クマ吉君の野望【2次創作短編集】 作:堀 吉之助
古代中国には文字の書かれた紙は捨てないという美意識が存在した。
かの場所にあった国々はとかく自らの文化を誇り、儒教をはじめとした様々な書籍が現代にも生きている。とは言っても中国には数々の戦乱があり、その美意識もいつの間にか風化してしまい、日本などから古典の逆輸入などをせねば過去がわからなくなってしまった。悲しいことと言うほかはないだろう。l
さて、その日本では古来より物を大切にする風習がある。世界史的に見ても戦争の少なかったこともあり、古代中国から奈良、平安の本朝での古典なども現代の我々を楽しませてくれる。
そんな日本には昭和になってできた、とある全国的伝統があった。いや、その日本と密接な関係にある幻想郷に置いても、その伝統は息づいていた。
麗らかな春。
クマ吉は小川を沿うように敷かれた小道を歩いていた。彼はどこか早足で、あたりを伺いつつ進む。手には風呂敷に包まれた何かを持っていた。それはクマ吉の大切なものであり、これから「誰か」の大切なものになるのだった。
「こ、ここら辺でいいかな」
クマ吉は道から外れて、河原に降りた。細かくて丸い砂利がわずかに音をたてる。クマ吉は再度あたりを見回して、ポケットから手袋を取り出してはめる。それから風呂敷を降ろして、開く。
風呂敷にはエロ本が入っていた。三冊ほど。
「ふう」
クマ吉は一息ついてからエロ本に向かって拝礼する。全く礼節に適った方法である。
クマ吉はエロ本を一冊一冊河原に置いていく。彼は今までの御礼を心中で呟きながら、「いい人に拾われてねっ」とまるで子犬に声をかけるように言う。
これこそが日本の伝統である「河原リサイクル」だ。何をリサイクルするのかは言うまでもないだろう。誰が始めたわけでもないだろうが、男達のシンパシーの共鳴によって、日本では全国区の文化になっている。ちなみに先ほどクマ吉が手袋をしたのはエロ本を汚さない為だった。次に使う人のことを重々考えた上での処置である。
クマ吉はエロ本を全て河原に置くと、ぽとりと涙を流した。今までの記憶が走馬灯の様に蘇ってきたからだ。それでも彼は涙を拭って、空になった風呂敷をなびかせ、エロ本に背を向ける。
「連れてはいけないんだ」
さびしげに言うクマ吉。
「今まで、ありがとう……」
それだけを言うとクマ吉は走り出そうとした。別れには悲しみがつきものではあるが、相手のことを思っての別れもあるだろう。そう、クマ吉は泣いてエロ本はぱらぱらと風にページをめくられるこの一場面がそれであった。
「……なにをやってるの?」
「げえ! ち、違うんだよ」
クマ吉は驚愕した。なんと目の前に女の子が立っているのだ。これでは驚かない方が無理だろう。それでも彼は素早い言い訳をする。
クマ吉の目の前に立っていた女の子は長身だった。紺のブレザーにミニスカートを着て、まるで「女子高生」のような身なりだが、それでいながら赤い瞳と腰まで伸びた薄い紫の髪が蠱惑的な魅力を持っている。しかし、何故か頭には猫耳ならぬボロボロのウサギ耳を付けていた。
「な、生足」
クマ吉はとりあえず挨拶した。今のは挨拶である。
女の子は小首を傾げた。いきなりクマ吉が何を言ったのかわからなかったのだ。まさか自分の太ももの辺りを瞬間的にクマ吉が言ったとは分かるまい。
「まあ、別にかまわないとは思うんだけど。河原にゴミを捨てるのは良くないんじゃないかしら?」
女の子は腰に手を当てて言う。だが、どこかめんどくげである。彼女は言い終わってから、はあと一つため息をついた。おそらくたまたまクマ吉の行動を見て、注意してしまったのだろうが、わざわざ人の「悪事」を糾弾することが好きではないのだろう。
しかしその言葉を聞いて、クマ吉のこめかみに青筋が浮き上がった。茶色い顔に現れた血管はもはや、奇妙を通り過ぎて気味が悪い。それでも明らかに彼は怒っている。恋人を馬鹿にされて怒らない紳士はいないのだ。
「ご、ゴミじゃないよっ。あれにはいっぱい夢と希望とおっぱいが詰まっているだっ」
「えっ、ゴミを捨ててたんじゃ……? ん? 今なんか変なことを言わなかったかしら……?」
「もう、失礼するよっ」
と言いつつ、クマ吉は女の子のミニスカートの中に手を入れる。まさに「失礼」である。しかし、彼は先に「失礼する」と一言断りを入れておいたので、問題ない。
「きゃ、なっなにを」
女の子はバッと後ろに跳び縋って、クマ吉を睨みつけた。それから言う。
「い、今のは何のつもりなのかしら?」
ぴくぴくと女の子の頬が動く。彼女も明らかに怒っている。だが、怒っているのはクマ吉も一緒。いや、彼の怒りの方が深いだろう。その証拠に、クマ吉は反復横跳びを始める。怒りすぎて自分で何が何だかわからない。そんな行動であった。
「ふっ、ふっ。あのエロほ……聖典はぼくの宝物なんだ! 絶対に許さないよっ。おっぱいを揉むんだ。さあ」
「え、えろ」
女の子はどもりながら言うが、最後まで言葉が出てこない。仕方なく余裕のあるふりをして、こめかみに指を当ててやれやれと首を振る。呆れていると体を使って表現しているのだ。しかし、顔は少し赤い。
「……あれ、そんなものなのね……はあ、声かけて損した……」
できるだけ声のトーンを下げて女の子は言う。だが、クマ吉は大切なものを「そんなもの」呼ばわりされたことでさらに怒りをヒートアップさせた。
「うおおおおおお!」
クマ吉の突進。不意を突いた一撃が、女の子を襲う。もちろん受け止めれば、押し倒されて仕返しされるだろう。
「……」
ひょいと躱す女の子。
「うおおおおおおおお」
クマ吉はそれでもあきらめず、数歩走ってからUターンした。それから闘牛よろしくもう一度女の子に向かってくる。女の子はもう一度、はあとため息をついた。それからすっと目を閉じた。
クマ吉が迫る。両手を頭にかざして角に見立てたまま。女の子はそれでも慌てることなく、目をゆっくりと開けた。
そこにあるのは妖艶な光を持つ、赤い両眼。女の子はそれでクマ吉を見た。クマ吉も彼女を見ている。つまり目が合った。
びくんと跳ねてクマ吉が地面に転がった。それからエビのように体を反らせて、地面でのた打ち回る。それを女の子はまた、やれやれと見ていた。
もちろんこの女の子。鈴仙・優曇華院・イナバは人間ではない。その正体はなんと「月」のウサギである。いろいろな理由があり、現在は幻想郷に住んではいるが、それでも超常な存在であることに変わりなく、それに見合った能力も持っていた。
狂気を操る程度の能力。それが彼女の能力である。正確に言えば、物事の波長を操る能力である。今彼女はクマ吉の感情の波長を操作して、この奇行をさせたのだ。勿論クマ吉への害意が合ったわけではなく、クマ吉の害意に対して防衛したのだった。
鈴仙は目の前ですさまじい速さで転がるクマ吉を少し蔑んだ目で見た。ただ、元々はクマ吉へ攻撃しようとしたわけではないので、元に戻してやろうと近寄る。
「ほら、こっちを見なさい」
赤い眼でクマ吉を見る鈴仙。しかし、彼女は甘かった。確かに彼女は異能を持っているのかもしれないが、クマ吉とて只者ではない。いや、普段は紳士として振舞っている彼が「狂った」とすれば、それがどんなことになるのかは予想もつかない。つまり、今のクマ吉に近づくのは危険な行為であった。
鈴仙はクマ吉に手を伸ばす。クマ吉は「うう!」と奇声をあげてローリングのスピードを上げた。そのまま鈴仙の周りを回転し始める。
「な、なんなの?!」
流石に鈴仙も焦った。河原でごろごろとされているので、時折砂利が顔に飛んできてうっとしいと言うこともある。しかし、彼女は気が付いていなかった。今自分がどれほど危険な状況にいるのかを。
ローリングがさらに速さを上げる。クマ吉のギアが上がったのだ。
「うおおおおお、ニャン美、うおおおおおお」
なにか名前のようなものをクマ吉は言いながら鈴仙を翻弄する。鈴仙は気味の悪さに鳥肌を立てながら、とりあえずクマ吉を止めようとした。手を伸ばして押しとどめようとしたのだ。クマ吉の動き自体は鈴仙を中心に円を描く単純なものなので、軌道は読みやすい。
「ちょっと、止まりなさい」
鈴仙がクマ吉に触る――。クマ吉はすっと彼女の手をすり抜けた。
「あ、あれ?」
触ったはずなのに触れなかった。鈴仙は矛盾する今の状況に困惑した。しかし、考えてみれば不思議などどこにもない。クマ吉は高速でローリングしているのだ。詰まるところ、今鈴仙が触れた「クマ吉」の正体についてはその答えを一つしか持たない。
残像である。
「うおおおおおおおおおおおお!」
さらに速くなるクマ吉。彼には限界がないのか、鈴仙の目でも追い切れない。それどころか二人、三人、四人とクマ吉は数を増やしていく。これこそ狂気の極みだろう。クマ吉は残像の数を増やしながら、円を小さくしていく。
「な、なんのなのよ」
汗を掻いて鈴仙はきょろきょろと首をまわす。彼女の目にはすさまじい数のクマ吉が映っていた。残像なのだが、クマ吉があまりに早いローテーションで回っているので残像とはいえ質量を持っている。
クマ吉がすっと立ち上がった。いや、「クマ吉達」と言った方が良いのかもしれない。
「聖典を汚した罪はおもいんだよっ」
エコーする声。鈴仙は答えず、状況を理解しようと必死であった。だが、そんなことをクマ吉が許す気はなかった。罪にはお仕置きが必要なのだ。
残像が鶴翼の構えを見せる。まるで羽を広げた鶴のように美しい戦闘態勢である。鈴仙は「ち、近寄らないででよ」と至極全うなことを言う。しかし、現在のクマ吉は紳士ではない。彼は昔見た、漫画から読み取った奥義を見せようとしていた。
クマ吉達が飛びかかる。彼の手が素早く鈴仙を襲った。
「ふ、ふげええ」
鈴仙の体中にクマ吉の指が突き刺さった。突き刺さったとは言ったが、痛いなどのダメージはない。これはとある拳法から学んだ、奥義なのだ。そう、その名は「北斗百烈拳」。
「あぅ、あうああ」
クマ吉の嵐の中で鈴仙は秘孔を突かれる。腕を突かれれば腕が、脚が突かれれば足が動かなくなっていく。鈴仙の胸の秘孔は全て押された。
クマ吉が止まった。それに合わせて鈴仙もぐらりとする。
「う、ううひ、でぶ」
鈴仙はそう呻いて、地面に倒れた。そのまま気を失った。
クマ吉達は自分の手を見て言う。
「これが、新い力……」
何か勘違いしながら、クマ吉達は倒れた鈴仙を取り巻いた。残像を利用しているだけなのだから、実質は一人のはずなのだが、クマ吉達は鈴仙の両手両足に一人ずつ付いて彼女を神輿のように担いだ。余ったクマ吉達はやいのやいの言いながら周りを囲んでいる。全員が違う行動をしているということは、本体がすさまじい速さで別々の行動をしているということなのだが、これも狂気の一種だろうか。
ともあれ、気絶した鈴仙はクマ吉に連れられていく。これから行く場所は、クマ吉だけでなく、クマ吉の仲間たちもいるのだ。
「気が付きましたか」
「うーん?」
鈴仙が目を覚ますと、目の前には知った顔が合った。短い黒髪に赤い山伏風の帽子をかぶった少女。射命丸文である。勿論鈴仙と知り合いなのだから、彼女も見た目通りの女の子ではない、その正体はすでに千年は生きている天狗である。
鈴仙は体を起こした、何故かブレザーがなくなっていてブラウスだけになっている。
「きゃあああああああ」
ブラウスだけ、つまり下には何にもつけていない。正確に言うとルーズソックスはつけている。鈴仙は真っ赤になって体を隠した。すでに目には涙が溜まっている。
「まあ、落ち着いてください」
文はそんな鈴仙を見ながら冷静に言う。彼女は特に服装に乱れもなく白い半そでのシャツと黒のスカート姿だった。胸元には黒いリボンを付けている。
「な、なんであなたがここに……、えっ、ちが。ここはどこ?」
「さあ? たまたま変なクマの集団がいたので取材しようと近寄ったら……急に気を失ったので……」
文は肩をすくめる。鈴仙はそれで文もあの謎のクマに襲わたのだと理解した。ちなみに文の言う「取材」とは外の世界を真似して、天狗たちの作っている新聞の為のものだ。
鈴仙はあたりを伺った。真っ暗である。床を見ると板敷になっているので、屋内ではあるのだろうが本当にどこにいるのかわからない。彼女は立ち上がろうとして、立ち上がれなかった。
「??」
鈴仙は困惑する。足が全く動かないのだ。文はやっぱりと言った風情で肩をすくめる。
「……よく原理は分かりませんが、体に動かないところがあるみたいですね。私もさっきから動こうとしているのですけど、まあ無理みたいです」
「な、なんでそんなに冷静なのよっ」
文は混乱する鈴仙を手で押しとどめて、目線を暗闇に向ける。鈴仙もつられてそちらを向いた。何をやっているのだろうと思った体が、彼女にはすぐに理由が分かった。
火がついた。蝋燭に。そして部屋の中のい様子が分かった。
見ればそこには机があり、クマ吉が座っている。彼は何故か手にピコピコハンマーを持っていた。さらにその左右には人里に人間だろうか、裃(注かみしも。武士階級がつける正装) を付けた男が二人いた。しかし、その顔にはクマ吉の顔をした覆面をつけている。いや、それだけでなく、文と鈴仙を囲むように大勢の人々がこの部屋にいた。それも全てが覆面を付けている。
文は全員を見回して言う。
「さあ、完璧に起きたようですしもういいんじゃないですか? そろそろ」
文はクマ吉に言う。クマ吉はうんと頷いて、言う。
「これから裁」
「いやああああああああああああああ」
鈴仙は叫んだ。文もクマ吉も彼女を無視しているが、今現在彼女は半裸である。叫んだのも無理からぬことだろう。だが、クマ吉は許さなかった。ピコピコハンマーを机に打ち付けて言う。
「静粛に、静粛にするんだ。猿轡でも舐めて、落ち着いてよ」
すっと鈴仙の後ろに男が現れて、素早く猿轡を噛ませる。その男はそれだけを終えると、また影のように消えた。
「ふうう、ふうう」
鈴仙はしゃべることができず、唸る。仕方ないとクマ吉は思い、彼は開廷の合図をした。
「これより、裁判を始めるよっ」
ピコンとハンマーが鳴る。どうやら彼の持っているのは裁判長の持つハンマーらしい。鈴仙は「?」と頭に浮かべる。それからクマ吉の右側にいた男の一人が、言う。
「被告人は我々男達の心を嬉がらせる伝統を辱めました。有罪として、一週間の辱めを求刑いたします」
「???」
鈴仙は自分が「被告人」であることが良くわからない。いやそもそもわかる方がおかしいのかもしれない。だが、もう裁判は始まっているのだ。だからクマ吉はちゃんと彼女の為に弁護士を用意した。
「弁護士の意見はどうなのっ?」
クマ吉の左にいた男が一歩前に出た。彼こそが鈴仙の弁護士である。
「異議なし」
左の男は潔かった。まさに武士っぽい人の鏡であろう。つまり見た目だけは良く、内面が伴っていない。繰り返すが武士っぽい人の鏡であり、武士の鏡ではない。
クマ吉はうんと頷いた。
「よし、被告人は」
「異議あり!」
勢いよく言ったのは射命丸文だった。彼女は今現在の状況が良くわからないことでは鈴仙と同じだったが、「これは裁判」であることと「被告人は鈴仙」であること、そして「弁護人が明らかクマ吉と癒着している」ことから声を上げたのだった。
「これは明らかに不当裁判です。そもそも弁護士が一言の抗弁もせずに求刑を受け入れるのに、私は疑問を呈します」
「な、なんだって」
クマ吉は驚いた。不当裁判のつもりは微塵もなかったのだが、文の言うことにも一理はある。だから彼は言った。猿轡をされている鈴仙は完全に傍観者である。勿論有罪になれば、彼女は一週間恥ずかしい思いをすることになる。
「まず。事件について詳しい説明がないことが一点。被告人であるこの鈴仙・優曇華院・イナバに対する不当な拘束が一点。そして、審議時間が数分にも満たないことが一点。さらに先に述べた裁判長と弁護人の癒着に対して一点。以上四点の裁判の不備により、この裁判自体の無効を要請します」
すらすらと言う文に鈴仙は驚いた。普段はどこか軽い態度をしている彼女だが、今は自分のことを助けてくれているのだと思った。
「なるほど、じゃあ、事件について説明するよ」
クマ吉はあくまで中止する気はないらしい。彼は右側にいた男に顎で促すと、その男はしゃべり始めた。
曰く、かの鈴仙・優曇華院・イナバは男達の伝統を侮辱した。その伝統とは「河原リサイクル」であり、かなり昔から行われていたものであるということ、そして鈴仙の胸部は必要以上に大きく魅力的であること、その二点が今回の争点であると説明した。
「うううう」
(二点目がかんけいないいいいい)
鈴仙はしゃべることができないが、唸って抗議する。そして、何故あの時クマ吉が怒っていたのかも彼女はやっと理解した。ちなみにこのまわりの男達はクマ吉と同じように「河原リサイクル」に参加している男達だ。鈴仙は良く人里に行くので、そこから名前が割れたのだろう。
文は表情を全く変えることなく、ふんふんと頷いて聞いていた。それから目をカっと開いて言う。
「なるほど、いわゆる『河原リサイクル』とはお下劣な本を世の男達で回し読みする文化、ということですね?」
場がざわついた。文が「下劣」と言ったことに反応したのだ。だが、クマ吉がピコンとハンマーを叩くと、ざわつきが収まった。それで文は続ける。
「私は被告人の無罪を主張いたします」
「なんだと、彼女は世の中の男を侮辱したに等しい行いをしたんだぞっ」
クマ吉の右側の男、右衛門がいきりたって反論した。だが、文は涼しい顔で返す。
「今『世の中の男』と言いましたね?」
「左様」
右衛門が当たり前だと頷く。文は内心ほくそ笑んでから、クマ吉に言う。
「では世の中の女の子の意見ではどうでしょう? 河原に下劣な本が置かれていることに、不快に思う人が大勢いるはずです」
「ででも、女の子にも聖典を好きなことだっているはずだよっ」とクマ吉。
「それは否定しません。ですが逆に男の子でもそういった類のものが嫌いな人もいるでしょう。ですので、今回のケースで言えばそれを好きな男の子を侮辱したかもしれませんが、逆にそれに賛成してくれている女の子、男の子の意思を代弁したことになるのではないでしょうか」
文は、右衛門を目で牽制する。それは彼に一言もしゃべらせる気がないからだった。
「よって『世の中の男』を侮辱したと言うのは誇張表現であると言わざるを得ません。したがって、求刑理由自体が不当な為無罪を主張いたします」
文はそう言って、軽く頭を下げる。明らかに本気で言い負かしにかかっているのだ。鈴仙は助かるかもしれないと思った。涎を垂らしながらではある。
「ふっ」
「!」
右衛門は鼻で笑った。それから彼は文に向かって頭を下げる。
「確かに我の発言が間違っていた。先の『世の中の男を侮辱したに等しい行いをした』は撤回させていただきましょう。それでよろしいかな? 天狗どの」
「え、ええ」
右衛門はにやりとする。
「撤回したことをお認めくださったぞ皆の衆。聞いたか。今回の争点は『被告人、鈴仙・優曇華院・イナバは男達の伝統を侮辱した』ことにある、これは最初に説明したとおりだっ。だれも『世の中の男を侮辱した』かどうかは話しておらんわっ!」
「!」
しまったと文は臍を噛んだ。いつの間にか、右衛門の言葉に踊らされていたのだ。今回の裁判は「伝統への侮辱」を起点としている。だが、右衛門の策略があたり文の話したことを全て崩した。
「で、でも。あなたは実際に男達への侮辱と言ったではないですか」
「それを言うならば、先ほど撤回を要請して受け入れたではないか。その上語るに落ちたりとはこのことよっ。天狗殿は先ほど我らが聖典を『下劣』と表現致したな」
右衛門はさっとクマ吉に向き直って言う。
「彼の天狗殿に辱め二週間を求刑いたします。裁判長」
文はそれを聞いて、驚いた。
「な、一つの裁判で二人を裁くなんて非道にもほどがあります!」
「ええい。弁護人でもないのに裁判に口を挟んできたあなたがいえることではない。見ろ。本来の弁護人はあれから一言もしゃべってないではないか」
右衛門の口舌は流れるがごとしである。文はここにきて言葉を詰まらせてしまった。つまり紳士の一員に言い負かされてしまったのだ。彼女は俯いて唇を噛む。なんだかよくわからないが悔しい。
文は顔を上げた。その顔は冷たかった。じろりと氷のような瞳で部屋の人間たちを見る。
「……穏便に済ませようとおもってはいたのですがね。さすがに危害を加えられそうなのであれば、反撃をせざるを得ないようです」
その声も温度を感じさせない。本来的に人間と天狗とクマ吉では、明らかに天狗の方がその能力が突出している。つまり、体の自由が多少効かずとも文の戦闘能力は高い。だがしかし、そんなことはクマ吉には関係がない。ピコンとピコピコハンマーを彼は鳴らして、判決を下した。
「判決は二人とも有罪だよ。でも情状酌量の余地があるから、二人とも一週間のご奉仕を義務づけるよ!」
「えっ…………あ、あの少し話を、私は人間ではないですよ? 一応、天狗なんですが?」
文は全く自分の話を聞いていないクマ吉に困惑せざるを得ない。
クマ吉はポケットから何かスイッチを取り出して、押す。彼が何をしているのかはわからなかったが、文は抗議を続けようとした。
「いいですか、私に手をあああああああああああ」
文がいきなり叫びながら、床に倒れた。鈴仙が驚いて「ふうー」と聞く。ただし言葉になっていないので、文にも他の誰にも何を言っているのかわからない。
文は身を折って、何かを耐えるように唇を噛んだ。ほのかに上気した顔に朱が奔る。
「な、なにをしたんですかあっ、あ」
文は必死に何かを抑えながらクマ吉に聞いた。クマ吉は裁判長席から立ち上がった。だが彼の首を傾げながら言う。
「ど、どうしたの。余っていたローターを下着の中に入れて……なんだか丸いものを、開いてたところに入れたけど……全然関係ないよっ」
「ろ、ろぉーたぁー?」
文は口を開けて、クマ吉の言った単語を繰り返す。未知の感覚が、今自分の中で荒ぶっている。それどころか、「中」で暴れる何かがだんだんと振動を速めていく。
鈴仙はほぼ半裸であった。では同じようにとらえられた文が何もされていないと考える方がおかしいだろう。彼女は眠っている間にローターをいれられていたのだ。そう考えると、先ほどまでの答弁の間、ずっと恥部にローターが刺さっていたことになる。
流石の射命丸文も足の秘孔が押されて立ち上がることができず、周りを紳士たちに取り囲まれるという異常事態では、自らの体の違和感に気がつけなかった。
「こ、こんなことをしてああぁあ」
びくびくと動く文。何年生きていようと、初めての感覚ならばあんまり関係ないのだろう。彼女は股間を抑えたいのだが、それをするのは恥ずかしいのでお腹を押さえた。それでは意味がない。
鈴仙は「んーんー」と言いながら文を見る。文を心配してのことなのだが、鈴仙は彼女の股間に何が入っているのかを知ってはいても、それがどんな感触なのかはわからない。しかし、見られている方の文は良くわかっている。彼女は羞恥に顔を染めて、懇願する。
「み、見ないでください……」
外見からは何も変なところもない文だが、その服の中には汗をびっしょりと掻いていた。それどこから、下半身はだんだんと濡れてしまう。だからみられることがこの上なく恥ずかしい。言ってしまえば羞恥プレイに近い。
鈴仙に目隠しがされた。彼女が文に気を取られている最中に、後ろにまわったクマ吉が鈴仙の魔眼対策に黒の目隠しをさせたのだ。鈴仙はいきなり目の前が真っ暗になって驚きの声を上げた。
いつの間にかクマ吉の周りにいた二人は消えていた。正確に言うならばクマ吉の覆面をしている全員が上着を脱いでおり、誰が誰だかわからなくなっている。
「んん?」
「さあ、お風呂の用意だっ」
クマ吉は言う。鈴仙にも文にも意味が分からない。しかし、周りの男たちは良くわかっていた。彼らの何人かは「おお!」といい声で返事をすると、立ち上がって部屋から出て行いったが彼らはすぐに戻くる。唯、彼らは何かを担いで戻ってきた。
「そおい、そおい」
男達が持ってきたのはヒノキの香りのする湯船だった。大人が数人入っても余裕のありそうな、大きな浴槽は男達の手のよって鈴仙の横に置かれた。だが、そこに「お湯」が入っているとはだれも言ってはいない。
「な、なに。今の音」
鈴仙は声を上げるが、それに答えるものはいなかった。クマ吉を始め、男達は皆ぴっちりしたゴム手袋をするという下準備をして、文は浴槽になみなみと入った「ローション」に目が奪われてしまっていたからだ。だが、今から体で知ることになる鈴仙には答えるものあがいても同じことだろう。
鈴仙の周りを男達とクマ吉が取り巻いた。彼らは鈴仙の体を持ち上げる。鈴仙は悲鳴を上げて、ブラウスを引っ張り、下半身が見えないようにする。
「ちょっと、ちょ。やめて。おろしなさい」
鈴仙は真っ赤になりながら言う。彼女は自分がこれから何をされるのかわかっていないから、その意味では余裕があった。翻って文ははっきりと見せられているので、これから「自分も」されるであろうことが良く見えた。
「ああああああ」
良く見えるからと言って文は、自分の下半身の様子を忘れていた。彼女がよがりながらスカートの中に手を入れた。それからパンツの中に手を入れて、ローターを抜こうとする。
そんなことをクマ吉は許さない。彼はすぐさま文に近づくと、腋から両手を入れて、文の両胸を鷲掴みにした。勿論彼はそうする前に、ローターの速さを上げている。
「あぁ、やめてください」
クマ吉は服の上から彼女の両胸を揉み始めた。白いシャツの上に皺を作って、その両手でほぐすように、強く、弱く、さらに緩急をつける。その上、体の中では、ローターが激しく振動している。
「はあ、はあ、いいいかげんにぁあ」
文が体を反らせる。その声に反応した鈴仙が「ふぁいだ」と謎の言葉を放つ。猿轡をされてからまともに話せない。だがしかし、それが今からの彼女の醜態を軽減することになる。
「そおいい」
男達は鈴仙を湯船の中に入れた。どろっとした液体の中に入れられた鈴仙はパニックになりそうになる。そこで男達が彼女の腋を持って、しっかりと座らせたあと、肩までつからせた。
「んうううう」
鈴仙は身をよじった。今ただ肩を掴まれただけなのに、なんだか変な気持ちになってしまったのだ。それに体にまとわりつくローションが気持ち悪い。彼女には見えないがブラウスはすでに透けている。
「さあ、お仕置きの開始だよっ! まずは芋のように洗うんだっ」
クマ吉は文の両胸を芋のように揉みながら言う。後々にはふかしてたべようとも思っている。
鈴仙の体を男達の手が襲う。
「んんんんん!!」
猿轡にしっかりと涎を染み込ませながら鈴仙が暴れた。だが、中のローションをしっかりと体に染み込ませるように、男達は彼女の太もももお腹も、胸も揉み洗いする。
鈴仙の肉づきのよい体を手袋をした男達が揉む。そのたびにくちゅくちゅとローションが音をたてる。そして鈴仙は言葉にできない叫び声をあげた。ブラウスの前のボタンが飛び、中の肌色が露わになった。どうやら下着はすでに没収済みらしい。しかし男達は容赦なくブラウスの中に手を入れて、乳首を指で掴んでこりこりと締める。その行動の一つ一つが鈴仙の体にローションを染み込ませていく、元々半裸であったのだから彼女の局所にも簡単であった。
鈴仙は湯船の中で反対向きにされた、背面の状態でお尻を少しだけ上げさせられる。鈴仙は今自分がどこにいるのかはわからないが、縁に手をかけて荒い息を吐きたい。勿論吐くことはできない。
鈴仙のお尻の穴に指が入る。びくりと鈴仙の体が跳ねた。お尻に入った指はぐりぐりと中のローションをねじ込んでいく。
「ふううううう」
びくびくと鈴仙は動く。それでもこれはお仕置きなのだ。彼女は自分の罪の深さを知らなければならない。だから男達は心をクマ吉にして鈴仙の穴をほじくるのだった。
「もう少しだっ」
お尻に指を入れている男が言う。何がもう少しなのかは謎だが、鈴仙は返事するように「ううううう」と声を出した。さらに後ろから両胸を掴まれて、揉みしだかれるのだからたまらない。
ところでこのローションはただの潤滑剤などではもちろんなかった。これはクマ吉が特別に調合した媚薬入りのローションなのだ。ここに入るだけで感度が跳ねあがり、体の中に入ろうものなら自分が抑えられなくなる。良くクマ吉は自分でお風呂に入れてはいるので、効果は体験済みであった。
鈴仙は目隠しをされて、猿轡をされていたからその表情が良くわからないという幸運が合った。しかし、男達の執拗な愛撫が彼女の精神を摩耗するには十分すぎた。
「ふう、ふう、ふう」
目隠しの下から涙を流す鈴仙。紅潮した体にはしっかりと媚薬が刷り込まれていた。
「頑張ったな」
男達は鈴仙の体を、赤ちゃんを産湯から出すように持ち上げようとした。しかし、鈴仙は大人なので赤ちゃんのようには難しかった。だから鈴仙の両手足と背中を支えるように一人一人がついて持ち上げる。
持ち上げるとき鈴仙の肢体は花のように足を左右にひらかれて、その秘所を男達の前に出した。とろりと彼女の愛液とローションの混ざった液体が湯船に糸を引いて落ちていく。
鈴仙の体にはどろどろの液体がまとわりついていて、蝋燭の光を反射して光る。ブラウスはすでに胸元がはだけぎりぎり乳首だけが見えないようにかかっている。
そんな彼女の前に男の一人が立った。その手には一枚の布巾が握られている。表面にいぼが付いている以外は至って普通の布巾だ。
「拭こう!」
後手クマ吉が言う。布巾を持った男は、鈴仙の秘所をごしごしと拭き始めた。
「!!!!!!!」
鈴仙はまた暴れ始めた。あまりに気持ちはよくて、無意識に体が動いてしまうのだ。表面のいぼが彼女の大切な部分を摩擦する。びくびくと鈴仙は唸りながら、哀れな抵抗をする、しかししばらくしてから動かなくなった。その股は綺麗にされていた。
動かなくなった鈴仙は湯船にまた漬けられた。沈まないように男が一人つく。
男達が文を見た。
「ひいい」
純粋な悲鳴を上げる天狗。今目の前で起こったことを全て見ていた彼女の心臓は早鐘のように鳴っていた。まず間違いなくいまから、あれをされるのは自分なのだ。
「あ、あやや、ややですね。ぁう」
クマ吉は文の胸を揉んだ。柔らかい言い胸だった。彼は言う。
「よしっ。この子もしっかりと洗うんだ」
「はい!」
みんないい声で返事をする。クマ吉はうんと満足げに頷く。男達は文の周りを囲んだ。はっとして文は身を起こす。
「ええええっとですね」
さっきまでの凛々しさのかけらのない顔で文は言う。
「わ、わかりましたは、反省しました。す、素晴らしい本ですよね! 河原でリサイクルは素晴らしい伝統ですっ」
「わ、わかってくれたの?」とクマ吉。
「はい、そ、それはもう。で、ですから」
「洗おう、念入りに」
「あ、や。あやや。ど、どうしてそうなるんですか!? こ、こうして謝りますから。す、すみませんでした……」
クマ吉は唸った。たしかに文は反省しているようだ。しかし、ここでやめるわけにはいかに法の前ではみな平等、鈴仙を洗ってしまったからには文も洗わなくてはいけない。それに、
「本当に反省しているなら、できるはずだよ。どろどろのローションの中でも謝ることが」
文は顔を上げた。その唇は震えている。言うべき言葉が見つからないのだ。そうこうしているうちに文の肩を男の一人が掴んだ。そして優しく、かつむりやり立たせる。男が支えているので文は立つことができた。
「は、はなしなさいうあああ」
彼女の股に入っているローターが唸る。それで男の手を払いのけようとした文の行動がキャンセルされてしまった。クマ吉はそのスイッチを切ってあげた。それから飛びかかる。
「うおおおおお」
クマ吉は文のスカートを素早く脱がした。中に着た白のドロワースだった。だが少しだけ湿っていた。
「こ、コントラスト」
クマ吉は言う。黒いスカートに白いドロワースは確かに対照的である。彼はスカートを頭につけて、何が起こったかわからない文の前に立ち上がった。文は彼の頭についたスカートを見ると見る見るうちに赤くなった。
「うあああ」
必死に取り返しに来ようとする文。彼女は手を伸ばしてクマ吉からスカートを強奪しよとする。その瞬間、腰から彼女のシャツに手を入れた男が「そい」とまくりあげ、クマ吉が「そい」とそれを受け取ってばっと脱がせる。
途端に下着姿にさせられた文。上は白のブラジャーを付けていた、線の細い体は痩せているというよりは引き締まっている。ブラジャーからはみ出た胸には張りが合った。
「…………」
ぱくぱくと口を動かす文。一瞬でスカートとシャツを取られたのだ。その上目の前でクマ吉が文のシャツを着ていた。
クマ吉は一瞬の隙をついて、文のドロワースに手をかけた。文もはっとして自分のドロワースを掴んだ。引き下げるクマ吉と引き上げる文。一進一退の攻防のなか、文のブラジャーの留め金が後ろから開けられた。むろん男の一人である。
「あっちょ」
前のクマ吉。後ろの紳士。文はドロワースを脱がされないように力を込める。しかし、彼女は忘れていた。今の彼女は下半身の動きがクマ吉の拳法のせいで悪い。今立っているのはあくまで彼女を男の一人が支えているからだ。
その男が支えることをやめた。それですとんと文は座り込んでしまう。その拍子にブラジャーが抜き取られた。勿論文が怪我しないようにクマ吉が彼女の膝のクッションになった。ぐぎいと音をたてて、文のニーがクマ吉の頭部を直撃する。
「あっ」
そんなことよりも文は、自分の体にはあとドロワースしかないことの方が重要だった。彼女はあわてて胸部を隠す。要するに手ブラである。男達は感嘆の声を上げた。「ほう……やるな」と彼らは文のことを認める。嬉しいことかどうかは文しだいではある。
男の一人が風呂から手でローションを掬って持ってきた。そして文の胸、その谷間にトロリと落とす。
「な、何をするんですか。つ、つめた。い」
胸にローションがかかり、谷間に溜まる。もちろん媚薬が入っているので、文の体を敏感にさせるのだが、まだその効果はない。しかし文は忘れていることが合った。彼女の下にはクマ吉がいるのだ。素早く下乳をクマ吉が掴んで揉む。
「ぁ」
不意の一撃に文は色っぽい声を出してしまう。手が少しだけ緩む。そこにクマ吉の手が吸いつくように置かれた、手ブラである。ただし文の手ではないし、
「あ、あ、も、そんな」
たまに揉むブラジャーだ。
文の空いた手を男が二人左右について、持ち上げた。両手を万歳されるように持ち上げられる文だが、その胸部はクマ吉の活躍によって見えない。ただし、クマ吉は揉む。ローションが胸全体に広がりだんだんと文の息が荒くなっていく。
文は浴槽の前まで連れてこられた。ぼんやりとそれを見る彼女だが、はっと気が付いた。これにいれられたらまずい。だが、少しだけ遅かった。彼女は背中を押されて浴槽にいれられようとする。
「ふぎ」
変な声を出して文は浴槽の縁に両手をつけた。間一髪ではあるがまだローションに浸かってはいない。だからクマ吉は手を湯船に入れて、文の胸にローションを塗りたくる。
「あ、ぁああぁ」
びくびくと文は肘を震わせた。一瞬クマ吉が手を離したことによって、彼女の乳首も見えたのだが、そんなことを気にしている余裕はなかった。クマ吉は何度も彼女の胸にローションを塗る。
文は耐えた。歯をくいしばって。だがクマ吉とて馬鹿ではない。彼は文の両胸から手を離すと、その乳首を一舐めする。
「あひい」
声を上げる文の腰をクマ吉は抱いた。そのお腹から海の音がすると思って耳を付ける。そして、そのまま自分事湯船に入り込んだ。まるでアリジゴクのような行動だ。引きずりこんだと言ってよい。
「し、しまった。あ」
あと文は口を開けた。クマ吉は彼女の後ろに素早く回って、その両胸を捕えた。揉み始める。二つの胸がローションを染み込ませながら、乳首が引っ張られる。
「まっでえ。やべでくださいぃ」
文は懇願するが、彼女を可愛がるのはクマ吉だけではない。暇な男達は思い思いに、文の体を揉み始めた、別に性感帯があろうとなかろうと関係ない。太ももだろうとどこだろうと、彼らは文を揉む。
「みい、あっ。ひぃい」
全身を愛撫される文。クマ吉は揉みつつ、乳首を摘まんでひねる。それだけで文は体をそらした。口からは嬌声が出る。クマ吉はその耳元で言う。
「このお風呂は君の体をエッチな体にしているんだ」
「え、えっち?」
はあはあ言いながら文は返す。目には涙がたまっている。最初の凛々しさは粉みじんになってしまって、もう戻らないだろう。それでもクマ吉は容赦しなかった。彼は目で男達に合図をする。皆が浴槽にへばりついて、文のドロワースに手を入れていく。ちなみにエッチな体になっている点では浴槽に入っているクマ吉も変わらない。
「な、なにあひい」
ドロワースの中で男達の指が動く。お尻の中に、秘部のわれめを開いて、たっぷりと文を可愛がる。それにこたえて、文は声を上げた。
「あ、やまりますう。だ、だから。あああ。もうやめて」
文の懇願をクマ吉は胸を揉むことによって返事をした。彼はリズムカルに二つのふくらみをこれでもかと力を加えるものだから、文は舌を出してへえへえと息を吐く。烏と言うよりは犬の様だ。
「わ、わかりましたあぁ。せ、せめて猿轡を」
「ええっ自分から求めるのかいっ」
クマ吉は変な聞き方をした。むろん文が猿轡を求めたのは変なことを口走らないようにだ。しかし、クマ吉は文の申し出を却下した。
「そんな……非人道的なことはできないよ……おっぱいはやわらかいし……」
「な、なんの関係があ!?」
クマ吉は文の乳首を摘まんだ。
「ひゃあああ」
体中を電流が奔ったように頭の中が真っ白になる文。その隙をついて、クマ吉は彼女の腰を持って持ち上げた。どろっとローションを跳ねて、文が湯船の上に上がる。それに合わせて男達が彼女のドロワースを膝の上まで下げた。つまり彼女の秘所は露わになったのだ。いつの間にかローターがなくなっていたのは、ここに手を入れた男が抜いたのだろう。よくよく考えれば文は自分の体の中に入っていたものを見ていない。まるでローターは忍者の様だ。
「み、みないでぇ」
涎を垂らしながら弱々しい懇願をする烏天狗。しかし、その姿には威厳のかけらもなかった。さらにこれから精神を摩耗することになる。
文の前に布巾を持った男が立った。勿論その布巾はただの布巾ではない、表面にいぼのついたものだ。文は目を見開いて言った。
「あああ、そ、それだけはやめてくださぃい。も、もうそんなことをされたら、わ、わたひ」
クマ吉が文の腰から股に手を入れてM字にひらかせた。羞恥に文は口を開けるが、言うことがない。唯涙目でいやいやと首を振った。しかし現実は非情であった。男の持つ布巾が彼女の股を擦る。
「あああああああああああああああああああああああああああああ! だめ、だめえ。ああ」
文は暴れるが両手両足を男達に捕えられた。それでも彼女の股間はしっかりと擦られるのだから、哀れであった。
「きもちいじい、きもちよすぎでわけわがないでず」
文はびくびくと動き、喚いてから鈴仙のように気を失った。
「いやあああああああああああああ」
小川のせせらぎの聞こえる河原だった。数日前クマ吉がエロ本を捨てに来た場所である。そこで二人の少女が転がっていた。二人の容姿はかなり違うが、両手をお札で封じられていることは一緒だった。またその少女たちは一切衣服をつけてはいない。
二人はお札による拘束意外にもとある点で同じだった。それは太ももで固定された器具を付けていることだ。それは男性器を模したペニスが二つ付いており、少女の前から後ろから責め立てるものだった。また、内蔵されたケースに「精液」が入っており、一突きごとに子宮まで白く濡らすことができる。ちなみに電力は手回し発電機で確保した。
泣きわめく片方は黒髪の少女。射命丸文。彼女はお尻に刺さった器具を何とか抜こうとするがそのたびに失敗する。
「ぬいでえ、ぬいでぇくださいい」
犬の様に這いつくばった烏天狗は強制的に器具に腰を振らされる。それも河原の真ん中で。ぐちゅぐちゅと言いながら彼女の膣がかきまぜられるのだが、彼女には抵抗するすべがなかった。只々人が通らないことを祈るだけである。種付をされて文は天狗としてのプライドは粉々になってしまったのだろう。しかし、これも淫果応報と言える。
もう一人は鈴仙・優曇華院・イナバと言った。彼女も文と同じように器具を取り付けられているが、口には猿轡と目には目隠し、暗闇の中では「ううう」と快楽に身をよじることしかできず、全裸で下半身をこれでもかと犯されることだけを感じざるを得ない。
二人の少女は罰を受けていた。伝統文化を侮辱した罰である。だからエロ本の気持ちになって考えることができるように全裸で河原でのお仕置きがされているのだ。決していやらしい気持ちがあっての処置ではない。
その証拠にクマ吉を始め紳士たちは静かに黙座して、彼女達の横でその罰をビデオカメラに映していた。私語はない。映像に残すのは後生の教訓の為だ。
全裸のクマ吉はゆっくりと口を開いた。
「伝統は……守っていかなければならないんだ……それが良い伝統なら、なおさらさ」
こんな大胆に淫楽をむさぼったクマ吉達は、数時間後人里の役人に捕えられた。
おまけ
「あああああああああ。なんなんですかあなた達はあ」
お買い物の途中でたまたま通りかかった魂魄妖夢は、クマ吉達にあれやこれやあって捕まってしまい、文と鈴仙の横で同じように全裸のまま、器具を取り付けられた。だがその器具は少し違う。
「クマ吉殿。器具が足りません。この形は似ていますが霊力根こそぎ吸収器くらいしか……」
「な、なんんですかそれは!? 本当になんなんですかあなた達!」と妖夢。
「仕方ないね、とりあえず吸い取ろう」
「え、ええええ???」
というわけで河原の真ん中で下半身を機械に犯された妖夢は力を吸い取られた。
「あああ、ちからが……ぬけていく」
どこか幸せそうだった。
妖夢の話を付け加えるべきか悩み。結局おまけにしてみました。
感想いただければ、参考にします。