※この作品はR-18です。

超次元ゲイムネプテューヌZ-血と硝煙と鋼と荒唐無稽-   作:アメリカ兎

210 / 814
エピソード41 爆裂最強コンビ誕生カウントダウン

 

 翌日。早朝よりユウコはエヌラスと共にアダルトゲイムギョウ界へと戻った。だがその前にしっかりと朝食と全員分のお弁当を用意していく余裕を見せたのはさすが最強のおかんである。イストワールも別次元の自分と連絡を入れて、ネプテューヌに言われて向こうのプラネテューヌの女神――プルルートへも連絡すると、こちらのゲイムギョウ界に来るそうだ。

 

「ふむ。ユウコとエヌラスは別次元の者だったのか」

 それは初耳だったのか、アーサーは頷いている。

 

「アダルトゲイムギョウ界という世界の神様候補生、とでも言えばいいんでしょうか。わたし達でいうところの守護女神が神格者で、それがユウコさんなんです」

「ならば、エヌラスの旧神というのは何なのだ? 人類の守護者、と名乗っていたが」

「えっと……世界を守る神様ですね」

「なるほど。一国一城の主のみならず、世界一つを牛耳る者なのだな。益々面白い! 文字通り我々とは次元が違うわけだ」

「の割には、威厳もクソもないみたいだけどね」

 その指摘は尤もで、ネプギアもネプテューヌも苦笑していた。

 

「うぅ~、ゲームとプリンの為とはいえこう毎日女神のお仕事するのはつらいよぉ~」

「お姉ちゃん、そう言わずに頑張ろ? ね?」

「うむ、ネプギアの言うとおりだ。いずれ慣れる」

「そうは言われてもわたしはいつになっても慣れないなー……はぁ」

 ネプテューヌのテンションが低いのは仕方がない。仕事となるとやる気こそないがしっかりとやることはやるのがネプテューヌ。それに、いざというときはどうにかなってしまう性分だ。

 

「エヌラスはユウコと一緒にアダルトゲイムギョウ界に行っちゃったし」

「でもすぐに戻ってくるって言ってました」

 エヌラスの為に頑張っているとはいえ、当の本人がいないのではやる気も出ないというのがネプテューヌの本音。だが、商業国家ユノスダスの経営はユウコ本人が教会にいなければどう転がるか分からない。何しろ国内でも悪徳業者がのさばり、それを取り締まるのも一苦労だ。そういう時に便利なのが、エヌラスである。犯罪国家、九龍アマルガムで生活していた時期が長いだけにそういった相手をするのは十八番だ。

 ネプテューヌ、ネプギア、アーサーとチーカマの四人はギルドでクエストをいくつか適当に受けて今日の仕事を開始する。

 

 エヌラスが教会に帰ってきたのは、それから二日後のことだった――。

 

「嘘つきーーーー!!!!」

「お、おおう!? 帰ってきて早々に嘘つき呼ばわり!?」

「だってすぐに帰ってくるって言ってたじゃん!」

「そりゃそうだが、俺も色々あったんだよ!」

「もしかして、また邪神の被害ですか?」

「いや、他の奴らに捕まった」

 というと――脳裏に浮かぶのはアルシュベイトやバルド・ギアといった面々。積もる話もあったのだろう。エヌラスは邪神と戦い続けてこの数年間、向こうの世界に顔どころか連絡ひとつ取る暇さえなかったのだから。ふてくされるネプテューヌの頭を撫でながらエヌラスは申し訳無さそうに荷物を下ろす。バッグひとつだけの軽い支度にイストワールが首を傾げた。

 

「エヌラスさん。それは?」

「ああ。ユウコが渡してくれた着替えとか、その他諸々」

「……本当に世話好きなんですね」

「お節介だっての、まったく。俺はいらねぇって言ったのによ」

「ぶぅー……」

「いい加減機嫌直せよネプテューヌ」

「じゃあキスしてくれたら考えてあげてもいいかなー」

「お前……」

 笑顔でそわそわしながら今か今かと待ち構えるネプテューヌに、エヌラスは仕方なく頬にキスをする。軽く唇を添えるフレンチ・キスだったが、それで満足して頬を赤らめた。

 

「んもぉ、エヌラスったら甘えん坊なんだからぁ」

「……イラッ。調子乗るのもそこまでにしとけよこの野郎! おらー!」

「きゃー! くすぐりはやめてぇぇ!? あはははははは!!!」

 エヌラスのくすぐり攻撃の前に、ネプテューヌが撃沈する。涙目で胸を上下させながらソファーに倒れていた。

 

「はぁー、はぁー……笑い死んじゃうかと思った……」

「えと。おかえりなさい、エヌラスさん」

「ただいま。アーサーとチーカマは?」

「プラネテューヌをゆっくり散策したいと言って出かけちゃいました」

「そうか。イストワール」

「はい、なんでしょうか?」

「俺の知り合いに、次元回線を繋げられるやたら頭いいメガネがいるんだが」

「メ、メガネ……」

「そいつが言うには、こっちで許可さえ取れればゲートを用意してもいいって話なんだがどうする?」

「それはつまり……アダルトゲイムギョウ界とゲイムギョウ界を自由に行き来できるようになる、ということでしょうか?」

「かいつまんで言えばそうなるな」

 なるほど、とイストワールが考えこむ。

 

「悪用されるような事がなければいいのですが」

「それに関しては問題ない。人数制限を設けて、一度に一人までって決まってる。まぁ俺が次元渡航すればユウコくらいはすぐに連れてこれるんだけどな」

 しかしそれで毎回向こうとこちらを行き来するのは面倒、という理由からだ。だが異なる次元同士を繋ぐゲートを展開するという言葉に不安がよぎる。

 

「えと。もしかして次元連結装置ですか……?」

「いや、違う。“今回”はちゃんとバルド・ギアが設計したワープホールだ。こっちで場所さえ確保できればインタースカイから転送される」

「あ、そうなんですね」

「よかったぁ。また前回みたいに次元衝突装置なんてトンデモビックリ開発かと思ったよ」

「そんな頭のネジ吹っ飛んだの設計できるの大魔導師ぐれぇだよ」

 イストワールがまだ考え込んでいた。

 

「…………分かりました。ですが、現状では信ぴょう性が薄いのでユウコさんの利用に限らせていただいてもよろしいでしょうか?」

「賢明だな。というか、向こうも元々そのつもりだったらしい。何しろ、邪神の脅威は健在だ」

 だが、それでもエヌラスがゲイムギョウ界に居座っているのは単純にワガママだ。再会出来た相手と一緒にいたい、ただそれだけである。とはいえ、ここ最近はプラネテューヌに入り浸っていてノワール達とは疎遠だが。そろそろ文句の一つ飛んできてもおかしくない。

 アダルトゲイムギョウ界にはエヌラスに負けず劣らずの実力者が揃っている。むしろあちら側の方が過剰防衛と言わんばかりに。

 

「あ、そういえば。エヌラス」

「なんだ?」

「えっとね。ぷるるんも今日こっちに来るらしいよ?」

「…………ぷるるん」

「うん! ぷるるん!」

「……――プル、ルート? だよな」

「そうだよ?」

「マジで言ってんのか」

「エヌラスさん、口元緩んでますよ」

「へ?」

 ネプギアに言われて、自分の口元を手で隠す。それに何故か気恥ずかしさが押し寄せてきてエヌラスの顔が少し赤みを帯びた。それを誤魔化すようにイストワールに向き直り、エヌラスはD-Phoneを取り出すと向こうと連絡を取り始める。

 

「と、とにかく。ゲートの許可は降りたってことでいいんだよな?」

「あくまでも仮決定ですけれど」

「でもセロンの方はいいの?」

「まぁ、俺も一応アイツに聞いてみたが」

 

 ――次元神セロン曰く『今更いいのではないか? 門は半開きでガバガバだからな』と、以前に増して人間臭く笑いながら言っていた。もしかして本人もどうしようもなくて匙を投げているんじゃないかと疑ってしまう。

 

「あぁ、もしもし? なんだよ二日酔い? 味噌汁でも飲んでろ、あとブドウ糖。え、なに? 今飲んでるって? そうか。こっちで一応許可は降りたぞ。ユウコは――ああ、もう準備してんのか」

「電話の相手ってバルド・ギアだよね」

「だと思うけど」

 それにしても、楽しそうに話している。本当だったらこんな風に仲の良い友人同士だったのだろうとネプギアは思い、ふと前世の記憶を思い出す。それが、互いに銃と剣を突きつけて殺し合う世界だった事に胸が痛くなった。

 

「んじゃ、こっちでも適当に人目につかない場所に転送してくれよ。あまり大事にしたくない。は? 教会? 俺の携帯のGPS同期!? ふざけんなよメガネザル! ちょ、おいこら待て! 起動したって、テンメェ帰ったら覚悟しと――うごぉえぁ!?」

 電話の最中、エヌラスの頭上で妙な穴が開いたと思った次の瞬間にはユウコがバッグを持って落ちてくる。エヌラスは身構える暇もなくその下敷きにされた。そして何事もなかったかのようにゲートが閉じられる。

 

「イタタ……」

「……あのメガネ。帰ったら割ってやる」

 ユウコのお尻に潰されながらエヌラスが恨み言を呟いていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。