※この作品はR-18です。

超次元ゲイムネプテューヌZ-血と硝煙と鋼と荒唐無稽-   作:アメリカ兎

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ep.53 エラー・パッション(R)

 

 

 

 ──リーンボックスの客室で目を覚ましたエヌラスは、すっかり日が沈んで暗くなった室内を見渡す。窓から差し込む月明かりに身体を起こしてから、右腕に魔力を流した。アーウィルが言っていた通り、三日で馴染んでいることに感謝しながらも左目に手を当てる。

 カオス化した女神を相手取るには、片眼では力不足だ。術技の達人ならば起こりを見抜いて対応もできよう。だが、エヌラスは根本的には魔術師である。

 

 夜空を見上げれば、今夜は満月だ。

 ユウコは吸血鬼の性質上、月の満ち欠けに影響を受けやすい。エヌラスはベッドから降りて、スーツのポケットからドラッグシガーを取り出した。できれば喫煙は避けたいが、右腕の調子が以前に比べて悪化したのなら背に腹は代えられない。

 バルコニーに出て一服していると、客室の扉が開かれた。

 

「あら、起きてましたのね」

「今さっきな」

「煙草、吸うんですの?」

「ちょっと前に禁煙したばっかなんだけどな。事情が事情だけに、吸わなきゃやってられん」

 悪態をつくように紫煙を吐き出す。不純物を入れられた銀鍵守護器官は、炉に薪を焚べられたように稼働率を上昇させていた。しばらくは保ちそうだと一本だけのつもりだったが、もう一本くらいは、と手を伸ばすもののベールのしかめ面に渋々我慢する。

 胸を持ち上げるように肩をすくめて、足を組み替えると左足の太もも。内股に、ブランと同じ薄紫色の紋様が浮かび上がっていた。自然と視線もそちらに向かってしまう。

 

「ベール。その足」

「ああ、これですか? 少し前にカオス化を扱えるようになってから浮かび上がったものですが、気になります……?」

 ウインドドレスの前垂れをずらし、見せつけるとエヌラスがかがみ込んで顔を近づけた。

 

「触っても大丈夫か?」

「かまいませんわよ。さ、どうぞ」

 わずかに指先で触れてみるが、彫り込んだような感触はない。

 

「ん……」

「身体に異常はないのか」

「そうですわね。女神化をしない限りは、特になにも」

「女神化した時は?」

「なんというか……いつもより、少々自制が利かない。感情的になってしまいますわね、ブランのように」

 しかし、その感情的になるブランがカオス化を制御してみせた。リーンボックスに保管されていた結晶も破壊してある。

 

「あるいは……このように、ですわね」

 前垂れをさらにずらして下着を見せると、エヌラスが少しだけ頬を赤くした。その反応を面白がってベールはくすりと笑う。

 

「おい、ベール。見えてる」

「見せてるんですわ」

「……戻せよ」

「そうですわね」

 からかうつもりで戻そうとするベールだが、見られている事になにか自分の中から湧き上がってくる欲求があった。

 

(ん……?)

 エヌラスが間近で紋様を見ていると、淡く発光し始める。気にかけた瞬間、ベールの柔肌がさらに迫ってきた。鼻先に触れるほど近くに太ももを近づけてくる。

 

「お、おい……ベール?」

「……♪ あら? どうされました? わたくしの紋様が気になっているのではなくて?」

「いや、そうなんだけど……」

「でしたら、さぁ──もっとよく、じっくりとご覧になってくださいませ♪ あぁ、鼻息がくすぐったいですわよ?」

「そりゃあこんなに近づけられたら」

(~~~~……)

 背筋を快感が駆け上がり、それを堪えきれずにベールはエヌラスの頭を自分の股間へと押しつけた。驚き、咄嗟に離れたがすぐに身体をのしかからせてくる。

 

「なにす──」

 押しのける暇もなく、唇を重ねられた。やんわりと離れると、大きく見せつけるように開いた胸元をさらに広げて迫ってくる。

 ベールの瞳に妖しい輝きが灯っていた。トロンと微睡むような青い瞳に思わず息を呑む。

 

「……エヌラス、わたくし……」

「ベール──」

 頬に手を伸ばし、目蓋を閉じる顔に向かって──エヌラスは、頭突きをした。

 

「うきゅうっ!? なっ、えぇっ……!?」

 涙目になって額を押さえるベールはまるで子供のように涙を堪えている。

 

「目ぇ覚ませ。ったく、なーにが女神化しない限りは特に問題ない、だ。十分問題あるっての」

「……そうはいわれましても、わたくしだって」

「そういうのはちゃんと、お前自身の気持ちでやってくれ。こんなカオスエナジーなんかに呑まれたりしないで」

「──ごめんなさい、ですわ」

「そんな調子じゃノワールもどうなってるか怪しいな」

「ですが、どうするつもりですの。ラステイションは女神の入国を禁じて──もしや」

 ラステイションは他国の女神を遠ざけていた。それはプルルートと会わないようにするためであり、同時に自分の異変を勘付かせないために。だから、ベールはすぐに察した。

 エヌラスがニッと笑うと、頭を撫でる。

 

「俺は女神じゃないからな。ラステイションに押し入るだけなら、俺だけで十分ってことだ」

「ですが、ラステイションはルウィーやリーンボックスより警備が厳重ですわよ。あなたの悪評だってまだ取り下げられているわけでは」

「だったら尚更、ベールやブラン達を連れて行くわけにはいかないだろ。目的は教会に保管されている結晶の破壊だ」

「……またそうして、自分ひとりで全部背負うつもりですか?」

「ベール?」

「あなたを心配している、ユウコのことを考えた上で。同じことを言えるんですの?」

「俺の答えは変わらねぇよ。俺はアイツに迷惑かけて、心配掛けて、戻ってきたら怒られて。それでいいと思う。なんていうかな……アイツにしこたま叱られるまでが俺の中でワンセットなんだ」

「わたくしは、ブランやノワールのようにあなたのことを酷く思っているわけではないんですわよ? 合理的ではありますが、それはあくまでエヌラス自身に罪が一方的になすりつけられる形ではありませんか」

「だってそうだろ? 俺以外、誰も悪くないんだから」

「……だから。だからといって、見捨てられるほどわたくしたちは薄情者ではありませんわ」

 どうしてそう簡単に、自分の命を捨てることができるのか。たったひとつしかない掛け替えのない命だというのに。なぜ、もっと他にないのだろうか。

 ユウコから聞いた。絶望の魔人として、アダルトゲイムギョウ界を救う為にひとり孤独に戦い続けてきたのだと。

 

「自分が魔人だからといって、死ぬことはないでしょうに」

「……そうもいかねぇんだよ」

「なぜですの?」

 ベールを抱き寄せて、エヌラスは深く息を吸い込んでから吐き出す。胸いっぱいに充満する女神の香りに心穏やかにしながら、言葉を続けた。

 

「俺は、終わらせる側の存在だ。だから俺がいるっていうことは、そこで終わる「可能性」が常に付きまとう。ゲイムギョウ界がそれでも平気な理由は、守護女神がいるからだ」

「…………」

「それがどんな結末だろうと、誰にも望まれてないモノだ。だから、世界の平和に俺は必要ない」

「ですが」

「だから──俺は、俺には。先がない。未来ってものが無いんだよ」

 後に続く物は何もない。だから子供もできないし、自己完結してしまう。そうすることが平和への最適解だからだ。自分で蒔いた災厄の種を刈る。死ぬまでずっと、それだけが存在していられる理由だ。しかしベールにはそれが納得いかない。

 

「エヌラスには、今しかないのなら尚更ですわ。最期に後悔しないためにも」

「手遅れが過ぎる話だ。後悔しかしてねぇよ、俺は。生まれたことも、戦うことも。女神に出会えたのが俺にとって一番の救いだ」

 人の姿をしておきながら、人ではない者として生まれてしまった。造られてしまった。だが、そもそもの前提において初めて女神と出会ったのはいつのことだろう──。剣姫か。或いは……。

 ソレと出会い、戦い続ける事を選ばせるのが大魔導師の目論見であったとするならば、次元連結装置でゲイムギョウ界の守護女神と出会わせるというのはあまりに博打が過ぎる。

 

 エヌラスの唇が、再びベールの唇と重ねられた。今度は、瞳の奥に宿る妖しい光も消えている。紋様も静まり返っていた。

 

「わたくし達が、救いになるのなら。それはきっと、あなたも女神が守るべき人の証拠ですわ」

「……なんかそうしてると、女神みたいだぞ。ベール」

「あら。みたい、ではなくわたくしも女神の一人ですわよ。失礼ですわね」

「そうだな……でも俺は、お前たちに守られたいわけじゃない。そこまで軟弱者じゃないぞ。俺を守って誰かが傷つくなんてまっぴら御免だ」

「強情ですわね」

「性分なんだよ……でも」

 顎を持ち上げて、今度はエヌラスの方から顔を近づける。長く、長く、短くキスを繰り返した。

 

「……そういう意味ってことで、いいんだよな。ベール」

「あの……」

「ん?」

「──わたくし、初めてですわよ……? だから、そのぉ……」

「わかってるよ」

 

 

 

 ベッドに押し倒されたベールがウインドドレスをはだけさせる。こぼれそうな胸を腕で押さえながら、早鐘を打つ鼓動に顔を赤くしていた。エヌラスが肌に舌を這わせると、身じろぎをして逃れようとする。

 

「んっ……ぅ、くすぐったいですわ」

 太ももを撫でながら身体を重ねると、すぐにベールが背中に手を回してきた。全身で感じるエヌラスの体重に息を吐き出す。

 

「重いですわよ……?」

「俺は柔らかいけどな、特に胸の辺りが」

「もうっ」

 ──また。

 ベールは胸の内側からざわつく感情に、身体を震わせる。火照る身体に、思わず吐息が乱れた。エヌラスの指先が胸をなぞり、太ももを這う度に官能的な欲望が自分の中から這い出してくる。

 薄っすらと開かれた眼に妖しい光が秘められていくと、手を止めた。

 

「ベール……続けても大丈夫か?」

「え、ええ……わたくしのことはお気になさらず。続けてくださいまし? もっと、欲しくて、身体が疼いてしまって……ぁ、どうなって……」

 太ももの紋様が再び光を放ち、ベールは今度こそ感情の赴くままにエヌラスの手を取ると引き寄せて身体を入れ替える。

 頬を紅潮させて甘い吐息をもらしながらも、股間を弄るとエヌラスの陰茎を取り出して胸いっぱいに息を吸い込む。

 

「……本当に、大丈夫なんだろうな?」

「ええ、ええ……わたくしに、おまかせくださいませ♪」

「いやお前、初めてって……」

「予習はしておりますもの。あぁ……これがホンモノの……♡」

 実物を初めて見たベールが、頬ずりをしてみせる。熱く滾った竿に夢中な様子で、舌を這わせていた。根本から亀頭まで。そして、鈴口を丹念に舐める。

 

「……ほんとに初めてなんだよな?」

「何度も、んっ、言わせないでくださいます、んぅ……どう、れふか? わたくしの、舌は」

「熱くてネットリしてて、いやらしい」

「ん、ふふ……♪ お気に召してもらえて嬉しいですわ……はぷっ」

 微笑みながらベールは先端にしゃぶりつくと、飴玉でも舐めるように何度も口の中で舌を転がした。手はゆっくりと上下に動かしながら射精を促している。

 やがて口を離すと、今度は自慢の胸を使って挟み込んでよだれを谷間に垂らした。手で横から押さえつけながら何度も上下に動かしていく。むっちりとした肉の柔らかさが陰茎を包み込み、なんとも言えない心地よさに腰が震えた。

 

「どうですか、わたくしのおっぱいは。ただたゆんたゆんなだけでは、ありませんわよ」

「自慢するだけは、あるな……!」

「わたくしの胸の中で、ビクビクといやらしく震えて……いけないですわね」

「っ……ベール、お前……」

「はい?」

「……本当に初めてなんだろうな?」

「──怒りますわよ?」

「悪かった、二度と聞かない」

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