超次元ゲイムネプテューヌZ-血と硝煙と鋼と荒唐無稽- 作:アメリカ兎
――アイエフは自分の身体に触れるエヌラスの顔を見つめていた。何が面白いのか。自分の、言っては何だが肉付きの少ない身体。弄りようも遊びようにも持て余すような体に、指先をほんの僅かに触れてなそっていく。それだけでゾワゾワと背中を這い上がる刺激に疼いてしまう。
(そん、な触り方……やらしいじゃない……)
口を手で押さえている反応を見て、エヌラスが意地の悪い笑みを浮かべていた。――この男は本当に性根が悪い。そう思いながらも、自分の知らない世界を教えてくれるエヌラスがどうしても嫌いにはなれない辺り、自分もネプ子同様に相当毒されている。不思議な人だ。変わっている。
守護女神を守ると言い張り、自分が手を出すのは守ると決めた相手だけ。そのくせ自分のことには限りなく無頓着で……「嗚呼、そうか」と気づいた。
自己犠牲精神の塊。人間としての最低基準すらかなぐり捨ててでも守りたい破滅的願望。気が狂っているとしか思えない程の動力源。そんな人に自分は今、抱かれている。
胸に触れて乳首を弄り、もう一方を舌先で転がす。それがくすぐったくて思わず声が漏れた。
「ん、ぅ……!」
「……意外と、アイエフって胸弱いのか」
「知らないわよ、そんなの……」
ひとりでしたこともない。そりゃコンパと一緒に寝たりするとそういう気分になったりもするけれど……そこまで至った事はなかった。意外と言われて思うのはこっちのセリフだ。そう言われてしまうと意識してしまう。
胸の先端に熱く濡れた感触、吐息を漏らしながら吸いつく姿が何故かおかしくてつい頬が綻ぶ。母性本能とはこういうことを言うのだろうか。
「もう、ミルクは出ないわよ?」
「別に欲しい訳じゃない」
「ならそんなに胸をイジらなくてもいいじゃない」
思わず声が震えた。そう言われ、エヌラスの手がピタリと止んだ。
「そう言われると、こっちの方になるんだけどな」
「ぴゃ……!?」
まさぐられるのは、股下。割れ目に沿った指先の感覚に思わず足を閉じてしまう。だが、そんな事はおかまいなしにエヌラスの指先は擦りつけてくる。疼く股間の熱さを知ってか知らずか、入り口を入念に擦る手先が憎らしい。誘ったのは確かに自分だけれども、いざこうしてアドバンテージを握られるとどう切り返せばいいのか分からない。――そんなアイエフの反応を見ていたエヌラスは、頬に軽いキスをした。
ケモミミがあろうとなかろうと、こんなにもかわいらしい反応を見せてくれるアイエフが可愛くないはずがない。
「かわいいな」
「バカぁ……!」
「かわいいぞ?」
「う……」
「アイエフはかわいいなぁ」
「わかっ、たからぁ……!」
耳元で何度も囁く。顔を真っ赤にして震える姿が愛くるしくて、ついついイジメてしまう。
「アイエフのもっとかわいいところ見せてくれないか」
「…………嫌って、言ったら?」
「恥ずかしいことになるな」
どんな風に? と視線で訴えかけてくるので、実行する。両方の足を持ち上げてそのまま押し倒す――いわゆる“まんぐり返し”という格好にすると両手で口元を押さえていた。露わになって隠すことも出来ない秘部を眺めていると、求めているかのようにひくついている。膣口を舌先で刺激すると、中が濡れてきているのか愛液が溢れてきた。そのまま割れ目に隠れているクリを突くと、アイエフが声を押し殺して悶えている。
「~~!」
「もっと恥ずかしいことになるが、いいのか?」
「や、だぁ……! イジワル、しないで……!」
そう言われるとますます苛めたくなる。加虐心をそそると知らないのだろうか、それとも分かっていてそんな風に言うのか。エヌラスは指先を濡らして、アイエフの秘部へ挿入する。音を立てて中に侵入する指先が窮屈そうに締め付けられた。まだ中は受け入れる準備が整っていないようなので、じっくりと時間を掛けて指先でほぐしていく。
その間も切なそうに見つめてくるアイエフの唇を塞ぐと、首に手を回して頭を抱き寄せた。上も下も水音を立てて力が抜けていく様に、エヌラスが熱い吐息を漏らす。銀糸が二人の間を引いて、それを辿るようにもう一度だけ舌先を絡ませた。そうする間に、隆起したモノを取り出してアイエフの秘部に当てると見せるようにしてゆっくりと挿入する。
「ぁ、はいって――!」
「根本まで入れるからな……」
「ん……ぁ、ふぅ! んんっ……!」
時折、腰を引いて押し込むと離さまいとする肉ヒダの動きに腰を抜かしそうになる。何度味わっても飽きることのない快感にエヌラスは奥まで挿入した。足を掴んで、広げて見せる接合部にアイエフが呼吸を荒くしている。そこから視線を外すことが出来ないのか、見つめている視線が熱を帯びていた。
「ふ、ぁ! そんな、激しいの……!」
「激しい方が好きなんだろ、こうやってイジメられるのが好きなんだもんな。アイエフは」
「違っ……そんなんじゃ、ないのぉ」
「嘘言うな、こんなにしといて」
腰を打ちつけながら言葉を繰り返すとそれだけで熱い吐息がアイエフの口から漏れる。
「ひぅ! あふ! だって、こんなの……!」
「誰にも見られてないから大丈夫だ」
「ほん、と? だいじょうぶ?」
「ああ。ホントだ」
手を繋いで、指先を絡め合う。身体に力が入らないのか、それでも懸命に握り返してくる小さな手から伝わる温もりにエヌラスが笑うと、アイエフも快楽に負けて微笑んできた。腰を動かすエヌラスに合わせて自分からも腰を振り始める。一層激しく快楽を受け入れる姿にエヌラスが膣に射精を促されて中に出してしまった。
「ふぁ――!! ぁ、もう……出ちゃったの? もうちょっと我慢しなさいよぉ」
「そんな積極的に動かれたらこっちだって我慢できなくなるっての……!」
後始末をしてから、エヌラスは食器を持って立ち上がる。明日は早い。それにあまり長居してもネプテューヌ達に怒られる――といっても既に遅い気もするが。
「じゃあ、アイエフ。またな」
「ええ……それじゃ」
部屋を後にするエヌラスの姿を見送ってから、アイエフはベッドに一人で横たわる。――思い出すのは獣のように貪りあった坑道内の情事。自分でも信じられないくらいの淫猥さに思い出しても驚かされる。それ以上にエヌラスのタフさにもだが……。
(やだ。思い出したら、何だか……)
あんなに焦らされて、あんなに激しくされて――それで一度っきりで切り上げるなんて。卑怯だ、ズルい。アイエフの手は自然と自分の尻尾を抱き寄せていた。
リビングに戻ってきたエヌラスが見たのは、自分が着ていたであろう服の切れ端を縫い合わせているユウコとプルルートの二人。食器をキッチンに持って行くとイストワールがやってきた。
「エヌラスさん」
「ん? どうした、イストワール」
「先ほど、ユウコさんから聞きました。九龍アマルガムがどういった国であるのかを」
「ヒデェ国だろ」
「ええ。そんな場所にネプテューヌさん達を連れて行く気ですか?」
「いいや、俺一人で行く。あんな場所に女連れていけるわけないだろ」
食器を洗いながら、エヌラスは力加減を間違えないように慎重に泡立てたスポンジで汚れを落とす。
「それはそれで心配です。アイエフさんの件もありますし」
「なら、ユウコに任せとけ」
「ユウコさんに?」
「下手すりゃ、ありゃ俺より強いからな……」
「でも、普通の主婦の方ですよね?」
なんの笑い話だ。冗談にしても一周回って苦笑いしか出てこない。吸血鬼で商業国家ユノスダスの国王で、アダルトゲイムギョウ界の胃袋を握り締めたあのユウコが普通の主婦とは。
「イストワール」
「はい」
「普通の主婦って言うのはな。フライパンひとつでロボット殴り飛ばさない」
「当たり前じゃないですか」
それをやらかしているのだから普通というラインをとっくに越えているというのに。
「ま、とにかくだ。俺がいなくてもアイツがいれば大抵のことはどうにかなる。よほどのことでも起きない限りは」
特に、仮面の邪神が現れたりしない限りは大丈夫だ。全幅の信頼を置いてエヌラスはキッチンを後にした。リビングでは二人がそれぞれ出来上がった服を見せ合っている。
『出来たー』
「はえーなオイ」
「ふっふーん、私とプルちゃんでそれぞれベースとアウターに分けて縫ってたからね」
「エヌラス~。はい~」
「どれどれ……」
「足りない部分は持ってた生地で足したから、防御力は察して」
「期待してねぇよ、っと」
袖を通してみると、思ったよりも軽い。思い切って切り詰め、ノースリーブにしたようだ。その上に羽織るコートの生地を使用したアウターシャツは裏地は黒く、表が白。だがアクセントとして黒の十字ラインをいれてある。想像以上に着心地が良かった。
「すげぇ劇的ビフォー・アフター。つっても、なんかこう……どっかの魔導探偵も似たような格好してたな」
「あー、あのお前によく似た生活基準ガバガバな大学生?」
「うるへ」
今でも元気にしてると思うが。
「どうかなぁ~?」
「ああ。ありがとな、プルルート、すごく動きやすい」
「わぁ~い。ほめられちゃったぁ~!」
「おーいエヌラス。私も頑張ったんだけどなー」
「どーせお前のことだから、むこう戻るついでに何か用事でも頼むつもりの先払いだろ」
「アッハッハ。よく分かってんじゃんバーカ畜生めぇー!」
悔しそうにするユウコに呆れながらエヌラスは腰に手を当てた。どうせろくでもないことだろうに。
「で? 俺に何を頼むつもりなんだ」
「べまモン饅頭買ってきて」
「テメェ帰ったら覚えてろよ」
よりによってとんでもなく難易度の高いお使いを頼まれてしまった。