超次元ゲイムネプテューヌZ-血と硝煙と鋼と荒唐無稽- 作:アメリカ兎
「――エヌラス」
「んー……?」
ベッドで仰向けに寝転がるエヌラスに、ブランが声を掛ける。部屋の灯りは消して、明日に備えようという気分だったのだが……どうやら違うようだ。
「その……あなた、シェアエナジーが尽きているって」
「……あー。それなぁ……」
「どうしたら回復できるの?」
「…………さて、俺はお前になんて説明してやればいいんだろうな」
やんごとなき事情のために、言うに言えない。
「国もないし信仰集めてるわけでもないから燃費クソ悪いしな……」
「じゃあ、あなた今までどうやって邪神と戦って来たのよ……」
ジト目で睨んでくるブランの視線が痛い。エヌラスは引きつった笑みを貼り付けた。
「……あの、だから……わたしでいいなら、力になるわ……それとも、わたしじゃ――だめ?」
潤んだ瞳を伏せがちにして、見つめてくるブランの姿はとても魅力的で、その献身的な仕草も態度も願ったりかなったりだ。とはいえ……自分の身体を見直す。
右腕は動かない、動かせない。全身の怪我もひどく痛む。
「そういうブランこそ。今の俺なんかでいいのか?」
「ぁ、その、それは……あの、えっと……非常事態、というか緊急事態だから……」
服の袖口で口元を隠し、ゴニョゴニョとか細い声でブランが何か言っている。
「……できても、せいぜい一回だけだ」
「一回だけでいいんじゃないの?」
「…………」
「違うの……?」
首を傾げているのは、確かに常識的な反応だ。健全な一般人であれば、まぁ、そのはずだ――そのはずだし、ブランのその知識がどっから来ているものかは不問にするとして、それが常識的な反応であることを責めることなどエヌラスには出来ない。
顔を手で隠しながら、ブランを横目で盗み見る。
「その……俺は、色々と、な……?」
「……――――~~~~~~!!」
顔を真赤にしながら、ブランはエヌラスの胸板に顔をうずめた。
「…………ん」
小さく頷いて、唇を突き出す。まぶたをしっかりと閉じて、不安そうに顔を寄せてくる。頬に手を添えて、軽く唇が触れ合わせる短いキス。それに薄くまぶたを開けて、今度はブランが自分から唇を押し当ててくる。しかし、勢い余って歯が当たった。
「んぅ!」
カチン、と固い音。エヌラスの唇がわずかに切れて、血が出ていた。
「ぁ……ご、ごめんなさい……だいじょうぶ?」
「ん、これぐらい平気だ。焦んなくていいさ。ゆっくり、な?」
「う…………」
「そんな泣きそうな顔するなよ……」
「だって……」
「ブラン」
「――ぁ」
優しく語りかけて、顎を指先で持ち上げて再びキスをする。顔を離すと、ブランの小さな唇に紅が引かれていた。
「初めてのキスは、レモンの味って聞いてたのに……血の味しかしないわ」
「はは、そりゃ悪い」
「……でも」
自分の唇に指先を当てて、なぞっていくと、微笑む。胸を満たすこの感覚は、どうしてだろうか。とても温かくて、優しい気持ちにしてくれる。
「でも、あなたの流した血なら……悪くないわ」
「俺はあんまり血で汚したくないんだけどな」
「エヌラス……もう一回、キスしても……いいかしら」
「どうぞお好きに」
頷いて、ブランは慎重に顔を近づけて、エヌラスと唇を重ねた。何度も、何度も確かめるように。短く。短く、少しだけ長く。
「ん、んっ……はぁ……エヌラス……わたし、うまく、できてる……?」
「ブランの唇、柔らかくて気持ちいいな……くせになる」
「ほんと? わたしの唇、気持ちいいの……? じゃあ、もっとしてあげる……ん」
何度も繰り返しキスをしていると、ブランの呼吸が乱れてきた。紅潮した頬に、トロンと惚けた瞳。首に手を回して抱きしめてくる。
「ん、はぁ……ブラン、舌、出してくれるか」
「――ぷは……舌……? こう……?」
肩を上下させながら、小さな口をめいっぱい開けて舌を出したブランに顔を近づけ、舌先を触れ合わせる。それに驚き、離れようとした華奢な身体を抱きしめて逃がさない。
「ふっ、んぅ――! あむ、あぁ……! ん、ちゅ……む……!」
唾液が絡まり、口内で動くお互いの舌に息苦しそうに呻くが少しずつ慣れてきたのか自分からもエヌラスの舌から口内に向けて押し返す。
「フゥ、ふ……んぅ、ちゅぶ……あ、エヌラス……は、ぁ……んむ。ぷは……はぁ、はぁ、ぁ、ちょっと、待っ……ん、んぅ~!! は、っむ……! いき、できな……ぁっ、い……!」
よだれがあふれ、水音を立てながら二人はキスをしたまま離れない。息継ぎをするたびにブランの甘い香りと、エヌラスの薬の匂いがお互いの鼻をくすぐる。
そして、ようやく顔を離すと舌から銀糸が引いていた。
「はぁ、はっ……エヌラス、あなた、ねぇ……」
「ブラン――」
「は、あ……ちょ、また――――んんんぅぅ~~~~………っ!?」
顔を離したと思ったら、今度は頭を手で寄せながらエヌラスが唇を塞ぐ。
(なに、これ……キス、してるだけ、なのに……頭、まっしろになっちゃ……口のなか、ぁ……エヌラスの、舌でめちゃくちゃに舐められて……)
身体が熱くなってくる。全身から汗が吹き出してきて、何も考えられなくなってくる――そして、ふと、思い出したように顔をゆっくりと離す。
目を滲ませ、頬を赤らめて、少しだけ着崩れたシロい服。ブランはトロけた顔でよだれを垂らしていた。
「ぁ、すまん…………その、やりすぎ、たか……?」
「……ばか、ばかぁ……はじめて、なのに……こんな、キス……はぁ、あ……! はげし、過ぎ……、もっと、やさしくして……?」
自分の唇を震える指先でなぞるブランの姿に、いつもとは想像もつかないほどの妖艶さが加わり、エヌラスの性欲が刺激される。左手で肩紐を解くと、小さな胸と小柄な素肌が月明かりで照らされていた。
「ぁ、や……!」
慌てて隠すブランを抱き寄せて、エヌラスは息を吸い込む。匂いの目立たないシャンプーを使っているのか、少しだけ爽やかな香りが胸に広がっていく。
「う、うぅ……ばか、へんたい……」
「少しくらいいいだろ……あー、落ち着く……」
「……もう、しょうがないわね」
エヌラスの頭を胸に抱き寄せて、しっかりと両手で押さえる。髪を撫でて、今度はブランが息を吸い込んだ。汗の臭いと、血の臭い。消毒液の香りに、硝煙とほんのり柑橘系の匂いが混じった変な香り。だが――これが全部、エヌラスだと思うと不思議と嫌な気分はしなかった。
「すぅ……すぅー……はぁ……エヌラス……エヌラス――」
きゅっと、抱きしめる両腕に力をこめる。跳ねっ返りの髪を撫でて、指先に絡めながら弄んでいると、不意に胸に熱い感触が当てられてブランが身体を震わせる。見ると、エヌラスが小ぶりな胸に舌を這わせていた。
「……わるいわね、ちいさくて」
「俺、なにも言ってないんだけどな……。ブランの胸も、俺は好きだぞ」
「でも、ネプテューヌみたいに女神化しても大きくならないわよ……」
「俺が。好きだって言ってるんだ。大きさどうこうじゃなくて」
「んっ……むね、舐めないで……あっ」
舌で乳首を転がし、左手でもう片方の胸を全体的にマッサージする。控えめに主張する胸の柔らかさと、敏感な肌からの甘い刺激がブランの背中をくすぐった。それに、つい甘い声がもれてしまう。
「痛くないか?」
「くすぐったいわ……アッ、ン……はぁ、ん――そんな、胸、ばっかりぃ……あなたねぇ……」
「じゃあ、こっちのほうがいいか」
「んっ、~~~!」
左手で、白いパンツの上から割れ目に触れる。するとブランの身体が大きく跳ねた。そこに触れられるとは思ってもいなかったのだろう。不意打ちで下着越しから擦られる割れ目に身体をよがらせて、エヌラスの頭を強く抱きしめる。
「やっ……ぁ、エヌラス……! そこ、はぁ……!」
「下着、脱がすぞ」
「…………ん」
蚊の鳴くような声で頷く。左手でパンツをずり下ろすと、途中からブランが自分の手で脱ぎ始めた。一糸まとわぬ身体で跨り、不安そうに胸に手を当てている。自分の貧相な身体を恥じらっているのだろう。確かに、他の守護女神達に比べてしまえばその差は歴然だ。女神化すれば差が大きく開く。ずっと身体的コンプレックスに苛まれてきた。
ブランには、エヌラスを満足させてやれる自信がない。だからこそ不安だった。出来ることなら一生懸命がんばるつもりだ。
「……ど、どう……かしら?」
「キレイな身体してるよな……俺とは大違いだ」
「あなたは、無茶しすぎなのよ。こことか、ここも……」
指先で身体をなぞる。左肩の真新しい傷跡は、深々と心臓のある位置まで広がっていた。
――嫌な光景を、思い出す。目の前で、戦斧を受け止めたエヌラスの背中を……。不安そうなブランの顔を撫でて、エヌラスは引き寄せると唇を塞いだ。
「だから、泣くなよ……大丈夫だっての」
「じゃあ……約束してくれる? わたしといる時は、あんな無茶しないって」
「……約束する。努力する。がんばるよ、出来るだけ」
「ほんとに?」
「ああ」
「嘘ついたら、顔面ハードブレイクよ」
「……ぜってぇ無茶しねぇ」
そんなもの食らったら死んでしまう。
微笑んだブランが今度は自分からキスをしてくる。ちゃんと、唇だけを触れ合わせて。
「……ふふっ。今度は、ちゃんと……キス、できたでしょ?」
嬉しそうに笑う顔がたまらなく愛おしくて。エヌラスは、右手を持ち上げて頬に添えた。
ブランも、包帯だらけの右手を優しく包んで、頭を寄せる。
まだ右手の感覚は麻痺していた。だが、それでも。確かに女神の笑顔がこの手の中にある。
――こんなに、心の底から温かい気持ちになれたのは、いつ以来だろう。もう、忘れてしまったけれど。この温もりから目を背け続けてきた。この優しさからずっと逃げてきた。この気持ちから、手を離し続けていた。
「ブラン」
「……エヌラス」
「――ブラン」
「ふふ、なによ。何回も名前を呼んだりして。なんだか、恥ずかしいわ」
「なんでだろうな……無性に名前を呼びたくて仕方ないんだ――ブラン」
名前を呼びながら、エヌラスはブランの割れ目に指を当てる。きつく閉じられた割れ目を、指先でほぐしながら挿入すると、中から愛液がこぼれてきた。その潤滑油で膣を探ると、ブランは少しだけ苦しそうにしているが、初めて挿れる小さな異物を受け入れる。指先をきつく締めつけてくる反応に、まだ本番は難しいと判断してエヌラスはもう少しだけ前戯で緊張をほぐそうとしたが、ブランの手はズボンのチャックに伸びていた。
そして、ほどなくして勃起した男根を取り出すとブランが驚いている。
「これ……入る、の?」
「……多分、厳しいと思うぞ。もうちょっと慣らした方がいい」
「でも、こんなに……大きくなって、苦しくないの?」
「正直なところ、楽になりたい」
だけど、自分の身体の負担と、ブランのことを考えるとやはりもう少し時間を掛けた方がいいのは明白だ。