超次元ゲイムネプテューヌZ-血と硝煙と鋼と荒唐無稽- 作:アメリカ兎
次の日。
エヌラスが喫煙所でドラッグシガーを吹かしているとデンゲキコが駆け寄って来た。ちょうど聞きたいことがあったので探す手間が省けたというもの。しかし、喫煙中にはあまり来て欲しくなかった。なぜならこのタバコ、耐性が出来たエヌラスならまだしも、非喫煙者にはかなり刺激が強い。
「……あー、その、ですね」
「うん?」
モジモジと目を合わせようとせずに頬を赤らめている姿に、エヌラスは半ば確信のようなものを抱いて尋ねた。先手必勝。
「お前、昨夜覗いてただろ」
「ギクーー!? そそそそんなこたぁありませんよ!?」
うわぁ分かりやすい。短くなったドラッグシガーを灰皿に置いてデンゲキコと目を合わせる。
「い、一体いつから気づいてたんですか…」
「んー? 今日、というか、今」
「今!? どうしてわたしだと?」
「軽く聞いて回った結果、早い話が消去法」
ファミ通に聞いて、昨夜は先に部屋に戻ったと言っていた。昨晩の行動が不鮮明な者を探せば良い。結果、デンゲキコしかいなかった。というだけのこと。
「あ、あうあう。あわわわ…」
「なんでそんなに怯える」
「だって酷いことするんでしょう!? エロ同人みたいに、大人の薄い本みたいに!」
「具体的には」
「ひぎぃらめぇ、的な事とか!」
「して欲しいか?」
「……えっとぉ……ソフトにお願いしたい所存です」
(というか。抵抗ないのか?)
頭緩いんじゃなかろうか、この世界。余計なことを考える前にエヌラスは降って湧いた疑問を頬を赤く染めたデンゲキコに投げ掛ける。
「処女か?」
「ぶはー!? ダイレクトに来ますね!? 普通は聞かないようなこと!」
「どちらでもいいんだが、それによって俺の対応も変わる」
主に手加減という意味合いで。
「当然です! 何故なら記者とかノワールさんの追っかけとかやってたら出会いとかあってないようなものですし! あ、ちょっと涙が……」
「そ、そうか……」
しかし! それとこれとは話が別である!
「覗きはいかんよなぁ?」
「…………ひゃい……」
肩を掴まれたデンゲキコの目尻に涙が浮かんでいた。
「あ、来た来た」
「見つけたぞ、ファミ通。お前の言う通りだったな」
「なんですと!? まさかの密告者!?」
なんと人聞きの悪い。ファミ通は呆れた表情で読んでいた冊子をテーブルの上に置く。エヌラスがベッドに腰掛け、デンゲキコも躊躇しながらその膝の上に座った。
「俺はともかく、ノワールは気づいてないみたいだからな。これをバラしてほしくなければ言うこと聞いておとなしくシテルコトダナーフハハー」
「後半めっちゃ棒読みですね! 思ってもいないじゃないですか」
デンゲキコからは見えないが、ファミ通視点では言っている途中で自分から恥ずかしくなったエヌラスがばっちりと見えている。恥ずかしいのなら言わなければいいのに、と思うが男の浪漫でもあるのだ。言わずにはいられない。
そう、美少女の弱みを握ってあれこれしたい! そんな欲望には逆らえるはずもなく。
「まぁ、そういうわけだから。おとなしくエヌラスさんにお仕置きされてね」
「うぅわぁーん、まさかの裏切り者! ファミ通さんは良いのですか!」
「なにが?」
「いや、だって二人の部屋ですよ。なのに、ここでこうしてわたしがこれからいやらしい目に遭っちゃうのを見てるだけですか」
「……んー」
ファミ通は指を頬に当てて、しばし考え込むような仕草を見せる。その後エヌラスをちらりと見て、頷いた。
「いいかなぁ。わたしも混ぜてもらうし」
「えぇぇぇぇぇ!?」
「え、マジで?」
エヌラスですらも想定外の事態に困惑しながらもデンゲキコの腰に手を這わせている。
「んっ、ひぅ……くすぐった……」
「ほーらリラックスリラックス。マッサージだと思えばいいだろ」
「そう、は言われてもですね。手つきが……いやらし、くってぇ」
触れるか触れないかの瀬戸際を攻める、なめくじが這うようなゆったりとした触れ方にデンゲキコは身体を震わせる。こんなにも扇情的なボディタッチは初めての経験だ。
「いやらしい触り方されてどーなんだー、んー?」
「――い、意地悪な聞き方しますね。そりゃ、もちろん……わ、わた、わたしもそういう気分になってくるって言うか……なんていうか……」
「わー、アダルトゲイムギョウ界の人ってそういうこともできちゃうんだ……」
素直に感心しているファミ通も顔を真赤にしているデンゲキコを観察している。その顔が赤いのは、見ている方もよっぽど恥ずかしいからだろう。