クマ吉君の野望【2次創作短編集】 作:堀 吉之助
「あ?……」
キリトが目を覚ましたのは暗い部屋だった。彼は目を瞬かせてあたりを伺い、だんだんと自分の置かれた異常な状況に気が付き始めた。キリトはなにかの台に寝かされている。ゆるやかな背もたれがあり、まるで手術台のようなよくわからない器具に囲まれている。
キリトは起き上ろうとした。だがそれができない。彼が自分の腕を見ると、台に拘束されていた。ますます彼はわけがわからない。
「……な、なんだよ。これ」
キリトは不安げにその童顔をゆがませる。眉を寄せて怖がる姿は少年らしい。
暗闇から少女が一人現れた。にこにこと笑いながら、キリトに近付く。肩までかかった紫の髪。そして幼い体をスクール水着で包んでいる。彼女の名は間桐桜。この話の主人公。
「はーい。桜です」
「は? き、君はだれ……」
桜はキリトを無視して虚空に向かってしゃべり始めた。
「こんばんは。桜の部屋です。このお話はクマさんが出てこない特別編となっております。かーなーり設定がいい加減になっているのでお気を付けください」
桜はニコニコしながら言う。
「さて、今日のゲストはSAOの主人公であるキリトさんです。拍手―」
ぱちぱちと桜は手を叩く。小さな手のひらがかわいらしい音をたてる。キリトには意味が分からない。彼は目をぱちぱちさせて必死に今の状況を整理しようとする。
「みなさん。今日はここいるキリトさんと遊ぼうと思います。うふふ」
桜は楽しそうだ。
「今日はキリトさんに女の子役になってもらって――」
「はっ!?」
「たっぷりと可愛がってあげましょう。なのでショタの苦手な方は、」
キリトの声を無視し桜はくるりと回って、続ける。
「ばっくたーん、でお願します」
ぺこりと桜は頭を下げる。
「ま、まて何を言ってるんだ、あんただれだ! いやここはどこだ」
「はいじゃあまーず、おズボンを脱ぎ脱ぎしましょうね」
「へっ? まて、まってくれ話を聞いて」
桜はキリトのズボンに手を変える。キリトは暴れようとするが両手と同じで両足も台に拘束されていて無駄だった。桜はベルトを緩めてから、ごそごそと脱がしていく。キリトの腰は細く、女の子のようだった。
「やっ、やめろ」
がちがちと拘束具を揺らしてキリトは暴れる。だがやはり無駄だった。桜はキリトのズボンを一気に膝のあたりまで下ろす。パンツも巻き込んだので、彼の下半身が露わになった。
ゆんやりした感覚がお尻に伝わる。キリトは恥ずかしさと、純粋な寒気に身を縮こまらせた。顔が赤くなって、目をぎゅっとつむる。彼は唇を噛んで、声は出さない。
「かわいいですね」
桜はまたうふふと笑う。キリトの両腿の間に手を入れて開かせた。
「さ、さわるな」
「おねがいする態度じゃないですよー、ねっ」
桜はキリトの「それ」を掴んで先っぽをすりすりと指で可愛がる。キリトは未知の感覚に体を震わせた。少女と言っても桜は女の子なのだ。そう考えると、キリトは得体のしれない感情を覚えた。
「お願いします、はどうしたんですか。おにいちゃん?」
「……お、おねが」
「えい」
桜はさらに指を絡ませる。小さくて、幼い指は硬い。それはキリトの性器を擦るには十分すぎた。桜はさらに「生意気なお兄ちゃん」の弱点をくりくりと動かす。
「上手にお願いできたら、許してあげてもいいですよ。ねっ」
「ひっ……あっ、わ、わかった」
「わかりました? ですよね?」
「わ、わかりました……」
ぺろりと舌を出して、桜は指を離した。キリトは薄く熱い息を吐きながら、桜を見る。なぜ自分はこんなことになっているのだろうか。そう考える。だが桜は彼に思考の暇を与えなかった。
桜は台の脇から、何かを取り出した。それは小さなリング。キリトの大切なところにはめるもの。
「まだ、皮がむけてないからー。これで固定しちゃいますねー」
桜はそういうとキリトの陰部の先からリングを取り付けた。それはキリトにはぎりぎりの大きさ。
「い、いたい。そ、そんなのはめるな!」
桜は鼻歌を交えながらはめる。キリトは「あっ」と声を出して身を下げるが無駄だった。彼女からは逃げることはできない。リングはキリトのピンク色の部分をむき出しにして、皮を下げた。さらに桜がリングを動かすと、大きさの調節もできたらしくきゅっと締まる。
「………ぃ……」
キリトが小さく呻く。彼の敏感な場所が空気にさらされていた。さすがに、彼の「それ」は硬くなっていく。だが固定されているのでそのせいで締め付けがきつくなる。
桜はきゅるきゅるとリングの大きさを動かすとそのわきをとんと押した。リングの横についた小さな穴から糸が出てくる。リールだ。
桜はリールを摘まんで引く。キリトのものがそれにつられて引っ張られる。
「犬みたいですねー。おにいちゃん」
「ふ、ふざける……」
くっとリールを桜が引く。キリトは小さく声を上げて、びくりとする。桜はふふんとまた鼻歌を歌いながら、リールを離す。そうしてから台の周りにある変な機械をいじくる。
桜は一つ手に取って、キリトにむきなおった。彼女の手には掃除機のような透明なホースのが握られていて、それはなにかビーカーみたいなものをつけた機械にくっついている。
「なななな、なにをするきだっ!??」
「ぜーんぶ。吸っちゃうんですよ」
「は、はあ!!?」
キリトはびくびくと体を震わせる。桜は気にせず。
「ういいいいん~」
と言いながらホースのスイッチを押す。すると桜の声のような音を出してホースが空気を吸い始めた。桜は一度ホースの先っぽに手をやって風圧を確かめるとにっこりとキリトにほほ笑む。反対にキリトはかたかたと震える。
「吸いますねー」
桜がキリトの陰部を指でつまんでホースを近づける。
「や、やめろっ。なんでこんなことをするんだっ、あ、?あああああああぁああ!??」
透明なホースの中でキリトが吸われる。さっき付けたリングのせいで全く彼の大切なところを守るものはない。きゅるきゅると彼は吸われる。桜は涙目になって行くキリトの顔をみてゾクゾクとした快感を覚える。
桜はキリトの陰部に指をからませて、揉む。出してと、行動で示す。
「あっう……く…ぁああ」
キリトは股を閉じようとするが拘束されていてできない。ただ女の子のような太ももが揺れるだけ。汗が滲んで少しだけ光る。桜は舌で唇を舐めると、ホースのスイッチをいったん切る。まだなにも「奪っていない」。
「はあ、はあ。はあ」
キリトが桜を見る目には力がない。桜はホースから彼の棒を抜くと、一度先っぽを舐めてあげる。キリトは目を開いて体を跳ねた。桜はかまわずに歯で噛んで舌を絡ませる。
唾液がキリトの下を通る。前から流れたそれはキリトのお尻を通って、台に染み込む。
「……ひっ」
キリトは「出そうになった」。だがその前に桜は口を離す。寸止めのような形になってキリトは口をパクパクさせる。自分でもなにをしているかわからない。
「いけない、おちんちんですねー」
くすくすと桜は笑う。彼女はキリトの体を登るように身を滑らせる。スクール水着がキリトの体を滑る。いつしか桜の顔がキリトの目の前にあった。
桜がキリトのだらしなく開いた口に手を突っ込んで舌を出させる。彼はわずかに呻いただけでそれ以上は何も言わない。顔が赤い。
「おにいちゃんはもっときもちよくなりたいですよね」
妖艶な笑いを含めて、桜はキリトに言う。彼は答えられない。舌が掴まれているから。そうやってから桜はさっきのホースを片手でつかんだ。キリトには見えない。彼には目の前の幼女しか見えない。
ホースがキリトの陰部にまた吸いついた。桜がそうしたのだ。だが今度は吸引力が弱い。
「んっ!?」
「お兄ちゃんは、いまからとっても、淫乱に、なるんですよ」
噛んで含めるように桜は言う。彼女はキリトの下から指を離して彼に自分の下腹部を良く見せてあげる。がっちりと吸いつかれていて、今のキリトの状況ではどうあがいても無駄な足掻きだろう。
キリトは不安な顔で桜を見た。桜は薄くわらって答える。その唇が動いて、甘い声が聞こえる。
「これは、ですね……吸うだけじゃないないんですよ……。お兄ちゃんのおちんちんを、気持ちのいい液体で包むことも、できるんです」
「!!っ」
「驚いている暇はないですよ。ほら透明なホースの中を、お兄ちゃんを食べちゃおうとしているわるーい液体が、ながれてきますよ」
桜はゆっくり、ねっとりとしゃべる。その間にホースを通って液体が流れてきた。ホースの吸引力に負けないということは強い粘性を持っているのだろう。一度からまれたら簡単にはとれない程度の
キリトはいやいやと顔を振るが体は動かない。ホースの中は粘液が満たしていく。冷たい液体がキリトの「それ」にからまってとろとろと流れ落ちて行く。
「ひっ」
びくんとキリトが動く。台がわずかに動く。液体がかかった部分から敏感になって行くのが良くわかった。キリトは腰を振って嫌がるが、ホースは離さない。おいしく、おいしく彼を包んでいく。
「おにいちゃん、見てください」
キリトが涙を溜めためで桜を見た。いつのまにか息が乱れていた。
桜の手にはコップのようなものが握られていた。
「これはですね、このホースのノズルです。付け替え……いや、付けれるんですよ
ほら見てください」
ノズルを桜がキリトに見せる。中はうねうねとした無数の触手がうごめいている。
「これ全部吸盤なんです。すいついたら、ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ。おなかいっぱいになるまでとれないんです。もちろんその間にもホースは吸ってくれます」
「や、やめへ」
「これをお兄ちゃんのここに」
桜はキリトの吸いついたホースを叩く。キリトは哀願をこめた目で桜を見るが、桜はただ笑うだけ。そうしてから言う。
「吸いつかせたら。お兄ちゃんの『中身』を全部搾り取ってくれますよ……」
桜はホースを外した。そのせいで粘液がキリトの下腹部全体にかかる。ねっとりと腿を流れていく。
「――!」
キリトはいきなり外されたことでめいっぱい空気に刺激された。とても強い媚薬をからめた少年の陰部はいきりたち、先がぴくぴくと動く。キリトはもぞもぞと動き、歯をくしばっている。垂れた涎は気にすることができない。
「ふ、ふふーん」
桜はホースの先にあのノズルを取り付けて。風圧を強めた。そうしてからキリトにまた近づける。
「や、やめろおお。お、おれそれはむり。むりだめだめっだっ……ああああ……」
触手がキリトの先から刺激する。
「きゃああああああああああああああああああああああああ?????」
キリトは叫ぶ。これ以上ないほどに高い声で。
ホースが彼を吸う。
触手が彼を搾る。
粘液がそれを助ける。
くちゅくちゅ、ぴちゃぴちゃとホースはおいしそうにかれを味わった。あまりに吸引が強いのかホースはひとりでに動く。桜はいい顔で泣き叫ぶキリトを眺めた。
触手がキリトの尿道を広げる。そうして中に入っていく。そこは本当にデリケートで、触られたことのない場所。そこから吸盤が白い液体を吸いだしていく。
「へっはあ、はあ」
犬のように舌をだしてキリトはよがる。彼は自分の中から何かが奪われていくのを感じた。だがどうしようもない。そうしようもないほどに気持ちがいい。
「ひい……ぁ……え」
キリトは暴れる。よくわからずに。ホースの透明な部分を彼から搾られたミルクが流れていく。先についたビーカーにそれが溜まっていく。桜はキリトの拘束を両手両足ともに解いてあげる。キリトはそれが解かれると反射的に自分に吸いついたホースを外そうと躍起になった。だがホースを動かすと中も擦れる。
「ひゃん!」
嬌声を上げてキリトは身をそらした。だがそれでも彼はホースを動かす。
触手がご馳走を離すまいと、吸盤で吸いつく。キリトの無駄な抵抗をあざ笑うかのように、快感を提供する。
「ひっあああ、あああ! はなしてぇ、お、おれぇえ」
キリトは必死にホースを動かして、自分から搾り取られる助けをする。くにくにとペニスが動かされて、きゅっと締められていく。キリトは涙と涎でぐしゃぐしゃになった顔で桜を見た。
「たすけてくだひゃい! たすけてくだ」
桜はホンワカ笑ってからホースの吸引力を全開に上げた。
「ひゃああああああああああああああああああああああああああ」
キリトの声が響く。
ちゅぽんとホースが抜かれた。台の上にはぐったりとしたキリトがいた。えへえへと笑いつつ虚空を見ている。ホースを抜かれた理由は単純だった。
「もう、空っぽですねー。おにいちゃん」
桜はキリトの様子からそう判断したのだ。たしかにキリトにはもう搾れるものがなかった。だがこれからが彼の受難の本番だ。
いや「彼」ではなくなる。のだ。
「はーい、ばんざーい」
桜は放心状態のキリトから上着を脱がせて、ズボンを完全に脱がせる、一指まとわぬ姿で彼が台の上に寝転がった。はあ、はあと動く薄い胸元に細く、白い腕。うっすらと浮かんだ汗が艶めかしい。
桜は完全に抵抗する力を失ったキリトのペニスを触る。もうかなり弱っているが、敏感にされていることにかわりはない。
「あっ」
キリトは驚いて桜を見た。目をさまされたといってもいい。桜はリングのリールを引く。キリトのペニスがひかれ、かれも引かれる。うごかなければ刺激されてしまうのだから動くしかない。キリトは台を降りて弱々しい足取りで歩き出した。
「だだめ、う、うごか……」
犬の散歩のようにキリトは桜に引かれていく。桜はどこに連れていくつもりか、彼の前を大股で歩く。逆にキリトは小さな歩幅で歩かざるを得ない。
くいっと桜がリールを引く。キリトが悲鳴を上げて座り込む。わざとらしく桜はリールをくいくいと引く。
「や、やめてくれ。お、おとなしくするから」
その答えに桜は満足しつつ、キリトに近付く。そうしてその足を上げた。
「ま、ななにを」
桜はキリトのぺニスを踏んだ。
「あぅ!」
ぐにぐにと桜は踏む。キリトは哀れにも涙目で幼女に嬲られるだけでどうしようもない。桜は見下しながら言う。
「きもちいいですか」
「そ、そんあひい」
「気持ちいいですか? 素直になったらいいですよ」
「き、わ、わかっきもち、いいやめて」
「きもちいいのならもっとやってあげますよ、ほらほら」
全裸で幼女に嬲られる少年が其処にいた。抵抗の方法もなく。足の裏で感じさせられる。ペニスには輪っかがつけられて、リールで引かれる。
「もう、ゆるひて……ください」
桜はキリトの言葉にゾクゾクする。自分よりも大きなお兄さんが今自分に謝っている。いままで虐げられてきたからSな行為が堪らなく楽しい。
「なんでも、しますか? お兄ちゃん」
「なんでも。する……します」
桜が足に力を入れるとキリトは口調を改める。完全に心が折れていた。
「じゃあ、いきましょうか」
「はい……」
桜が足を退けると、キリトはよろよろと立ち上がった。そうして二人は歩いていく。
「はい、ここに寝てくださいね」
「ここに……?」
桜とキリトの目の前には巨大なカプセルがあった。人ひとり入るには十分すぎるほどに大きい。桜はキリトのリールを引くと「ひっ」と彼は呻いて素直になる。
「わ、かった」
キリトはそのカプセル中に入った。中は暖かくて心地よい。桜はキリトが中に入ったことを見てからカプセルのハッチを閉めた。いきなり入り口を閉められてキリトは驚く。彼はハッチを叩くがびくともしない。外に桜の顔が見える。
『じゃあここで四日ほどいてくだしね』
「よっ四日?」
『はい、その間にかわいらしくなっているはずですので』
「かわい、らしく?」
桜が何を言っているのかキリトには理解しかねた。意味が分からない。彼はどんどんとハッチを叩く。だがびくともしない。
急にカプセルの中に水が入ってきた。それはとても粘性が高く、どろどろのものだ。いやそれは水とすらいえない正確にはスライムと言った方が言いだろう。
「ひ、ひい」
スライムがキリトの体にまとわりつく。彼のペニスを包み込み、彼の腰を抱き。彼の頭を捕まえる。
お尻から、口から、スライムがキリトの中に入っていく。
「ぐぐうう?」
スライムに両手両足をまたも拘束されて、お尻の穴を開かれ、キリトは唸る。
(ここに……四日?)
数十分キリトはもがいた。だが彼をスライムは離さない。ペニスは少しずつ小さくされて、彼の胸はほんの少しずつだがふくらみを増やしていく。キリトは体中を駆けめぐる違和感に抗おうと身をひねる。だがそれもスライムに包まれて、元々薄い筋肉がさらに細くなっていく。
少しずつ、すこしずつ。
キリトはもがきながら、だんだんと眠くなってきた。ペニスについたリングが外れる。大きさに合わせて拘束するそれは容易にはとれないはずなのに取れる。代わりに下腹部に何かが入ってくる感覚を覚える。
さっきすべてを搾りつくされて、空いたところに何かが流れこんでくる。暖かくて心地よいなにか。キリトはだいぶ細くなった腿を動かして、それを確かめようとするがよくわからない。
胸が痛い。何か張っているような気がする。痛いと言ってもわずかなものだ。それよりもスライムが乳首に吸いついてきもちいい。
お尻が軽い。小さくなっているのが自分でもよくわかった。
いったいどれほどの時間が過ぎたのかよくわからない。お腹が減ったらスライムが口の中に入ってきて食欲を満たしてくれるし。別に自分で何かすることもない。
キリトはいつのまにかすべてをスライムにゆだねていた。体の異変などもう気にしない。たまに激しく胸や、お尻、それに股の間の「われめ」にスライムが入ってきてなにかするがもう気にしない。
髪が伸びてきた。かれ?の体を溶かして得たタンパク質でキリトの髪がつややかに伸びる。肩口のあたりまで伸びて、ちくちくとたまに肩にかかる。
キリトは股を開かれる。カプセルの中でお尻の穴がスライムに入り込まれる。何度もだれているがそのたびに小さく呻く。
「ぁ……」
声が高い。今の声は誰が出したのかキリトは分からなかった。それほど聞き覚えのない声。彼の少しだけでていたのどぼとけは引っ込んで、平らになっている。キリトは流れるような黒髪をして、美しく白い肌の少女を見た。それあカプセルのハッチに一瞬だけ映ったものだ。
「だれ、だろう……?」
見たことあるような、ないような。良く知っているような、そんなことはないような。そんな既視感を覚える少女。キリトはさっき見たものを頭の中で繰り返す。ただ、眠いので目は閉じる。彼女は暖かい夢に堕ちていく。
「おはようございまーす」
桜がハッチを開けた時、キリトはぼんやりとした夢の中にいた。目の前に数日前自分にひどいことをした少女が居て、久しぶりに浴びた外の空気が冷たい。
「……もう。四日……?」
キリトははっとしてあたりを見回した。四日たったことに驚いたのではない。今聞きなれない声が耳元でした。少女の声が。
「今のは……!??」
声を上げるたびに「自分と同じことをしゃべる少女の声」がする。なのに自分の声がしない。キリトは内心嫌な予感を覚えながら、口をつぐんだ。これ以上声を出すのが怖い。
目の前には桜がいる。彼女はニコニコと笑いキリトを見ている。まるで観察するように。
「かわいくなりましたねー。お姉さん」
「…………」
なにを言い間違えたのだろうか。どこにお姉さんがいるのだろう。キリトはわざと疑問をぼかして、頭の中で回答を出さない。桜はくすりと笑って、手を出した。その手には手鏡が握られている。
美少女と言っていい。その鏡に映った少女は。
黒髪が鮮やかで、くりりと丸い目がかわいらしい。それなのにまるで生まれたて「の赤ん坊のように頬が白く、唇が赤い。キリトはごくりと息をのんだ。なんで自分に向けられた鏡に女の子が映っているのだろうか。
鏡の中の少女が口を開く。
キリトが口を開く。
少女がウインクする。
キリトは片目を閉じる。
少女が首を振る。
キリトは首を振る。
真似をするな。キリトはある危機感ととともにそう思った。まさかそんなはずはないと思いながら心の中で少女に悪態をつく。しかし声を出すことはしない。それはなんだか嫌だから。理由なんかない、そう思いたい。
「キリトお姉さん。そろそろ外に出ませんか?」
きっとキリトは桜を睨んだ。間違えるな。
「くすくす……そんなに疑っているなら、おへその下を見てみればいいんじゃないですか?」
桜はいう。キリトは見ない。そんな必要はない。いちいち自分の性器を見る必要がどこにあるのだろう。かたくなに見ない。あるはずの感覚がないなんてことは絶対にない。
だから桜は鏡を傾ける。ゆっくりと下に向かって。
キリトは顔を背けた。視界の端に映った肩が細くなっていて、胸が膨らんでいる――なんてことはない。それにどこかいい匂いがする髪が耳元にかかっているなんて、気が付いていない。当たり前だろう。そんなものないのだから。
桜は顔を背けたキリトの背中をつーと指でなぞった。びくびくとキリトの体が反る。そのまま桜は腕を回してキリトの胸を摘まむ。ないはずのそれが弾力をもってたわむ。そう大きくはないが「男性なら」ありえない現象。
「……っ……」
キリトは我慢できずに声を漏らした。その声が綺麗で、自分声とは認めたくない。それでもキリトは分かってしまった。
「お、おれっ」
俺の声はかわいい。
「お、女の子み、みたいに……」
その声は完全に少女。桜が後を引き継ぐ。
「はいお姉さんは、すごくかわいい女の子です」
にっこりと桜が言う。キリトは自分がどういう顔をしているかわからなかった。桜は心底楽しそうに笑う。
「キリトおねえさん。戻りたい?」
「あ、当たり前だ」
「じゃあ――」
桜はいったんそこで言葉をきった。ふとなにかを考えるようなしぐさをしつつ彼女はもう一度キリトに向き直る。これから目の前の人をただ調教したのではつまらない。これから希望と絶望を織り交ぜて、届きそうで届かないような足掻きを見てみた。それはすごく嗜虐心をくすぐってくれそうでそうで楽しみ。
桜はキリトの体に指を絡ませつつ、言う。
「では遊びましょうか、お姉さん」
あとがき
読んでいただきありがとうございます。このごろ疲れてが溜まっていた気がしたのですが。これ書いて確信しました。
二部作にしようと思っています。SAOなのでモンスターを出そうと思っているのですが、別にスライムとかゴブリンとか別に決めてないです。孕みとか、キリト君がするなんて、前代未聞じゃないだろうか。してもよくて、しなくてもよくて。どんなもんですかね。
「シャドウゲイト」みたいにRPG方式で書こうと思います。
マルチバッドエンド。ご要望があれば増やします、これはリクエストとは少しちがうので書いてもらえば書くと思います。たとえば触手で―、なんかだったらそれを。
まあ実際のところ需要は、ありますかね?