クマ吉君の野望【2次創作短編集】 作:堀 吉之助
目の前に光があった。
うっすら目を開けたアルゴの意識がゆっくりと回復していく。そしてこれまたゆっくりと羞恥の心とが蘇り、悔しさがにじみでてくる。彼女は歯をかみしめて涙を堪えようとしたが、それでもその両目からとめどなく涙があふれ出てくる。
「ここはどこだヨぉ……」
涙声で誰に言うでもなくアルゴは声を上げる。どうやらどこかに寝かせられているらしい。ひんやりしたベッドの上。目の前に大きなライト。アルゴはそんなところにいた。
まるで手術台である。
アルゴは変わらず何も身に付けていない。
「?……っ」
アルゴが起き上ろうとすると、何かに引っ張られた。両手両足がベッドに括り付けられた手錠に固定されている。その鎖の音だけが鳴る。
「あっ起きたんですか」
はっとアルゴは声がした方を見た。女の子が一人、まるで学校の給食のエプロンのようなものを着て立っていた。髪はポニーテールで、目は赤みがかかっている。
「じゃあ、処置を開始しますね。あっ私の名前はシリカって言います」
シリカはそう言うとアルゴに近付いてきた。アルゴは怯えるように身をすくめる。だが体は固定されているため動かない。
「しょ、処置っテ。なんだヨ?」
「パーティのメインでだす処置ですよ……、あれ? 聞いてませんか?」
シリカは首を傾げながらうーんと唸ると「まあ、いいです」と何か納得したように言った。しかし、アルゴにはまったく訳が分からない。
「な、なにをするきダ。さわるナ!!」
「げんきですねーあるごさん」
必死に抗議するアルゴをあざ笑うかのようにシリカは笑った。そして彼女は何かが載ったトレイを持ってきた。それをみてアルゴは悲鳴を上げる。
「ひっ」
トレイの上に載っていたのは三本の注射である。中にはピンク色の液体が入っていた。アルゴが「注射」と聞いて想像するものよりもはるかに大きい。そして彼女にはわかった、あれをさされるのは自分だと。
「ま、まさひゃ。ど。どらっぐ……や、め、いや」
アルゴは動揺のあまり噛み。絞り出すような声でシリカに懇願する。逃げようとしても無駄である。普段お姉さんぶっていてもまだまだ子どもなのだろう。
シリカはアルゴの言葉をあわてて否定した。
「ちちちちちちがいますよ!! そんな危ないクスリじゃないです!! 習慣性なんてありません……成分的には」
最後の方は言葉を濁しながら横を向くシリカ。しかしアルゴは麻薬ではないことに安堵した。ほっと息を吐く、頭の中で鼓動の早まった心臓がどくどくと音を響かせる。
「とりあえずお注射のじかんですよー」
シリカがにっこりと言う。
「……アッ?」
アルゴは事態が何も好転していないことに気が付いた。自分がなんなのかわからないものを刺されることには違いないのだ。
「痛くないですからね? あるごさん。これはお尻用に注射なので針とかもないです。お尻の穴に入れて。ちゅうって、出すだけですから」
やさしく説明するシリカの顔を見ながら、アルゴから血の気が引いていく。わけがわかないものをお尻に刺される、それは
「ちなみに私は13歳です。あるごさん。おいくつでしたっけ?」
年下の女の子に。
「やめろおおオ!!」
アルゴが暴れがきがきと手錠が音を鳴らす。シリカは鼻歌を歌いながらアルゴの下へ回るとトレイを脇に置いて、注射を一本取る。
「開きますね」
シリカがベッドの脇についたボタンを押すと、ベッドが開き始めた。形がかわり、Xの形にアルゴの両手両足が開かれた。つまり股が開かれたのだ。シリカは部屋の隅に合ったパイプ椅子を持ってくると、アルゴの股の間に座った。目の前に開かれたアルゴの肢体がある。足を延ばしたことによって開いた前の割れ目からピンク色の中身が顔を出している。しかし、シリカにはそちらに興味はない。
シリカは手を伸ばしてアルゴのお尻の穴のあたりを指で広げる。ぴくぴくと動く小さな穴が見えた。シリカはかりかりと爪で掻きながら指でつついてみる。アルゴは声を上げて嫌がり、腰を動かす。うっすらとアルゴの肌に汗がついている。
「やダ、やダ。みないデ!」
「……あるごさんの、お尻の穴ちっさいですね。入るかな?」
「ぐううウ」
ただでさえ恥ずかしいのに、相手がシリカのような少女ときてはどうしようもない。アルゴの目はまたも潤み、顔を背ける。シリカは一度手を離して言う。
「ゆっくりいれますねー」
「やだああア」
プラスチックの注射がアルゴのお尻に当たって、少しずつ真ん中の穴に近づいていく。アルゴはなんとか動かせる場所を動かして抵抗するが、スズメの涙である。
「イうつ!」
アルゴの穴に注射器が入る。無理に開かれた穴が注射器を締めだそうとするが、当然無理である。逆にぴったりとした感覚がアルゴに感じられた。
ゆっくり、ゆっくりと注射器が中に進んでいく。その先っぽが中に当たるたびに、アルゴに感じさせる。しかし「耐えられる」と言うことは反対にじっくりと「感じられる」ということだ。
「あっ、アっ」
アルゴが声を出す。意識がはっきりしている分、自分のどこが触られているのかが良くわかる。それでもシリカはさらに押し込む。
「じゃあ、出しますねー」
「ぴっ!」
冷たい液体がアルゴのお尻の奥で放たれる。ちゅうううと音がしてシリカの持つ注射器から液体が出て行く。ピンク色の液体がアルゴの中へ入っていく。
「あれ? あるごさん、まさか。感じてませんよね? こんな小学生相手に……」
「そ、そんなわけなイ、だロ!」
液体を入れながらシリカは挑発する。そしてアルゴはそれに簡単にかかる。
どくどくとアルゴの奥が液体で満たされいく。余った液体が注射器とアルゴの接合部から流れていく。
「はーい。一本目終わりました」
「…………」
「抜きますねー」
わざと、ぐりぐりと注射器でアルゴの穴の中を刺激するシリカ。そしてゆったりと抜く。
「ぐ??」
歯を食いしばって耐えるアルゴ。「感じてない」と宣言してしまった以上声は出したくはない。それは無様な気がする。
「抜き終わりました」
シリカの声の後にお尻から圧迫感が消えて、アルゴは体から力を抜いた。虚ろな目で上空のライトは眺め、荒い息を吐くアルゴ。その下半身からはピンク色の液体がわずかに流れ出ている。
「あるごさん、ちょっと、待ってくださいね」
シリカはそうアルゴに告げると。手術室から出て行ってしまった
「……?」
アルゴは流し目でそれをみて疑問に思う。シリカは何をしに行ったのだろうか、
「いヤ。それよリ……」
とアルゴは思い直す。脱出を考えなければいけない。
アルゴは手錠を動かした。やはりびくともしない。鎖の音が鳴るだけである。
おかしい。アルゴは気が付いた。
「く、はあ? ウ」
体を動かすたびに何か違和感が体を包む。さらにアルゴの体は赤く火照り、息が深くなっていく。
「まさカ。これが薬の効果カ?」
アルゴは自分の身に起きた不調の原因に思い至った。いや、それ以外考えられない。
脱出を考えていたアルゴの動きが鈍くなる。指一本動かすだけで何かがあふれてしまいそうな、そんな気が彼女にはする。いつの間にかアルゴの肌に玉の汗が浮かび、その股がしっとりと湿っていく。彼女は気が付かない。
「……ン……ア」
熱くなっていく自分の体を抑えることがアルゴには精一杯なのだ。
「お待たせしました、あるごさん」
そんな時にどこかに行っていたシリカが戻ってきた。シリカはにこやかにほほ笑むとアルゴの様子を観察する。そほて彼女はにやりと笑うとアルゴに言った。
「効いてきたみたいですね」
「お、オレっちになにを、ちゅ、うしゃしたんダ?」
言葉をとぎらせつつもアルゴは疑問を口にする。「注射」とはっきり言えないのは、少し恥ずかしさがあるからだろう。シリカはわざとらしく目を丸くして驚いたふりをし、アルゴに近付く。
「えっ、何ですか? 聞こえません」
シリカがアルゴの胸、その先端をつまんだ。ピンク色の乳首を指で挟んでくり、とこする。その瞬間、アルゴは電流が走ったように跳ねあがり嬌声を上げる。
「にゃああああ??!!」
アルゴが大きく口を開けて叫ぶ。手術室に彼女の声が響き渡り、こだまする。
「えっ、にゃあ? なんですかそれ」
シリカがとぼけながらアルゴの乳首を押し込む。乳房の中に押し込まれた乳首をぐりぐりと親指でこねた。
「いヴヴ? やめっ、カ!」
涎を垂らしながら呂律のまわらない舌で言うアルゴ。そんな彼女を無視して胸をいたぶるシリカ。力関係がはっきりとしている。
「あるごさん」
手を離してシリカがアルゴに語りかける。アルゴははあはああと息を整えるのに精いっぱいで答える余裕がない。それでもシリカは続ける。
「一本でこんなにいやらしい体になった、のならどうなっちゃうんでしょうね?」
ぴたりとアルゴの動きが止まる。シリカの言葉に息が止まったのだ。
なにが言いたいのかアルゴにはすぐに分かった。「一本」と言うのは注射のことだろう。ほかに二本あった筈だ。
つまりいまからアルゴにそれが挿しこまれる。
「い、いやダ、たえれるわけがないだロ……」
震える声を出しながらでアルゴはシリカに目を向ける。シリカはにっこりと笑い、何も言わずに首を振る。
だめ、お注射です。
そうシリカはしぐさでアルゴに分からせる。
アルゴはそれでもなにか言おうとぱくぱくと口を動かす。だが言うことはない。心のそこで諦め始めているのだろう。それに加えて所詮ゲームだという気持ちもどこかにあるのかもしれない。それこそが重大な勘違いなのだが。
アルゴの目の前が歪んだ。そのほほを涙が滑り落ちていく。あまりの悔しさに、声も出せず、抵抗もできずただ泣くしかない。
「はーい。お股を開いてくださいね」
シリカがまたアルゴの股の間に立って。手術室に置いていたのであろう注射器を二つ、その両手に持つ。アルゴはそれを何も言わずに見守るだけだ。彼女の最後の願いは惨めに暴れたくない。それだけだった。耐えるために目を閉じて歯を食いしばる。
ただ、それでもアルゴの頭に疑問が湧く。なぜシリカは両腕で注射器を二つ持っているのか。「一つ一つ挿し込む」なら片方ずつ持たなければ意味がない。と考えたところでアルゴも気が付く。ある意味「諦め」始めた彼女の心が冷静になり、そのせいで気が付いてしまったとも言えなくはない。不幸だろうか、現実は変わらないが。
はっとしたアルゴが目を開けてシリカに言う。
「お、おイ。ま、まさカ。ふ、ふた……」
「はい。二本さしてあげますよ。一気に」
「やめ……ヤメロ。 はいるわけないだロ!! い、一本だってきつかったんだゾ!!」
シリカが一度顔を伏せる。そしてすぐに顔を上げた。笑いを堪えたシリカの顔。今から何が起こるのかよくわかっている顔。
やっとわかった。アルゴにはこの目の前の少女が「少女」と言っていいほどあどけない考えなど持っていないことを。背中からひんやりした感覚がアルゴを包む。恐怖と言っていい。
「やめテ、やダ。やダ。おねがイ、き、きいてくレ? お、おれっち、おれっちは……」
哀願の言葉が続かない。シリカは必死に言い募るアルゴに「それで?」と言った風に薄笑いを浮かべた顔をしている。
「くす……」
シリカはそう哂って。アルゴの動けない下半身に注射器を近づける。二本同時に。アルゴのお尻の穴はぴくぴくと動き、ピンク色の液体の残りがねっとりとついている。
「やだっていってるだロおおお。いやなののおお!!」
半狂乱になって暴れるアルゴから女の子らしい悲鳴が漏れる。シリカは変わらずに笑いながら。
ぶすりと同時に注射器を挿し込む。
小さな穴が二つの注射器にぎちぎちと拡張される。元々がお尻用の注射器である、先は大きい。
「イ!……」
アルゴは歯を食いしばって声を出さないよう耐える。だが大きく目を見開いて、口元から涎を垂らす彼女の姿はこれからの彼女を暗示しているともいえる。
「奥に入れますねー」
明るい声でシリカは実況する。アルゴには聞きたくもないことだろうが、どうあがいても耳に届く。意味もなくベッドの上でアルゴの両手の手錠が音を鳴らす。
狭いお尻の中を注射器が進んでいく。無理やり拡張されたそれが、アルゴに小さな痛みとなんだかわからない感覚を伝える。
「おちゅうしゃしまーす」
シリカの声が室内に響く。
またも冷たい液体がアルゴの中に流れ込んでくる。びくりと反応したアルゴはお尻の穴をきゅと無意識に閉じようとするが、閉じれない。
「いーぱい、いれますからねー」
シリカが注射器の円形になった先を押して、ピストンを押し込む。それにしたがって中の液体がアルゴの中へ入っていく。さすがにこれは片方ずつしかできない。ただアルゴに注入する時間が長くなるだけだと言われればそうだろう。
アルゴはぴくぴくと動きながら、拘束された手をにぎり、開く。おそらく彼女も自分で何をやっているかわからないだろう。なにもできない体が、何かできることを探してそんな行動をしているのだろうか。
「あ、ウ……」
小さくアルゴが唸る。液体が注入される自体は耐えられないことはない。そのあと、液体が体に回りきった後、それが問題なのだ。
「ぬきますねー」
すべてを注入し終わって空になった注射器をシリカは、例によってぐりぐりと動かしながら抜く。アルゴが目をつむって鳴いた。
「……みゃあぁぁあ……」
鼠にあるまじき声だろう。小鼠の体を違和感が包み込んでいく。
アルゴに違和感の正体がすぐに分かった。
「はあ、はあ、はあ、はあ」
空気だ。空気が「あること」を敏感になった体が教えてくれる。普段意識すらしないことが体中の感覚神経が感じる。すっぽりと体が空気の膜につつまれているような気がアルゴにはする。それどころか呼吸をするたびに、わずかでも体を動かすたびに薬が回っていくことが手に取るようにわかる。
シリカはアルゴの顔を見ながら、うんと頷いて言う。
「準備できましたね、アルゴさん」
「じゅ、じゅんびガ……?」
泣いて赤くなった目をシリカに向けるアルゴ。今から何をされるのかさっぱり見当もつかない。シリカはごそごそと自分のエプロンのポケットに手を入れてなにかを取り出した。
鍵である、シリカの手に小さな鍵があった。
「はずしますね」
シリカがアルゴの両足の拘束具に手をかけて先ほどの鍵を差し込む。かちゃりと音をたてて拘束具が外れる。
アルゴは「はなしてくれるのカ」と思った、いや思ってしまった。そんなはずはないとわかっているのに。
シリカはアルゴの両腕からも手錠を外す。アルゴはそれで身体的には自由になった。
「?」
アルゴはゆっくりと起きあがり、自分の体をかばうように両手で肩を掴む。
びく
「ア?」
自分の腕が胸に当たった。ただそれだけなのに、アルゴは声を上げる。さすがにわけがわからずアルゴは困惑する。シリカはエプロンの袖をまくった。細い腕に付けた赤い腕時計が見えた。シリカは時間を確認してアルゴに声をかける。
「あるごさん。これから会場に移動しますね」
「か、会場! なんだソレ」
「みなさんが待ってますので急ぎましょうね。お客様はアルゴさんのことを楽しみにしていますよ」
「は? へ? 客? 楽しみにしてル?」
「はい。いきましょう。あっ」
シリカはそこで何かに気が付いたようにくすりと笑い。
「抵抗してもいいですよ。もうアルゴさんを縛るものは何もないのですから」
アルゴは今シリカが言ったことを理解するのに時間がかかった。「抵抗」と言う言葉が数秒間、意味が本当に分からなかった。シリカは噛んで含めるように説明してやる。
「ほら、あるごさん。今あなたの目の前にいるのは私だけですよ? 武器なんて持っていませんよ? ほら、あるごさんの方が体格もありますし。試してみたらどうですか」
アルゴにやっとシリカの言っていることが分かった。確かに目の前にいるのはシリカだけだ。もしかしたら逃げられるかもしれない。しかし、勝てる自信なしにこな挑発をしてくるものがいるだろうか。
アルゴの中で思考がぐるぐる回る。ただのフェイクかもしれない。それでも目の前の少女を人質にでもできれば逃げることができるかもしれない。
「……にゃ、にゃはは」
そこでアルゴはあきらめた。よくよく考えれば今の自分は奴隷のみである。一言あのクマが声をかければ抵抗すらできない。いや、それどころか自分で自分が捕まることを助けるだろう。
そう目の前を見れば「slave」の文字が――ない。
「あ、あレ。なんで」
HPゲージもない。アルゴは驚いてシリカを見るが、シリカの頭にある筈のプレイヤーアイコンがないことに今さら気が付いた。
「どうしました。あるごさん」
「お、おまエ。プレイヤーじゃないのカ?」
「プレイヤー? ああ、ゲームの話をしているんですか」
シリカは含みを持った笑いをしてまたポケットから何かを取り出した。小さな手鏡である。それをアルゴの前に持ってきてその顔を映す。
アルゴの顔。火照った頬に乱れた金髪が数本張り付いているそこには、
「おれっちの、ひげがなイ……」
鼠のアルゴとしてのトレードマークがなかった。
「あるごさんのおひげはわざと『描いてない』んですよ。その髪は『ゲームにあわせて』ととのえたんですよ、わかりますか?」
「……ここハ…ま、さか………?」
「はい! そうです、ここは現実の世界ですよ」
「う、うわあああああああああああああああア!!」
アルゴがシリカにとびかかった。勝てるとか勝てないとか、挑発がどうのとかそんな問題ではすでにない。感情が彼女を動かした。逃げなければいけない。ここでやられることは全て本当のことなのだから。
シリカはアルゴが飛びかかってきたと同時に彼女に抱き着いた。
「エ?」
急に思わぬ反撃を受けたアルゴがひるむ。その首筋をシリカが舌でなめる。
「ふぁあああア!!?」
ゾクゾクとした感覚にアルゴの体から力が抜けていく。シリカはアルゴの体を押し返してベッドに押し付けた。
そして両手でアルゴの胸を掴んで、揉む。
「にゃあああああああああ????」
びくびくとアルゴが痙攣する。薬が良く効いているらしい。自分の手が当たっただけで感じてしまうのなら、人に揉まれればどうなるのだろう。
「ほーら、あるごさん。抵抗しないんですか?」
「やめてえへえぇエ」
シリカはいとも簡単にアルゴを押さえつけてしまった。これが彼女の挑発の理由なのだろう。そしてアルゴを抑えてもシリカは手を休めない。
「あはははは、あるごさん柔らかい―」
「やっ、ガ。だ、め」
「どうしたんですか―。こーんなに歳の離れた女の子に抑えられて恥ずかしくないんでか?」
「こ、のおオ!」
アルゴはシリカを無理やり跳ね飛ばそうと腕を伸ばす。しかし、それもシリカの指がちょっと力を入れるだけで、
「にゃ!」
キャンセルされてしまう。シリカはなおもアルゴの胸を揉みしだく。手のひらにまんべんなく力を入れて、手加減しつつ二つのお饅頭を捏ねる。そのたびにアルゴの体が小さく痙攣して、喜んでるのか悲しんでいるのかアルゴの顔が歪む。
「あるごさん。やめてほしいですか?」
アルゴは勢いよく頷いた。反応を考えている余裕などない。声すら出せない。出そうとすれば言葉にはならないだろう。
「じゃあ、やめてあげますね。でも」
シリカはいたずらっぽく笑い、続ける。
「ごめんなさい、がないとだめです」
アルゴの唇がぴくぴくと動く、何か言おうとしているのだろうが一度開いてまた閉じた。アルゴの目がシリカを睨みつけた。涙で真っ赤になり、威圧感はないが「そこまで、できるカ」という心が強く伝わってくる。アルゴは何も悪いことをしていない、と言えばそうだろう。
だが、シリカはそれを待っていた。
「そうですよね」
簡単に謝られたのじゃつまらない。伸びたプライドを根こそぎ引き出してから、折ってあげないと。
「じゃあ、あるごさん。絶対に謝らないでくださいね」
「??……な、ニ」
シリカの手が緩みアルゴが声を出す。息は荒い。
「おっぱいは女の子の大切なところですけど。やっぱり『外』なんですよね」
「なにをいって、いル?……」
「いやー、『内』をぐちょぐちょにされたらあるごさん、どうなるのかなって」
「!!」
身の危険を感じたアルゴが身を引いた。シリカはその細い腕で彼女を押さえつける。そしてベッドに押さえつけたアルゴ同様に自分もベッドに膝を載せて上がる。さらにアルゴに馬乗りになった。なんとかどかせようとアルゴは暴れるが、この体勢では普段の力を出しても無理だろう。
「あるごさん」
「……っ」
勝ち誇りながらシリカが言う。
「私は、ずっとエプロンを着ていますよね。実はこの下はショー用の道具がいっぱいあるから見せたくなかったのです。でも、あるごさんがそんなに『わがまま』をするのでしたら、少しだけ見せてあげますよ。仕方ないですね」
仕方ないと言いながらシリカは楽しそうだった。アルゴは腰を動かしてシリカを跳ね飛ばそうとしているのだが、無駄である。
シリカが自分のエプロンに手を突っ込んだ。彼女は腰のあたりでかちゃかちゃと音を鳴らす。なにかを外すような音。シリカが何かコードの伸びたキーホルダーのようなものを取り出した。コードはエプロンの中から伸びている。
「じゃーん、これなんだと思いますか」
シリカが持っていたのは、コードの先に丸い飾りのついたものである。その丸い先が小刻みに震え、ういいんと音を出している。
「ローターですよ、あるごさん。こんなの『入れるの初めて』ですよね」
わざわざ強調しながらシリカはしゃべる。アルゴは何と言っていいのかわからず、目を丸くしてローターを見ることしかできない。やはり現実に頭が追いついていないのだろう。
「まだありますよ」
シリカはまた手をエプロンに入れて、何かを取り出した。アルゴの目の前に持ってきた手には四本のコードが握られていて、その先に青、赤、白、ピンクのローターが震えながらぶら下がっている。
「四個、入れましょうね?」
「い、いやだあああああア!!!!!!! どけええええエ!!!」
アルゴが渾身の力を振り絞って身を起こそうとした。それでもシリカはあわてずに馬乗りになった体を前へさらに倒して、体全体でアルゴを押さえつける。その上アルゴの両腕の上から膝を乗せて巻き込み、拘束する。
「ご、め、ん、な、さ、い。と言えば許してあげますよ」
焦るアルゴとは対照的にシリカはゆっくりと言う。
「い、いうもんカ。いうもんカ」
意地でアルゴは張り合う。シリカはぺロリと自分のくちびるを舐めて、ふふと笑う。そして一度体を起き上らせて。ローターを持った手を後ろへ回す。
アルゴには見えない。手が拘束されて、体を抑えられて、対抗手段がない。いつの間にかアルゴの動きが止まり。代わりに小さく震え始めた。
「いま。いれますよー。一個目ですね」
「……」
いやいやとアルゴが顔を振る。声を出して懇願なんてしたくはない、かといって入れてほしくはない。
「アッ」
アルゴの太ももになにか「震えるもの」が触った。それはゆっくりと上へ昇っていく。見えないが感じることはできる。
股の間。アルゴの秘所に「震えるもの」が当たる。つんつんとわざとらしく突かれて、アルゴはそのたびにびくびくとしてしまう。ぐちゅと割れ目にローターが挟まれる。
「ギ!」
ローターが少しずつアルゴの中に入っていく。振動しながら。それでもアルゴは歯を食いしばって耐えることができる。なぜか、
「強に、設定をしますね」
手加減されていたからだ。シリカがローターの設定を変える。
「ああああああああああああああああ!?ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアア」
手術室のから少女の悲鳴が上がる。それは数分前まで多少なりとも抵抗していた「鼠」の声。
「さあ、これからが本番ですよー。二個目入れましょうねー。あはは。何を謝っているんですか、あるごさん。まだ三個もあるんですから」
楽しげな声が聞こえる。
「ほらほら、こーんなにおもらししちゃって。えっ。なんですか。違う? あるごさん。へえ、じゃあもう一個ローターを入れても大丈夫ですね。……そんな様づけで呼ぶなんて、はずかしいじゃないですか。じゃあいれますね?」
「そんなに謝らなくてもいいんですよ。もう怒ってなんていませんから。もう一個入れると可愛くなれそうですね。ピンク色のローターが可愛いですよ? これはお尻に入れちゃいましょうねー」
「あっ」
「…………幸せそうな顔で寝ちゃいましたね……まあ
目が覚めてからの方が……楽しいですよ……あはははは」