ドラゴンボール超H 作:ドラゴンボール超記念
西洋絵画も真っ青な肉体美を誇るオンオン、キャベスとパコパコやってしまった。改めて考えると嬉し過ぎて笑いしか出てこない。だけどオンオンを放っておくと浮気だなんだ怒りそうだから、早めに説明とか言い訳とかをしに行くことにする。
「よっと」
「お、おい」
キャベスと彼女の服を抱え、飛ぶ。
キャベスは拘束から逃れようと押してくるが、むしろ力を強めて、スピードもアップ。
「いいいやっほおーっう!」
「くっ」
風が気持ちいい。景色が素早く動くのが幻想的でいい。思えばこんなふうに伸び伸びと飛んだことも無かった。だがフリーザの恐怖から解放され、監視衛星を気にする必要もない今、阻むものは何もない。高速道路を車でぶっちぎるどころではない爽快感。戦闘機より速く、地球上の乗り物ではありえないような小回りの利く飛行。アニメのオープニングで気持ちよさそうに飛ぶ悟飯に何度憧れたことか。それが今叶っている。
しかも、腕には美女。飛びながらギュッと握るとお肉が感じられて気持ちいい。
「お、おい!」
怒っているけど、気分がいいから頭を撫で撫でしちゃう。
「コラッ! 舐めんな!」
キャベスが暴れ、顔を殴ってきた。けっこう痛い。
しょうがないから撫でるのは諦め、両腕を拘束するように抱きつく。これで殴れない。そして、山へと一直線。
「お、おい! 前見ろ前!」
「いえーっい」
「おいコラァ! 離せ! おい!」
「ひゅーっ」
「ひええっ!」
キャベスは叫びながらギュッと抱きついてきた。
俺はそのことに笑みを強めつつ、山に当たる直前で上方へ加速。斜面に沿うようなスレスレで飛ぶ。程なく頂上を飛び出る。
「ははははは。おもしろかったか?」
「んなわけねえだろうが! コラァ!」
「はははは」
俺はジェットコースターみたいでおもしろかった。武空術はこういう楽しみ方もできる。素晴らしいね。
その後、回転したり、ギザギザに動いてみたり、自分で放った気弾を躱してみたり、キャベスのおっぱいやお尻をいじってみたり、といろいろ遊びながらオンオンの下へ向かった。
オンオンは、湖にいた。戦闘服を着て、1人黙々と砂浜でシャドーをやっていた。その傍には俺の服一式がきちんと畳んで置かれていた。
「お、おい離せ! 服を着る!」
俺がフッと力を抜いてやると、キャベスは急いで着替え始める。
俺も畳まれている服の手前に着地し、着ていく。
「ありがとう。畳んでくれて」
笑顔でオンオンに話しかける。オンオンはチラッとこちらを見て、不機嫌そうな顔で睨むと、再び視線を逸らしてシャドーを始めた。おそらく、キャベスと関係を持ったことに感付いており、怒っているのだろう。
「オンオン、まあお前の気持ちもわかるさ。俺だって女を一人に選んだ方がその女にはいいのかなあと思っている。だけどお前達はまだまだ若くて結婚を考える歳じゃあないだろう? だから、遊んでさ。適当に楽しく暮らせばいいんじゃないの?」
返答はない。気が少し刺々しくなったから、どちらかと言うと逆効果だったかもしれない。
しかし、俺はどうしてもハーレムを諦められない。ブルマともやりたいし、他の星にいる宇宙トップレベルの美女ともやりたい。だから1人に拘るわけにはいかないんだ。
「お前本当にクソ野郎だな。これならサイハクの方がマシだぜ」
キャベスがバカにするように言って笑う。しかし言い返す気にはならない。
まあ、サイハクとかいう真面目一辺倒でつまらなそうな男よりは、一緒にいて楽しい自信があるけど。
「ところで、お前達に今後の予定を伝えておく。ナメック星の滞在期間は1カ月程度を予定している。その間はトレーニングやらレジャーやらゆっくり過ごすといい。次に向かうのはもっと豊かで人の多い星だ。そこなら美味い飯も食えるだろうし重力装置も作れるかもしれない。ついでに宇宙船もな。そこでまあ適当にトレーニングして、飽きたら別の星に向かってもいい」
「おいおい、適当じゃねえか。そんなぬるいやり方であのフリーザに勝てると思ってんのか?」
「俺もトレーニングだけでは不安があるにはある。できれば敵を用意したいが、現時点で俺とまともに戦えるのはギニュー特戦隊と大猿化したオンオンくらいだからな。ならば、俺達同士で組手し合うのが一番効率がいい気もする」
「しっかりしてくれよ。そこが崩れたら私がお前に付いてきた最大の理由がパアだぜ」
「まあまだ若いんだ。焦ることはない」
「私は気が短い方でな。待つのは嫌いだ」
俺は首を縦に振ってうなずく。言われずも分かっているので。
彼女達にドラゴンボールのことを伝える気はない。あれは現時点でアズラエルにしか伝えていない。余計な争いの種は撒きたくないからだ。ナメック星を1か月後に出ると言うのも、地球人に情報を与えないためという理由がある。ただしレイ、サイ、フレイ、アルスター事務次官は置いていく。彼等は善人っぽいし、ナメック星人と知恵比べで勝ってドラゴンボールを使える可能性がある。
そろそろアズラエルの方が終わっているかと思い、通信機に手を伸ばす。着信が3回入っていた。こちらからかける。
「よう、上手くいったか?」
「あまり感触は良くないよ。予想通りだけどね」
やはりか。フリーザのような連中からドラゴンボールの秘密を守らなければならない以上、徹底して異星人との関わりを断っているかもしれないと思っていた。
「そうか。じゃあ同盟は」
「断られたよ。滞在許可はもらえたけどね。自然を破壊しないという条件付きでね。もっとも『この自然を我々が独占していいという正当な理由はないが、破壊する者に対しては断固として抵抗するつもりだ』なんて言い方だったけどね」
「それを言ったのは長老?」
「ああ、最長老には合わせてくれなくて」
面倒だな。あの人が一番物分りよさそうだし、俺の記憶も読めるから、話が早く済むんだが。まあどうしても無理なら勝手にお邪魔すればいいだろう。
「同盟ではないけど、滞在中に僕達を見極めて、個人的に信用に足る人間がいれば、その人間には協力してもいいと言われたよ。僕に対する視線は鋭かったからたぶん僕は信用を得られないけどね。やっぱり気が濁っているからかな?」
「そうだな。お前や俺達サイヤ人は全滅だ。ナタルやフレイ、キラ、ラクスですら危うい。逆に言えばナメック星人が綺麗過ぎるんだがな。やつらはこの宇宙でも格別に温厚な種族だ。だからこそ、願い玉という奇跡の使用を認められたとも言える」
「君って、神を信じるタイプだっけ?」
「唯一神は信仰していない。だが星の守り神や破壊神はいると思っている」
「ふーん。まあ信仰は自由だけどさ」
残りの話は宇宙船でするとのことで、「ご馳走がありますよ」と言って通信は切られた。
俺はキャベスとオンオンに宇宙船に来るよう言った。オンオンは相変らず不機嫌そうで、キャベスも「あいつらと慣れ合う気はねえぜ」と面倒そうだったが、ご馳走があると言うと急に眼の色を変えて、うれしそうに宇宙船のある方向へ飛んで行った。もっとも、彼女達は気が読めないから、正確な位置は俺が案内する必要があったが。
宇宙船が見えた時、ちょうどレタツがものすごい勢いで飛び出して行った。
「おーい! 何があったあー!」
「ひえっ! ……い、いや! 別に! 訓練訓練!」
そう言って去って行く。気になるが、腹が減っているので後にする。どうせその気になればすぐ見つけられる。
船の中ではナメック星到着記念パーティなるものが開かれていた。食堂はいつものテーブルに高級そうな料理がこれでもかと並んでいた。バイキング形式のようだ。明日以降の食事は恐ろしくひもじくなるだろう。たまにはぱあっとやりたい気持ちも分かるがな。
ナメック星人も何人か来ている。全員大人で、アズラエル、ナタル、アルスター事務次官等と話している。ふつう歓迎する側がパーティを開くが、食事の必要がないナメック星人に料理は作れないだろうから、これでもいいのかもしれない。
「うんうん。美味い。美味いけどなあ」
「ちょっと量が足りませんわね」
キャベスとオンオンは早速料理にかぶりつく。方舟の食事にしては豪華だが、彼女達の胃袋を満足させることはできなかったらしい。俺ももう少し量が欲しい。皿を取りまくるのは、地球人のことを考えると悪いしな。
「おいハラベコ! んぐっ。あの、生意気な金髪に言っとけ! ゴクッ。次パーティする時は、この10倍は出せってな!」
「私からもお願いしますわ」
キャベスは口の中に食べ物を入れたまま、オンオンは丁寧に口元を拭きながら言う。対照的な2人だが、近づいたテーブルの料理がすっかり消えていくのは同じ。その食べる量に地球人達は唖然とする。美女だから見惚れているやつもいる。威圧感にビビっているやつもいる。女性だが身長は190センチ前後、腕と足は丸太みたいな筋肉に覆われていて、地球人にはありえないような凄まじい気を纏っているから、それもしょうがない。凛々しく美しい顔も、鋭い目つきが恐い人には恐いだろう。
俺は彼女達に多く食べさせようと、割と遠慮した。それでも一般的な地球人の3倍程度を平らげた。しかしお腹は全く膨れない。多少不機嫌な状態で、アズラエルとナメック星人の下へ向かう。
「よお、そして初めまして。サイヤ人のハラベコです」
「ええ、どうも。私はムッシームというものです。お話はうかがっています。こちらはカッタツ」
「初めまして」
「初めまして」
ムッシームというナメック星人は40歳くらい、カッタツというのは20歳くらいに見えるが、ナメック星人は数百年生きるので実際の年齢は分からない。
「地球のパーティはいかがですか?」
「ええ、ずいぶんにぎやかで、楽しいものですね。特にあのピンクの娘の歌が気に入りました」
「僕は格納庫の大きな人型ロボットに感動した。どういう発想をしたらあんな奇抜な物が生み出されるのか。それに船の構造も独特でおもしろい」
ナメック星人とは当たり障りのない言葉を交えた。ムッシームはおだやかで理知的な印象を受けた。おそらく彼が今回地球人を評価するナメック星人の代表者。カッタツというのは若者らしく好奇心旺盛で、地球の技術が見たくて乗り込んできたようだ。
「そう言えば聞きたかったんだけど、ナメック星人はどういう宇宙船を作ってるの?」
俺がカッタツに尋ねると、カッタツは笑顔になり答えようとしたが、ふと何かに気付いたようにムッシームの方を向いた。
「実は科学技術についても、あなた方を見極めてから情報を提供するということにしていただいていました。しかし、私が見る限りあなた達は悪側の人間ではない。宇宙船のことについては話しても構いませんよ。と言っても、フリーザ軍など進んだところに比べれば、特に真新しい技術は使っていませんけどね」
「おお! ありがとうございます!」
そのフリーザ軍の技術を地球の技術者は再現できなかったからな。これで一気に科学が向上するのは間違いない。
「その代わりと言っては何ですが、このカッタツにあのロボットのデータを見せていただきたい。無論全て見せろとは言いませんが」
これは俺が答えていい問題ではないので、アズラエルの方を見る。
「ええ、構いませんよ。遠慮せず全てご覧になってください。互いの良き関係のためです」
「本当ですか!? よしっ!」
カッタツはうれしそうに両手で握りこぶしを作る。しかし不意にムッシームに拳骨を食らわされた。
「いてっ」
「これカッタツ、礼を言わんか」
「は、はい。ありがとうございます」
「いえいえ、お互い様ですから」
ナメック星の宇宙船のデータが手に入れば、ドラゴンボールの地球が一気に絞り込める。確か原作ではこの船で地球からナメック星まで1カ月かそこらかかった。その時間での宇宙船の移動距離と、確かナメック星編で悟空は25くらいだったから、25年後の星の座標をコンピュータに入力すれば、ポンッと求める星が出てくるはずだ。
あとナメック星で重要なのは、デンデのように他者を回復させられるナメック星人。サイヤ人の死にかけから復活でパワーアップという特性を生かすために是非仲間に欲しい。しかし来いと言って来るはずがない。徐々に信用を得ていかねば。
俺のようなサイヤ人が彼等に提供できるものは戦いしかない。最長老になら原作知識をあげてもいいけどね。
「ところで、同盟はダメだそうですが、合同訓練を行うのもダメなのですか? 若者だけ集めたりして」
「いえ、そういうことなら問題ありませんよ。むしろお願いしたいくらいです」
「本当ですか!? その、ナメック星人には戦闘タイプがいると耳にしたことがあるのですが、その者については」
「ええ、いますよ。しかしあやつだけは難しいかもしれません。最長老様の付き人をしていますから」
「そうですか」
ネイルと絡んで一気に最長老に接触するつもりだったが、簡単にはいかないようだな。まあ最長老に会うのは絶対でなくてもいい。多少物事が効率的に進むというくらいだからな。
話を終えた頃、ちょうどパーティも終わり、片付けが始まろうとしていた。俺も手伝おうと近くのテーブルに移動すると、キャベスが寄ってきた。手には弁当程度の大きさのプラスチック容器を持っており、中にはパーティの料理が詰まっている。食い意地はってるな。というか腹減ってるんだから今食えばいいのに。
「おい、レタツがなんで飛び出して行ったか知ってるか?」
「いいや、知らない。訓練ではなさそうだったがな」
「そうか。地球人のやつらに聞いてくれよ」
「俺が? 自分で聞けばいいのに。まあいいけどさ」
そうまでして地球人と馴れ合いたくないのだろうか。そして何気に妹のことを気にしていたんだな。
適当に周囲を伺う。フレイを発見。歳が近いし一番レタツと親しくなっていそうだから、彼女に尋ねることにする。
「おーい、フレイ」
「何ですか?」
フレイは右頬が軽く腫れていて、湿布を張っていた。俺達が訓練している間に彼女達も訓練していたのだろう。
「なんか俺達と入れ違いにさ、レタツがすごい全力で船から出て行ったんだ。理由を知ってるか?」
「え、いや。それについては、『絶対に話さないで』とレタツに口止めされていますから」
「どうしてダメなんだ?」
「いえ、口止めされているので、理由も言えません」
フレイはとても申し訳なさそうな顔で頭を下げた。下げながら、一瞬チラッとキャベスの方を見たが、すぐに怯えたような顔になって再びうつむいた。
「なんだろう。エロに目覚めたのかな? 恥ずかしいところを見られたとか」
「まさか!? あのアホなガキに限って」
「そう言われてもなあ。まあ本人に聞けばいいんじゃないか?」
「私にはやつの場所が分からん」
「いずれ帰ってくるだろう」
「チッ」
キャベスは舌打ちし、俺に背を向ける。
今すぐレタツの下へ連れていって欲しいというオーラが見えた。やはり実は妹思いな姉だったのか。料理が入った容器も、パーティを抜け出したレタツのために取っているように見えてきた。なんか元な凶暴なだけにかわいらしく見えてくるなあ。
俺は、暇だから別にかまわない。パーティの片付けとどっちを優先するかという問題はあるが、まあ女を優先するべきだろう。
「キャベス、俺はレタツの下に向かう。付いて来たければ付いて来い」
「チッ。別に肉親の情なんざないんだが、あいつが間抜けだと私まで恥ずかしい思いをするからな」
そう言いつつ、料理の容器は持ったままだ。後で自分が食べるのなら自分の部屋に置いておけばいい。やはり妹に食べさせるつもりなのだろう。
ツンデレというやつか。
――その頃、レタツ――
宇宙船を飛び出したレタツは、全力でとにかく遠くへ逃げようとした。しかし途中でハラベコの探知能力に気付いた。どれだけ逃げても簡単に見つかってしまう。
レタツは絶望に包まれながらも飛んでいた。やがてナメック星人の村を見つけた。そして閃いた。年配のナメック星人を見つけると、少女の甘えたような顔になって飛び込んだ。
「た、助けてええええ! 殺される! 殺されるううううう!」
レタツは泣いて老人に抱きついた。老人はおろおろしながら受け止め、ゆっくり諭すように言った。
「殺される? どういうことじゃ? 説明してくれるか?」
「お、お姉ちゃんが! いや悪魔! 悪魔の2人組が殺しに来るんです! ちょっと料理を食べてしまったというだけで!」
「料理を食べてしまった? もう少し詳しく説明してくれんかね」
老人はこの里の長老だった。自分達の長を守ろうとゾロゾロとこの村の若者たちが集って来ていた。長老はそんな彼等を手で制す。彼等もレタツが少女の見た目で、戦闘力も長老より低かったから従った。
「本当にひどい人達なんです! いきなり私を誘拐して! こんな星まで連れてきて! 私は成長期で栄養が必要な年頃なのに、まともな食事は一度も出なかったんです! もう本当に久しぶりで! だからどうして我慢できなくて!」
実はレタツは、サイヤ人4人のために大盛で置いてあった料理のほとんどを、1人で食べてしまったのだった。今までのストレスもあって、どうにも我慢できなかった。止めに入ったフレイを突き飛ばし、顔にけがを負わせてしまったくらいだった。
サイヤ人は皆食い意地が張っている。当然恐い姉やハラベコもだ。レタツは食べてしまった後で、どうしようもない恐怖に包まれた。どんな苦痛を味わわされるのか、考えただけで涙が出る程だった。地球人には「姉ちゃん達には絶対に黙っていろ! 絶対だぞ」と言っておいたが、フレイにケガを負わせたこともあって信用はできず、逃げたのだった。そして現在、ナメック星人に泣きついていた。