※この作品はR-18です。

クマ吉君の野望【2次創作短編集】   作:堀 吉之助

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こんばんは。リクエストに久しぶりに答えれそうです。ただ、今回はフレンダだけなんですけれど。あと、新約ではありません。


ちなみにこれから「リクエスト」と「自分で書くもの」は分けて行こうと思います。わけないと、かきそうにないので……。だから、自分のストーリーをやっている途中でいきなりリクエスト分をかいたりします!



リクエスト とある魔術の禁書 アイテム全員+一般人A 上

 学園都市とは、科学技術の最先端を走る、日本国の一都市である。

 首都東京の面積の三分の一を占め。そこには数多くの人々が居住し、生活を営んでいる。しかし、その名に恥じぬようにその人口の8割は学生である。それもただの学生ではない。そのほとんどがなんらかの力を持った、超能力者であるのだ。

 いわゆる「超能力」はこの学園都市では、空想の産物ではない。それどころか、スプーンを曲げるなどに代表されるような見世物としてのそれではなく、まさに「超能力」としての異能がその都市では当たり前のように存在していた。

 学園都市には、火を操る、水を操るなどの能力を手始めに、音波、元素などのミクロ単位かそれ以下の微小な物すらも支配下における、超能力が存在している。当たり前の話ではあるのだが、その力を持ってすれば人間などたやすく殺害も可能である。それはつまるところ、強大な軍事力を持っていることを示唆している。その上、学園都市の外の世界と「内」では二〇年もの、技術的隔たりがあるとされ、多くの国家と関係を持っている。

 ゆえに学園「都市」とはもはや方便である。言ってしまえば、過去のヴェネチアやギリシャはアテネ帝国のような覇権国家としたほうが妥当だろう。広大な領土を持っているわけではないが、その力は先進国と肩を並べるほどの影響力を持っている。

 その学園都市、超能力者達の中でも一際強大な力を持っている者たちがいる。それは政治力を持っているのではなく、また部下を大量に保有しているのでもなく、唯々純粋に自らの力を持って君臨している数名の者たちのことである。

 その者たちは「レベル5」と言われている。その力は軍隊と単体で「やりあえる」とされるほどのポテンシャルをもっている。ゆえに恐れられているが、逆に多くの機関、国家からは興味を持たれているのだ。

 

 

 そして、今日もその超能力を調べようとしている機関があった。

 今回それを調査しようとした機関の名は分からない。しかし、「レベル5」の者にちょっかいを出そうというのだから、それなりの力を持った機関なのだろう。それでも、今の世界中に点在する大企業ですら、表向きにしろ、本当にしろ「兵力」と言われるものを持っていないのだから、その機関も大して軍事的な力を持っているわけではなかった。

 自ら軍事的な力を持たず、目的を持ち、そしてそれなりに財力のあるものたちの行動原理など、昔から変わってはいない。その機関が取った手段もそのとおりだった。いわゆる「傭兵」を雇おうしたのだ。

 金で動く兵隊は古来から存在していた、と言われれば笑うしかないだろう。この世で最も古い職業は売春婦でその次に古いものが傭兵であるという、俗説もあるくらいに人間の歴史には「傭兵」は存在していた。

 傭兵は信念を持たない。持たないというよりは、持てるような裕福さを持つものが傭兵などするわけもなく、したがって歴史上に存在する者にも、現在に存在する傭兵についてもほとんどが「金」を目標にしている。意地汚いというよりは、そういう職業なのである。

 しかし、そんな傭兵だからこそ、死んでも痛くはない。捨て駒にはもってこいなのだ。死ねば代わりを雇えばいいし、契約次第では死んだ瞬間には金銭の支払い義務すらも雇用者側からは消失する。

 その「レベル5」を調査しようとしている機関も、そのような思惑があったのだろう。できる限り足のつかないように、傭兵団を雇い、接触をなるべく避け金銭でのみ繋がりを持ちつつ、計画を練った。そして最終的な命令は、電話でもメールでもなく一枚のDVDに焼いた指令を送ったのだ。中には音声だけが入っており、仮に傭兵団が捕まろうが死のうが、DVDが押収されようが滅多なことでは、依頼主は分からない。

 完璧な作戦である。と、機関の誰もが思っていた。傭兵団が死ぬことも「調査内容」として、有効に利用できるのだ。

 

 DVDの発送の住所を間違えなければ、の話だったのだが。

 

 

『ということで、報酬の支払いは契約通りスイス銀行へ支払った。学園都市への潜入装備などは先に渡した、資金を使って用意してくれたまえ』

 クマ吉は暗い部屋で、いきなり送られてきたDVDを見ながらゴクリと息をのんだ。エロいDVDだと思っていたから、既にズボンを脱ぎ、パンツを脱ぎ、右手は「定位置」に置かれていたのだ。それで流れて来たのは変に気取ったおっさんの声だったから、しゅんとしている。顔のことではない、しゅんとしているのはクマ吉の何がとは言う必要はないだろう。

 しかし、クマ吉は驚いた。いつの間にか、自分は傭兵になっていたというのだ。その事実にクマ吉は驚愕するとともに思う。

「ど、どおりで、このごろ痩せてきたはずだよ……」

 さもありなんと頷くクマ吉。痩せて来たことと何の関係があるのかは、よく自分でもわからない。それでもすでにスイスの銀行に報酬が振り込まれているらしいのだ。クマ吉はそれで覚悟を決めた。クマ吉はスイス銀行の口座は持っていないが、お金をもらってしまってはもはや後には引けない。郵便貯金に振り込んでもらった方が良かったのだが、それでもクマ吉は立ち上がった。

「学園都市だね。まず、調べないとっ」

 学園都市という単語をウィキペディアで調べる。それがクマ吉の最初の仕事だった。

 

 調べれば調べるほどクマ吉は驚いた。学園都市とは世界中の国々にも一目を置かれているほどの場所なのだ。それも今回調査を依頼された「レベル5」はその学園都市の虎の子とでもいえるものなのだ。本当に何故自分にこの依頼が舞い込んできたのかわからないが、しかし、クマ吉は迷わなかった。

 DVDにはいくつか同封されている物がある。数枚の写真と一つのミニ・カメラだ。カメラの方は、耳に付けることができるもので、クマ吉の耳にもぴったりだった。唯、類人猿用なのでクマの耳には少し小かった。

 そして写真の方が重要だった。

 「レベル5」とはその名の通り、段階的な名前である。この場合は超能力の開発段階、開花段階とでもいえばいいだろう。つまり、戦国武将のような、武功に付けられる渾名でではない。それは先述のとおり、数名の超能力者をまとめて表していることで分かるだろう。そしてこの「写真」とは今回のターゲットである。

 クマ吉は写真を並べた。その一枚目には、ウェーブのかかった茶髪で整った顔立ちの女性が映っていた。場所は、カフェだろうかつまらなさげにストローからジュースを飲んでいる。彼女が今回のターゲットであるレベル5の一人「原子崩し(メルトダウナー)」の名を持つ女性、麦野沈利であった。

「おっぱい……」

 クマ吉は呟く。麦野の写真で、彼女は胸元が少し開いている服を着ていて、その胸の谷間がちらりと見えている。そこからクマ吉は彼女の豊かな胸部を想像したのだ。

 そして、一枚目と言った通り。写真は麦野合わせて全部で四枚あった。

 二枚目は幼い顔つきではあるが、碧眼金髪の美少女で頭にはベレー帽のような黒の帽子を被っている。その写真の枠の下には「フレンダ=セイヴェルン」と書いてある。

 三枚目は小柄なことはフレンダと同様だが、短い茶髪でオレンジのフードをかぶった少女だった。これにも名前が書いてあって「絹旗最愛」と記されてあった。可愛い。

 四枚目はおっとりした顔の少女だった。黒髪は染めていないのだろう、地毛らしく地味であり、しかもおかっぱ頭である。その上、写真には上半身しか映ってはいないがジャージを羽織っている。そしてその名は写真にかかれていて「滝壺理后」という。

 滝壺は地味なくせに胸が大きい。クマ吉は本当にたまらなかった。

 彼女達は四人で【アイテム】と言われるグループを作っていた。

 

 ――やるしかない、

 クマ吉はこの困難というよりは不可能と言える依頼を完遂しようと思った。むろん麦野以下、全員は能力者である。だが、もはや迷う事項は一つもない、傭兵としてやるしかないのだ。戦場を駆け抜けてきた記憶を脳内にねつ造しつつクマ吉は計画を考えた。まずは体を鍛えなければいけない。

 クマ吉はその日から、特訓を開始した。しかし、ただ体を鍛えただけでは返り討ちに合うのは必定である。ゆえに、彼は古今東西の漫画を集めて熟読した。

 

 その中で、彼は答えを得る。

 

 

いきなりだが毒手というものを知っているだろうか。

 それは古代中国より伝わる、暗殺拳の一つであった。その名と通り、手に毒を付けて相手を殺す技だ。そしてその毒のつけ方は凄まじい。

 手を毒の入ったツボに付けるのだ。それも幾日、幾月、幾年もだ。毒は時期が来れば、種類を変えてまた手を漬ける。そうすることで、手で人を触っただけで殺害できるという「毒手」が完成する。その過程で発狂しなければの話ではあるのだが。

 むろんクマ吉はそんな野蛮なことをする気はなかった。相手が軍隊を戦うことができるとは言っても、女の子である。切った張ったの為にしか使えない、そんな技を使う気はさらさらなかった。

 

 クマ吉は上半身裸で、目の前に置いたツボに両手を突っ込んだ。彼は何かに耐えるように「おおぅ」と声を上げる。そうこのツボの中に入っているのだ、媚薬が。

 クマ吉は媚薬に一日何時間も両手を漬けた。毒に付けておけば毒を手に染み込ませることができるのだから、媚薬につけていればいずれ手が媚薬に染まるのは科学的にも合理である。毒手ならぬ「淫手」とでも言おうか。少なくともこれで女の子に物理的な危険を与えることはない。もっと他の、どうしようもないダメージを与えることにはなるだろうが、仕方ない。

 しかし、その修行は壮絶を極めた。うっかりその手でオナニーをしようとして、クマ吉はエビのように暴れまわり、釣りたての鯛のようにビタンビタンと跳ねまわって嬌声を上げる。気が付いた時には電柱に全裸で括りつけられているのは一度や二度ではない。それでもクマ吉はこの「淫手」の修行を続けた。時には達人である柳龍光を訪ねたりもした。

 媚薬は手に入るだけ手に入れて、ツボに混ぜ、手を入れて染み込ませた。逆流した媚薬により、ムラムラが止まらなくなることもあったが、それはなんとか滝壺の写真を使って処理した。

 もちろんクマ吉は体も鍛えた。ダンベルを使い、プロテインを飲み、小鳥と戯れ、ハイキングをしつつ、身を引き締めた。その上で、市販の水鉄砲をAK-47っぽく見える改造を施し、しかも魔改造と言っていい機能を付けた。

 

 数か月で準備は完了した。

 クマ吉はバンダナを頭に巻き、タンクトップの上からホルスターを肩に掛け、迷彩柄のズボンを着て、底の厚いブーツを履いて学園都市の入り口をくぐった。怪しすぎて、逆に簡単に侵入できたのだ。背中には改造した水鉄砲と背嚢があった。ちなみに耳には機関からもらったカメラもついている。

 クマ吉の口には遠足とかで「タバコみたい」と言われる例のお菓子が咥えられている。その姿で彼は空を見あげる。

「戦争には……いい日だね」

 彼の姿はまさに「傭兵」だった。装備だけでなく学園都市の中での根回しもしている。

 

 

 ここは学園都市に数多くあるファミリーレストラン一つだった。その一角に彼女たちは、迫りくる危機(クマ吉) にも気が付かずにのんきにたむろしていた。

「浜面は?」

 テーブルに頬杖をついて、ぶっきらぼうに聞きながら麦野は煩わしげに髪をかきあげる。何故かわからないがどこか、不機嫌を顔に張り付けているような表情をしていた。

「なーんか、インフルエンザだって」

 バカのくせにねーとケラケラ笑うのはフレンダだった。金髪がふわっと揺れて、彼女は首元に付けた大きなリボンを手で動かす。写真通りの黒い帽子に黒い上着を着ているがそのスカートは短めで白い。細い脚には紺のニーソックスを付けている。

 フレンダの言葉に、ちっと小さく舌うちする麦野は白いワンピースの上から、ピンク色の上着を着ている。ファミリーレストランに来るにしては、少々着飾っており、まるで「デートでもする」ような服装であった。

 麦野とフレンダと反対側には二人の女の子が座っていた。片方はジャージ姿で、あまり服装を気にしていないことがよくわかる。彼女はもちろん滝壺理后だった。彼女は長椅子の背もたれに深く座って寝息を立てている。

 もう一人はなにやら薄い雑誌をもって「ほうほう」と興味深げに読んでいる。茶髪にフードつきの上着を着て、短パンを穿いている。白い脚はフレンダと同様に細い。まさに少女としての体つきである。

 この四人が今回のクマ吉のターゲットだった。いつの間にか、麦野以外もターゲットになった理由は、可愛いので仕方ないのだ。そこはクマ吉も戦場の中での非情と割り切るしかなかった。

 

 

そのクマ吉は彼女達のいるファミレスの向かいにある大きな公園の茂みから、背嚢をおろして何故かオペラグラスで見張っていた。隙あらばいつでもという気迫が伝わってくるほど、怪しい。

 クマ吉はとりあえず、作戦の前にご飯を食べなければと背嚢からタッパーをいくつか取り出した。中には大量のおじやが入っており、それをクマ吉はタッパーを開くや、同じく背嚢から出したスプーンで食べ始めた。

 はぐはぐと食べるクマ吉。それだけではなく、背嚢からバナナ数本を出して食べ、かつおじやの上に梅干を載せて味のバランスを取っている。これからレベル5である麦野とその仲間達と死闘を演じるであろうというのに、彼はしっかりとカロリーを取っている。

 この姿を見るものがいれば、「死ぬわ、あいつ」というかもしれない。しかし、クマ吉はそれでもおじやを腹の中につぎ込んで戦闘準備をするのだ。

 クマ吉はよく噛みつつも数分で完食した。そして背嚢からコケコーラのペットボトルを出して、よく振り始めた。まさに狂気の沙汰であると言っていい。炭酸のジュースを振るということはそれだけ、開けた時の悲惨さが増すことを示しているのだ。

 その姿ずっと後ろのベンチで座りながら見ている少女は言う。隠れているつもりでもクマ吉の姿は丸見えだったのだ。

 彼女は腰まで伸びた金色の髪にまるで星のように光る明るい目をしていた。その姿シャツの上からベストを羽織った姿は、学校の制服だろうか、ともかくその少女は目の前でいきなり食事を始めた怪しいクマをじっと観察していた。手には何故か白い手袋をして、携帯を触りながら彼を見ている。

 クマ吉はコケコーラの蓋を開ける。そのまま、飛び出してきた液体を全て顔面で受け止め、残った炭酸が抜けたコケコーラを立ち上がって飲み始めた。ごくごくと飲めるのは炭酸が抜けているからだろう。

「へえ、炭酸抜きのコーラはなんか栄養があるとか聞いたことあるけど……」

 といいつつ、少女はクマ吉を凝視する。怪しすぎて興味もあるが、奇妙過ぎてなんとなく見てしまうということもある。だが、その言動は的を得ていた。なぜなら、炭酸抜きのコーラはとても栄養吸収率が高く、スポーツ選手でも愛飲している物がいるほどなのだ。たぶん。

 クマ吉は空になったペットボトルを切れに舐めまわしてから背嚢に入れた。中でコケコーラの液体がつけばべとべとするからだ。そして、今から第一の仕事に取り掛かることになった。目撃者をいかさずにはおけないのだ。

 

 

 

「んん。なんかいった?」

 フレンダが顔を上げて麦野に聞く。麦野はやはり煩わしげに首をふる。変わらず不機嫌なのだ。フレンダはうんと首を傾げて言う。

「なんか、今悲鳴みたいな声が聞こえた気がするんだけど……どっかで聞いたことがあるような気もするのよね……」

 しばし考えてフレンダはまあいいやとつぶやくと、目の前にあった空のコップを取って立ち上がった。ドリンクサーバーに飲み物を取りに行こうとしたのだ。普段なら浜面などというパシリがいるのだが、今日はいない。

フレンダだけでなく全員の前にも同じように空のコップがあった。つまるところ、ドリンクの「飲みほうだい」を全員が頼んでいたのだ。だから立ち上がってフレンダはしまったと思ったがもう遅い。

「ん」とコップを渡してくる麦野。

「はい」とそれに続く絹旗。

 そしてこのタイミングで起きて「こーら」と寝ぼけ眼でコップを渡してくる滝壺。フレンダの前には計四つの空のコップが集まった。

 そう、ドリンクサーバーに行き自分で注いでくるのが普通のドリンクサービスであるが、四人の怠けものが集合すると必然的に「先に立ち上がった奴」が持ってくる暗黙の了解が出来上がってしまうのだ。その点で言えば【アイテム】も変わらない。

「えっ、や、は、まずらぁ」

 今はいないパシリに恨みがましい声を出すフレンダ。まさか自分がこのタイミングでパシられるとは夢にもおもってはいなかったのだ。彼女はしぶしぶ四つのコップを持って、ぶつぶつ言いながらドリンクサーバーに向かう。コップは持ちにくいことも、彼女の不満を高めた。

 

 

 

 

「そうだ、麦野の午後ティーにコーラを混ぜてやろっ」

 ふふふと可愛らしい声をあげながら、嫌がらせを考えつくフレンダ。いたずらではないところが彼女の本質的な部分を表していると言ってよい。彼女はドリンクサーバーにコップを設置してボタンを押す。ドリンクサーバーの置かれている台に残りのコップは置いてある。

 (他の二人は何を飲ませようかな……)

 ぼんやりいやらしいことを考えているフレンダだが、彼女はこの時気が付いていなかった。自らが群れから離れてしまった、一匹の獲物であることに。そう彼女は刈られるほうの人間だとまだ気が付いていないのだ。

「あっ」

 フレンダの足元で音がした。彼女が何かとみると、そこには一枚の五百円玉が落ちていた。フレンダはきょろきょろとあたりを見まわして、にやりと笑い、しゃがむ。

(ラッキー)

哀れとはこのことだろう。こんな古典的な罠に引っかかるのだから、彼女の運命が逃れられないものだということを示している。

「しびいいいい!」

 奇怪な声を上げて痙攣するフレンダ。五百円玉には細い線が括り付けてあって、それは電流が流れる仕組みになっていたのだ。ちなみに後遺症が残ったりしないように、クマ吉は自分の体で試している。それでもフレンダの小さな体は、尻を突き出すような無様な格好で這いつくばり、そのまま気を失った。

 隠れていたクマ吉はすっとフレンダに近寄って、担ぎ、その場を離れた。その手慣れた様子はまさに傭兵っぽい。まさか、これが初任務だとはだれも思うまい。ドリンクサーバーは他の【アイテム】メンバーには死角ではあるが、店員には丸見えだとしてもだ。

「あっ、あのお客様」

「ち、違うよ、つけといてよッッッ」

 何かにツケてクマ吉はファミレスから飛び出した。肩には舌を出してだらんとしているフレンダがいる。それでも彼女はぼんやりと意識を取り戻しつつあった。しかし、クマ吉はファミレスの向かいの公園の茂みの中に入ると、彼女をおろして後ろから抱き着いた。

 嫌らしい目的など微塵もない、ただスカートに手を入れてパンツにそのクマの手を突っ込んだのだ。手に当たったパンツの感触など、気持ちいいとはクマ吉は思わないでもない、かもしれない。

「! あ」

 フレンダはその衝撃というか、驚愕ではっきりと目を覚ました。しかしもう遅いのだ、彼女のパンツにはクマ吉の「淫手」が両方入っている。クマ吉はフレンダが何らかの反撃手段を講じるまえにその手を動かした。

 すべすべの肌をクマ吉の手が奔り、その股間を擦る。フレンダはそれだけ、そうただそれだけで頭の中が真っ白になってしまった。淫手の元になった毒手は触っただけで相手を弱らせることができる、それならばクマ吉の編み出した手はどうなるのか、それはフレンダが一番よく知っている。

「ひぎいぃいいいいい」

 小さな体を反らしてびくびくと痙攣するフレンダ。一瞬で彼女の下半身から愛液があふれて、パンツを湿らせて股を塗らす。彼女は「淫手」の恐ろしさをその身で知ったのだ。愛撫などではなく、ただ触られただけなのにこの感触、この快感である。

「ひゃ、ひゃんれらぉ」

 離れろと言いたいのにフレンダは舌が全く回らない。目から知らずに涙がこぼれ、紅潮した頬を流れ落ちて行く。それでいながらたまった涎が艶めかしいのだ。だからクマ吉は容赦しなかった。

 クマ吉の「指」がフレンダの膣の中に入る。ぐっしょりと濡れているそこを、縦横無尽にさわり、擦る。フレンダはまた、何かを叫んだが無駄である。反撃すべきなのだが、そんな余分の思考などない。

 そして、クマ吉の目的は別にあった。女性は性感帯がその秘奥の一点に集中しているのだ。それは「おまめ」と言われることもある、小さな突起「クリトリス」だった。それをクマ吉は「つまんだ」のだ、その淫手で。

 急速にフレンダの性感帯に「媚薬」という猛毒が流れ込んでいく。彼女の股から洪水のように愛液があふれでて、脳みその中の物を洗い流すような快楽が下半身から突き上げる。

「ひゃぐいぃ」

 もはや何を言ってるのかフレンダにもわからない。とにかく気持ちいい、体を押しとどめることができないのだ。そんな中、クマ吉のそのまま「魔の手」は彼女の上着に侵入して、ブラジャーに侵入した。

「ぶっ、ブラジャーッッッ」

 なんか驚くクマ吉。フレンダはその細い体からわかるように、同じ年ごろの女の子よりも体格的に恵まれていない。だからブラジャーなんていらないだろうとクマ吉は憤ったのだ。

「だめだよ……自由にしてあげないと……」

 服の中でブラジャーをフレンダの首元へずらして、その小さな両胸を解放してあげるクマ吉。そして、両手でその胸を揉み始めた。むろん、その一揉みごとに淫手から媚薬が染み込んでいく。小さな胸だから、まわりははやい。掴んだ乳首は固かった。

「やだぁ。ひやだ、こ、こんふあ」

 フレンダは両胸が淫乱にされていくのに、抵抗した。だがまるで、小さな子供が親に抵抗する可愛らしい反撃しかできない。それでもここでちゃんとしつけておかないとクマ吉は将来が危ういと思い。一層激しく揉む。その間にも彼女の下半身にも媚薬が浸透している。

 そう、毒が体に入って一番危ないのはそれが入って数十分後であるように。クマ吉の淫手も触られた時から少しずつ時間をかけて、その体をいやらしくしていくのだ。つまり、もうフレンダの胸も、秘部も何もしなくても淫乱になっていく。

「ィア……いぁ」

 体中から淫靡な汁を出しながら、フレンダは気を再度気を失った。

 

 

 

 

 捕虜とは戦争において、無数にでるものである。それはこの戦場でも変わらなかった。

 クマ吉はフレンダを捕虜とする為に、身体検査としてとりあえず素っ裸にした。成長しきっていない胸がぷっくりとふくれ、薄く浮き上がったあばらが少女としての彼女を映し出す。別段卑しい気持ちはクマ吉とて全くないが、武器とか隠し持っていることもあるので下半身は入念にチェックした。

 フレンダの服は綺麗に折りたたんで、黒のレースのついたパンツは邪道として、クマ吉のコレクションケースに修まった。ちなみに服の中から大量の武器などが見つかったが、とりあえず全て埋めた。

「ふう」

 クマ吉はフレンダの身体検査を終えたが、これから収容する場所を探さなければいけないのだ。しかし、ここは戦場であるからには適当な場所が存在しないように思われた。だが、それは素人考えというものである。

 地面にクマ吉は等身大の穴を二つ作った。そこにフレンダを全裸で立たせて、土をかける。これで土の中から、頭から肩までしか見えない牢獄の完成である。土はなかなかに重く。はずみのつけられない土中ではフレンダも逃げることができない。

 フレンダはそんな状態で目を覚ましてしまった。全裸で土に埋められた状態である。

「ひぃ、ひぃい」

 それでいながら、体には媚薬が浸透し始めているのだ。クマ吉の手には数種類の媚薬が混じりって混在しており、そんなものが体に入ったら、シリアス・プロブレムと言っていい。それでもフレンダの体はもういやらしく内側から変わって行っているのだ。

 ところで穴を二つ作ったのはクマ吉とて理由がある。この戦いに臨む前に、とある一般人をその淫手で捕えたのだ。それは彼の極秘の任務を見てしまった彼女の不孝と言っていいだろう。

 その少女は先ほどクマ吉の食事を見ていた金髪の少女だった。彼女もフレンダと同じように全裸にされて、ひいひいと口から淫靡な声を出している。それは体に媚薬が回っていることと関係がるのだろう。一応、彼女の着ていた物は全て畳まれて彼女の前に置かれている。パンツは仕方ないので、クマ吉が穿いた。

 彼女の名前は持っていた生徒手帳から「食蜂操祈」とクマ吉はわかっていた。むろん今回の戦いとは何ら関係のない一般人であるのだが、麦野沈利という「レベル5」の一人との死闘である。一般人とはいえ、目撃者であるからには拘束するほかなかった。

「わ、わだひぃは、こ、こんは」

 はあはあと艶めかしい声を上げる食蜂にクマ吉は痛ましげに見た。

「仕方ないんだよ……レベル5の人に勝てるかどうかなんてわからないんだから……。調べて分かったけれど、レベル5の人はもうすごく強いんだよっ」

「はぁ……わ、わた? ぎ!」

 何かを言いかけた食蜂だが、体に媚薬が回って苦しいのか口から涎をだして、よがる。その横ではフレンダが体を動かすこともできずに何か言葉のような、嬌声を上げる。

 頭だけ土の中から出した少女二人は艶めかしい声を上げて、クマ吉は思わずオーケストラの指揮者のように両手を上げかけた。

 クマ吉はそこではっとこんなことをやっている場合じゃないと食蜂の口にボールギャグを手早く着ける。後で今回のことに関係ない一般人の食蜂を解放するにしても、今は騒いでもらっては困るのだ。

「むぐう、ふぐううう」

 これから強大な能力者としての麦野と戦わなければならないのだ。そう、「レベル5」との戦いは一歩間違えれば、死ぬ。

 

 クマ吉はフレンダの携帯を取り出して、てきとうに電話を掛けた。しばらくコール音がして出た、相手の声は女性である。多分麦野だろうとクマ吉は何となく思った。

「はあ、はあ。今何色のパンツ……あっ。だ、ダメだよ切っちゃあ。こ、こっちには、人質が……はい、すみません。あの、ち、ちがうんだよ。ただ、相手が女の子だからパンツの色を着ておかないと後で困るか持って言うか。い、いやそうじゃなくて。た、ただ僕は女の子に穿いているパンツの色を聞くことに興奮することを発見したっていうか。……い、いえ、そうじゃなくて、はい。そうです。はい。じゃあ、横の公園で待ってるよ……」

 九割ほど関係のない話で終始した会話が終わり、クマ吉はほっと息を吐いた。

「まったく、麦茶さんは……パンツの色くらい教えてくれもいいのに!」

「フレンダが捕まっているらしいです」

 クマ吉と会話していた絹旗最愛が携帯から耳を離して言う。その言葉に麦野沈利は若干驚いたようだが、ちっと不機嫌そうに舌を鳴らす。そしてそれとは反対に滝壺理后は不安げに眉を寄せる。

「まあ、あいつのことだから大丈夫でしょう。それより……」

 麦野はフレンダへの信頼なのか、それともフレンダのからっこすい性格への評価なのかそういう。まさか、土に埋められてよがっているなどとはわかるまい。

「アイテムに……このあたしに喧嘩をうってきたきたことの方が、……ム・カ・ツ・ク」

 苦虫をかみつぶしたような顔で彼女は立ちあがった。それに合わせるように絹旗がフードを深くかぶって立ち上がり、滝壺もゆっくりと立ち上がった。

 彼女たちの目的は一つ。自分たちに喧嘩をうってきた物を殲滅することである。それが何者であれ、麦野沈利がこの【アイテム】のリーダーである限り、揺るぐことはない。

 





GW中に書き終わりたかったんですが、無理でした。今週末までには終わらせたいです……。もう、滝壺さんは許さない。許さない!
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