超次元ゲイムネプテューヌZ-血と硝煙と鋼と荒唐無稽- 作:アメリカ兎
──リーンボックス教会では、執務室でせっせと業務に精を出すベールをネプギアが補佐として立ち回っていた。教祖である箱崎チカはそれを羨ましく妬ましく思いながらも自分にできる仕事をこなす。
そこへ一本の電話。相手は武装企業社長代理のキャロラインからだった。
「あら、キャロりんちゃん。どうかなさいましたの?」
《キャロラインです。例の犯罪組織の件についてこちらも彼から相談を受けました。その進展についての報告になります》
反女神派勢力を隠れ蓑に活動を起こしていた大罪人、犯罪組織のアジトを武装企業が制圧。拘束した犯罪者達を現在移送中とのこと。だが、逃げ足が速かった張本人及び協力者二名は騒動の中で消息不明。
《とはいえ、彼らに対してそのようなことは心配しておりませんが》
「ふふ、そうですわね。ご報告ありがとうございますわ、キャロりんちゃん」
《キャロラインですよ女神様? まぁいいでしょう。おそらく自発的に逃亡した大罪人を追跡していると思われます。それと内通者についてもこちらで調査を進めていますのでご安心を》
「なにからなにまでお手数をおかけいたしますわ。もしよろしければ今度お茶の方でもご一緒に──」
《業務報告は以上になります。それではごきげんよう》
ブツッ。ツーツーツー。
無慈悲にも。
ベールの言葉が終わるのを待たずにキャロラインは報告を終えるなり通話を切断していた。ネプギアがそれとなく横顔を覗いてみると悔しそうにしている。
「わたくしとしてはもっと仲良くなりたいのですけれど、取り付く島もなければ付け入る隙も見せないとはやりますわね……! 絶対に攻略してみせますわ!」
「趣旨が変わっているような……」
「わたくしとしてもキャロラインちゃんは評価してるんですのよ?」
「それはわかりますけれど」
なにせあのプレジレントの敏腕秘書だ。今や武装企業を切り盛りしている社長代理、仕事ができないはずがない。軍事大国リーンボックスの戦力を担う企業勢力でも抜きん出ている軍事産業には積み上げてきた確かな実績と信頼が築かれている。それを我が物にしようとはベールも考えていない。ただもうちょっとだけ、ほんのちょびっとだけ歩み寄ってくれないかと思っているだけだ。
「それにしてもエヌラスさんとニトロプラスちゃん、どこに行っちゃったんでしょうね?」
「猟犬のようなお二人ですもの。きっと今頃……」
「……考えたくないなぁ」
犯罪国家流の尋問や拘束など五体満足で済むはずがない。
「原形を留めているといいですわね、例の大罪人」
「こわいこと言わないでください、ベールさん!?」
──そんなベールの思惑とは別に、エヌラスとニトロプラスちゃんは身体を重ねていた。
腕を押さえ込まれて一方的に責められる状況から抜け出そうと身体をよじるも、結合部の感触に意識とは裏腹に思うように力が入らない。それどころか蜜壺の壁をゴリゴリと押し広げてくる屹立した男根が暴れていた。
「んッ、うぅ! なん、でアンタこんな──元気なのよ!」
「さっきも言ったと思うが久しぶりなんだからそりゃ元気に決まってんだろ!」
「ベールからの話、じゃ……! つい最近まで、死にかけてたくせに、ィ!」
「下手に動くと余計なとこに当たるぞ、おとなしくしてろ、っての!」
「ん、ひっぅ!? そ、んな奥まで──!?」
腰を強く打ちつけると、ニトロプラスちゃんは少しだけ大人しくなる。膣の収縮に、軽く達しそうになったようだ。だがエヌラスは容赦なく膣奥を執拗に責める。鈴口に覚える窮屈さに、そこが子宮口であることを探るとその手前の一層狭い空間をカリでえぐるように往復させた。圧迫される内臓の苦しさもあるが、それをどうすることもできないニトロプラスちゃんがもがくように足をバタつかせる。それでも股ぐらに身体を押し込まれ、抵抗しようにも両手を力づくで押さえ込まれては抜け出すものも抜け出せない。
「くッ、んぅぅ……! こ、のぉ……ここから出たら、覚えてなさいよ──!」
「めっちゃ締まり良いなお前……」
「うる、っさ、いぃぃ……! そこばっか、責めるなぁ!」
口では強気なものの、時折反射的に身体を痙攣させているのは達しそうになっているからか。苦しそうな嗚咽よりもその中に含まれる甘ったるい声が増してきていた。
「んッ! っく、うぅ! い、やなのに──! も、この……! 扉、見てなさい、っての……」
「言われてみりゃそうだ。このままお前のこと抱き潰しても仕方ねぇもん、なっ!」
「んひィィッ! ~~~っ、こ、のぉ……!」
エヌラスがひときわ強く腰を打ちつけてからゆっくりと引き抜く。押さえつけていた手を放し、身体を抱きかかえて扉の横まで運ぶ。疑問符を浮かべていたニトロプラスちゃんを下ろしてから壁に押し付けると今度は後ろから挿入した。
「に、みゃあぁッ!? な、なにすん……くぅぅッ♡」
「……お前ケツもでかいな」
「腰、つかむ、なぁぁ……!」
息を荒くしながらも、それでも最後の抵抗はやめないニトロプラスちゃんが手を伸ばしてエヌラスを引き離そうとするが逆に腕を掴まれる。
腕を引き寄せながら腰を打ちつけられて口腔から自分でも信じられないほど甘い声が漏れたのが悔しいのか、唇を噛み締めて手で押さえつけていた。
「別に誰かに聞かれるわけじゃないんだからいいだろ、声出しても」
「ッ、ん……! ふ、ゥ──♡ んん、んぅぅ……!!」
首を横に振って否定する意思を提示しているが、エヌラスはそれでも腰の動きをやめない。その気丈に振る舞いながらも行為に及び、あまつさえそれを(強制的にとはいえ)受け入れている姿というのは、とても征服欲が満たされる。エヌラスが尿意にも似たそれに背筋を震わせて、気を緩めた瞬間にそれは怒涛の勢いで駆け上がっていた。
「悪い、ちょっともう……
「ふッ……!? んん、んんんぅ!? ご、ゴム着けてるからってアンタ、ちょっと……!?」
「なんだよ……!」
「こ、心の準備くらいさせ──」
腕を引き込み、腰を押しつけて子宮を突き上げながらエヌラスはニトロプラスちゃんの膣へ盛大に射精する。コンドーム越しでも伝わってくる射精管を駆け上がる精液の流れに腰を震わせて、抜けそうになる腰を踏ん張るが、それが逆にエヌラスから絞り取る形となっていた。
「っ……だから、お前さっきっから──締めつけ過ぎなんだっての……!」
「そんなのっ、知らないってばぁ……! う、うぅぅ……すっごい、出てるの伝わってくるしぃ……!」
ニトロプラスちゃんが喘ぎ、肩で息を整えている間にエヌラスは扉に手をかざしてみる。だが想定していた最悪の事態が発生した。
シン、と。無反応を貫き通す自動扉に手を当ててみるが、これが押しても引いてもびくともしない。困ったことに。
「……扉開かねぇんだけど」
「──ウソでしょ?」
ガクガクと子鹿のように足を震わせていたニトロプラスちゃんからエヌラスが男根を引き抜き、コンドームを外して口を縛るとゴミ箱に投げ捨てる。まるで縋るように扉をペタペタと触れるニトロプラスちゃんだが、まったく反応しなかった。
「ちょっと失礼」
「へっ? えっ、あ!? な、なんでアンタまだそんなおっ勃ててんのよ!?」
「一度や二度で満足しなくてよ……」
「って、まさか、ちょっとぉ!? 生でするつもりじゃないでしょうね!? や、め──んんぅ、~~~……♡」
床にへたり込む相手の足を開かせてから、エヌラスはコンドームを着けずに挿入する。先程までの性行為によって腟内がほぐされていたからかスムーズに奥まで受け入れ、ゴム一枚で隔たれていた快感が直に伝わってきた。
再び扉の反応がないか手をかざし、確かめてみるが──やはりこれでも無反応。
「う、うっ……なんであたしこんな目に遭ってるのかしら……」
「これでもダメってなると、マジで地上消し飛ばす勢いだな」
「もう好きにして……」
エヌラスは挿入していた男根を引き抜き、ニトロプラスちゃんを抱き寄せると頭を優しく叩いた。
「別に本気でやるわけじゃなかったんだよ。これで開かないかって思っただけで」
「うっさいバカ、喋んな。下半身すっぽんぽんで言っても説得力ないわよ、グスッ……」
「泣くなよ、気持ちはわかるが」
「うぅ……泣きたくもなるわよ……」
小さく「最悪」とまた愚痴をこぼす。
どう慰めたものかと考え、とりあえずエヌラスは落ち着くまで頭を撫でることにした。
「……子供じゃないんだからこれであやされると思ってんの?」
「お前、ほんっとうにかわいくねぇな……口だけは」
「悪かったわね、生まれつきよ。ぐす……」
「あーもう、ほら、そんな泣くなよ──」
「んっ……ちょっと、こら……もう……」
頬に軽く口付けをすると、くすぐったさに一度は顔を離す。しかし、その意図を汲んでか諦めたように頭を預けてきた。何度も軽いキスを繰り返し、やがて互いの唇を重ねると──“カチリ”と、なにか音が聞こえる。
(……ん? 何だ今の音)
まるで時計の針が傾いたような、聞き逃してしまいそうなほど小さな金属音だった。エヌラスが耳を傾けている間にも、ニトロプラスちゃんは銀糸を引く唇から熱い吐息をこぼしている。喉を鳴らして飲み込む音が室内に響いた。
「はぁ、はぁ……ん? どうしたのよ?」
かちっ。──また同じような音が聞こえてくる。
扉に手をかざして押しても引いてもビクともしないことを確認してから、エヌラスは脱ぎ捨てられていたジャケットとパンツとスカートを拾うと念のためサイドデスク上の小瓶をポケットに入れた。
「とりあえずスカート履いとけ」
「先にパンツ穿かせてよ……」
「言われてみりゃそれもそうか。んじゃパンツ穿かせるからじっとしてろ」
「なんでそうなるの!?」
「いいだろ紐だし。大体脱がせても穿かせてもお得なんだからいいじゃねぇか」
「……パンツ脱がせて回るのとパンツ穿かせて回るなら、穿かせて回った方がいいわね。世の中」
紐を結び、スカートを渡すといそいそと身につけるなり壁に手をつきながら立ち上がる。それから我に返った。
「アンタは何を言っているの?」
「俺のセリフなんだよ。なんでパンツについて語り合わねぇといけないんだよお前と。それはそれとしてさっさと出るぞ」
「地上消し飛ばすつも、んんんっ!?」
言葉を終えるよりも先にニトロプラスちゃんの唇を塞ぎ、舌を挿れる。熱い感触に体を強張らせるも、慣れない舌使いで絡めてくる──すると、やはり“カチリ”と音が聞こえた。
エヌラスが手を伸ばし、扉を動かすとそれは滑るようにして廊下への抜け道を示す。有無を言わさず相手の体を抱えて部屋を後にした。
──真っ暗な廊下を抜けて、階段を駆け上がり、ようやく外部へ脱出した頃にはすっかり日は沈んでいた。どうやら思った以上にあの馬鹿げた部屋の中に閉じ込められていたらしい。
「っぷはァ! 久しぶりに外の空気を吸った気がするな」
「ッ~~~、いいから早く下ろして! 誰かに見られたらどうすんの」
「まぁそこはそれ。俺の悪評に箔がつくだけだ」
「アンタ慣れすぎでしょ……」
「立てるか?」
「…………、立てるし歩けるけど」
「けど、どうした」
「──違和感が残ってるんだけど、どう責任取ってくれるわけ?」
少しだけ考え込む素振りを見せてから、エヌラスは手を叩く。
「あのクソボケゲロカス大罪人を社会的にぶち殺す手段があるからそれで手を打ってくれねぇか」
「オッケー、ノッたわ。全力で手伝わせてもらう」
だがひとまず今日のところは撤退。リーンボックス教会への道のりを二人で肩を並べて歩く。
その距離を以前よりも少しだけ縮めて。