ドラゴンボール超H 作:ドラゴンボール超記念
とうとう丸ポッドに乗り込む時。
なけなしの性欲を吸い取られたためか、やけに気分がすっきりしている。
「お兄さん、頑張ってくださいね」
「ああ」
「その、なんと言いますか、お気をつけて」
「ああ」
フレイ、ナタルと軽く別れの挨拶を済ませる。
だがなぜだろう。ナタルがよそよそしい気がする。
まさか、あれがバレた? ラクス・クラインがバラした? それとも気の流れで分かった? ……まあ、分かるだろうな。
「私も、ハラべコさんが無事帰還できることを祈ってますわ」
そのラクスは、初めて会った時と同じ無邪気らしい笑顔でいた。服も着替えている。しかし顔はまだ火照っているし、股が痛いのか、内股で変な歩き方になっている。エロい。
男共との挨拶は適当に住ませ、丸ポッドに乗る。ここからは1人。ヘマしないように気を引き締めないとな。
コールドスリープで3日程眠った。起きた時には、眼前に約20年ぶりの母星があった。
気を感じてみる。
フリーザらしきものは、……ない。よかった。
一番強い気は、俺の倍はある。大猿か。平均はどうだろう? うーん。このくらいかな? だから若干強くして、このくらい。よし。行こう。
数秒後に着地の衝撃がくる。しかし地面にトランポリンのような何かが敷いてあり、勢いはかなり分散された。サイヤ人にとっては全く苦にならないレベルだ。
ポッドから降りてすぐ、周囲に複数の気を感じた。ぞろぞろとサイヤ人が集まってきている。そんなに物珍しいのか? それとも暇なのだろうか?
「ほう、4700か。チビのくせになかなかやるではないか。おいお前、名は?」
顔に複数の傷跡がある、集団のリーダーらしき男が言う。
しかし、4700? エリート並じゃないか。そんなに増やす気は無かったのだが。
「マトトとナズナの次男、ハラべコだ」
「マトト? どこかで聞いた名だな。……そうか! あの雑魚のマトトか! 5年前につまらん戦いで死んだと聞いている。しかし、そのガキがここまで強くなるとわな。分からんもんだ」
「へっへっへ。おいお前、一戦やらないか? 使えそうなら俺達のチームに入れてやってもいいぜ」
と、ここでおっさんが割り込んでくる。さすがサイヤ人だな。戦闘欲の塊みたいなやつだ。
目立つのは避けたいが、囲まれているし、断るのは無理そうだな。
「いいだろう。やってやる」
「へっへっへ。感謝しろよ。このトッポテ様が遊んでやるんだからな」
相手の実力は、今の俺の気より少し強い程度。エリートだな。本気の俺の敵ではないが。
「どこからでもかかって来な」
「では」
一瞬気を高め、おっさんの眼前に移動する。
「ん?」
間抜け面へ渾身のストレート。
「ぐああああっ!」
おっさんはあっと言う間に点になる。俺は戦闘力を元に戻す。
「何っ!?」
「どういうことだ!? トッポテの戦闘力は5500! やつより上のはずなのに!」
仲間達が驚いている。面倒だし、この隙に逃げよう。
「お、おい!」
ダッと近くの森に向かって走っていく。追いかけてきている気配がする。だが俺より速くはない。
多少距離を稼いだところで、気を消す。これでもうやつらは追って来れない。
これからどうしよう? いきなり目立ってしまったな。まあ予定通り、フリーザ軍の技術者にコンピュータの使い方でも教えてもらおうか。
こそこそとポッドで着地した付近に戻る。技術者のものらしき気を探す。……これかな?
気を頼りに進むと、ドーム型の未来的な建物があった。近くには丸ポッドの着地用のマットのような広場もある。ついでに言えば、一軒家くらいの大きさの宇宙船らしきものもある。技術者はあれで宇宙を移動するのだろう。
建物の中に入る。壁に、大きくフリーザが印刷された張り紙が貼ってある。その隣にはザーボンとドドリア。ギニュー達も。字は読めないが、広告か何かだろう。
受付らしき場所に、アシカに似た面とイグアナに似た面の宇宙人がいた。目にはスカウタ―を付けている。
「な、何かご用でしょうか?」
2人共俺を恐れている。ふつうのサイヤ人は乱暴だからだろう。
「次に攻める星を決めたい。どんな星があるか調べたいんだが」
「そ、そうですか。ええーっと、戦闘力は、……4700。でしたらオススメなのは、惑星アカネチン、ハカセ、タロサ、辺りになりますかね。一番近いのはハカセですが、星が高価なのはアカネチン。人口が少ないのはタロサになります」
「いや、もっと細かく調べたいんだ。俺がコンピュータを使うことはできないのか?」
「え? い、いえ、できますけど」
「使い方を教えてくれ。後は自分で調べる」
「は、はあ」
イグアナに案内され、図書館のような場所に移動する。そこに検索の機能だけを持ったコンピュータがいくつか置かれていた。ちょうど俺の他にも星を調べているサイヤ人がいた。本を読んでいる理性的っぽいサイヤ人もチラホラ。何事も例外というのがあるのだろう。
俺は使い方を教わった。しかし字が読めなかった。
「あれ? 学習装置を受けてらっしゃらない?」
「俺が赤子の頃は高価だったんだ」
今は知らないが、当時脳に直接情報を送り込む学習装置は高かった。下級戦士の我が家では借りることもできないくらいに。
「そ、そうですか。でしたら少しお待ちください。音声で対応するように設定を変更します」
よかった。そういうこともできるのか。
「後で紙とペンをくれ。俺が分かる字で記録する」
「は、はい。分かりました」
30秒程でコンピュータが音声に反応するようになる。さらに約1分後、イグアナがペンと紙を持ってきた。
よし。後はデータを書きまくるだけだ。
「惑星ワイワイ。GH3532銀河系のK2656のS17844のH2549に位置する恒星の第13惑星であり……」
おっと、単位をメートルに直さないとな。後で単位の意味も聞いておこう。
俺は50くらい候補を探した。それから『ナメック星』と名指しした。
「ナメック星。MN432銀河系の……」
ナメック星も記録する。その後20くらいどうでもいい候補を探し、地球に焦点を絞る。
「重力が惑星ベジータの0.1倍。大気中に窒素約80%、酸素約20%。第三惑星。平均戦闘力5」
あの地球の太陽系が水金地火木土天……となっている保証はないが、候補を絞るためだ。
検索の結果、候補は35。だいぶ絞れたな。全部記録しておこう。
検索内容を少しいじったりして、約100の座標を記録した。その後イグアナに座標の意味を教えてもらった。
宇宙は現在も拡大中であり、恒星も銀河系もとてつもない速度で動いているので、縦横高さの単純な座標ではなかった。日本語に直すのが難しかった。
とりあえず、これで最大の目的は達した。後は安全に帰るだけだ。
リモコンでポッドを呼び出す。しかし、反応がない。
「ん? どういうことだ?」
何度もボタンを押す。しかしやはり反応がない。
誰かがポッドをいじったか? それともあのおっさんが腹いせに壊した? ありえる。ミスったな。
別のポッドを手に入れるべく、初めに場所に戻る。気を隠し近づくと、最初に突っかかってきたやつらがまた集まっていた。
何か目的があってあそこにいるのだろうか? 例えば、誰も惑星の外に出ていかないように、見張っているとか。フリーザに命じられていたりして。
ありえる。だとすると厄介だな。ポッドを常に監視されていて、勝手な動きをしたら光線銃や気弾で落とされる可能性がある。あいつらを全員殺すか?
確実性は低いな。やつらが大猿化して、集団で来られたら勝ち目は薄い。勝てたとしても、その戦いで周囲のポッドが破壊されたらまずい。
とりあえず夜を待とう。暗闇で気を隠して行動すれば、やつらを出し抜くこともできるかもしれない。
人気のない場所に移動し、リモコンでアズラエルに連絡する。
「座標は手に入れたが、俺のポッドが使えなくなった。もう少し時間がかかりそうだ」
「そうですか。順調にはいかないものですね」
「とりあえずナメック星の座標だけ伝えておく。MN432銀河系の……」
座標を伝え終え、夜を待つ。その間、かわいい女サイヤ人を探すことにする(星の反対側は夜だが、この目的のためにわざわざ夜を待つとも言える)。
再び技術者がいるドーム型の建物に行き、若い女サイヤ人が多そうな場所を尋ねる。曰く、男も女も若いやつらは闘技場が好きらしい。さすがは戦闘民族か。
一番規模が大きいという闘技場に向かう。
しばらくして、大きな戦闘力がぶつかり合っているのを感じた。これは、俺の全力より少し大きい。エリートが大猿化しているのだろう。
やがて大猿達の姿が見えてきた。というか全員大猿だ。これでは誰が美人か分からんな。
闘技場という名だが、別に建物があるわけではなく、ただっぴろいボコボコの台地だった。大猿にもなるのなら、確かに建物はあってもすぐ壊されてしまうだろう。観衆は武空術を使って高くから戦闘を見下ろせるので、椅子の必要もないし。
「それっ! いけいけ!」
「ぐあああああ!」
「おいピーメン! あんな攻撃に当たってんじゃねえよ!」
「いいぞ! これで俺達の2勝だ!」
「チッ、どっちもカスじゃねえか。イライラさせやがる」
俺もイライラしたぜ。とんだ無駄足だった。
再びドーム型の建物に戻る。次は『大猿になってない若い女』と条件を増やした。
「それならすぐ近くに訓練施設がありますが」
ということで、その訓練施設へ。
そこも、確かに気が集まっている感じがした。気のぶつかり合いも感じる。
現代風の建物の中に入る。受付のような場所には亀のような宇宙人がいた。
「なあ、ここは初めて来たんだ。何があるか説明してくれ」
「は、はい。右側がトレーニングジムで、重りを使った筋力トレーニングができます。真ん中は闘技場。大猿化しない条件で、自由に戦っていただけます。左側はプールです。訓練用とレジャー用があります」
「そうか。金はいるのか?」
「は、はい。トレーニングジムが200宇宙コイン。プールが100コイン。闘技場はタダです」
「なるほどな」
プール。水着の女サイヤ人と言うのはとても楽しみだ。今は金がないから、闘技場で女の子を探そう。ついでに生意気な男をぶっ飛ばして、カツアゲしてやろう。
「オラオラオラオラ!」
「はあああああ!」
「だりゃあああ!」
100人はいるだろうか? その内8割くらいは観戦で、残りがとても真剣に戦っている。スポーツというより殺し合いだな。まあ目潰しやアソコ潰しはしていないが。
実力は、俺に比べれば大したことない。平均で言えば、着地したところにいた集団と比べても弱い。やつらはエリートだったのだろう。まあ予想が正しければ、サイヤ人を押さえる任務を受けているのだし、それも当然か。
「ひゃっひゃっひゃっひゃ! なっさけねえなあゴギョウ!」
「弱すぎ! てんで相手にならねえ!」
「こんなやつ片手で十分だぜ!」
「うひゃあーっ、泣いてやがる! 恥ずかしいやろうだぜ!」
「だーっはっはっはっはっは!」
ん? ゴギョウ? ……あの坊ちゃん刈りは、見覚えがあるような。
そうだ! 俺の兄のゴギョウじゃないか! ボコボコに苛められてやがる。
顔面はもう腫れ上がる場所がないような状態で、痣の青と血の赤でいっぱい。しかも涙でぐしょぐしょ。汚いな。これが下級戦士の中でも下層の扱いか。
幼い頃、散々俺を苛めてくれやがったから、ざまあ見ろって感じだけどな!
ふと、つやつやの生足を持つサイヤ人がゴギョウに近づいていく。
サイヤ人にしては筋肉が小さく、スマートだ。肌もきれいだし。
「おいてめぇクソカス!」
ん? 声が高いぞ。女だったのか。なるほどそれで小奇麗なのか。オカマ的なあれだと思っちゃったよ。顔が見えないし、髪は男みたいなショートだから。
「おめぇみてぇなカスが寄ってくんな! 盛ってんじゃねえぞクセェんだよ!」
「いっ! あぎゃあああああ!」
生足が、ゴギョウのアソコを思いっきり踏んづけた。容赦ねえなあ。
「ぺっ」
「うっ」
女が唾を吐き捨て、それがゴギョウの頬に当たる。
あ、クソ野郎の頬がちょっと緩んだ。喜んでやがる。情けないやつだな。
「ふんっ」
女がつまらなさそうにこちらに振り返る。
おおっ、かわいいじゃないか。猫みたいな幼い顔だ。視線は鋭いが、サイヤ人にしては愛嬌がある。
なるほどな。クソ兄がこの女に執着するのも頷ける。
「へっ、雑魚の子は雑魚だったな」
「何せこいつの親父、戦闘力500程度のカスにやられたらしいしな!」
「え? それマジ?」
「マジマジ! うちの親父が直接見たらしいんだ! カス過ぎて、戦闘中だってのに呆れちまったらしいぜ!」
「ひゃあー! しょっべえー!」
「ははははは! これは親子2代で笑いの花を咲かせてくれそうだな!」
若いサイヤ人達がゴギョウの近くでくっちゃべる。
「ちく、しょう……」
ゴギョウは、父親をバカにされた時に大きく気が揺らいだ。が、立つ元気はないようだ。
しかし、このイジメをしているサイヤ人達も、他の真剣に戦っている連中に比べれば、実力は低い。修行しない愚かな連中が、自分より弱い人間を見つけて喜んでいる。そんな構図なのだろう。
俺は気を隠しつつ高速移動し、女サイヤ人の肩をとんとんと叩く。
「ちょっ、待てよ」
キムタ〇風である。
頬に向けて指を差しており、振りかえろうとすると、プニッと突くようになっている。
「ん? なっ」
成功だ。かわいいほっぺを突いてやったぜ。
「て、てんめえええ! 何しやがる!」
女はすかさずハイキック。だが俺は片手で軽く受け止める。女はサッと俺から離れる。
「なんだてめえは?」
「おいレタツ、知り合いか?」
「知らねえよこんなクソガキ!」
「誰なんだ? 初めて見る顔だ」
「ま、何にせよ、調子に乗っちゃってくれたわけだからな。痛い目見てもらうぜ」
男達がにやにや笑い、手をパキパキ鳴らしながら出てくる。
「やれやれ。完全にかませのセリフだぜ。お前達」
「な、なんだと!」
「ふひひっ、お前は半殺しにされることに決まったぜ」
「死ねっ!」
「ひゃえーっ!」
5人の男達が、一斉に飛び掛かってくる。どいつもこいつも遅い。
スッ、スッ、と最少の動きで軽くかわしていく。
「ワンパンだ。全員ワンパンでのしてやる」
「なんだと! この! てめぇ!」
「戦いやがれ臆病者! 逃げてばかりして!」
お言葉に甘えて、カウンター気味にドン。
「あ、あがががっ」
デブの鳩尾に一発。
「う、うごおおおお」
お次はケツ顎の顎。
「うごへえええ!」
さらにはケツ顎ジュニアの顎。
「いてええええ!」
「ああああーっ! ここだけは攻撃してはならない! ならないのにィッ!」
残るチビ2人にはスネに強烈な一撃。
5人はあっと言う間に地べたに伏せた。残るはかわい子ちゃんだけだぜ。
「つ、強い」
少女は茫然として俺を見ている。やはりかわいい。
「あっ、す、すいません、したーっ!」
少女が不意に、とても勢いよく土下座した。
いいだろう許す。もともと女をボコる気はなかったしな。
「殴らないから顔を上げろ」
「は、ははあーっ」
「お前、レタツって名らしいな」
「は、はい。お恥ずかしながら」
女は俺に向けて揉み手をしている。機嫌を取ろうとしているのだろう。
こういうタイプだったか。サイヤ人にしては珍しいな。下級戦士にはプライドがないやつもけっこういるがな。
「金は持ってるか?」
「金ですか? え、ええ。クソ親父からくすねた分がいくらか」
「よし。俺に付き合え」
「え?」
「聞こえなかったか?」
「い、いえ、聞こえました! では、喜んでお伴させていただきます!」
「ふふっ」
やったぜ。女の子プラス金づるゲットだぜ。