クマ吉君の野望【2次創作短編集】 作:堀 吉之助
朝の風が、冷たかった。
山道を一台のモトラドが白煙を上げて走っていく。荷台にはきつく縛られた荷物が積まれ、乗り手はフードとゴーグルで顔を隠している。
風を受けてばたばたとコートがはためく音とモトラドのエンジン音だけが運転手、キノの耳に届く。
「退屈だねえ……キノ」
モトラドがキノに話しかけた。キノは少し目線を下げて。
「そうだね、エルメス」
短く答えた。
キノ達の前には高い山々が稜線を連ね、その間から少しだけ眩しい光とともに朝日が顔を出している。
道も悪くはない、アスファルトとガードレールでしっかりと整備された道はモトラドで走るには快適だった。近くの国が整備しているのかな、とキノは思う。
ただ長い。かれこれ2時間は走っているがまだ出口が見えない。エルメスが退屈と言ったのはそのことだ。さらに山道特有の曲がりくねった道も多く、スピードを上げにくいことも退屈を助長している。
朝日の美しさも、清澄な空気も。鈍い疲れのたまった状態では楽しめそうにない。
「まったく、キノが前の国で燃料を買いそびれたからこんなことになったんだよ」
エルメスがキノに言った。
「……しかたないだろう。僕だってお腹が空いてるんだ」
前の国。キノ達が数日前に滞在した国は、あまり豊かな国ではなかった。店はあるにはあるのだが物が異常に高く、一斤のパンですら他の国からは考えられない値段だった
それはキノのような旅人には死活問題だった。旅人は当たり前だが根無し草である。だから立ち寄った国々で必要な物資を買い揃える必要がある。
それが買えなかった。食料も燃料も、また資金源になるような交易品ですらもキノの貧しい懐事情では手に入らなかった。店は国営でそれ以外の商工行為は罰せられる法律があったから土地の人々から売ってもらうこともできなかった。
キノは同じ国に必ず3日滞在する。というルールを自分に課している。だからその国にも3日間滞在した。一応宿はとれたが、満足な食事はとれない。携帯食料を国の中で消費するという、おかしなことになった。
しかも悪いことに治安も悪い。エルメスをほおっておくこともできず、燃料の節約の為押して回った。かといって見るべきところもなく、燃料に使ったのか山は禿山で川は汚れていた。わざわざ濾過してキノは飲まなくてはならなかった。水道すら満足になかった。もちろんシャワーなどもない。
つまり補給するべき物資を消費し、なにも得ることもなく。只々純粋な体の疲労と、空腹だけが残った滞在だった。
いつかはいい思い出になるかもしれないが、つい先日のことではそのマイナスの気持ちがもやもやとキノの頭に残っている。
「お腹がへった」
吐き捨てるようにキノ言う。普段は温厚な若者で、感情を見せることすらめったにないが、さすがに人間としていらだってしまう。エルメスに文句を言われたことにも腹が立つ。
「……短気は損気だっていうよ」
「あ?なんだって」
いらだった声でキノはエルメスに聞き返した。そんなつもりはなかったが、どうしても声が怒気をはらんでしまう。エルメスも黙った。
微妙な空気。エルメスもキノの怒っているところはほとんど見たことがない。だから、言うべきことが見つからなかった。
「悪かったよ……」
川のそばに道が差し掛かった時、エルメスを止めてキノは言った。自分が怒っていることがいやというほどキノには分かる。さすがに申し訳なくなった。
「いーよ、いーよ」
とエルメスは軽く返した。彼はキノの態度に怒っているのではなく、話の切り口が見つからなかったのだ、むしろほっとした。
「ちょっと、僕は顔を洗ってくるよ」
キノはエルメスを道のわきに止めて、ガードレールを越え河原に降りて行った。
掬った水を口に運ぶ。
キノの喉を冷たい水が通っていく。生水を飲むのはあまりよくないことは知っているが、その冷たさと自然で清澄な透明さがキノにはたまらなくおいしかった。
「ふう」
キノは息を吐き出す。冷えた頭が、思考を少しだけ抑えた。恥ずかしいような、怒っていた自分の未熟さがいらだたしいような気がする。
キノは腰から水筒をとりだして川の中にいれた。一度中をゆすいで。もう一度水を満杯まで入れる。そして蓋を閉めて立ちあがる。
立ち上がった時に見えてしまった。上流にクマがいる。
それなりに離れた場所で襲われることはないだろうが、むきだしになった茶色の毛皮と丸い耳を持っていることがわかる。クマ吉だった。
彼はまったくキノに気が付く様子もなく、「小便をしている」。
ぎりとキノは歯を鳴らした。手から水筒がぽとりと落ちる。
――なんでこんなに理不尽なことが起こるんだ。
「僕が、何を、したっていうんだ」
口の中に入れた水が気持ち悪い。キノは口を押えて後ろに走り出した。いままでの怒りが全てクマ吉への怒りに変換されてしまった。クマ吉の運が悪いのか、キノの運が悪いのか。
「なに、なに。どーしたの?」
急に血相を変えて戻ってきたキノが、荷台の紐を解いて中から細ながい包みを出した。エルメスはいきなりのことにびっくりしている。キノはエルメスに。
「クマがっ」
と言った。襲われたのか、とエルメスは思ったがなら逃げればいいだけで
フルートとキノが呼ぶ長銃を出す必要がない。
フルートは二つに分解されていて必要な時に組み立てて使う。キノは急いで組み立て、一度照準を確認してから河原に戻った。
「ふぁあああ」
クマ吉は両手を上げて体を伸ばすと、大きく欠伸をした。
「やっぱり、これが一番だね」
彼は一糸も体にまとっていない。川上から流れてくる冷たい空気が、「ナニ」に当たって気持ちがいい。
「生きてるって楽しい」
両手を腰に当てて、朝日をクマ吉は見上げる。燦々と彼の体を明るい光が照らす。
「うん?」
気のせいだろう、離れたところに銃を構えた人がいて。
こっちを向いている。なんてことは幻覚のはずだった。
「えっええ?」
クマ吉は自らの危機に気が付いた。急いで逃げようとするが、もう間に合わない。
逃げるため振り返ったことが彼のお尻を銃口にさしだすことになった。バンと乾いた音が河原に響く。
彼の出口が――入り口になった。
「ぎゃああああああああああ?」
キノはほっこりと顔を綻ばせて、細かく切ったステーキを口に運んだ。
今朝から、いや数日前からいやなことがあったが。もうそんな気持ちは吹っ飛んでいた。
ここはキノ達の次の目的としていた国。山の奥地にある小さな国だった。もともとはさらに大きな国に行くための中継地点としてここに来たのだが、なんとキノの来た日が祭りの日だった。
食べ放題、飲み放題。領内の村々からは多くの工芸品があつまり、しかも今日に限って安い。その上思いのほか国民に歓迎されたキノはわざわざそこの首長の別荘として使っている、コテージを無料で貸してもらった。シャワーもある。
キノは祭りを堪能してコテージのベットに飛び込んだ。
柔らかな感触が気持ちいい。思わずにへらと笑ってしまう。キノはシャワーを浴びた後で体がほてっている。
幸せだった。お腹は満腹、必要なものもしっかり手に入った。エルメスもただで整備してくれるらしく、工場に預けた。
「いい国だなあ」
ごろんと、天井を向いてキノは呟く。前回の国がひどすぎて思わずそう言ってしまう。
緩んだベルトを巻いたパンツ(この場合、ズボン)としわの少しついたシャツ。それがキノの格好だった。いつも肩身離さず持っているホルスターは机の上に放置されていた。
キノはうとうととしてきたので、部屋の電気を消して。目を閉じた。
夜二時。コテージのドアがゆっくりと開いた。
丸顔のクマが全裸で入ってくる。手にはキーピックを握り、ちゃらちゃらと音を鳴らしている。クマ吉だった。青い半ぞでのシャツと短パンを着ている。
彼はあの後超熊的な力でキズの治癒を行い、復讐の為にキノを探し出したのだ。
クマ吉はすぐにキノを見つけた。ベットの上で幸せそうに寝ている、口からは少しだけ涎が垂れていた。それほど疲れていたのだ。クマ吉にも全く気が付かない。
「……」
クマ吉はがっくりと肩を落とした。ある一転のことが彼の心を弾ませない。キノの起伏のないシャツをちらっとみて
男には興味ないよ。
それがクマ吉の思っていることだった。どうせなら女の子の方がよかった、いろいろ楽しめるしとも思う。
だが復讐は復讐。アナルはアナル。返してやらなけばならない。
クマ吉はゆっくりとキノの体をうつぶせにして、「彼女」の膝を立たせた。両膝を立てて、尻を突き出したような格好にさせる。うんとキノは唸ったが、起きなかった。クマ吉はキノが起きなかったことに安堵すると、ベルトをもう少しだけ緩めてパンツを下着ごと下げた。全部下げたら気づかれるかもしれない為、お尻が見える程度で辞めた。
キノのお尻は白く、小ぶりで張りのあるそれにクマ吉はじゅるりとそそられそうになったが。
「男には興味ないよ。僕は変態じゃない」
といって無理やり欲望を抑え込んだ。どうみても変態である。
クマ吉はポケットから注射器型の浣腸器を取り出した。針はない、あくまで医療行為で肛門から薬を流すためのものだ。
注射器の中には少し黄色い液体が入っている。かなり度数の低いお酒だった。
復讐しに来たはいいが、注射器を差し込んだ後に反撃されてはたまらない。人はお酒を口などから入れられるよりも性器などの粘膜から吸収した方が酔ってしまう。クマ吉は何度も自分の中に注射器でお酒を注入しているので知っていた。
(注意 きもちよくなるそうですが。アルコールを直接いれると本当に酔います。作者はやったことはありませんが、クマ吉君は自分のからだで果てしない極限に挑戦しているその道のプロです。なので一般人がやってはいけません。ダメ絶対)
キノのお尻の穴に注射器が差し込まれる。
「きゅう?」
キノの体が跳ねる。いきなりの刺激の後に、冷たい液体がお尻の穴からキノの中に流れ込んでいく。
「くう」
お尻を引こうとしてキノは身をよじるが、逃がすまじとクマ吉は注射器を差し込む。注射器の先っぽがキノの奥に入っていく。さらに液体を彼女の中に入れる。
キノが股を占める。もし逆ならばパンツがずり落ちて、自分の性別をクマ吉に教えるところだっただろう。だが、クマ吉は容赦しない。
「ぐふふふ」
いつも通りの気持ち悪い笑いを飛ばし、ぐりぐりとキノの中で注射器を動かす。キノの粘液が交じって湿った穴を徹底的に犯す。優しく入れて素早く抜く。
「な、なにゃ」
シーツを掴んでキノは唸った。現在の状況が全くつかめない。顔は赤くなり、目には生理的な反応か涙が溜まっていた。彼女の口からでた涎がベットを濡らす。
「……?」
クマ吉はキノの悲鳴に違和感を覚えた。なにかおかしい、本当に男か?と。
それはそれとして楽しくなってきたクマ吉は、さらにキノのお尻をむき出しにしようと片手でパンツを掴もうとした。キノはびくりと反応する、脱がされることが理解できた。
反射的にキノは前に飛び出した。瞬間注射器が彼女のお尻の穴を刺激して抜けた。
「はあ、はあ、はあ……いった、い。ん、なんなんだ」
紅潮した顔に、荒い息。キノはクマ吉に向かい合ってパンツを腰に戻す。
やっとキノは自分の襲撃者を認識した。クマだ、それもかなりの間抜け面。
「きぐるみ?」
「ちがうよ!僕は正真正銘のクマだよ」
「しゃ、しゃべった」
驚いたキノは身をひねってシーツで体を隠した。無意識でやっていることなのだが、クマ吉の心をくすぐってしまう。
クマ吉が涎を垂らしながらキノににじり寄った。襲うつもりだった。
もはやショタに目覚めてもいい。そうクマ吉は思う。
「くるなっ」
キノがテーブルの上に置いてあるホルスターに手を伸ばす。そして空ぶった。かたとホルスターが机の下に落ちる。
「⁉」
一呼吸遅れてクマ吉とびかかる。
キノとクマ吉はベットの上でもみ合った。通常ならキノにクマ吉は勝てないだろう、だがいま彼女の体はアルコールと言う魔物が蝕んでいる。
「ぐっ!」
キノの両手をクマ吉がベットに押し付ける。キノはなんとか逃れようと力を入れているはずなのだがクマ吉に抵抗できない。それどころかくらくらと目の前が揺れる。
クマ吉の顔が近付いてくる。キノは顔を背けるが頬をぶちううとクマ吉にキスをされる。ゾワリと鳥肌が立つ。
「なんなんですか、あなた!」
「なんだじゃないよ、僕のアナルをぐちょぐちょにしたくせに。君のもしてやるために来たんだ」
ぐちょぐちょと言うのは物理的な話だ。血的な。
「は?あなる?」
キノにはまったく意味が分からない。もう少しうまく説明すればわかるだろうがクマ吉の説明が下手すぎた。それに「あなる」というものもなんなのかわからない。
「い、意味が分からないことを、言わないでください。早く、でひぇいって」
呂律が回らない。キノは自分の体の異変に気が付き。クマ吉に行った。
「ぼくに、なにをしたっ?」
クマ吉はキノのあわてぶりをみてにやりと笑い。
「淫乱になる薬をいれたんだよ」
盛大な嘘をついた。
「い、いんらん?」
キノには目の前のクマが何を言っているのかが全く分からない。頭がぼやっとしてきた。
キノの息はあたたかい。わずかに香る彼女の髪が甘いにおいを漂わせる。それにクマ吉がよく見るとキノの顔はかわいい。
「こ、こんなかわいい子が。女の子のはずがないっ。て違うよ、僕は男はやっぱり興味がないんだ。弱い僕が男と関係を持つと必然的に僕が掘られる方だよ、いやだよ。僕のお尻は僕のだ」
「……お、とこ?」
キノは自分が男と思われていることだけ理解した。そしてクマ吉が女にしか興味のないことも。それ以外は頭に入らなかった。
クマ吉がキノを見る。「男」といぶかしげに言ったキノの口調に違和感を覚えたのだ。じっと見つめるクマ吉にキノは焦って言った。
「そ、そうだ。僕はおとこだ」
「?」
ますますもって怪しい。クマ吉は片手を離してキノの下半身をまさぐろうとした。キノが自由になった手で逆に下半身を守る。
「確認するだけだよっ。ほかに、何もしないから」
「う、うそだ。しんじられな、ない」
キノの背中にいやな汗が流れた。自分が女だとばれたらそれだけで、どうなるか。彼女の鈍化した頭でもそれは分かった。旅をしていれば他人のそういう場面にも出くわしたことはある。
「ぼくは、男の子だっ」
必死にキノは主張した。その姿が、どことなく可愛くてクマ吉は舌舐めずりする。
「じゃあ、胸をみせてよ」
「なっ」
「男なんでしょ。僕も男だから恥ずかしがることはないよ。ぐふふ」
キノは泣きそうだった。しかし泣けばクマ吉に怪しまれる。彼女はパンツを脱がされるよりは、と考えて言った。
「わかった……みせればいいんでしょう。それを、みせれば、ぼくがおとこだえ、
いや僕が男だって信じてくれるんでしょう?」
意識してないと、舌がもつれる。キノは叫ぶように言った。
キノはクマ吉の手を跳ね上げようとしたが無理だった。クマ吉が下卑た笑いをしてからキノの拘束を解く。キノはゆっくりとシャツのボタンに手をかけた。
恥ずかしい。酒と羞恥心で震える手で。目をつぶり、ひとつひとつ外していく。声は出せない、出せば疑われる。手は止められない、恥ずかしそうにすればするほどクマ吉の疑いを深くする。
だがキノも女の子だった。顔が赤くなり、無意識に唇をかみしめてしまう。クマ吉を直視できない彼女は目を閉じている。そんな反応はどうしてもしてしまう、それは自分の性別を語るには十分だった。
「ぐふふふふう」
クマ吉は確信した。キノは女の子だ。
この時点で必死に男だと証明しようとするキノは滑稽な存在になり下がった。だがクマ吉は真正のくずである。
「ほら、男同士の友好を深めようよ。早く脱いでよ。僕も脱ぐから」
と言いながらシャツを素早く脱いだ。キノは見ていないし聞いてもいない、自分のことで必死だった。しかしクマ吉は調子に乗ってズボンも脱ぎ捨てた。パンツなど、元から履いてはいない。
「くっ」
目を閉じたまま、キノはシャツのボタンをはずし終わった。そしてシャツから片手ずつ引き抜いて脱ぐ。中にはキャミソールを着ていた。それだけでもう嘘はばれてしまう。もう関係はないが。
クマ吉は素っ裸のまま、ベットの上で立ち上がった。そのまま両腕を広げて「天翔十字鳳」の構えを取る。下郎が自らの肉棒をキノの目の前で天に突きたてる。
「うわああああああああああああああ」
キノが目を開けると目の前にけがらわしいものがあった。ぴくぴくと脈打ち、いきり立っている。それを見てひいとキノは小さく悲鳴を上げた
「なに驚いているの?僕はただ男友達の前に、僕の自慢の物を見せてあげているだけだよ」
だからとクマ吉は続けて言う。
「早く、脱いでよ」
思わずキノは頷いてしまった。脱ぎたいわけはない。わけがわからなクマ吉の行動に飲まれてしまったのだ。彼女は呆然とクマ吉の顔を見た。口角を釣り上げ、キノを見下ろす目はいやらしい。
けんかで勝つ。殺し合いで勝つ。ここはそんな土俵ではない、変態の世界。この世でも特殊かつはみ出したもののみが勝ち残れる世界にいつのまにかキノは引きずり込まれていた。
変態は恥じない。キノは恥じる。彼女に勝ち目はない。得体のしれない恐怖が、意味の分からない敗北感があった。引いた方が負けなのだ。
クマ吉はキノに目線を合わせてキャミソールを掴む。
「だっだめだ。ぼぼくはじぶんでっぬぐ」
キノは体を引いてクマ吉の手を払う。彼女はキャミソールの裾を掴むと、へその上までまくり上げて止まった。一度唇を噛んで一気に脱ぎ捨てた。
肉づきの悪い。と言えば酷かもしれない。キノはまるで少年のように体に起伏がなく、肋骨がわずかに浮き出ていた。ただ、体は驚くほど白く。少年のようとはいえわずかに膨れた胸をはずかしそうに両手で隠す。
「ど、どうだ、僕は、お、おどこだろ」
キノは図らずも涙が出てきた。なんでこんなことをしなければいけないのか、それもよくわからなくなってきた。
そんな女の子としての恥じらいを見せるキノに
「ほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
クマ吉の我慢は限界に達した。
クマ吉がキノの体を抱いて胸にくちを押し当てる。キノは「やっ」と声を上げるが
ペろ
とクマ吉に乳首を舐められて、行動をスタンされた。一瞬の隙、それをクマ吉のような一級の紳士が見逃すはずがない。ちなみに紳士とは変態の隠語だ。
クマ吉はキノのパンツに手を伸ばした。そしてずりおろす。
防御の暇もない。キノの秘所はクマ吉によって暴かれた。上半身同様に肉の少ないスリムな肢体だった。股の間には、案の定なにもない。
「は、はなしがちがうっ」
キノは暴れるが、弱々しい。もがくと言った方が正しい。
クマ吉はキノの股に手を通した、その手にはいつの間にかまた注射器が握られている。クマ吉は「ぐふふ」といつもの笑いをしてから、もう一度キノのお尻に注射器を入れる。
「ひゃああ」
今度は手加減をしない、ぐりと強引に尻の穴にねじ込む。穴の大きさと注射器の先がフィットしていて、すっと入った。そして中身をキノに流し込む。その間にもクマ吉の舌が彼女の胸を嬲る、
「やめろっぼくはっ」
キノの命運は尽きた。クマ吉はキノの思考が完全に無力化する程度を見計らって、入れた。クマ吉の修練は伊達ではない。夜の数だけ彼は自らの体を実験台にしてきた。
「ふ、ふうう」
キノは息を吐いた。クマ吉はキノのお尻をこれでかと注射器で掘る。注射器の先がキノの中を刺激する。クマ吉はおもむろに注射器を抜く。
クマ吉はキノの後ろに回って胸に手をまわす。そして揉む。キノが色っぽく声を出す。
「だ、だめぇ」
力の入らない体をクマ吉が蹂躙する。手を彼女の秘所を指で広げる。そして指を滑り込ませる。キノは体をよじるが、クマ吉を楽しませるだけだった。
クマ吉はキノの体をベットにうつぶせにさせた。そして、クマ吉自身は体を逆にして覆いかぶさる。つまり、キノの頭に自分の陰茎を押し当てつつ、彼女の股の間に頭を突っ込んだのだ。
クマ吉の舌が、キノのお尻の中に入る。彼女の中でクマ吉の舌が上に下にと動く。
キノはシーツを掴んで抜け出そうと動くが、体がうまく動かない。クマ吉はキノのお尻からあふれたお酒をじゅるると吸う。そして舌をもう一度キノのアナルに突っ込む。
「アぁああ…」
クマ吉はキノの秘所も舐めた、文字通り目と鼻の先である。舌を動かして、前と後ろ、好きな方を弄った。
キノは口をぱくぱくと動かす、目には涙、口には涎。
自分がなにしたのか、クマ吉がぴちゃぴちゃと自分を味わう音を聞きながら。必死になってキノは思い出そうとした。最初の方にクマ吉は「ぐちゃぐちゃ」がどうのと言っていたような気がする。
クマ。キノの脳裏に今朝の光景がフラッシュバックする。確かクマを撃った。
「ごめんなさい、僕が、僕が悪かったです、お、おしっこがか、かわからながれれてきて、それをにのんじゃって、そ、それでかっとなって」
キノのとぎれとぎれの声にクマ吉の耳がピクリと動いた。
「むしゃくしゃしてやったでお尻に弾丸ぶち込まれたらたまらないよっ。安心してズボンもぬげないじゃないか」
「ごめんなざいい」
涙声でキノは謝る。クマ吉はにやりと笑い。
おしっこをのんだって?。
クマ吉の耳がそんな面白そうなことを聞き逃すはずがなかった。
「ゆるしてあげるよ」
「へぇえ?」
クマ吉の突然の声にキノは情けない返事をした。クマ吉は続ける。
「たしかに、僕の、おしっこを、きみが、のんだのはかわいそうだと思うしね。だからおあいこにしよう」
いちいち自分が興奮する箇所を強調してクマ吉は話した。だが、キノは今の醜態が終わるとありもしない希望を持った。
「あ、ありがとうございまふ」
キノは心の底からクマ吉にお礼を言った。彼女の名誉のために言うのなら、アルコールのせいで彼女はまともに思考していない。聞いたことをそのまま頭に入れている。
「いや。僕も悪かったよ。だから、おあいこにしよう」
もう一度同じことをクマ吉は言いキノの腿を掴んだ。
「君のを飲んでね」
「……?……あっ?ああ。やっやだあ。そんなのはやだあ」
すこし遅れてクマ吉の言葉を理解したキノは少女らしい叫び声をあげるが、クマ吉は無理やり彼女の下半身から衣服を全てはぎ取った。そのまま仰向けにする。
細い肢体が、М時に開かれる。キノは足を閉じようとするがクマ吉は抑えて、キノの奥をまじまじと見つめる。口から出た涎がシーツに落ちた。
「ゆして、ゆるひて」
ははっとクマ吉は笑う。
「ちがうよ、これはいやらしいことじゃなくて。純粋におあいこにしたいんだよ。いやらしいことじゃないよ。それにこれが終わったら僕は帰るよ」
「……ほ、ぼんどう?」
嘘である。そんな気などクマ吉にはない。
「本当だよ」
クマ吉は笑う。そのままキノの秘所に口をつけた。キノが声を漏らす。
「さあ、準備おーけえだよっ」
キノは自分の胸の前で手を組んで、クマ吉を見た。酔っている方が彼女にとってはよかっただろう、今の光景はあまりに情けない。変なクマを股に挟むなど屈辱だった。
「ほんとうに、離してくれるの?」
聞き方が子供のようだった。純粋に裏のない言葉をキノは使う。
「もちろんだよっ」
それを平気で踏みにじる下種熊。
キノは目をつぶった。今この時だけ、クマ吉を信じた。そして下腹部に力を入れた。
小さな水の音が室内に響く。
それをなめとる舌の音がその意味を補足する。
「こっ。これで」
キノは行為を終えて赤くなった顔で言った。これでの後には「終わり」の言葉を心でつぶやく。彼女の頬を涙が伝った。
「セックスができるねっ」
クマ吉の声にキノは目を見開いた。
「ちちがうっ。はなしがちがう」
ずぶりとまた注射器がキノのお尻に入る。いい加減、理性の抵抗がなくなったキノは高い悲鳴を上げた。
「ああああああああ」
クマ吉は注射器の中に入った酒を全て彼女のに注ぎ込んだ。そして、お尻の穴を指でいじくる。
「ふふふふ、なんだっけ」
「やくひょくがひがい」
キノはもはやこうぎすることもできない。クマ吉はキノの腰を抱えた。
キノの顔が屈辱と、羞恥と、混乱で歪むのを見てクマ吉は興奮した。
キノの手が空を叩つかんだ。それが彼女の抵抗である。もはや、前後の認識もできない。あと数分で彼女の意識はアルコールの海に沈む。
銃の達人もこうなってはどうしようもない。
キノは口を開いた、薄れいく意識の中で思考のかけらをあつめた。
「ぼ、ぼくはお、おとこのこだ……」
自分を救ってくれるはずだった古い言葉を彼女は出した。
キノの夜が始まる。
「かわいがってあげるよ……へへへへへっへへへへへ」
赤色は苺の色。ジャムの色。
クマ吉はスプーンで瓶の中からジャムをとりだすと
キノの乳首に塗りたくった。
そのままスプーンの腹で彼女の乳首を擦る。キノはスプーンの冷たさとジャムの粘液でを感じて。
「きゃ」
と声を漏らす。気持ち良くて勝手に体がちぢこまる。だが抵抗はしない。気持ちいいのだから抵抗する理由がない。
キノは酔っていた。顔はとろんとしてだらしない。
窓から入ってくる月の光も、ベッドの柔らかさも。クマ吉の奇行も。全てがアルコールで色づけされていて、心地がいい。
「も、もうかひゃほうも」
「ぐふふ。焦っちゃだめだよ。これから塗るんだから」
もう片方とキノはクマ吉にねだる。ジャムのことだ。
クマ吉はキノの胸からスプーンを離すと、口に入れてなめまわす。
「君の味は、イチゴ味だね」
キモイことを言うクマ吉をとめる人間はここにはいない。キノは嬉しそうに笑った。楽しいとか、喜びとかそんな感情だけが裸のまま、キノの体に残っている。
今のキノは赤ちゃんと変わらなかった。倫理のような邪魔なものがすっぽりと抜け落ちた、ただの小娘。
クマ吉は唾液のたっぷりついたスプーンでジャムを掬うと、キノの手つかずのほうの胸にゆっくり塗り始めた。顔は真剣そのもの。あとで舐めるときにジャムが厚すぎてしまったら、キノの性感帯に舌が届かない。
キノはそんなクマ吉の苦労もつゆ知らず、ねっとりとした快感を楽しんでいた。たまにぴくんと体を動かすのは生理的な反応。要は気持ちがいい。
クマ吉はしっかりキノの胸にジャムを塗りたくった後、スプーンをキノの口に持っていた。彼女はスプーンをはむと咥えて、おいしそうに舐めた。
「ぼ、僕の唾液、いや聖水が中に……」
クマ吉がはあはあと息を漏らす。キノはそんなことよりもスプーンについたイチゴジャムをうまそうに食べる。
もともと味気ない携帯食品に付けたらどうかとキノが買ってみたジャムだが、まさか自分に塗られるとは彼女も予測できなかった。
キノはたいそう甘くなった。
クマ吉はスプーンをキノのから引き抜く。彼女は少し口でスプーンを離さないように抵抗したが無駄だった。もう少し食べたかったと、純粋に思う。
クマ吉はまたスプーンを口に入れて舐める。間接キスになるのだろうか。
時は満ちた。クマ吉はキノの前で手を合わせ。
「いただきます」
と言った。何を言っているのか自分でもわけがわからない。キノはクマ吉の行動が面白くてきゃきゃと笑う。
クマ吉はキノの胸にしゃぶりついた。甘いジャムを舌でなめとり、彼女の乳首をその先っぽで堪能する。キノはアルコールのためか体があったかくて、抱き着いただけでぬくもりがクマ吉に伝えわる。
「も、もっひょやざしぐ、にゃ」
キノの口から何か言葉が漏れる。クマ吉は「やさしくして」と解釈して。優しくしない。舌を限界まで出してキノの下乳から乳首までを一気に舌を走らせる。
「にゃあ」
キノが小さな胸をそらして体を引く。言い反応だねとクマ吉は笑う。
「じゃあこっちは、どうしようかな」
クマ吉はキノのもう片方の乳首をつまんで言った。どうせ舐めるが、なにか[経緯]がほしい。マンネリは紳士として許せない。
クマ吉は思いついた。まずキノの腰に片手をまわして、がっちりと固定する。そして余った方の手でキノの胸を揉み始めた。
「ぐふふふふふ。大きくしようねえ」
クマ吉の手のひらがキノの胸を刺激する。リズムをとるように手の端から力を入れていく力を入れていく。そして指先で乳首をつまんで捏ねる。
クマ吉の手の中でキノは身をよじった。クマ吉はさっき舐めとった方の胸ももう一度口に含んで吸う。舌でキノをいたぶる。
「やっはやくう」
ジャムを取ってとキノは訴えた。そこはクマ吉であるただでとはいかない、というかその言葉を待っていた。
「なめとってほしいなら、大事な言葉があるでしょ。プリーズが」
キノの耳もとにクマ吉は口をつけてささやいた。彼女は虚ろにとろけた目でクマ吉を見ると、口を開いていった。
「おねがいしまひゅ」
「なめとって、は?
くず吉は言った。キノは熱い息を出しながら答える。
「なめて……くださ、い」
「しかたないなあ。頼まれたら断れないよね」
言うが早いかクマ吉はキノの胸のジャムに吸いついた。今度は舌を使わない、持ち前の吸引力で吸い取ろうとした。
「あっ」
キノの甘い胸がクマ吉に吸われる。クマ吉の手がいつの間にか彼女の下腹を伝って、腿の間を擦る。クマの本能か、紳士としての作法か。
キノの上半身を犯しながら、その下半身に手を入れるクマ吉。彼女が身をよじるたびクマ吉の口内で乳首が擦れる。そのたびにキノは声を上げた、そしてまた身をよじる。
クマ吉が吹く楽器、それが今のキノの姿。
キノは喜んでいた。何が何だか正直な話わけわからないしクマ吉が誰なのかもよく認識できないが。それでもよかった。
キノは無理やりクマ吉の拘束を解くと。両手でクマ吉の頭を掴んで胸を押し付ける。
「もっともっときもちいことし、しへ」
さらに強く深くとキノはクマ吉を求めた。哀れと言えば哀れだが、その顔紅潮したは本当に楽しそうだった。
「ひゅう」
クマ吉はキノの胸から口をずらして口笛を吹く。うざさ極まる態度だがキノにはどうでもいい。
「そんなにきもち良くなりたいならいいっ方法があるよ」
「ほっほんとうっ」
キノは無邪気に聞く。クマ吉はにっやりと笑った。
「こうやるのさ」
クマ吉はキノの手を離して、仰向けに寝転んだ。
「まずは僕の聖域を綺麗にしないといけないよ。さあやって」
「?」
「もう、物分かりが悪いなあ。ここだよ」
クマ吉はキノに自身の肉棒を突き立ててみせる。キノは恐る恐る手をだして、ちょんと触った。あふうとクマ吉が唸る。
「そこだよ、そこを」
クマ吉はキノにいやらしく笑いかけて。
「口で、お掃除すればいいんだよ」
クマ吉はキノにやりかたを説明した。キノは本当に理解しているのかいないのか、うんうんと頷く。目は呆然とクマ吉を見ているだけだ。
「じゃあ、やってみてよ」
キノは最後にもう一度頷くと、四つん這いになってクマ吉の股間に顔を寄せた。ゆったりとキノの小さな口がクマ吉の肉棒を覆っていく。
かぷりとキノはそれを加えた。すこし噛んでしまったがむしろクマ吉にはそれがいい。
「さあ、なめて。はやくハリー」
キノはクマ吉の肉棒を舐めた、もはや言いなりである。
ちゅぱちゅぱとかわいらしくキノは舐めた。ピンク色の唇がクマ吉の棒こする。彼女の唾液が妙な高揚をクマ吉に与えた。
「いいっいいよ!どっかの騎士とはちがうよっ」
いつか罠にはめた騎士をさげ、クマ吉はキノをほめる。キノは、すこしして口を離した。
まだ、物足りないクマ吉ではあったが、まああとででもと思い。キノの顔を見た。
キノは口の端から唾液を垂らし、以前だらしのない顔でクマ吉を見ていた。その目は「はやく」と訴えている気もクマ吉はする。
クマ吉は十分にいきり立った肉棒を指さし。
「さあ、君のおしっこする場所をここにはめるんだっ!大丈夫気持ちいいから」
はあはあとクマ吉は言いながらキノを誘う。彼女はクマ吉に手を引っ張られて少し前に出た。頭はぼんやりして思考していない。ただ、気持ち良くなると願ったことが彼女の行動原理。
「ひゃ」
キノの膣の中にクマ吉の肉棒が入る。馬乗りになったキノは重力に従って、クマ吉をさらに深く受け入れる。
「だめっ」
キノは叫んだ。ずぶりと入ったクマ吉の肉棒が彼女の中を刺激して、その快感が脳まで届く。彼女は腿を閉めようと抗うが、棒を彼女の中で締め付けるだけの効果しかない。つまりクマ吉が喜ぶ。
「いぃ」
クマ吉が言う。
「そのまま、前後に動くんだ」
「へぇ?」
キノは少し腰を動かした。
「やあぁ」
キノはビクンと体をそらす。彼女はアルコールに敏感にされ、クマ吉の愛撫に興奮させられ、その上性の体験を持たない。膣の中で暴れるクマ吉の棒が気持ち良すぎびくびくと痙攣した。
「はあ、はあ……ひゃあ」
キノは怖いもの見たさにまた体を動かす。そして同じようによがる、「くう」と声を出す。
クマ吉は面白くない。気持ちいいが、キノがしっかり動かずいちいち止まる。オスとしてはもっと動いてほしい。
「もっと、腰を振ってよ」
クマ吉はキノの腰を掴むと上下に運動させた。キノは動かされるたび嬌声を上げる。
「だめっ僕、ぼくこわぅこわれちゃ」
キノの体が揺れるたび、彼女の胸がわずかに動く。クマ吉はその弱々しい姿にそそられた。だがキノは本当に自分がどうにかなってしまいそうだった。ここまで酔った状態で認識できるのは本当にそうなるかもしれない。
「ほおおおおおおおおお」
クマ吉はさらに早くキノを動かす。キノは涙を流しながらなんだかわからないことを言っている。クマ吉は聞いていない、彼もちょうど気持ちいい。
キノは何とか動きを止めようと腿を閉めようとするが。クマ吉の突き上げに体中の力が奪われてしまう。
ぐちゅぐじゅとクマ吉とキノの連結部が鳴る。
クマ吉は征服感を味わった。このままキノの子宮を自分の精液で満たしてしまうつもりだった。ていうか、そうして写真でもとらないと復讐されそうな気がする。尻の穴の本物が見つからなくなる気がする。
これが終わったら徹底的に恥ずかしい写真を撮ってやろう。クマ吉はそう思った。だがまずは犯すことが先決だ。その一歩。
「だすよっ」
「ら、めぇ」
舌を出して突かれるキノは昨日の彼女ではなかった。
キノの中にクマ吉の子種が入っていく――
むやみに銃を使った小娘の罪はここに清算された。
今日のクマ吉
キノの処女を手に入れた
キノの弱みを手に入れた
キノを手に入れた