ドラゴンボール超H 作:ドラゴンボール超記念
やっとドラゴンボールの地球
改革は順調に進んでいく。主要な敵対勢力は俺達が倒してしまい、残ったのは穏健な中立や些末な旧既得権益勢力のみ。空軍で十分対処できる。
懸念だった海軍と空軍の合同訓練も無事行われた。俺はビビを連れて女海兵を中心に指導した。メガネっ子のたしぎを食事に誘ったが、断られた。ヴェルゴ中将が見学に来ていたコブラ王を毒殺しようとしたらしいが、サボがゴロゴロの実の力で事前に会話を感知して防いだ。その後、ヴェルゴ中将がドフラミンゴの仲間であり、幼児誘拐や禁止薬物による人体実験に関与していたことが判明し、処刑された。
とかく、俺達サイヤ人がこの星でなすべきことは終わった。あとはアズラエル達だけで対処できる。当初の予定通り協力するのはここまで。女サイヤ人達が強者と戦いたいと急かすし、俺も早くドラゴンボールの地球に行きたいから、出発することにする。
乗るのはカッタ3。連れていくのは、女サイヤ人3人、カッタツ、ビビ、ハンコック。さらに、コックが欲しかったのでコニス。トシトシの実の能力者であるジュエリー・ボニーも、今までの無銭飲食の帳消しと豪華な料理をエサにゲット。女が多すぎてさすがに肩身が狭いので、空軍にいた爽やな美青年も1人誘った。名はくいな。実は革命軍の幹部コウシロウの娘だが、最強の剣士になるために悪魔の実の力で男になっているらしい。サボは行きたそうにしていたが、まだ政情が不安定な中ゴロゴロのセンサーが無くなるのは辛いので残った。
「強敵に心当たりがある。実は正夢を見ることがあって……」
そう言ってナメック星人が神をやっている地球のことを説明した。カッタツに25年後の星の座標とナメック星からナメック星人の宇宙船で1カ月かかるゾーンを入力してもらい、星を特定した。やっとあの星に行けるのだ。
移動中は例によってサイヤ人を食わせる食料がないのでサイヤ人達はコールドスリープ。ジュエリーボニーも大食らいなのでレタツと同じ丸ポッドで眠ってもらった。コニスとくいなは宇宙共通語を勉強しつつカッタツと共にトレーニングに励む。
そしてとうとう、ドラゴンボールの地球に到着する。
「へえ。悪くない星だな」
着地したのは牧草地帯だった。例の戦闘力5のおっさんでもいそうな場所だ。俺は早速神のものらしき気を探る。この星で一番大きいもの。場所は高いところだが、星は丸いので上を探ったら見つかるわけではなく、全体的に探る。
1つ、2つ、3つ……。くいなと同じくらいの気がいくつかある。亀仙人と鶴仙人と桃白白と牛魔王と、孫悟飯はまだ生きているのだろうか? まあ気が向けば命を救おう。……おっ、見つけた。少し大きな気が3つ集まっている。カリン、神、ミスター・ポポの3人だろう。
「行くぞ。この星の神に会いに」
「ガン・フォール様のような方ですね」
「大げさな言い方だぜ。要するに星の代表者だろう? 惑星ベジータなら王、ナメック星なら最長老だ」
「つまり俺は神と同等」
「認めたくありませんわね」
「ハラベコさんは神の力を持っていませんので、ちょっと違いますね」
「なんでもいいけど腹減ったんだが」
早く強敵と戦いたい女サイヤ人を優先し、早速神の下へ向かう。カッタ3で現地に近づいていく。カリン塔が見えた。やはりここはドラゴンボールの地球だったのだ。カリン塔のすぐ傍に着地する。現地人ががやがや出てきたので「神に挨拶しに来た」程度に説明した。
飛べない人間を俺とカッタツが担ぎ、真っ直ぐ上を目指す。塔のてっぺんが部屋になっていたが、それも無視してさらに上へ。やがて空高くに浮かぶ半球が目に入った。
「あれだ!」
そのまま半球の上方に移動し、一斉に着地していく。
「ごめんくださーい!」
俺は大声で叫ぶ。声が虚しく響き、反応はない。
「おい、誰もいねえんじゃねえか?」
「気の反応はあった。今は消しているがな」
キャベスに応えている間にも、建物の奥から人影が現れる。
「お前達何者だ? ここ、神様の住むところ。許可の無いやつは立ち去れ」
真っ黒な肌、中東風の服を着て頭にはターバン。ミスター・ポポだった。
「確かに許可は無いが、ここの主に用があるんだ。この男の顔に見覚えはないか?」
俺はそう言ってカッタツの方を向く。ミスターポポの口がハッと開いた。分かり辛いが驚いている感じだ。
「神様にそっくり。お前何者だ?」
その言葉に女達が驚いた。俺を崇拝しているコニスを除き。
「え? じゃあやっぱり」
「予知夢がどうとか怪しいと思っていましたけど」
「ただの男根じゃなかったってことか」
まあ信じられないのも無理はない。ふつうサイヤ人にそういう能力は無いからな。実際も予知じゃなくて前世の原作知識だし。
「僕は、ナメック星人のカッタツです。あの、こちらの星の神は、ナメック星人なのですか?」
「分からない。ポポ、聞いてくる」
「その必要はない」
その言葉と共に神は現れた。緑色の肌に目つきの悪い悪人面。身長は2mをゆうに超える。そうだと知らない一般人は悲鳴を上げてしまうだろう。しかし気は神らしく落ち着いている。
「驚いた。私が宇宙人だったとはな。ちょっとだけ皆と違っているとは思っていたが」
「ちょっとじゃねえだろ」
「むっ」
「あの、この星の神様。お聞かせ願えませんか? なぜこのような遠い星で神になっているのか」
「いいだろう。と言っても幼い記憶などほとんどないのだがな。代わりに私にもナメック星のことを教えてくれ」
「いいですよ」
そうしてカッタツと神がそれぞれについて話し合った。神の記憶はこの地球から始まっている。彼は家で親を待っていた。寒く、生物の生存には適さないユンザビット高地で、苦しい思いをしながらも待ち続けていた。その家がおかしな形をしていた。今思えば宇宙船だと言う。この辺は原作の知識のままだ。カッタツが「ナメック星は100年以上前に異常気象に見舞われました。ナメック星人が絶滅の危機に瀕した程でした」と言うと、神は「それで私はナメック星を脱出したのか。私の親も後で迎えに来るつもりだったが、事故か何かで来れなくなったのだろう」と納得していた。
「ところで、彼等の願いを聞いていただけないでしょうか? サイヤ人とSEED人(命名者ハラベコ)とワンピ人(同じく)なのですが」
「いいだろう。言ってみなさい」
「ええ。僕はサイヤ人の王でして、名はハラベコです。こちらにいる3名、レタツ、キャベス、オンオンは妃でして、残りは仲間です」
「初めまして」
「ああ、こちらこそ」
「へ、へそ!」
「へそ?」
「我々サイヤ人の現在の目標は、宇宙を恐怖で支配しているフリーザというやつを殺すことです。そのために強敵との闘いを望んでいます」
「ほう、なるほどな。しかし私はお前達程強くはないぞ」
「ええ、ですから、真の力を取り戻してもらおうかと」
「真の力? はて」
神は心当たりがないと言うように眉間を寄せる。
「若返ってもらった上で、あなたの半身と元の1人に戻ったいただきたいのですよ」
「な、なんだと!?」
神は驚愕し、怒りを見せながら俺に詰め寄る。カッタツ等が慌て始める。
「なぜお主がそれを知っておる!」
「予知夢を見たのですよ。あなたはいずれ半身と融合する。しかしその時のあなたは老いていた。今回はこちらで若返らせるので、その状態で融合していただきたい」
ボニーを連れて来たのは彼とピッコロ大魔王を若返らせるためだ。神龍に頼んでも本人が断ると若返らないかもしれないからね。
「予知夢じゃと!? にわかには信じられぬ。だいたいお主が本当に予知夢を見たのだとしたら、私とあいつが心底嫌い合っていることは知っているはずだ。もう二度と元に戻ることはない」
「それでは困るのですよ。僕の妃たちが強敵と戦いたいと言っていましてね」
「勝手なやつだ。とにかく私はやらんぞ。分かったら出て行ってくれ」
神は歯ぎしりしながら俺を払うように大きく杖を振った。
「ちょ、ちょっとハラベコさん! 謝ってください! 星の神に対してなんて失礼な!」
「おいおい、いつになったら戦えるんだよ。また口だけか? なんのためにお前についてきたと思っている」
「ハ、ハラベコさん」
カッタツとキャベスが非難してくる。コニスはいい子なので心配そう。しかし彼に真の力を出してもらおうと思ったら多少強引にならざるをえない。
「僕はあなたが神になるためにピッコロという悪を下界に放ったことを知っています。そのために下界は無茶苦茶になり、多くの死人が出た。もしあなたが僕の要求を受け入れないのだとしたら、このことを下界の人間にバラします」
「な、なんじゃとォ!?」
「あなたは神を辞めたくないからピッコロと融合したくないのかもしれない。悪の心を持つ者は神にふさわしくないですからね。しかし、下界の人間が事実を知れば民衆はあなたを神と認めなくなるでしょう。その状態もまた神にふさわしくないと言えるのではないですか? どうせならそうなる前に融合した方があなたのためだと思いますが」
「き、貴様ァ!」
「では、そういうことで。皆、降りるぞ」
「指揮ってんじゃねえよ」
俺はビビとコニスを担ぎ、神殿を飛び降りていく。神にケンカを売ったことに多少緊張している。しかし原作を読んでいた頃から、ピッコロについては神をもっと問い詰めてもいいと思っていた。俺自身は他人の過去を責めるのは好きではないから本当はやりたくないが、これも嫁達のためだ。
女のレジャーのために神にケンカを売る。我ながら恐ろしいことをしていると思った。
その後カッタツとビビにこっぴどく叱られた。「見損なった」「謝ってくるまで許しません」と。が、女サイヤ人達の反応はそこまで悪くなかった。彼女等は「ケンカを売るのはいいが、まだ強敵と戦えていないから減点」という感じだった。コニスとくいなは無言。余計なことに首は突っ込まないという感じ。ボニーは「腹減った」しか言わない。
俺も多少腹が減っていたので、カリン塔の近くで狩りをした。虎と大きな魚を捕えた。キャベス、オンオン等はいつものように山菜集め。獲った食料は気で焼いて食べた。女サイヤ人達が食事に夢中になっている間、俺はカッタツとビビを呼んだ。
「正直言って、俺は神を責める気はない。だが、彼にとって最もいいのは、一度悪の半身と融合し、神を辞めて故郷のナメック星に帰り、最長老様の下で悪の心に打ち勝つ修行をすることだと思う。そして再び神にふさわしくなったら改めてこの星に戻ってくればいい。彼自身も、悪の半身を産み出したことに責任を感じているはずだ。その反省も込めて一旦神を辞めてもらうんだ。生まれ故郷で修行するというのは、それが修行場所に適しているというのもあるが、彼自身故郷に帰りたいだろうし帰るべきだと思うから。だが、人生のほとんどはこっちの星で過ごして、神として何年も働いて来たんだから、最期はこの星の神として迎えたらいいと思う」
というような説明をした。神のことを気遣いつつ全盛期に戻して女と戦わせる。俺なりに頭を使った渾身の言い訳だった。
効果は抜群だった。元々カッタツとビビが純真で信じやすいこともあるだろう。話している間に2人の怒りは見る見る冷めて行き、ついには納得してくれた。
「なるほど。ハラベコさんの考え方も一理ありますね」
「じゃあ、早速それを神様に伝えれば!」
「俺は恥ずかしいから2人で伝えに行ってくれるか?」
2人は笑顔で顔を見合わせ、うなずいた。しかしカッタツがハッとしたような顔になる。
「しかし、悪の半身が融合を受け入れるかどうか」
「カゲカゲの実で神の心を入れてやればいい。罪悪感とかで融合しようとするかもしれない」
「な、なるほど」
こういうことのためにビビにカゲカゲの実を食べさせたのだ。
カッタツとビビの帰りを待つ間、近くの村人にいくつかの話を聞いた。カプセルコーポレーション本社の場所、天下一武道会の時期、孫悟飯の居場所等だ。
孫悟飯の情報は得られなかったが、残り2つは知れた。カプセルコーポレーション本社は西の都にある。今はエイジ738。天下一武道会は南国パパイヤ島の武道寺で5年に一度開かれ、次は2年後のエイジ740。
天下一武道会を待つのはしんどいが、カプセルコーポレーションで交渉することはできる。ドラゴンレーダーや宇宙船や重力室を作ってもらいたい。ただし宇宙船と重力室はせっかくナメック星人に作ってもらっているところなので、今回は控えるつもりだ
カッタツとビビはすぐに帰ってきた。神は俺と彼等の会話を神眼で覗いており、説明は不要だったそうだ。しかし「考える時間が欲しい」と言われたようだ。
俺達は次にカプセルコーポレーションに向かった。ブリーフ博士に会うと「フリーザ軍の丸ポッドを分解して調べていいから金とカプセルをくれ」と言っておいた。女サイヤ人達がいるためドラゴンボールについては話さなかった。
その後、辞退したメンバーを除き金を渡し「グルメ食べ歩きでも道場破りでも好きにすればいい。ただし悪人以外は殺すなよ」と言って全員自由にさせた。ワンピース世界と違ってこの星と同盟を結ぶつもりはないので、ある程度は女サイヤ人が暴れても問題なかった。
キャベスはレタツとハンコックを連れて武者修行の旅に出かけた。オンオン、コニス、ビビ、くいな、ボニー、は俺と一緒にぷらぷら。カッタツはブリーフの下で勉強させてもらうそうだ。
「とりあえず格闘大会にでも出てみるか。金が稼げるし、お前達の力試しにもなるからな」
この世界には天下一武道会以外にも格闘技の大会がいくつもある。球技も盛んだが、最も人気のあるスポーツは格闘技だ。
「では私は応援を」
「私は食べる専門だが実は戦ってもなかなか強いんだぜ」
というわけで、カプセルコーポレーションの綺麗な受付の姉ちゃんに格闘技の大会について聞き、その開催地に飛んだ。
そうして数々の大会に出場していった。ビビは運が良ければ本戦に出場できる感じ。ボニーは本戦で1回勝てる程度。くいなは楽に優勝。オンオンはまともに戦える相手がいない。という感じのレベルだった。もちろん俺が出なければの話であり、全て俺が優勝をかっさらったわけだが。
優勝するとマスコミに騒がれたが、やつらは私生活を覗こうとし、性格が悪いだの浮気だの粗を探してくるから鬱陶しかった。2度目からは覆面を被り、名を『ストロングHマン』として出場することにした。女性アナウンサーが呼びにくい名前にしておけば、テレビカメラの前で赤面したりしておもろいと思ったからだ。
1カ月ほどするとナメック星から宇宙船が送られてきた。もちろん重力装置つきだ。これで一気に修行の効率を高められることになった。女サイヤ人も呼び戻して修行を始めた。
さらに1カ月ほどすると、神がとうとうナメック星に戻ることを決断した。俺達は神とピッコロを封じ込めた電子ジャーと共にナメック星に飛んだ。ポイポイカプセルに食料を大量に詰め込めるので移動中でも修行できるようになった。しかし宇宙では船を壊さないよう手加減しなければならず、効率はあまりよくない。退屈でもある。ので、結局コールドスリープした。