超次元ゲイムネプテューヌZ-血と硝煙と鋼と荒唐無稽- 作:アメリカ兎
エヌラスは仕方なく剣姫の背中を流していた。長い髪は邪魔になるからか、自らの手で結い上げるとタオルでまとめている。白いうなじがまぶしい。つい、手を伸ばしてしまいそうになるが、触れたら調子に乗るであろうことは明々白々。エヌラスは我慢して泡立てたスポンジで剣姫の背中を洗う。
(……しかし、鍛えてるだけあるな)
薄っすらと背筋が浮かんでいた。肩の筋肉も、二の腕も。見れば見るほどにその肉体美に惹かれてしまう。エヌラスは頭を振り、腰にスポンジを押しつけた。
「んふっ。くすぐったいぞ、ちゃんと洗え」
「洗ってんだろうが。俺、このあとベール達に呼ばれてんだから手早く終わらせたいんだよ」
「そうだったな。また次の機会にでもしっかり洗ってもらうとするか」
「もう流してもいいか?」
「せっかくだ、胸も洗わないか?」
「背中だけって言ってんだろうがこんなろう!」
「ぅぴゃあっ!? 何をするバカ!」
「バカにバカって言われたくないですー! はーお前ほんまお前!」
エヌラスはからかう剣姫の太ももを撫でる。内股に触れた途端に、らしくもない女性らしい悲鳴を上げて閉じて手を引き剥がした。頬を膨らませてエヌラスを睨むと、剣姫は手を握る。
「い、いいからもう流せ……もういい、自分で洗う」
「そうしてくれ。流すぞ、御姫」
「うむ。苦しゅうない」
熱湯で背中を流し、エヌラスは最後に剣姫の伸ばした背筋を見つめて──指先でなぞった。
「ん、ぁひゃ……!」
「不意打ちに弱いよな、御姫」
「……殴られたいか、貴様」
「すまん、悪い、ごめん」
「今回はゆるす……今回だけだぞ」
むくれっ面で剣姫はエヌラスからスポンジを受け取ると、そのまま身体を洗い始める。脱衣場へと気配が遠ざかったところで、剣姫は一度だけ息を吐いた。
「……触られるのは、嫌じゃないが、もうちょっとこう。あるだろうに……バカめ」
浴場をあとにしたエヌラスは、簡単なストレッチをしてから教会の廊下を歩く。そこを通り掛かる教会職員に一声かけて、ベールの部屋への案内を頼んだ。とても気を重くしているエヌラスの表情に、思わず声を掛けてしまう。
「あの、大丈夫ですか?」
「……大丈夫じゃない。気が気じゃない」
「そうでしょうね……」
なにせ、四女神直々に呼び出しをされている。そこに向かう指名手配犯の表情が明るいはずがない。守護女神の監視と当人の意思によって今回の事件を解決に導いてくれたが、それとこれは話が違う。それにグリーンハートは“処罰”と言っていた。
ベールの私室を前にして、エヌラスは再度深く息を吐き出す。
「心中お察しします……」
「しかし、女神様達の処罰……どのような責め苦が?」
「かんがえたくない……」
「やはり、拷問のような……?」
「いや、女神様だぞ。まさかそんなことを……」
職員が想像するのは──ろうそくと鞭を持ってエヌラスを縛り、楽しそうに笑う女神達。これはこれで……、そんな不埒な妄想をしていると、不意にドアが開いた。人の気配を察してグリーンハートが顔を覗かせていた。
その表情は、静かに威圧感を放っている。目を細めて、エヌラスを睨んでいた。
「随分と遅かったではありませんか」
「あー……」
「あなた達もご苦労さまです、下がってよろしいですよ」
『はい!』
グリーンハートの後ろからブラックハートとホワイトハートが顔を見せて、渋い表情のエヌラスを捕まえるなり部屋に引き込んだ。
「いつまで待たせるつもりよ、貴方は。覚悟しなさい」
「ノワールの言う通りだ。アタシ達を待たせた罰は重いぜ、覚悟しな」
「お、おい! 腕を引っ張るな! ちょっと待て、何をするつもりだ──!?」
部屋の奥へと引き込まれ遠ざかっていくエヌラスの声に教会職員が震え上がる。あれだけの戦績を出した指名手配犯が抵抗するも、為す術もなく連行されている。それを見送ってから、グリーンハートはまだ部屋の前で呆然と立ち尽くしている教会職員に嘆息した。
「貴方がたは、いつまでわたくしの部屋の前でそうしているおつもりですか?」
キッときつく睨まれて、震え上がる。一言謝罪をいれてから逃げるように立ち去る姿を見送り、ドアを閉めて内鍵を掛ける。念のためにもう一度確認しておく。ガチャガチャ。よし。
グリーンハートは部屋の奥……ベッドへと放り投げられるエヌラスの姿を確認する。
そこでは既に、パープルハートが頭を胸元へ抱き寄せていた。
「もう、二人とも。乱暴にしちゃダメじゃない」
「ちょっとネプテューヌ、放しなさいよ」
「さっきの話し合いで決めただろうが、抜け駆けは禁止って!」
「そうだけど。エヌラス、大丈夫? 頭とかぶつけてないかしら」
「そうね、お前らが頭どうかしてんじゃねーのって心配するくらいには俺の脳みそは大丈夫だ」
「な・ん・で・すっ・てぇ~!」
「いででででで、あだだだだ!! ストップ、ストップ、ノワール! 折れる!」
ブラックハートが腕を捕まえて、逆側に曲げる。その痛みに悲鳴をあげるエヌラスを見て楽しそうに笑みを浮かべていた。
「あら、いい声で鳴き出すじゃない? 確かにこれは、イジメ甲斐がありそう、ね!」
「いっでぇ!! てんめ、あとで覚えてろよ!?」
「ノワール! ダメって言ってるじゃない!」
「そうだ、お前それ以上やったら──」
「わたしだってイジメてみたいんだから!」
「エヌラス、アタシの後ろに隠れろ……」
「サンキューブラン……」
パープルハートとブラックハートのにらみ合いが始まり、ホワイトハートによってエヌラスがその拘束から抜け出す。
「なによ、ちょっとくらいはいいでしょ!」
「ダメよ! そう言って朝から晩までしっぽりと一人で楽しんじゃうでしょ、ノワール!」
「しっぽりってなによ!? そのうえそこまで出来るほど体力無いわよ!」
「あら、一人の部分は否定しないの? 二人で、たっぷりと楽しんじゃうの方が正しかったかしら? それともがっつり?」
「なっ。ちょ、ちょっと好き勝手言ってくれるじゃない……!? そういうアナタはどうなのよネプテューヌ!」
左腕を確かめながらエヌラスはホワイトハートの後ろから二人の口論を見守る。不意に、柔らかくて暖かい感触が背中に押しつけられて振り返ると、すぐそばにグリーンハートの顔があった。
「エヌラス……」
熱っぽい視線、赤らんだ頬、唇を突き出したままグリーンハートに唇を奪われる。すぐに離れると、舌で唇を湿らせてから口内に滑り込ませてきた。それに気づいたホワイトハートが顔を赤くして固まった。
『ベール!? またあなたは!』
「ん──だ、だってわたくしずっと我慢していたんですもの。ちょっとくらいは……」
「は……。だからって、四人相手は」
「ふふ、そう言いながらも……コチラは、もう準備万端みたいですが?」
ズボン越しにグリーンハートの手が股間を撫でる。それにパープルハートが固唾を飲み込み、ブラックハートは息を呑む。ホワイトハートはそれを注視していた。
トロンとした表情で、ゆっくりとした手付きで撫で回す仕草は妖艶さに溢れている。グリーンハートが一糸まとわぬ姿になると、エヌラスの背中に押しつけられる感触がますます熱くなった。
「だって、ネプテューヌ達も欲しくてたまらないのではありません? エヌラスの、我慢したタップリとした特濃ザーメン──」
「……ゴクリ」
「一番欲しがってるのお前だろベール」
「ぁ、いえ、わたくしはその……」
「寝てる俺に毎日と言っていいほどキスしてたんだもんなー、はー寝てた俺はナニされてたんだかまっったく身に覚えねーわー」
「!?」
ここにきて反撃に打って出たエヌラスの言葉に、ブラックハートが眉をつり上げる。
「ちょっとベール。どういうことよ」
「やっぱりな。だからベールのところに預けるの、アタシは反対したんだ……」
「ふふ、そういうことなら……ねぇ二人とも? わたしにいい考えがあるわ」
「大丈夫かよ……まぁいいか。なんだ、ネプテューヌ」
「耳を貸してもらえる? こそこそ」
「ヒソヒソ……」
「……なぁベール。一応聞いておきたいが、本当に俺に何もしてないよな? キス以外で」
「するわけがありません。神に誓って」
「お前女神様だろうが」
「まぁまぁいいから脱いでくださいな。わたくし、あれからずっと我慢しててもう……」
「あーもうがっつくな、わかったから」
「うふふ。はやくはやく」
子供のように手を合わせるグリーンハートに調子を狂わされながら、エヌラスが上着を脱ぐ。
傷だらけの身体。鍛えられた肉体に指を這わせて、腹筋の溝をなぞっていくと、へそで止めて優しく撫でていた。下から上に向けてなぞり、胸筋からエヌラスの乳首に触れる。
「くすぐったいだろ、ベール」
「ふふ、本当に──美味しそうですわ」
「……R18アイランドでも散々味わっただろうが」
「そ、それとこれとでは別です! 別腹です、別腹!」
エヌラスがズボンに手を掛けて、止まった。胸板に頭を擦り寄せてくるグリーンハートを見てから、その後ろ。ニヤニヤと悪い笑みを浮かべて先を促す三女神。
それに小さくエヌラスは頷いた──間違いなく、なにか企んでいる。となれば、できるだけベールの意識を自分に集中させなければ。
「ベール」
「ぁ……」
顎先に手を添えて、自分に向かせる。小さく声を漏らして、顔を近づけて見つめ合う。やがて薄目で唇を小さく突き出す顔に、今度はこちらから舌を入れていく。グリーンハートの口内で絡み合う舌先は、やがて深くお互いを貪り合うと唾液を混ぜあわせた。
「ん、ぁ。エヌラス……もっと、深く……ん、ちゅ──」
やがて、グリーンハートの方から積極的に舌を押しつけてくる。エヌラスもそれに合わせて、溢れるよだれを飲み込みながらも、グリーンハートの喉に流し込んでいく。その手が、ズボンをパンツと一緒に脱がした。
その後ろで、そろりそろりと忍び寄るパープルハート達がインナーを脱いで裸身を見せている。静かに頷くとアイコンタクトで合図を送りあって、グリーンハートを後ろから拘束した。
「そぉ……れっ!」
「きゃ!? ね、ネプテューヌ!? なんのつもりですか!?」
「あら、なんのつもりはないんじゃない? 一人だけ楽しんで」
「そんなベールにもアタシ達からきっついお仕置きしないとだめだよなぁ?」
「ちょっと、ブラン! そこは……!」
「うわ、もう濡れてきてるぞ……いや、たしかに、その……いやらしい音出してたけどよ……」
「んっ……! は……、ノワールも。わたくしの胸をそんな、乱暴に……!」
パープルハートが腕を掴み、ブラックハートが胸を弄ぶ。ホワイトハートが秘部を広げて触り始めていた。
「ネ、ネプテューヌ。離しなさい……!」
「うふふ。ベールったら、こんなによだれを垂らして……わたしにも分けて頂戴。ちゅ──」
「ん、むー……!?」
「あら、わたしとキスするのは嫌? わたしだってエヌラスのが欲しいのよ」
「ダメですわ、これは、わたくしの……ん~~~……!!」
「ベールったら、もう……でもこれはこれで、たのしいわ♪」
四女神が目の前で繰り広げる攻防に、エヌラスは肩の力を抜く。
グリーンハートに身を乗り出すと、そのままパープルハートとキスをする。
「あ、わたくしの……」
「本人目の前にいるんだから、ほしけりゃ言えっての……」
「ぁん……。だって、ん、エヌラスってばベールに夢中だったから……ぁ」
「あんな風に迫られて、断れるかっての──」
(ネプテューヌってば、わたくしのエヌラスとこんなえっちなキスをして……──あ、あら?)
なにか今、自分は女神らしからぬことを考えてしまったのではないか? グリーンハートの思考が、甘い刺激によってかき乱される。
エヌラスの指先がホワイトハートと一緒に陰部の愛撫を始めていた。濡れそぼる秘部から溢れる愛液を指ですくい取り、糸を引かせて生唾を飲み込む。
「うぁ……ベールの、すげぇやらしいな……ほら」
「ちょっとブラン。そんなの見せられたら、私だって……我慢できなくなるでしょ」
「ノワールだって十分いやらしいじゃねぇか」
「それを言ったらアナタはどうなのよぉ……」
「べ、別に濡れてなんか……ん、ヒッ!?」
ホワイトハートのお尻をブラックハートが撫で、その秘部に指先を添わせるとわずかに濡れていた。それを見て意地悪い笑みを浮かべてエヌラスに見せる。
「エヌラス、見なさいよこれ。ブランったら、触ってるだけで濡れちゃったみたいよ」
「お前もなんだかんだ攻めっ気あるよな、ノワール。まぁあとでボロが出るだろうけど」
「出さないわよ、今回は」
「ほー? ほほぉ? なるほど?」
「……なによ、そのムカつく顔は。そういう事を言うと、ベールのこのオッパイをこうしちゃうわよっ」
「んきゃぅぅ! の、ノワール……もっと、優しく……」
「なによ、そんな小動物みたいな声を出して。普段からあーんなに余裕ぶってるのに、どうしちゃったのかしらね、ベール」
「ァ、ンぅ! そ、そんなのわたくしが知るわけ──ハッ。ンッ! こ、こんなに胸で感じたのはじめて、でぇ──!」
ブラックハートが弄ぶ胸の中で、徐々に乳首が固くなっていく。ピンと立つ先端に、思わず下腹部がじんわりと熱を帯びた。
(わ、私もそのうちこんな風になっちゃ……ぁ、ダメ……疼いちゃ──)
「ハァ、ハァ……エヌラス、わたくし、も──もう、我慢、できませんわ」
腰を浮かせて、グリーンハートが誘う。ホワイトハートとエヌラスの指はすっかり愛液に濡れていた。パープルハートはそんな姿を見て妖しく笑う。
「ダーメ。ベールにはちゃんとお仕置きしなきゃ……そうでしょ、ブラン?」
「ぇ……アタシから?」
「あら、譲ってあげてるのにいらないのかしら? エヌラスの、濃いのが……ね、ブラン?」
「~~~~」
ホワイトハートが耳まで赤くしてエヌラスの顔を見上げる。それから、視線を下に下に──いきり立つ股間で止まり、思わず声をもらした。
「ブ、ブランが遠慮するなら私からでもいいわよ?」
「しねぇとは言ってねーだろ、エロノワール!」
「エロは余計でしょ!? それを言ったらブランだってそんなに物欲しそうな顔をして」
「してねーよ! ま、まぁ譲ってもらうってなら、アタシからだ──ヘヘ」
頬を緩めながら、ホワイトハートが身を乗り出して抱きつく。それを泣きそうになりながらグリーンハートが見つめていた。
「ぁ──わたくしの……」
「ちょっと、ベール? いつからエヌラスがアナタのだと錯覚していたの?」
「なん……ですって……!? だって、わたくしの教会で面倒を──」
「それはあくまでも、あの時の状況から考えて仕方ないことだったじゃない。順番よ、順番」
「そんなぁ……」
「泣きそうな顔をしないで、ベール。大丈夫よ、わたし達はわたし達で楽しまなきゃ」
「ネプテューヌ……」
「泣いて謝っても、許さないけどね」
グリーンハートがパープルハートとブラックハートの手でお仕置きされている一方で、エヌラスは自分に抱きつくホワイトハートの華奢な体を抱き寄せて、腰に手を回す。