超次元ゲイムネプテューヌZ-血と硝煙と鋼と荒唐無稽- 作:アメリカ兎
――ブランは口元を手で隠しながら、手を伸ばす。柔らかく触れられて、素直な反応を示すと少しだけ手を引っ込める。
恐る恐る指で撫でていくと、唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた。
「ん……ブラン……?」
「あの、ね。エヌラス……わたしに、できることないかしら……? あなたも、まだ身体が不十分みたいだし──がんばるから」
熱い吐息をもらし、めいっぱいの勇気を振り絞るブランの言葉に、エヌラスはつい笑みがこぼれてしまう。笑われて、頬を膨らませる健気な彼女に涙が溢れてくる。
「ぷぅ、笑うなんてひどいじゃない……」
「違う違う。そうじゃ、なくて……嬉しくて」
「……エヌラス」
「俺って、こんなに気を遣われてたんだなって思ったら……なんか、耐えられなくて。俺、ずっと──」
ネプテューヌの笑顔に目を背けて。
ノワールの優しさから逃げていて。
ベールの心配りを無碍にして。
そんな自分を、必要としてくれていて──それでも見捨てないで、一緒にいてくれた。
とてもではないが、頭を下げて許しを請える立場じゃない。
涙が頬を伝う。あんなにも、いらないと切り捨てていた感情が堰を切ったように溢れてくる。
こんなにも弱いのに──ずっと強がっていた。
「エヌラス」
ブランが手を伸ばして、両手を頬に添える。そのままゆっくりと顔を近づけ、何度目かになるキスをした。短く、次は長く。そして、舌を入れて、よだれを掬うと喉を鳴らして飲み込む。
「だいじょうぶよ──あなたは、あんなに頑張ってきたじゃない」
「……ブラン、女神様みたいだな」
「現役守護女神よ。何を言っているの?」
「そうだった。ごめんな……まだ、実感なくて」
「……ふふ」
「なんだよ、笑うなよ……」
「あなた、そんな風にも笑えたのね」
左眼の傷跡をなぞり、頬を撫でる。
血に濡れて、犬歯をむき出しにして戦場で笑う。辛そうに、笑って。歯を食いしばって笑顔を貼りつけて。自分の居場所がそこにしかないように。
ボロボロで、今にも壊れそうに笑うエヌラスの顔がとても弱々しくて──こんな風にした邪神も、大魔導師も許せない。
頬の添えた手を取り、エヌラスは頭を預ける。
「ブランの手。温かいな」
「あなたの涙もよ……」
「……ブラン」
「あと、ね──その、エヌラス……当たってる、えっと……あなたのも。熱くて……ね?」
モジモジと。下腹部に当たる屹立した竿にブランがもどかしそうにしていた。
「い、言わせないでちょうだい……恥ずかしいん、だから……」
「もっと恥ずかしいこと。これからするんだろ?」
「~~~~────……んっ、する……から……手を、握っていてもらえない……?」
「ああ……これでいいか?」
顔を真っ赤にして、ブランが頷く。左手の指先同士を絡めて、優しく手を握る。繋いだ手を見つめて、腰を浮かせると秘部にあてがう。先端が愛液で濡らされていき、ブランがゆっくりと腰を落としていく。
「んっ。んっ……! ぁっ、ん……」
「ブラン、大丈夫か?」
「はっ……ふぅ──、うん……」
閉じられた割れ目を擦り、身体を震わせる。息を整え、再び腰を浮かせて、今度こそはと挿入しようと固唾を呑みこみ──失敗した。
「ぁっ……ぅ、ぅぅ~……」
ジワリと、目尻に涙を貯めるブランにエヌラスが握った手を引き寄せる。身体を預けてくる小柄な身体を受け止めて、僅かに顔をしかめた。傷に響くが、それを少しだけ我慢する。
「大丈夫だ、ブラン。俺は大丈夫だから──ちょっとくらい、欲張ってもいいんだぞ」
「でも……わたし……ぐすっ。うまく、できなくて……」
「泣くな泣くな。ほら、ちゅっ……」
「ん、ぅ……」
ブランの頬を伝う涙をキスで舐め取ると、エヌラスは仰向けに寝転がり、右手で自分のを支えて割れ目に先端を触れさせた。
僅かにだが、確かに押し広げる感触。熱く濡れた、窮屈な秘部にブランの息が乱れてくる。自分の小さな体に不釣り合いなサイズの異物を受け入れるというのは、やはり相当に勇気が必要だ。前戯でもっと慣らしてやりたかったが、ブランの方が我慢しきれないようで深呼吸を繰り返して腰をゆっくりと沈めて──不安と恐怖心から、すぐに腰を浮かせる。焦らされているようでエヌラスも気が気でない。身体を不意に動かされるだけで全身に痛みが走る。それを見て、ますますブランの目が潤んでいた。
「わたし……だめ、ね……やっぱり、こわいわ……」
「ブラン」
「こんな、ちっちゃな身体で……ごめん、なさ──」
「……ブーラーン」
「……?」
「痛いの、我慢できるか?」
「あなたこそ」
「じゃあ少しばかり息を吐いてくれ」
「ハァ……すぅー……は、ぁ、っ~~……!」
膣に先端を当てて、腰を浮かせる。それから逃げようとするブランよりも先にエヌラスが右手で腰を掴み、沈ませた。愛液で濡らされているとはいえ、やはり受け入れるのに十分な前戯と慣らされていない秘部にはキツかったのか、ブランが苦悶の表情をみせる。
「ィ、っ……あ……!」
「もうちょっと、だから……我慢、してくれるか?」
「~~~~……!」
目尻に涙をためて何度も小さく頷く。小さな手が、強く握りしめてくる。それに負けないくらい強く手を握り返すと、エヌラスはブランの身体を深く突き上げていく。浅く引き抜いて、何度も入り口を慣らしていきながら、ゆっくりと、確実に膣肉をこすり上げていった。その動きに、未体験の痛みと快感が同時に押し寄せてくる。逃げようにも、腰を弱く掴む右手を見てブランも決意を固めていた。
――チュブッ、にゅぷっ。ズッ……。淫猥な音が、静かな部屋に響く。
「はぁ、はっ。ブラン──! もう少し、奥に挿れるぞ」
「え、ぁっ! まだ、入る、の?」
「ほら、いくぞ──」
「ふぁっ! ん、ゃ! あっ、んぁァ!」
ぐっと、一際強くエヌラスが腰を浮かせると亀頭が押し返される。子宮まで届いた熱い感覚に身体を投げ出す。ブランも惚けた顔で、跨ったまま動かない。小さなヴァギナからは愛液に混じって血が出ていた。
(痛い、けど……わたしの中でエヌラスのが……熱く脈打ってるのが、直接……伝わってきて──むしろ、気持ちいい、かもしれないわ……それに)
右手で目を隠し、息を荒げるエヌラスの身体はじっとりと汗ばんでいる。痛みに耐えながらも自分の不手際を懸命にフォローしてくれた健気さに、身体が疼いて仕方ない。
「ハァ……ハァ──」
「……ん、」
「あ、ちょ……ブラン」
「ん……? いいから、寝てて。わたしが、うごく、から、ぁ……!」
ゆっくりと腰を上げて、引き抜いていくと、やがて腰を落とす。膣を無理に広げる、不釣り合いな大きさのペニスが膣内をゴリゴリと擦り肉ヒダをかき乱し、それに言葉にできない程の快感が腰を通じて背中まで震わせた。
「ん、ん~……! んぁ、は、ぁッ! っ、ん……!」
痛いほど力を入れて握ってくる左手に、ぎこちない腰使い。ブランなりに一生懸命頑張って動いている。
「んぁ、ああああッ! なに、これぇ、こんなの、しらな──ん、ひぅっ、ッ。ん。っ~~!」
ビクビクと腰を震わせて、一際深く落として子宮を押し上げられるとブランが身体を小刻みに痙攣させて息を荒げて動かなくなった。肩で息を整えて、涙を流している。
「はぁー、ハァ。はぁ、あっ……ん……!」
右手で自分の下腹部を撫でて、身体の中に入っている物の形を探るように押し込む。キュンキュンと締めつけてくる肉壁に、熱く脈動するペニスが反応した。
「ン……奥まで、入ってる……。でも、ぜんぶは、ちょっと無理ね」
「ブランが気持ちいいなら、俺はいいけどな。それより、痛くないか? あんまり無理しないでくれよ?」
「あなただって、全身怪我しているのに、あんなに頑張ってくれたじゃない。最初は、痛くて……キツくって、息、できなかったけれど……」
赤みを帯びたブランの身体は、汗ばんでいる。だが、月明かりのおかげでそれが一層綺麗に見えた。控えめな胸も、僅かな肉つきも、微笑む優しい顔も、小さな唇も。細やかな亜麻色の髪も。赤らんだ頬も。細めた青い瞳も。
「今は、わたしの中で……こんなに……ビクビク、って……動いてるわ」
「ん、その……銀鍵守護器官のせいで我慢の限界、近くてな……あんまり、焦らされると」
「いいわよ……全部、受け止めてあげる、から──ん、はぁ!」
少しだけ身体を休めて体力が回復したブランが再び動き始める。しかし、先程よりも小さい腰の動きに限界が近いのを察したエヌラスが、右手を伸ばした。その手を取り、頬に当てて匂いを嗅ぐ。薬液と、少しだけ混じる血の臭いにブランの目がトロケていくと同時に締めつけも一層キツくなっていた。
「く、ぁ……ブラン、それ、やば……搾り取られ……!」
「ぁ、これが、イイの? じゃあ、がんばる、から……エヌラス……!」
腰を打ち付けて、だんだんとその動きが激しさを増していく。先端から、半ばほどまでを集中的に刺激するブランのストロークに、エヌラスも我慢の限界だった。
「ダメだ、出る──!」
「ん、出して──わたしの、はじめて、全部あげるから……ぁ、出て──んんんぅぁぁぁ!」
鈴口から勢い良く吐き出される精液を膣内で受け止めて、勢い余った腰の動きが深く咥え込んでいく。下腹部で暴れる射精にブランが腰を仰け反らせていた。だが、しっかりと腰は落として左手も離さない。エヌラスの右手を強く握る。──激痛に思わず背中を丸めてブランの身体を引き寄せた。
「バッ、おまえ……!! 右、手っ……!」
「ぁ。ご、ごめんなさい……! ごめん、なさ……エヌラス……ごめ、なさ……」
奥歯を噛み締めて、エヌラスは声を抑える。ブランが今度こそ泣きそうな顔をしていたが繋いだ左手を離して、抱きしめた。お互いの瞳の中に映る自分の顔が見えるほど近く。乱れた呼吸で上下する胸、激しく動いたせいで髪もばらついていた。吐息を漏らしながら、唇を塞ぐ。
引き抜いた秘部からは、精液が溢れていた。
「ふぅ、ふぅ。ハァ、あ……!」
「──ん、あふ、エヌラス……エヌラス──!」
「バカ……だから……」
今度は、ブランが貪るようなキスをしてくる。何度も繰り返される口淫にエヌラスは抱きしめたままベッドに倒れた。離れる気配がなく、執拗に舌を絡ませてくる。
「ん、ふっ。あふ、ちゅ……れろ。はぷ……エヌラス……わた、し……」
「キス、好きなんだな。ブラン。ちょっと意外だ」
「だって、気持ちいいって言ってくれたから……ん、あ……!」
自制心が薄れているのか、首に手を回して何度も何度も、飽きることなくブランは小さな口を大きく開けて舌をエヌラスの口の中に挿れる。口内で舌と舌が絡まり合い、お互いの唾液が分泌されて混ざり合う。
「んぢゅ、ぷっあ……ぁ、ふわ……エヌ、ラスゥ……──もっと、して……?」
「ブラン……だから、な……ブラン──!」
「ぁ…………、いや……? しちゃ、だめだった……? わたし……」
優しく離れるエヌラスに、ブランが目を潤ませていた。
「そうじゃ、なくて。俺だって、お前の期待に応えてやりたいんだが……身体が、追いついてこないんだ……」
「ぅ……う、うぅ……わたし、やっぱりだめね。こういうの……」
「そんなことない。気持ちよかったし、綺麗だった」
落ち込む頭を撫でて、頬に口づけをする。
「……ほんと?」
「ああ。だから、そんな泣くなって。次、する時はちゃんとしてやるから」
「やくそくよ……?」
「……ああ、なんでも好きなことしてやるし。もっと気持ちよくしてやるから。今日はこれで勘弁してくれ」
「……ん。あなたが、そこまで言うなら……がまん、するわ」
「ありがとな、ブラン。ありがとな……」
「エヌラス──ぁ、これじゃ、フフッ……また、しちゃうわね」
「じゃあ、これで最後な──んっ」
「あっ……うん……」
最後に、エヌラスは唇を重ねた。それから額にキスをすると、抱きしめて横になる。ブランは左腕を枕にして寝そべるが、すぐに身体をピッタリとくっつけてきた。
「こうした方が、あったかいわ」
「……そうだな」
首に手を回して、ブランがまぶたを閉じる。重なる心臓の鼓動を子守唄にすると、すぐに寝息を立て始めた。
エヌラスも目を閉じると、急激に意識は闇の中に落ちていく。だが、以前までのような寝心地の悪さも、夢見の悪さもそこにはなかった。ただ、胸が満たされた感覚──うまく、言葉にできないが、きっとこれは──幸福感、だろう。
(……もう、俺には手に入らないものだと……気づいたら諦めてたものだな)
「すぅ……すぅ……ん、ふ──」
(…………ブラン。お前のおかげだ)
ああ、そうだ。
この温もりを与えてくれた人達を助ける為に──救う為に──戦ってきたんだ。それを忘れてただ悪戯に魂を浪費してきた。二度と忘れるものか。二度と手放すものか──。
この幸せは、例え死んでも離さない。愛する女神達の為に。