ドラゴンボール超H 作:ドラゴンボール超記念
長らくぶりに目覚めた。体の調子は悪くない。いや、少し感覚が鈍ったかな? ほぐしておこう。
ポッドから出ながら、ナタル等の気配を探る。うむ、強くなってるな。俺には全く及ばんが。
ん? 3馬鹿め、全く強くなってないぞ。遊んでやがったな。アズラエルでさえ若干強くなってるのに。
あとは、……でかいのが2つあるな。1つはアズラエルより少し大きい。もう1つはその半分くらいか。大きい方の、この濁った感じは、クルーゼだな。小さい方はレイだろう。大きい方とそっくりだが爽やかさがある。
ん? 他にも常人を超えていそうな気が複数あるな。どういうことだろう。
サイヤ人の戦闘服でトレーニングルームに向かう。近づきながら分かった。ほぼ全員トレーニングしている。学生も技術者も。まあ、やることないしな。それも分かる。
「よっす」
「あっ、兄さん!」
「ナナクサ大尉!」
俺に気付いた連中が振り返る。
「未熟者! 部屋に入る前に気付け! 大きな気が動いていただろう!」
「はい」
「すみません」
ナタルがフレイとサイを叱る。その隣にいるレイは叱られていない。俺に気付いていたらしい。つーかレイでかくなったな。9歳くらいだったのが、11歳くらいになった。クローンだから成長が速いのかな? そして相変わらず少女と間違うような顔つき。娘ができたらもらいたい。そのためにもドラゴンボールで寿命を伸ばしてやらんとな。
「お前等もトレーニングしてるんだな」
「はい! 暇ですし、出発の時みたいなのはこりごりですからね!」
なるほどな。特にフレイのような鍛えていない女たちは酷かったしな。
フレイは元気よく応じたが、サイは気まずそうに俺から視線を逸らした。アークエンジェルで対立していたし、そんなものだろう。内心は高く評価していたんだがな。軍人からキラをかばったりしていたから。
「どれくらい強くなったのか見てやろう。今すぐ組手できるか?」
「む、無理ですよお! お兄さん強すぎます!」
お兄さんか。相変わらずいい響きだな。
ん? というか俺、フレイに背抜かれてね? コールドスリープのせいもあって俺の背は全く伸びてないし。
「俺からは一切反撃しない。一撃入れられたらそっちの勝ちってことでどうだ?」
「え? いいんですか?」
「ああ。4人同時でもいいぞ。ナタルも含めてな」
「それは私達舐め過ぎですって!」
「いいでしょう。パワーアップした私の実力を見せてさしあげましょう」
フレイが冗談っぽく言うのを遮るように、ナタルがちょっと怒った風に言った。
強くなってプライドが出来たらしい。おもしろい。やってみろ。
「アズラエル! お前もどうだ!」
遠くで秘書の筋トレを補佐している金髪に声をかける。いちゃいちゃしているようにしか見えないが。
「遠慮しておきますよ。恥をかくだけですからね」
「そうか。後は……」
クルーゼは、1人で何やら瞑想している。顔は仮面で見えないが、雰囲気は真剣そのもの。放っておこう。
5人で空いている個室に移動する。そう広くはない。というよりこの小さな宇宙船に、俺がまともに戦えるような広い部屋は無い。
「どこからでもかかってきな」
人差し指を折って挑発する。
「バカにしないでよね!」
フレイが真っ直ぐ突っ込んでくる。いきなり思いっきりのいい右ストレート。首を逸らして躱す。続いて膝蹴り。右の掌で受け止める。
ちょっと遊んでやろうかなと思う。
「えいっ! やっ! えいっ!」
攻撃を、全て指一本で受け止めてみる。意外と難しい。無重力だから武空術を使わないと吹っ飛んでしまう。
「ふふっ」
「そ、そんなあ……」
フレイが怖気づいたように後ずさりする。美少女のこういう姿っていいね。
「やっ!」
「ふっ!」
笑っている俺の左右からレイとサイの挟み撃ち。いいコンビネーションだが、速さが足りない。
サイの右ストレート、レイのミドルキック、両方ともがっちりキャッチする。そして上方にサイを、後方にレイを投げる。
「わっ」
「くっ」
サイはナタルに命中。
「ぐわっ」
レイはナタルの気弾に命中。ちょっとまずいかな。背中の服が破れて血が出ている。
「レイ、医務室に行きな」
「ま、まだやれるさ」
「バカねえ、実力の差が分からないの? その上その傷じゃあ、何にもできないわよ! いいからお兄さんの言う通りにしなさい!」
「断る! そういう問題じゃないんだ!」
「なんですって!」
レイも戦士の気質があるようだな。強者にこそ立ち向かいたいってか。
「しょうがない。あと1分だけ戦ってやる。そのうちに攻撃を当ててみな」
「言われなくとも!」
トン、と床を蹴るレイ。先ほどより若干気が増えた感じがする。感情で増えるタイプなのかもしれないな。
楽しくなって、結局5分くらいやり合ってしまった。攻撃は当然のように避け切ったが。
「はあ、はあ、はあ。とんでもないな」
「はあ、はあ。これが、今後相手しなくてはならないレベルだ。はあ、はあ。よおく、頭に叩き込んでおくんだな」
「ええーっ! そりゃあないでしょう!」
レイ、ナタル、フレイの順である。サイも口には出さないが驚いている。レイは覚悟していたからか、表情に変化はない。
「言っとくが、俺ほど強いやつはそう多くないぞ。敵の親玉は俺が100人いても敵わんくらい強いがな」
「じょ、冗談でしょ?」
「冗談ならよかったがな」
そこで、レイの気が大きくゆらいだ。何かに怯えているような……。
「ちょ、ちょっと待ってよ! クルーゼって人その人と戦うんでしょ! 勝てるわけないじゃない!」
「そうだろうな」
「だろうな、って!」
「難しい問題だな。本人が戦って死にたいだろうから、やらせようと思うんだが」
そこで、再びレイの気が大きく揺らいだ。
なんとなく分かった。レイはクルーゼの心配をしているのだろう。この2人は意外と仲がいい。いや、クローンは兄弟か双子みたいなものだから、当然なのかもしれない。
俺達は5人で医務室に向かう。デュランダルが何か薬を作っていた。こいつもレイと仲がいいので、こいつにレイの治療をさせた。レイはうれしそうだった。
「ところでナタル、3馬鹿は何をしてるんだ? キラ・ヤマトも」
尋ねた瞬間、空気が凍った。
デュランダルは苦笑するだけだったが、残り4人とも、やるせないような、悲しいような顔になった。
「実は……」
そしてナタルが語り始める。
俺が眠りについてすぐ、3馬鹿は訓練をさぼり始めた。決められた時間内に来ないのは当然のこと。いつもナタルが呼びに行き、怒って連れて来させていた。
少しして、初めにレイが、少し遅れてクルーゼ(レイに連れられて無理矢理)、フレイ、サイがナタルに師事した。彼等は皆、真面目に訓練に励んだ。
ある日、「師がわざわざ出向く必要はない」と言って、サイが3馬鹿を呼びに行った。そこで見た。裸の3馬鹿が、あられもない姿のラクスを、やりまくっていた姿を。
あそこ、尻、口。3馬鹿は無遠慮にガンガン突いていた。歌姫の色っぽい衣装は白濁まみれ。口を塞がれているので悲鳴を上げることもできず、為すがまま。体を捩って悶え苦しみ、目からは大粒の涙が流れる。
誰か助けて。
サイにはそう言っているように見えた。
「何をやってるんだ! お前達!」
サイは怒り、駆け出した。
「は?」
3馬鹿の1人に飛び掛かり、ラクスから離れさせようと引っ張る。しかし全く動かなかい。
「うぜぇ」
ふと、馬鹿Aが何かをつぶやいたかと思うと、サイの鳩尾にとてつもない衝撃が。
「か、かはっ……」
一撃でサイは気を失ってしまった。
サイがなかなか帰って来ないので、ナタルは様子を見に行った。3馬鹿はジャージに着替え中で、ラクスは何事もないようにシャワーを浴びていた(彼等はナタルの気を感じてから対応していたのだ)。サイは部屋の真ん中でぶっ倒れていた。
「おい貴様等! そいつに何をやった!」
「何と言われてもねえ?」
「なあ?」
「そいつがいきなり殴りかかってきたからなあ。正当防衛でしょ」
「だな」
「冤罪ッ!」
相変わらずの不遜な態度だった。
「チッ」
ナタルは大きく舌打ちしたが、それ以上問い詰めなかった。というより想像はできたのである。3馬鹿がラクスを性処理に使っていたのは早くから知っていた。システムの防衛をしている時からやりまくっていた。その時ナタルと俺でガツンと3馬鹿を叱ったことがあるから、当然俺もそのことは知っている。
しかし当時の3馬鹿は「ラクスも楽しんでる。俺達も楽しいし、win-winじゃん」「全く問題ねえなあ」「冤罪ッ!」などと反論してきた。実際ラクスに話を聞いてみると、「はい! セックスとはこのように素晴らしいものだったのですね! 私恥ずかしながら、経験がなかったものでして! でも、今は歌よりセックスが好きですよ! 何せ気持ちいいのですもの! はあ、今日も楽しみですわ。あのお三方は特に力強いので楽しいんです!」と答えたのだ。それはもういい笑顔だった。
しかしまだ問題がある気がしたので、俺達はアズラエルに相談した。アズラエルの答えは、「問題ないでしょう。どうせ彼女は一生監禁されるわけですからね。本人が気持ち良いと言ってるなら、逆に問題にする方がおかしいのですよ。彼等のように、法律も宗教も届かない場合はね。サザーランドさんなんて、軍人なのにもっとすごいことやってますよ」というものだった。俺達はもうこの件には触れないことにした。差し迫った問題を前に、妙な心労を抱えたくなかったからだ(なお、俺の本心は羨ましいというものだったが、もちろん口には出していない)。
目覚めたサイは、ナタルやフレイの父に相談した。しかし3馬鹿を止めようとはしなかった。
フレイの父は、ラクスに性交以外の楽しみを与えようと、フレイと遊ばせたり、歌を歌わせたりした。が、ラクスはいつまで経っても3馬鹿の部屋に行くのを止めなかった。むしろ時間を長引かせた分そわそわして、耐え切れないという風に、勢いよく3馬鹿を求めた。
ある日、この問題について、このままでいいのかという無記名投票を行った。このままでいい、という方が圧倒的に多かった。
ナタルは気付いていた。ラクスは「歌を聞かせる」と言って、フラッと技術者や医師の個室に入っていた。そして30分くらいで、すっきりして出てくるのだ。この投票の時点で、きっとほぼ全ての男はラクスと関係を持っていた。
むしろ知らないのは、フレイ、サイ、キラくらいだったのだ。何せレイですら知っていたのだから。なんとラクスは、レイにも関係を求めていた。が、レイは勃起もできないので、当然断った。その時はデュランダルが代わりに相手をしたという。
サイは悩んだ。本当にどうすることもできないのか。このままでいいのかと。ナタルは、「やつらに勝てるくらい強くなればいい。理不尽を全て吹き飛ばせるくらい」と言った。それからサイは一層訓練に打ち込んだ。
しかし、ここでラクスがキラを誘う。キラは驚き慌て、「な、何を言ってるんだい! そういうことは好きな人と以外としちゃいけないんだよ!」と言った。が、ラクスは「私、キラ様のそういうやさしいところに惹かれてしまいましたの。好きですわ、キラ様」などと真剣そうに言った。キラの性欲が爆発するのに時間はかからなかった。それからのラクスは3馬鹿と関係を持ちつつ、毎日のようにキラの個室にも通った。
3馬鹿もさすがに飽き始めていた。性交の頻度が減り、その分ラクスはキラを求めるようになった。
しかし、3馬鹿も気が向くとラクスを襲っていた。キラと仲良く食事しているラクスを囲い、キラを無視して連れ去ることもあった。
「ごめんなさいキラ。またお話を聞かせてくださいね」
「ラクス……」
という具合である。
キラは純情だった。ラクスは自分の彼女だと思っていた。自分だけを愛していると思っていた。いや、思いたかった。
ある日、キラは3馬鹿に連れられるラクスの後を付けて行った。そこで見てしまった。自分とは違う男と交差するラクスの姿。自分には見せなかった、狂わんばかりに女の喜びを見せる彼女。
キラは怒った。その場で飛び出すことはなかったが、しばらくして、ラクスが彼の部屋に入ってきた時、激しく問い詰めた。
「ラクス、あれはどういうことなの!」
「あれとは?」
「とぼけないで! あの3人とはどういう関係なの?」
「3人? ……オルガさん達とでしたら、よくしていただいていますけど」
「ラクス! 君にとって僕は何なの! 僕のことが好きなんじゃなかったの!」
「好きですわ。もちろんです」
「だったら他の人と関係を持つなんておかしいでしょ! ラクスなら分かるよね!」
「うーん。私、どう言ったらいいのでしょうか。困ってしまいましたわ」
というようなことが起きた。
その後、キラは徹底して2人で行動するようにしていた。しかし食堂で食事中、3馬鹿が現れる。
「おいラクス、行こうぜ」
「久しぶりぱあっとやってやる」
「待ちなよ!」
その日のキラは、そこからが違った。勇ましく3馬鹿に立ち向かった。
「ああ、うぜえうぜえ。文句があるならかかってきな」
「やめてよね。ナチュラルの君達が、僕に敵うわけないでしょ!」
そしてキラはぼこすかに殴られた。ボロ雑巾のようになって床に転がった。
それ以来、キラは引きこもりがちになった。身なりも気にしなくなって、「少し臭い」という理由で、今ではラクスも偶にしか相手をしていないようだ。