超次元ゲイムネプテューヌZ-血と硝煙と鋼と荒唐無稽- 作:アメリカ兎
ギシ――ベッドが軋む。ひとりふたり程度ならば壊れることもないように設計されているエヌラスのベッドであるが、その夜の二人の激しさに黄色い悲鳴をあげていた。腰をくねらせ、それだけで耐え難い快楽に身体が跳ねる。
「――フフ、なぁに? そんなにキモチイイの? ほら、こうかしらぁ」
「アイリス、それ、待て……」
「だぁめよ~? ちゃんと我慢、しなきゃ」
ぬるりと愛液に包まれて、引き抜かれていくだけで亀頭が絡みつくヒダと擦れていくとアイリスハートは再び緩やかに腰を落としてった。
「あハッ、なぁにエヌラス? あなたもしかして、射精しそうなのぉ」
「無理、言うな。こんなん耐えられるか……」
「そうよねぇ、だってあたしの中でこんな、ギンギンになってるもの」
「ぬぅぅぅぅ……!」
堪え、言われて我慢している欲望がこれ以上ないほど膨れ上がっている。ハリのある肌を汗が伝い、エヌラスの手を取るとアイリスハートは自分の胸に当てた。変身前からは想像もつかない豊満な乳房には確かな重量感と柔らかさがある。
「んッ……、フフッ。どう? 変身した後のあたしはスゴイでしょ」
「いや、お前に限らず全員スゴイと思うけどな」
「むっ。あたし以外の女のことを言うとこうよ、こう」
「ひぎぃぃぃぁぁぁぁ……!」
「なによそんな苦悶の声出して。我慢しなさいって」
「――――」
「……?」
「俺の、身体が、不調なの、忘れてないよな……!?」
「あぁ、そういえばそうね。で? それのなにが問題?」
「命の問題だよ!」
一刻を争う緊急事態でもアイリスハートはまるでそれを言われるまで忘れていたかのようにとぼけてみせた。そして、妖しく笑うと突然腰の振りを早める。
「それで、あたしが、止まると思うの? ほぉら、イッちゃいなさいよ!」
「――――ッ、……――くっ!」
どくっ……。先端から溢れると思った時には既に遅かった。根元まで奥深く咥え込まれた瞬間にエヌラスは果てて、アイリスハートの中に溜め込んでいた精液を残さず吐き出す。それを子宮で受け止めるだけで腰が抜けそうな快楽に襲われるも、平然を装う。
「ふゥ、ン……ふふ、こんなに、出して……あ、嘘、まだ出るの……?」
アイリスハートは射精が落ち着くまで腰を落としていたが、その隙を見てエヌラスは胸から腰に手を下ろし、さらにお腹、窮鼠部――と、そこでクリトリスを剥いて刺激した。
「んひゥッ!」
アイリスハートが艶かしい声を出して、膣が急激に絞まる。きゅうきゅうと欲深い身体は正直な反応を示していた。目尻がつり上がっている。
「ちょっと……? なに、勝手にしてるのよ、ォ」
「いや、なに。あまりに手持ち無沙汰だったものでな」
肩はプルプルと小刻みに震え、その目元には涙が溜まっていた。顔は耳まで真っ赤に染まり、怒りに震えていたが、どうにも堪え切れない快感に口元が緩んでいる。
「なんだ? イキそうなのか?」
「そんなわけ、ないじゃなぁひぃ!?」
「ふむ。弱いのは、ココらへんか」
アイリスハートがエヌラスの手を止めようとするが、力が入らずに手を添えるだけだ。溢れ出る精液に愛液が混じり、卑猥にテカるエヌラスの陰茎を見てヨダレを垂らしながら腰を浮かせると深く沈み込ませる。射精を終えたばかりでも一向に衰える気配のない硬さに熱く突き上げられて、身体を掻き抱いた。
“余裕なくなってきたな……”
自分が有利なのだと思っていたのだろうが、実際はどちらも限界に近い。
「はぁ、ハァ――エヌラス、あたし……」
「俺もそろそろ……」
「ぁ……いっしょ、に」
勃起した陰核を弄る手を取り、指を絡ませる。強く握りしめて、どちらともなく唇を寄せた。
「一人で、イカせないんだから」
「ほんっと、お前は――この、っ……」
「あ――ああ、はあぁぁぁっ!」
二人は同時に絶頂に達し、プルルート=アイリスハートは変身を保てなくなったのか身体を小さく戻すとエヌラスの胸板に頭を預ける。一糸纏わぬ裸で、息を荒くして奥まで深く咥えこんでいた陰茎を抜くと精液がこれでもかと溢れでた。
「あたし、ぃ~……白い、オシッコしてる、みたいでぇ……エッチぃよぉ~」
「……ド変態のスケベが何言ってやがる……」
「エヌラスが出したのにぃ~……」
「お前が搾り取ったんだろうが……ほら、拭くから脚開けって」
「ぷるぅ……」
言われるままにプルルートはエヌラスの上で脚を開く。それだけで割れ目から精液が太ももから垂れ落ちる。手繰り寄せたティッシュでそれを丹念に拭き取ると、小さな秘部に指を入れた。
「んくゥ……! エヌ、ラス、かき回しちゃ、やだぁ~……!」
「指入れるだけでキツイな……」
「聞い、てる~? ん、ん。あフ……」
ピクピクと身体を震わせ、何度目かになる絶頂にプルルートは今度こそ腰を抜かしてエヌラスに身体を預ける。ぐっしょりと濡れた手を見せると顔を赤くしながら頬を膨らませていた。
「いじわるぅ……」
「はは、おまいう」
「あたしが変身するのぉ、一人で二人分じゃないんだからぁ~」
「大きいと逆に遠慮しなくていいからそれはそれでおいしい」
「……エヌラスのえっち……」
小さな身体を抱いて、脇に寄せるとプルルートがふてくされたようにそっぽを向く。
「なんで怒ってるんだよ」
「……だってぇ、あたしがリード取るって言ったのにぃエヌラスがイジメるんだもん~」
「あ、あぁ……悪い」
髪を梳くように撫でると、心地よさそうに小さく声を出した。
「……エヌラス」
「んー?」
「あたしぃ、好きだから~……忘れないでね~?」
「……ああ」
俺も――とは、言えなかった。言い出せなかった。どうしても思い出す。
あの狂気の魔人を。
手の中にある小さな身体から伝わってくる温もりでも、芯と凍てついた心だけは冷えたままだった。強く抱きしめる。苦しそうにうめくプルルートに構わず。
「んぅ~、苦しいよぉ」
「……ごめんな」
「どうして謝るの~?」
それでも、手放すことは出来ない。だけど大事にすればするほど、大切に思えば思うほど、心が恐怖する。大切な物は、自分の手から必ずこぼれ落ちていく。
九龍アマルガムで高純度の黄金の蜂蜜酒を製造している場所はかなり限られる。精製方法には少なからず酒造の知識が要求されるし、ソレ以上に求められるのは魔導に関する知識。そう、黄金の蜂蜜酒を作るには魔術を施されたハチが必要だ。もちろん、違法である。そしてそのハチ達が蜜として集める花も魔術に使用される植物。当然のごとく植えるだけで御法度モノである。更に言ってしまえばそれを作る為に必要な道具も施設もさも当たり前のように違法。これが高純度の黄金の蜂蜜酒が入手困難な謂れだった。言ってしまえばグレーゾーンを突っ切ってアウトラインギリギリを攻め損ねた結果、未開拓の世界で原住民を轢き殺しながら新世界に足を踏み入れて尚もアクセルをべた踏みしているようなものである。これには『アサイラム』の所属員達も匙を投げた。そもそも何が違法かと聞かれたら、驚きの含有成分100%だ。
だがしかし、そこは犯罪国家。用法と用量を規定して、更に純度を薄めた物を“一般的に”普及させることで事なきを得ている。薬も過ぎれば毒となる。だが、要は程度の問題。ある程度までなら許容範囲とした。
「いや、それ根本的な解決になってないし」
ノワールにツッコまれる。そりゃそうだ。
「つまりは、手がつけられないから目を瞑るってことでしょ? そんなんでいいの?」
「ほれ」
エヌラスが何食わぬ顔で薬局の展示品から黄金の蜂蜜酒をかっさらうとノワールに投げ渡した。小さな瓶に入ったソレはまるで栄養ドリンクのような気軽さで箱詰めにされて置かれている。そこに店主と思わしき人間の文字で『超特価! 投げ売り上等!』と書かれていた。ミミズがサンバ踊る方がマシな汚い文字で。
店の人間が顔を出すと、人間ですらなかった。ノワールは手に持っていた瓶を元の場所に戻してダッシュで戻ってきた。その隣で交通事故が連続して起きている。車が爆発した。衝突に巻き込まれた市民の懐から財布を抜き出す不良共がいたが何も見ていない、いいね?
「こ、こここっココって人間以外でもお仕事してるの?」
「まぁな。たまーに言葉通じない変な奴とかいるけど」
「だってあんなイソギンチャクみたいな頭に目玉ギョロギョロ付いたの人間じゃないわよね!?」
「おいノワール。どんなブサイクにも人権はあるんだぞ? そんな酷いこと言うなよ」
「エヌラスさんの言ってることも相当に酷いような……」
聞こえないふり。
ネプテューヌ達を連れて九龍アマルガムを歩くのは相当に勇気の必要な行為だったが、ブシドーを連れているだけで雑踏が割れる。アサイラム幹部ともなれば、国王以上にその危険性が知れ渡っていた。今しがた財布を抜き取ろうとしたチンピラの両腕が背後で切り落とされている。南無。
そして、エヌラス達のいる通りで人だかりができていた。邪魔臭いと思いつつも覗き見た現場にはアサイラムのメンバーが二人。
「よぉ、クイーンとバトラー」
気さくに声を掛けるエヌラスにその二人も気づいたのか、パッと振り返る。
「国王様、お久しぶりでございます」
「あら、懐かしい顔」
パッと見、主人とその従者にしか見えないことからエヌラスが付けたアダ名が
「ブシドー。貴方もご一緒でしたか」
「うむ。久方ぶりに顔を拝見してな。その上一宿一飯の世話になったとあれば、少女たちの護衛もやぶさかではあるまい?」
「律儀ですね、相変わらず」
「そちらこそ」
「で? アサイラムの面子がどうしてこんな場所に」
「こんな場所ってアナタの街でしょうが……」
聞こえない聞こえない。ノワールからのツッコミなんて聞こえなーい。エヌラスは見ないふりをした。