ドラゴンボール超H 作:ドラゴンボール超記念
戦闘服に着替え、6人で闘技場に向かう。デカい4人が有名だからか、下級戦士たちは逃げるように隅に寄っていく。俺達はど真ん中をただっぴろく悠々と使えることになった。
「遺言があるなら聞きましてよ」
「ゆ、許してください! 私は全くオンオン様に反抗する気なんてないんです! 全部こいつがやったことなんです!」
レタツは土下座し、俺を指差す。俺を売りたいようだ。その必死さはおもしろいが、後でおしおきしてやろう。
お嬢様っぽいサイヤ人の名はオンオンと言うのか。喘ぎ声みたいだな。
そのオンオンは偉そうに腕を組み、満足げにレタツを眺める。次いで、俺の方を向いて顎で謝罪を促す。もちろん俺は応じない。
「ところで、俺が勝った場合は何か得るものがあるのか? 欲しい物があるんだが」
「なっ! 下級戦闘員がエリートの中でも選ばれた存在である私に勝つですって! 寝言は寝て言いなさい! 一応何が欲しいか聞いてあげますけど!」
いちいち優しいからおもしろいな。なんで素直に受け答えしてくれるんだろう。
俺はにやにや笑いながらキャベツとオンオンを交互に指差す。
「お前達が欲しい」
「なっ!」
「なんですって!」
言っちゃった。言っちゃった。
驚愕した4人の気が急激に高まる。
しかし女達はなんだかんだうれしいのか、殺気が薄れた。逆に男共は激しい殺気をぶつけてくる。サイハクも巨漢と同じくらい刺々しい。やつも性欲の獣だったわけだな。
「ふっふっふっふ。力ずくで女を手に入れてやるんだ。サイヤ人っぽいだろう?」
俺にもサイヤ人の血が流れている。自分で言ったことにとても興奮している。今、おそらく人生で一番戦意が向上している。気だって、いくらでも溢れてくるような感覚がある。
「調子に乗るなよ!」
まずタマギーネというらしい巨漢が、真っ直ぐ突っ込んできた。
パワーはなかなかのものだ。拳も速い。だが俺の方が速い。何よりやつは予備動作が大きすぎる。
「だあああ! はあっ! オラあああ!」
軽く避け続ける俺。トランクスの『父さんを超えてしまったんです』を避け続けるセルの心境だろうか。
「チッ、逃げるばっかりか! 臆病者め!」
おやおや、またかませのようなセリフ、を?
後方から殺気。俺は咄嗟に右手で頭をガードする。
「くっ」
衝撃。キャベスのやつが、後ろからカカト落としをかけてきやがった。
大した力ではないが、体勢が悪いので衝撃を受け止めきれず、多少頭に響く。
「死ね!」
そのままやつは後頭部に右ストレートを。さらには前方からタックルが。
ならば、前を向いたままで首だけ動かしてパンチを避け、その拳を握り、巨漢になげつける。
「なっ」
「あっ、しまっ」
「ぐああっ」
作戦成功だ。キャベスが俺の代わりにタックルを受けた。
まだタックルの勢いは残っており、巨漢はキャベスを前面にしたまま俺に突っ込んでくる。これはありがたく受けておく。
ちょうどの顔の位置におっぱいがあるんだよな。ふひひっ。
「く、ぐぐっ」
「すまん」
「やっほーっい」
大きな胸に顔をうずくめる。むにゅーっという感じで気持ちいい。そしてキャベスが苦しそうにうめいているのがエロい。
ダメだ。このまま抱きつきたい。
「いえーっい」
キャベスの両腕を巻き込むように、思いっきり抱きつく。
「なっ! て、てめぇ! ぐっ、くっ」
キャベスが身をよじって俺を払おうとするが、もちろんその程度では落ちない。おっぱいがぶるんぶるん震えて気持ちいいだけだ。
「は、離れるんだ!」
後ろからサイハクの殺気。こいつも後頭部を殴ろうとしている。
俺は即座にキャベスの拘束を弛め、左へ投げ、その反作用で右に飛ぶ。
「チッ、邪魔しやがって」
そしてサイハクに突っ込む。
「私を無視するんじゃありません!」
しかし声と共に横から気功波が。ピタりと武空術で止まり、やり過ごす。
こいつらなかなかやるな。俺も実戦らしい実践はこれが初めてだからあんまり実力が出せてない。動きがぎこちない。もっと流れるように、避けながら攻撃しないとダメだな。
四方から一変に攻撃されたら分が悪いかもしれないな。どうするべきか。誰から行くか?
「はあっ!」
考える間もなく、キャベスが突っ込んできた。
初めに拳の連撃。それを最小限の動きで躱していく。
「だりゃあああ!」
次は大ぶりの右回し蹴り。ふつうにキャッチして、チャンスだと気付いた。
こっちの足も潰せばっ。
「だあっ!」
悪あがきのような気功波を首を傾けるだけで避ける。そしてすかさず右のスネにチョップ。
「いい゛っ!」
キャベスは痛そうに歯を食いしばり、ついには転んだ。両足共に支えられないのだからそうもなる。倒れ方が内股でちょっとエロかった。
武空術を使えば浮けるが、あれも基本は足から気を放出するから、痛みがあれば動きは乱れる。この娘はもう放っておいていいだろう。
「よくもっ!」
と、今度は横からサイハクが出てきた。気が、さっきより大分上がっている。
「オラオラオラオラ!」
「よっ、とっ。おっと」
しかし攻撃は単調になったな。それではスピードに勝る俺には当たらんぞ。
カウンター気味に、ここだ。
「かっ、かはっ……」
渾身の腹パン一撃。これは効いただろう。
「ぐ、このっ!」
おっと。まだ戦う元気があったか。さすがにタフだな。動きは先程よりもずいぶん鈍くなっているがな。
避けて、避けて、カウンター気味に、もう一発腹パン。
「かはっ、かはあっ! ぐうううっ」
また同じところに入った。さすがに耐え切れないだろう。
サイハクは元の顔が分からなくなるくらい顔を歪め、ついには白目をむいて倒れた。
「ふっふっふ。後2人だ。勝負はもう決まったようなものだな」
「くっ」
「まだ分かりませんわ! エリートの誇りを見せてあげますの!」
けなげだな。おもしろい。だが1つ気になることがある。
「ところでさ、なんでお前達一斉にかかってこなかったんだ? そうすりゃ俺も危なかったのに」
「何をバカなことを! 私達はエリートなのですわ! 神聖な決闘の場で横やりを入れるような汚い真似は致しません!」
なるほどな。騎士道っぽいやつがあるんだな。
でも待てよ。
「一回エネルギー弾撃ってこなかったか?」
「あれはあなたがこの私を無視していたからです! それにちゃんと撃つ前に場所を知らせたでしょう!」
「なるほどな。じゃあ、もう話はいいぜ。かかってきな」
「その減らず口をかち割ってあげますわ!」
「いや、お前は下がっていろ。俺がやる」
「タマギーネ!」
巨漢のタマギーネが一歩前に出てくる。初めの戦闘時よりも落ち着いており、気も洗練されている感じがする。厄介かもしれないな。
「はああああ!」
タマギーネはそこからさらに気を高めていく。俺もどうせだから待ってあげる。
「だあーっ!」
気がタマギーネの頂点に来た時、周囲に突風が吹きつけた。
気の大きさはさっきより僅かに上がった。戦闘モードというやつかもしれない。
「あああっ!」
タマギーネは不格好に叫びながら突っ込んできた。
躱すのは簡単だが、これはデモンストレーションでもある。どうせだからパワーでも俺が上だってことを見せてやる。
「だりゃああっ!」
バチィッ、と腕と腕がぶつかり合う。
あ、ほぼ互角だ。思ったより俺の腕力がしょぼい。というかこいつが気の割に筋肉がデカいんだ。
仕方がないから手数で圧倒しよう。
「オラオラオラオラ!」
「くっ。ガアアア!」
俺の拳が腹、顎、頬、と次々クリーンヒットしていく。
やつの攻撃は全て躱す。または腕で払う。
一方的に俺が殴る形になっているが、なかなか倒れない。額が切れて血が流れても、内出血の黒いアザがそこら中に浮かんでも、動きはほとんど変わらない。全力の拳を振り続ける。なんて精神力だ。これが本当に18歳か?
このまま殴り合っても勝てるが、そうするとこいつを殺しかねないので、キャベスにやったように四肢を破壊して動きを封じることにする。
「だらああっ!」
右ストレートを最少の動きで避け、且つその腕に足を掛けながら抱き込む。
「くううっ」
悪く思うなよ。お前の彼女を俺の妻として生かすためさ。
思いっきり背中を反って、やつの腕を逆方向に曲げる。バギャアッ、と骨の砕ける音がした。
「ぎゃあああああ!」
タマギーネは曲がった腕を押さえながら叫ぶ。この痛みでは戦えないだろう。
「ぐううっ! がああっ! く、ぐうっ!」
何? まだ戦おうとしているぞ。だとしても何ができると言うんだ?
ふと、タマギーネがにやりと笑った。そして残った左の手のひらに気を集中させる。突然、タマギーネの気がガクッと下がった。最後の賭けってやつか? いいだろう。受けて立つ。
「はあっ!」
タマギーネの手に、気弾が浮かぶ。いや、違う! あれは空気と混ぜると満月に変わるエネルギー弾だ!
「させるか!」
俺は慌てて気候波を放とうとするが、その腕に横から飛んできた気功波が当たる。
「へへへっ。舐めんなよ」
キャベスだった。こんな時に邪魔をしてくるとは!
「弾けて混ざれ!」
やばい! あいつらが大猿になると勝ち目がない!
「うううっ! があああっ!」
「だりゃああああ!」
全力全開で巨漢の後方に移動し、手刀で尻尾を切る。
「うっ」
間に合った。タマギーネは人型に戻って行く。
だがこいつだけ間に合ってもしょうがない。
「ううっ。ガ、ガアアア!」
「オギャアアアアア!」
「グオオオオ!」
美女2人が大猿化。だけではなく、そこら中に大猿が生まれてしまった。
多くの大猿は壁や天井を破壊し、なおも暴れ続ける。下級戦士だから破壊衝動を抑えられないのだろう。
「ギャオオオオオオ!」
「グオオオオオオオ!」
そして一際強い大猿が2匹。キャベスとオンオンだろう。
こいつらは俺の全力より戦闘力が高い。逃げないと。
「グオオオオ!」
「ギュアアアア!」
「ん?」
しかし、どういうことかその大猿同士で戦い始めた。
「あんたねえ! 私の男の戦いに横やり入れてんじゃないよ!」
「ギャオオオオオ! ガアアアアア!」
どうやらオンオンはキャベスの行動が気に入らず、俺を助けてくれるらしい。
この場合って、勝敗はどうなるんだ? 女の子ゲットで大丈夫なの?
「私がこいつを押さえる! あんたはあのエネルギーボールを破壊しな!」
「え? あれって破壊できんの!」
「元のエネルギーボールよりでかいエネルギーをぶつけりゃいいだけだ!」
そうだったのか。では早速。
「波あああああああああああ!」
俺は全力のかめはめ波を放つ。それはエネルギーボールを完全に呑みこみ、やがてかき消した。
「うっ、うううっ」
「ぐおおおっ」
大猿達も元に戻って行く。
「ゴッラてめえらああああ! 何してやがるうううう!」
そこへ、例の熱血親父から、大猿のものより大きいかもしれないような怒鳴り声が。プールに被害があって飛んできたのだろう。
「あなた! 逃げますわよ!」
ふと、元の姿に戻ったオンオンが叫んできた。彼女は肩に気絶しているタマギーネを担いでいる。
ならば俺は、レタツとキャベスを担ごう。サイハクはスルーで。