超次元ゲイムネプテューヌZ-血と硝煙と鋼と荒唐無稽- 作:アメリカ兎
狭い浴室に三人。一人用のシャワーに、一人用の浴槽。どう見積もっても二人が限度だ。小柄なネプギアはともかく、変身しているプルルートことアイリスハートと成人男性のエヌラスではそれだけで狭い。脱衣場も狭い。本当に「とりあえずつけるだけつけました」という最低限の配慮が見え隠れしている。
「ふんふんふ~ん♪」
鼻歌混じりにそれはもう楽しそうにシャワーを浴びながらアイリスハートがスポンジを泡立ててエヌラスの背中を洗い始めた。
「……あの、プルルートさん」
「あら、どうかしたの、ぎあちゃん」
「どうしてわたしが、そのぉ……エヌラスさんの前を洗うことに?」
「ただの役割分担よぉ。それが?」
「……いえ、なんでもありません」
「ほら、ぎあちゃん。手が止まってるわよ」
「あ、はい!」
すっかりこの場の主導権をアイリスハートに握られたまま、ネプギアはぎこちない手つきでエヌラスの身体にスポンジをあてがう。
「ネプギア。気持ちは分かるが……」
「はい?」
「頼むから俺の股間を凝視するな……」
「ご、ごめんなさい」
「あらぁ、ぎあちゃんったら。そぉんなにコレが欲しいの?」
後ろから伸びたアイリスハートの手が、エヌラスの男根をしごき始める。思わず見てしまうネプギアは手が止まり、顔を真っ赤にしていた。ゴクリと固唾を飲み込み、吐息を漏らす。
「どうなのかしらぁホラホラ」
「それで犠牲になってるのは俺だってわかれよぉぉぉ……!」
背中に柔らかい感触が二つ。付け加えて、耳たぶに熱い吐息と舌遣い。
「正直に言わないとエヌラスはあたしがもらっちゃうわよ」
「俺の身体の所有権どうなってんだ!?」
「あるわけないじゃない。何言ってるのこの破壊神」
「人権無視とかどうなってんだこの女神」
指先が優しく亀頭を包み込み、撫でるように触る。その刺激に耐え切れずエヌラスが射精してネプギアの顔だけでなく白い肌を染めていく。ビクビクと震える股間にアイリスハートも背中を震わせていた。
「派手にイッちゃったみたいねぇあたしの手で。そぉんなに気持ちよかったのかしらぁ。三回目なのに随分と濃いの出るのね?」
「お前、出す度に……銀鍵守護器官が使用される俺の気持ちにもなれ……!」
膨大な魔力の盛大な無駄遣いである。身体の足りない部分を補填するという再生方式の為に、身体の一部である精巣も当然ながら復活する。自己再生を制御できればいいのだが、下手に手を加えて不具合が出ても困る為に放置していた。
「すごく、エッチな……匂いです」
ドロリと粘ついた精液を指ですくい上げて、ネプギアは匂いを嗅ぐ。
「あ、あの……エヌラス、さん」
「もうこの後の流れが分かる。好きにしろよもぉう!」
こうなればやけくそだ。
「じゃ、じゃあ遠慮無く。えいっ」
身体をピッタリとすり寄せて、ネプギアが抱きつく。小さな膨らみが胸に押し当てられて互いの鼓動が伝わり、妙な気恥ずかしさが湧き上がってきた。
「なに照れてるのよ、二人とも」
「だ、だってその……わたし、まだこういうの慣れなくて」
「ぎあちゃんはともかく、エヌラスはどうしたのよ」
「それとこれとでは話が違うんだよ」
「じゃあなに? あたしは変身前の方がいいって言うの?」
「もう少し優しさをくれ……」
「あたしの半分は優しさでできているわよ」
「どの口が言うんだよ!?」
「この口よ」
ちらりと舌を覗かせる色気のある唇に思わず目を背ける。目の前には目を潤ませるネプギアの顔があった。
右腕は動かない。左腕を腰に回して軽く抱き寄せると、ネプギアは腰を落として挿入する。
「んっ……エヌラスさんの、おっきいです……熱くて、硬くってぇ……」
「エロいこと言うな……ネプギアの中だって、きゅうきゅう締め付けてきてるぞ」
「だ、だって、気持ちいいんです……あ、これ奥まできちゃう」
「……やぁねぇ二人揃って、あたしを置いてけぼりなんて」
標的をエヌラスからネプギアに変えたのか、アイリスハートはするりと背後に回ると両手を取って広げさせる。
「ひゃ、これじゃ全部見え……!?」
「いいじゃなぁい、見てもらえばぁ。ぎあちゃんの、えっちなところぜぇんぶ」
「やっ、ひぅ!」
「ほぉらえっちなところはねぷちゃんに負けず劣らずなんだからぁ」
突き上げられて感じているネプギアの羞恥に染まる顔にそそられたのか、アイリスハートが唇を塞ぐとエヌラスも動く左手を乳房に寄せた。撫でるように優しく触りながらも、先端を摘む。
「んっぷぁ、これじゃ……わたし、だめになっちゃいますぅ」
「いいのよぉ、ぎあちゃん。だめになっちゃっても」
「いっ、あふ、イッちゃ! エヌラスさん、わたし」
「姉妹揃ってホントえろいんだからぁ。ほら、エヌラス。ぎあちゃんの中にたぁっぷり濃いの出してあげなさい?」
アイリスハートに言い終わるやいなや、エヌラスはネプギアの中で果てた。注ぎ込まれる熱い感触に身体をよがらせるネプギアは腰を抜かしたようにトロけた表情で脱力する。
「ハァ、はぁ……このままだと、エヌラスさんじゃないとだめになっちゃう……」
『…………』
アイリスハートとエヌラスが顔を見合わせた。
『エロい』
「も、もぉ~! 誰のせいだと思ってるんですかぁ……!」
浴室から三人が出ると、ノワールがあたかも今さっき起きましたと言わんばかりに身体を伸ばしている。
「あ、あらおはようエヌラス。身体はどう?」
「右腕以外は動けるくらいにまで快復したが、さすがに腹減ったな」
「へ、へー、そうなのね」
「えへへぇ、おはよ~ノワールちゃん」
「おはようございます……」
微妙に気まずい空気が流れる中、もそりとネプテューヌが毛布にくるまっていた。
「あはぁー、エヌラスのすけべぇ……そこはプリンじゃないよぉ……むにゃ」
「二、三発ぶん殴って起こしたほうがいいのかコイツは」
「なんで左手に魔力充填してるのよ!? 全然元気じゃないアナタ!?」
「大丈夫だろ、女神だし」
「なにその根拠の無い自信は!?」
「仕方ねぇ、普通に起こせばいいんだろ」
軽く揺さぶると、寝ぼけているのかむにゃむにゃと寝言を言っている。エヌラスがシーツの裾を掴み、深呼吸。
「起きろってんだろうがねぷりん!」
「ねぴゃー!?」
くるまっていたネプテューヌが一回転、半……ビタァン! 床に落下した。
「イッタァ~イ!? なに、なにごと!? 寝ぼけて天地魔闘でもされたのわたし!? ラスボス級のカウンター!?」
「目覚ましよりうるせぇなコイツ……」
「えぇ、起きるなりなんで罵倒されてるのわたしぃ……あ、おはようエヌラス。元気そうで何よりだよー!」
「お前もな。とりあえず飯にしよう。全員起きたことだしな」
エヌラスの言う通りに食事の用意をするノワールだが、あくまでも簡易的な宿の為備え付けの食料と言えば保存の利く缶詰や携帯食料ぐらいしか出てこない。
左手と口で器用に封を開けてエヌラスは携帯食料を食べる。栄養素をこれでもかと凝縮したお菓子のようだが、一袋に詰め込まれたカロリーたるや女性の天敵である。『一日一袋を目安に摂取してください』と小さく注意書きがされているがなんのその。エヌラスは二袋目を開けていた。
とはいえ、長持ちさせる為に真空密閉された袋に入れられている。乾燥した携帯食料を食べるには水も必須だ。ペットボトルの蓋を開けようとするが、横からノワールが取り上げて開けるなり渡してくる。
「はい」
「ありがとな」
「エヌラス、缶詰はいいの? 開けてあげるわよ?」
「あー、じゃあ……そうだな。そっちの開けてくれるか」
「これ? んっ……! あ、あれ、固いわね……? この……っ!」
ノワールが桃の缶詰を開けようとするが、中々開けられない。
「いや、無理しなくてもいいぞ?」
「アクセス! ふんっ!」
パキィン! ねじ切られる缶詰の哀れな姿。
「はい、開いたわよ。どうかしら」
「まさか素手で缶詰開ける女神を拝むことになるとは思っちゃいなかった……」
「仕方ないじゃない。缶切りなかったんだもの」
「これぇ~?」
「ちょっと!? 持ってたなら貸してよぉ!」
ちなみに――ノワールが持っていた缶詰の底側。実はプルタブが付いており、本来ならばそこから開けられた模様。逆さまに置かれているのは賞味期限がひと目で確認出来るからである。
なお、それにノワール達が気づいたのは食後のことであった。