとう耐え切れず小さく体を震わせる。
炬燵布団の中で出してしまい、村雨の黒いストッキングを白く汚していた。因みに、炬燵の電源は既に切っているので漏電の心配はない。
「イっちゃったね」
「……ああ。そうだなっ!」
「え、きゃっ!?」
勝ち誇った顔をしていた村雨はすっかり油断していた。そのため、またもや足を引っ込めることを忘れてしまっていたのだ。
両足首を捕まれた時には既に遅く、再び村雨は炬燵のなかに引きずり込まれる。
「覚えとけと、言ったよな?」
「提督? 何を……きゃん!?」
何をするの、と聞く途中で村雨が小さく悲鳴を上げる。
理由は単純明快。先程まで提督にしていたことをそっくりそのまま仕返しされていたからだった。
提督のソックスに村雨のショーツとストッキング越しではあったが、所謂"電気あんま"は効果覿面のようだ。
「ちょっ、どこ触ってひゃああああああっ!?」
「やられたらやり返すのが主義でね」
グリグリと、しかし強すぎず振動する足は村雨に強烈な刺激を与える。さっきのくすぐり攻撃の所為もあり、村雨の感度は高まっていた。
すぐに秘部は淫らに濡れそぼち、彼女の下着を通じて提督の靴下も湿らせていく。
形勢逆転された村雨にはさっきまでの余裕はなく、口をへの字に曲げて性感に悶えさせられる。
「もう濡れてきたな。村雨は責められる方が好きなんじゃないか?」
「そんなこと、ないいいいぃぃぃぃっ!?」
「俺の足の裏までもうビショビショだぞ」
視覚ではやはり何が起きているのか見えないが、村雨の艶美な反応だけで十分妄想の余地があると提督は考えていた。
小さな刺激を与えつつ、下着の上からでも分かる程膨らんだ肉芽を踏むと、村雨はビクビクと身をよがらせる。
「だ、ダメ! もう、出ちゃ……!」
イヤイヤと首を横に振る村雨だが、提督は足の振動を止めない。それどころか水音が炬燵の中から聞こえる程激しく動かし、ラストスパートをかけてきた。
「あ、ダメ、や、ああああああああっ!? イクッ! イッてるからぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
遂に限界を迎え、村雨は背を仰け反らせながら達した。それでもなお秘部から与えられる性感により、絶頂し続けてしまう。
刺激に耐え切れなくなり、弛緩した局部からはチョロチョロと失禁までしてしまっている。
「……しまった、やりすぎたか」
仰向けに寝転んで動かない村雨と足の裏を通じる生暖かい液体に、提督は今更ながらふざけすぎたと反省した。
「はぁ、はぁ、提督……?」
「いや、すまない。流石にふざけが――」
少しして起き上った村雨にすぐさま謝る提督。
しかし、頬を紅潮させたままの村雨はこたつから出て提督の傍に寄る。そして、そのままキスをすると同時に体を押し倒した。
どうやら、今の悪戯ですっかり発情しきってしまったようだ。
「ここまでやったからには、最後まで。ね?」
「……望むところだ」
どうせこの後も仕事はないのだ。
提督は自分にそう言い聞かせ、晩秋の夜を村雨と汗を搔くことにしたのだった。
後日、執務室で炬燵に入った夕立から変な臭いがすると言われ、提督と村雨が大慌てすることになるがそれはまた別の話。