※この作品はR-18です。

超次元ゲイムネプテューヌZ-血と硝煙と鋼と荒唐無稽-   作:アメリカ兎

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エピソード39 シリアルよりも食生活は健全に

 

 

「人様の土地で好き勝手暴れても迷惑だろうしな。だから今、どうすればアイツを殺せるか考えてる」

「ふむ……あの邪神か」

「そんなに危険な相手なんですか?」

「まず、コッチの武器を奪う。そうでなくても周りにあるものは全部自分の得物にしちまう。そこらの廃材だろうがなんだろうがな」

 そうなると、戦う場所は何も無い場所が望まれる。山奥では木々をなぎ倒して、丸太を持つ可能性がある。そうなると、海辺が最も好ましい。人的被害を極力出さない為には、海上が一番適している。

 

「それって、わたしが女神化しても?」

「シェアエナジーとかアンチエナジーとか、そういう領分からぶっ飛んでんだよあの邪神」

「じゃあエヌラスが戦っていた仮面の邪神は?」

「…………分からん」

 あれは果たして、一体何者なのだろう。本当に邪神だったのか? ――否。邪神の一柱に間違いない。だがそれにしたってあまりにも規格外すぎる。

 

「他の邪神の眷属――ないし、邪神を呼び寄せる原因になってるのは間違いなく仮面の邪神だ」

「あの真っ黒で、のっぺらぼうの仮面を付けた邪神だよね。わたしとノワールが勝てなかったんだから相当ヤバイやつに違いないって」

「とにかく今は“終わらぬ怨嗟の声(ロード・オブ・インフィニティ)”だ。セロンが言うには、終わらない路を恨み憎む怨恨が形となった神らしい」

 次元神セロンこそが元凶ではあるが、そもそもそれを閉じればいい話だ。しかし、一つの誤算がある。何者かが、開け放たれた門を閉じれなくしている。それでも半分が限度らしく、時折セロンは助言を与えてくれていた。

 

「果てなき旅路、か……永遠と続く道を歩むうちに絶望したのであろう。終わりなき戦いほど疲れるものもあるまい」

「……アーサーの言うとおりだな」

 それに賛同するエヌラスの表情は、やはり陰が落ちている。

 

「だから、此処で終わりにさせないとな。これ以上、あの野郎を生かしとく理由がねぇ」

「もー、エヌラスはそうやってまたシリアス方面に話を持って行くんだから!」

「え?」

「此処をどこだと思ってるのさ。プラネテューヌだよ! わたしの国なんだからそういう重い話は禁止なんだから!」

「あ、いや、そうは言われてもな……」

「悩んだってどうしようもないんだから、一緒にゲームしようよ! わたしが勝ったらエヌラスのプリンパフェもらうからねー!」

 有無を言わさない女神発言と共に、エヌラスにコントローラを手渡す。

 

「……まったく、お前ってやつは本当にバカだな」

「んもー、またバカって言った! バカって言った人がバカなんだからねバカー!」

「なんだとこのバカ野郎」

「またバカって言った! バーカバーカ! エヌラスのバカー!」

「いや、というか……俺、ゲームやったことねぇぞ。コントローラ渡されても困るんだが」

 ゲームに関してはまるっきり初心者だ。それにネプテューヌが信じられないという顔をしている。

 

「ねぷっ!? い、今時ゲームもやったことがないなんて……!」

「あれ? インタースカイでゲームとかしないんですか?」

「俺がやるのは専らテーブルトークロールプレイングゲームだったしな」

「あ、TRPGってやつですね。サイコロとかでやる」

「だから、ゲーム機に触るっていうのは……多分今日が初めてだ」

「じゃあわたしがエヌラスの初めて奪ったげるよー!」

「誤解しか招かない発言自重しろ」

 対戦格闘ゲーム。三本先取。

 

「ふふーん、ハンデもあげるよ」

「せめて説明書読ませろ……」

「あ、はい。こちらです」

「ああ、サンキュー。ネプギア」

「ほほう……面白そうだな! チーカマもやらんか?」

「えっ、わたしも? 別にいいけど」

 ワイワイと集まって画面を見つめる。

 

「わたしはエヌラスにハンデとして超必殺技は使わない宣言するよー! 勝ったらプリンだからね」

「じゃあ俺が勝ったらお前のプリンな」

「……意味深」

「いや、ちげぇ! そういう意味で言ったわけじゃねぇぞ!?」

「変態。ロリコン。スケベ」

「チータラ、俺はロリコンじゃねぇ」

「チーカマだってば!」

 軽く操作説明を受けて、それにアーサーは興味深そうに頷いていた。チーカマも少し興味が惹かれたのか一緒に説明書を読んでいる。

 

「ほほう、興味深いな」

「じゃあエヌラス。プリンを賭けてわたしと勝負だ!」

「へいへい」

 ネプテューヌは手堅く主人公キャラ。それに引き換え、初心者同然のエヌラスはピーキーな性能のキャラを選んだ。

 

「攻めるねーエヌラス。だけどゲームをやりこんでいるわたしにとってはカモが鍋背負ってるのと一緒だよー!」

「ネギどこにいった」

 

 

 

「…………」

 ネプテューヌがガックリと床に倒れている。ゲーム画面には『LOSE』の文字がデカデカと表示されている。エヌラスはと言うと、感慨深そうにコントローラを見ていた。

 

「……面白いな、このゲーム」

「えと、エヌラスさん。本当に初心者なんですよね……?」

「ゲームに関しては」

 多少なりとも、その判定に詐欺があって最初こそ苦戦したものの。

 エヌラスはほぼジャストガードとカウンター、パリングを駆使してネプテューヌの攻撃を凌ぎ、確実に反撃していた。攻め手が弱まると、それを機に簡単なコンボで確実に体力を削り、結果としてエヌラスが勝利。

 

「コマンド入力は難しいが、案外どうにかなるもんだな」

「もしかしてとは思いますけど……」

「ああ。ドットと発生フレーム見てから避けた」

「そんな人間チートみたいなことしないでください!」

「いや、だって負けたらプリン……」

 視覚強化と反射神経を魔術で補強してゲームをやるという魔力の無駄遣い。

 子供のような言い訳を言いながら、床に突っ伏して動かないネプテューヌの様子を見ると目が死んでいた。

 

「プリン……わたしの、プリンがぁ~~……」

 ハンデ付きとはいえ初心者に敗北&プリン争奪戦による精神的ダメージが大きいらしい。

 

「えーっと、ごめんなネプテューヌ。でもこれ、勝負だから」

「真剣勝負だよぉ! わたしにとってプリンは生命線なんだから! うわぁーん!!」

「泣くなよ……」

「エヌラス初めてなのにうますぎだよぉ……」

「やめろよそういう不埒な発言で俺を社会的に責めてくるの!」

「あんなに差し込みされたら勝てないもん!」

「だからやめろください頼むから! あーもう、しょうがねぇな」

 ヒョイとネプテューヌの身体を持ち上げて、エヌラスはユウコから勝者の景品であるプリンパフェを受け取る。膝にネプテューヌを座らせて、抱き抱えながらプリンを掬って顔の前に持ってきた。

 

「ほら。あーん」

「あ~ん……もぐ。もぐもぐ……うぅ~、やっぱり美味しいなぁプリン!」

「俺も食うんだからあんまり食うなよ」

「ねぇねぇエヌラス、もう一口だけ!」

「はいはい」

 エヌラスに背中を預けて寄りかかりながらプリンを食べるネプテューヌはとても幸せそうに笑う。

 

「やれやれ、あれじゃまるでネプテューヌはエヌラスの妹みたいではないか。しかしうらやまけしからん……少女を抱き抱えながらデザートとは、負けず劣らず甘い光景だ。ならばチーカマよ! 我らの仲の良さを見せつけてやろうではないか」

「しないわよ」

「うぅ~……そう言わずに」

「しないってば! そんな顔してもダメだからね!」

「しょんぼり……」

「そんなにしてほしかったら後でネプテューヌと場所を変わってもらったら?」

「なるほど、その手があったか!」

「えっ!? それでいいのアーサー!?」

「うむ! わたしはある重大な事に気づいたのだ。エヌラスにとっては王のUTSUWAもアーサーも国王も関係がない、対等なのだと。つまり、あの者にとってわたしはただの美少女だ。この機会を逃す手はあるまい!」

「うわぁ。なんか振りきれた発言してる……」

 しかもさりげなく美少女宣言している。

 

「ねぷっ、ミリアサちゃんがわたしの特等席狙っちゃってる!? そうはいくかー! 刮目せよ!」

「おいぃ、シェアの無駄遣いぃ!」

「――変身完了。女神パープルハート、ここに見参! ミリアサちゃんでも此処は譲れないわ」

「なんと!?」

「どうしてもというのなら、奪ってみせるのね」

「良いだろう。このミリオンアーサー、負けはせん! 征くぞ!」

 ポチ。ウィーン。

 そして仲良く並んでゲームをやり始める二人の背中を、エヌラスはただ眺めていた。

 

「……なんだろうな、このテンション。俺はつい最近出会った気がする」

 思い出そうとしても思い出せない連中が引っ掛かる。はて、あいつらは一体何者だったのだろうか?

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