※この作品はR-18です。

ドラゴンボール超H   作:ドラゴンボール超記念

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男を見せられるか? ラディッツ

 女ヶ島にハラベコから連絡が入ったときとき、ラディッツは同年代かそれ以下の女の子達と隠れんぼをしていた。

 

「ラディッツくーん。どこかなー?」

「ラディッツお兄さまー! どこなのー?」

 

 ラディッツは木に上って気配を消していた。そこからは露天風呂を覗くことができた。

 

「くひひっ。これも気配を消す修行なのだ。いついかなる状況においても心を静めることができなければ、一流の戦士とは言えんからな」

 

 ラディッツは誰も聞いていない言い訳を述べながら、にやにや笑っていた。戦士達は狩りや農業や訓練で汗をかくので、銭湯は一日中賑わっていた。

 

「大変だ大変だー! マリーゴールド様ー! サンダーソニア様ー! ラディッツー!」

 

 ふと、10代後半の女がラディッツの近くを走った。ラディッツは何かと思って彼女の前方に降り立った。

 

「よお。何かあったのか?」

 

 ラディッツは真面目な顔で言う。

 

「うわっ! ラ、ラディッツか。実はけっこうやばい奴らがこの星に攻めてくるらしいのよ」

「なんだと!? フリーザ軍の残党か!?」

「よく分かんないけど、少し違うみたい。スカウターは3560、2730、2540を指してたよ」

「3500!? そんなやつどうしろと言うのだ!?」

「戦うしかないでしょ! 私達の国は私達で守るのよ!」

「戦うたって……。なあ、ハラベコが戻ってくるまで逃げればいいんじゃないか?」

「どうやって? 頑張っても2ヶ月はかかるみたいだけど」

「くっ」

 

 ラディッツは焦る。あまりにも長い。

 しかし、自分達の星の制圧を思い出すと、2ヶ月ならギリギリ耐えられる気もした。

 

「……身を隠し、気を隠し、他の人間が犠牲になるのを待っていれば、それくらい踏ん張ってくれるんじゃないか?」

「バカ言ってんじゃないわよ! 今なら海軍と空軍がバッチリそろってんのよ! 皆で力を合わせて戦う! そうすれば勝てる! 王であるハラベコがそう言ったんだからもう決定よ! それともハラベコからも逃げる気?」

 

 ラディッツの頭に凶悪な笑みを浮かべるハラベコとキャベスが浮かぶ。逃げられる気がしない。

 それと同時に、かわいらしいランチちゃんの顔も浮かぶ。脳内の彼女は、勇敢に侵略者を撃退したラディッツに対し、「ラディッツ様カッコいいー!」と言って抱きつき、キスをした。

 ラディッツの頬が弛む。しかし程なくキリッと真顔になる。

 

「よ、よし! やるぞ! ……サイバンマンの貯蔵は十分か?」

 

 覚悟を決めてもヘタレは抜けきらないラディッツであった。

 

 その頃、3人のザーボンを乗せた宇宙船は大気圏へ突入し、女ヶ島を目指していた。

 

「あれ? ちょ、ちょっとシステム異常が発生しました! 原因を探ります」

「なあにトロくせえことやってんだよ。間抜けどもめ」

「も、申し訳ありません。キラツー様」

 

 キラツーと呼ばれたザーボンは、ブリッジにソファを置いて、そこで横になったまま菓子をかじっていた。

 皆が緊張し、戦意を向上させている状況で、彼だけが気だるげだった。

 

「おいキラツー、あまり調子に乗るなよ。我々はあくまでも人々の平和のために」

「ああ、はいはい。凡人は言われたことしかできないよねえ」

「なんだとお!」

「よせ、エイト。喧嘩している場合ではないだろう」

「スリー……」

 

 なんてやり取りをしていた。突然、船がガン、と衝撃を受けた。中の人々はまず床に叩きつけられ、次には2mほど浮かび上がった。

 

「おいおい、何やってくれちゃってんだよお」

「も、申し訳ありません。雲が異常に頑丈だったようでして」

「雲? それって水滴とか氷の粒じゃなかったっけ?」

「ええ、しかしこの世界には海雲というのがあるのです。……ああっ、申し訳ありません! 今のでエンジン部が壊れてしまったようで……」

「エンジンが壊れたらどうなるんだ?」

「その、不時着するしかありません」

「僕達が外から支えますよ」

「ありがとうございます」

「いえいえ」

 

 その後、スリーとエイトが船を支え、ゆっくりと海に降ろした。ツーは手伝わなかった。

 

「ご苦労さん。んじゃ、ちょっと遊んできますかね」

 

 船が降りてから、ツーが欠伸をしながら出てきた。そうして女ヶ島へ飛んで行こうとするが、スリーとエイトはまだ船を引っ張っている。

 

「何やってんだてめえら?」

「陸まで運ぶんだよ。こんなところにおいてけぼりには出来ないだろう?」

「ああん? 陸って、バカかよ。どれだけかかると思ってやがる」

 

 ツーが回りを見渡すと、一面水平線しか見えなかった。戦闘力3000程度の彼等には、大型バス二台分くらいの宇宙船でも重かった。

 

「アホらし。俺はいくぜ」

「おい! お前も手伝えよ!」

「はあ? なんで俺が間抜けの尻拭いなんざせにゃならんのよ」

「バッ、困っている人がいたら助けるのは当たり前だろうが! だいたいお前、なんか勘違いしてるんじゃないか? 人間皆平等なんだぞ! なんで皆と違うことばっかりして、偉そうにしてるんだよ!」

「あははははは! やっぱバカだなあお前らは! 平等!? んなわけねえだろうがあ!」

「何!?」

「お前みたいなバカやそこの間抜けみたいなカスが俺と同じなはずねえだろうがあ! だいたい平等とか言うならラディッツだって平等だろうが! なぜ攻撃するんだ!」

「お、お前はバカかー! 悪を認めるような発言しやがって! 裏切り者ー!」

 

 エイトはとうとう耐えきれず、武空術で飛び、ツーに殴りかかる。

 しかしツーはひょいと避けて、鳩尾に膝蹴りを食らわせた。

 

「ぐはっ。くくうっ」

 

 エイトは苦しそうに腹を押さえ、落ちていく。海面に着く前にをスリーがキャッチする。

 

「ほらな、平等じゃねえ。雑魚は強者に膝まづくしかねえんだよ」

「こ、このクソやろうが」

「よせ、エイト。あんなバカの相手はするな」

「だ、だがよお」

「ああん? バカのクセに俺様をバカだとお?」

 

 ツーはゆっきりとスリーの前に降りていく。チンピラのように、スリーの顔に自身の顔をグイと近づける。スリーの意思の強そうな顔を眺める。

 

「ケッ、つまんねえやつだぜ。はあ、おもんねえ。なんかぶっ壊してえぜ」

 

 ツーは片頬を引きつらせ、ツーから視線を外す。不意に上昇していく。

 しばらくして、悪そうな笑みを浮かべた。

 

「おいスリー、悪かったよ。勝手なことばっかしてさ」

「なんだ? 急に」

「いやあ、お前挨拶が重要だっていつも言ってるだろ? だから挨拶してやろうと思ってな。ここの住人に」

 

 ツーはそう言うと、気を高め始めた。そして、眼下の海面へ手の平を向ける

 

「お、おい止めろ!」

「なあに、挨拶さ」

 

 嫌な予感がしてスリーが叫んだ。ツーは凶悪な笑みを浮かべたまま、巨大な気弾を海面に放った。

 

「き、貴様あ!」

 

 気弾は海中に入った後、爆発する。海面は爆発で盛り上がり、ぱあんと弾けて、次には水を吸い寄せる。船はすさまじい水の勢いに巻き込まれ、右往左往し、回転する。ついには巨大な波にドウと打たれ、翼が剥がれ、ボディに浸水していった。

 

「あーっはっはっはっはっは! 挨拶が派手すぎたかな? すまんすまん」

「き、貴様あ!」

「待てエイト! 皆を助けるのが先だ!」

「ぐっ、くっ、くうっ」

 

 スリーとエイトは二人で船を持ち上げ、水が抜けるのを待つ。が、水と一緒に人間が飛び出てしまったので、慌てて手を離す。するとクローンゆえかそのタイミングが全く同じだったので、船は海に落ちていく。

 

「しまったあああ!」

 

 船は海面に叩きつけられ、荒れ狂う波に飲まれる。さらにボロボロになっていく。中の人も壊れた隙間から次々と放り出されていた。

 ツーはそんな彼等に大笑いした後、船で見た地図の記憶を頼りに女ヶ島へ飛んだ。

 

 以前ハラベコの津波で被害が出てから、ワンピ人達は津波対策を準備していた。

 

「海王類さん達、お願いします」

 

 主にしらほしが海王類に指示を出し、彼等が静める。魚人、人魚、クジラ、魚等も手伝う。さらに忘れてはならないのが大将青雉。ヒエヒエの実で海面を凍らせ、島を守る。他、超人達が殴ったり蹴ったりして波を破壊した。

 

 さておき、3500が真っ直ぐ向かってきたことにラディッツは驚愕した。

 

「なんで!? マリージョアじゃねえの!?」

 

 女達は武器を集め、ゾロゾロと港に集まっていく。

 ラディッツは城の中庭で立ち尽くしていた。16体のサイバイマンに囲まれたまま。

 

「俺の人生、こんなところで終わりかよ。まだベジータの野郎を殴ってない。ランチにだって、告白してないのにィー!」

 

 ラディッツは大声で叫んでいた。城に隠れている子供や老婆に聞こえてしまった。

 

「ラ、ラディッツ様、ランチのことが……」

「キィーッ、なんであの女狐ばっかりー!」

 

 ラディッツの顔が赤くなっていく。噂はあっという間に広がり、ラディッツは笑いのネタになっていく。

 

「ち、違えよ! そんなんじゃねえ! こんな時になに考えてやがる!」

 

 ラディッツ逃げるように港を目指した。

 

「キキィー」

「ウゲキキィー」

 

 頼もしい仲間をゾロゾロと連れて。

 

 女達はラディッツを見つけるや否や叫んだ。

 

「早く! ラディッツくん!」

「どこ行ってたんだいラディッツ! こんな時に!」

 

 ラディッツはかわいい女に頼られるのは嬉しかった。が、ゴツくて不細工な女に怒鳴られると『俺は望んでこの国に来たんじゃねえ!』と言い返したくなった。

 

「いいかい。ふつうに戦っちゃあ私らに勝ち目はない。狙いは毒さ」

「あっ、そ、そうか!」

 

 ラディッツは急に元気になった。

 

「矢と剣にしっかり毒を塗っときな。特効薬は先に渡しとく。それと戦い方だけど、私とソニア姉さんが前面に出てあいつの視界を隠そうと思う。あんた達は後ろから攻撃しな。私らは気配を察して躱すから」

「お、ほう。いい心がけだな。さすがは戦士だ」

「何言ってんだい。あんたとサイバイマンも前だよ。あんたらの攻撃は速すぎて躱せないからね」

「へ? い、いや待ってくれよ! じゃあ毒の矢に当たってしまうじゃないか!」

「そんぐらい避けられるだろ。あんたなら」

「え? いやいやいや」

「頼りにしてるよ」

「これに勝てたらキスしてあげる」

「私なんて抱かせてあげるわよー」

「えっ、いやいや。いいっていいって」

 

 ぐだぐだな感じで作戦会議は終わった。そうする間にも、ラディッツにも感じ取れるくらい敵の気が近づいてきた。

 

「や、やるっきゃねえ! うおらああああああ!」

 

 回りは海や無人島ばかり。道に迷っていたキラツーにとって、その声は天恵だった。

 

「今度こそ女ヶ島か?」

 

 声の聞こえた方へ全力で飛ぶ。それらしき島、裸っぽい女ばかりの人間が見えた。妙なエイリアンもいる。一人だけ、妙な服を着た男もいる。

 

「よお、お前がサイヤ人のラディッツか?」

「なっ? ……こんなチビなのか?」

「俺は質問してんだぜ。無視するなら死んでもらう」

「ふんっ。どうやらそうらしい。一応聞いといてやる。貴様の目的はなんだ?」

「また無視したな。オーケーオーケー、お前は死刑だ。代わりに答えてやる。俺の目的はな、お前達カスをいたぶって遊ぶことだよ」

「そうか。……ならば死ね!」

「ひゃはあっ! お前がなあ!」

 

 ラディッツとキラツーが同時に飛び出し、拳を突き出す。

 

「ぐっ」

「がはっ」

 

 互いの拳が互いの頬に当たる。両者弾かれて尻餅をつく。しかしラディッツの方が腕が長い分、キラツーのパンチはほとんど入っていない。ラディッツとしては殴られた頬より殴った手首が痛かった。

 

「ふふんっ」

 

 そして先程のやり取りがラディッツに自信を与える。やつは速いが、ラディッツには動きが見えた。常々、やつよりずっと速いレタツのサンドバッグになっているのだから当然だ。そしてやつの攻撃力も、レタツに比べたらショボい。気を同じレベルまで下げたとしても。キラツーには重さがないし、鋭さもない。格闘経験も多少かじった程度の素人だった。

 ラディッツは口元に笑みを浮かべ、立ち上がる。構える。

 

 倒れたキラツーに矢が向かう。キラツーは倒れたまま気を爆発させ、全て吹き飛ばす。

 

「きゃっ」

「うわああ!」

 

 毒矢が返ってきて女達が右往左往する。

 爆発の土煙が晴れたとき、キラツーは立ち上がり、口端から流れる血を拭っていた。手に着いたその血を自分で見て驚愕する。

 

「調子に乗りやがって!」

 

 怒りはラディッツへ向いた。鬼の形相で彼に突っ込む。そこを狙って矢が飛んでくるが、キラツーは気で皮膚を強化し、弾く。ものともしない。

 

「速い!」

 

 と言いつつ、ラディッツはいいタイミングでジャブを放つ。

 

「が、それがどうした?」

「ぶっ」

 

 キラツーの頬にカウンターが決まり、キラツーは尻餅をつく。ラディッツは得意気に笑む。

 

「くそお!」

 

 キラツーは再びすぐさま飛びかかる。今度は飛び蹴りを仕掛けたが、ラディッツは上体を後ろに下げ、最小の動きで躱す。間髪入れず差し出された足をつかみ、振り回し、本体を地面に叩きつける。

 

「ずおあっ!」

 

 ボコボコボコ、とキラツーが地面にめり込んでいく。

 

「やったあ!」

「か、勝ったの?」

「ラディッツ様素敵!」

「油断すんじゃないよ! 気はほとんど減ってない!」

 

 サンダーソニアの言葉通り、キラツーは別の地面から勢いよく飛び出した。青い顔から血が流れ、アザも多少あるが、力は怒りで満ち溢れている。泥だらけの全身を震わせて、わがままな子供のように叫ぶ。

 

「ゆ、許さない! 許さないぞ貴様あああ!」

 

 キラツーが先程よりも勢いよく飛び出す。ラディッツは逆にチャンスだと思い、全力のストレートでカウンターを叩き込む。

 

「ぐがっ」

 

 完全に決まった。頬骨が歪むような感覚さえあった。キラツーは吹き飛ぶ、が、空中で制止する。切り返すようラディッツに突っ込む。

 

「何!?」

 

 決まったと思ったラディッツは、格好つけて右ストリートの拳を出したまま止めていた。よって反応が遅れ、残ったもう片方の手でカウンターを叩き込もうとする。が、タイミングが合わず躱されてしまう。

 

「死ねえ!」

「くっ」

 

 頬へのパンチ。ラディッツは体を捻って軽減するが、かなりの勢いで斜め後方に飛ばされる。

 

「まだまだあ!」

 

 追い討ちをかけるキラツーだが、そこにサイバイマンと女達が立ち塞がる。

 

「キキィー!」

「ラディッツはやらせないよ」

「チッ」

 

 キラツーはサイバイマンの手をつかみ、そのまま振り回して他のサイバイマンや矢を弾いていく。

 しかしなかなか止まらない。キラツーは面倒そうに舌打ちをし、気を溜める。隙を見てそれを全方向に放出する。

 

「かあっ」

「ウギャッ」

「きゃああああ!」

 

 付近一帯吹き飛び、直径50m程のクレーターができる。

 女達は爆風にやられ、さらに岩や建物に叩きつけられ、動けなくなるほどダメージを受けた。サイバイマンも、キラツーが握っていた1体と、近くにいた3体が肉片となった。そのことに他のサイバイマンが怖じ気づき、二の足を踏む。

 

「はあ、はあ、はあ。ラディッツウウウウ! 殺してやるぞおおお!」

 

 キラツーは叫ぶが、見える範囲にラディッツはいなかった。隠れたのだろう。

 ふと、前方の木の影から気弾が飛んでくる。

 

「そこかあああ!」

 

 キラツーはその木へ全力の気功波を放つ。街が破壊されていく。キラツーは嫌らしい笑みを強める。しかしその時、背中に嫌な感触があった。

 液体をぶっかけられたような感じ。しかしとても熱い。肌が焼けるようだ。

 

「ぐあああああ!」

 

 キラツーは慌てて背中に着いた液体を取り除こうとする。しかし手で払おうにも、肌の奥に染み込んでいるためできない。

 

「痛い痛い痛い! 熱い熱い熱い! クソオオオオ!」

 

 キラツーは慌てて島から離れ、海に突っ込んだ。それで液体は減ったが、痛みはむしろ強くなる。キラツーは頭から戦闘を捨て去った。一目散に、自身がカスと言ったSEED人の船目掛けて飛び出した。

 

「キキィー」

 

 今回の立役者はサイバイマンだった。

 こいつは、キラツーが埋まるときにできた穴の中に入り、隙を伺っていた。キラツーが全力の気功波に集中しているところで、頭をパカッと割って、強烈な酸を射出した。見事、キラツーの背中に浴びせることに成功したのだった。

 

「よ、よくやったぞ、お前」

「キキィー! キキィー!」

 

 なんとか歩けるサンダーソニアがサイバイマンに近づき、頭を撫でる。サイバイマンは気をよくして、サンダーソニアのおっぱいに抱きつく。その力は強力で、サンダーソニアは「コラッ、止めろ」と腰をくねらせるのが精一杯だった。

 その隣に、ラディッツが降り立つ。彼は片腕を負傷していた。そこらじゅうにアザがあり、血が流れており、しかも脱臼したようにダラーンと垂れていた。

 

「ど、どうしたんだラディッツ!」

「へへっ。しくじっちまった」

「ど、どうしてだ! あの気弾は囮だったはず! お前は安全な場所に!」

「なっちまったもんはしょうがねえ。それよりも怪我人を運ぶぞ」

「え? あ、ああ」

 

 サンダーソニアの言う通り、キラツーに気功波を放たせた気弾は囮で、その時ラディッツは別の場所にいた。しかし、キラツーが気功波を射つ段階になって、その先に動けない女戦士とその子どもがいることに気付いた。子どもはラディッツと同年代で、よく遊んでいた。

 まずい。そう思ったラディッツは無我夢中で飛び出していた。

 

「逃げな!」

「お、お母さんが!」

 

 母親は咄嗟に子をど突いた。子どもは尻餅をつき、再び母に駆け寄ろうとした。しかし母親は閃光に包まれた。

 キラツーの気功波だった。それはさらに勢いをまし、子供を呑み込んでしまいそうだった。ラディッツはギリギリで子どもに飛び掛かり、両腕に抱えて脱出したが、その時に気功波を食らって腕を痛めたのだ。

 

「くっ」

 

 サンダーソニアは厳しい戦いになったと思った。キラツーは撃退できたが、また復活して戻ってくる可能性が高い。さらに、似たようなやつがあと二人いる。こちらは頼みのラディッツが負傷。女戦士は一撃でほとんどが戦闘不能。サイバイマンこそ12体残っているが、今攻め込まれると落とされる可能性が高い。

 

「おおー。こりゃあ見事にやられたねえ」

「チッ。ダルい仕事はやらない主義なんだがなあ」

「だ、大丈夫ですか!? 皆さん!」

 

 しかしそこで、港に海軍がやってきた。それも大将の青雉、黄猿、さらに戦闘能力だけなら大将クラスという少将のコビーが。

 

「痛みを弾くだけならすぐにでも可能だ」

「祭りの会場ってのはここかい?」

「久しぶりに楽しめそうだな」

 

 さらに空軍のバーソロミュー・クマ、四皇のシャンクス、元最強の剣士ジュラキュール・ミホークもだ。

 

「い、行けるかもしんないよ。ラディッツ」

「ああ。そうらしいな」

 

 ラディッツ等は負傷した戦士を彼等の医師達に診てもらい、自身等も休んだ。休みつつキラツーとの再戦に闘志を燃やした。が、仲間と合流したキラツーは、なぜか気を激しく上下させた。仲間の方もだ。

 

「これって、戦闘だよな?」

「たぶん。誰が戦っているんだ?」

 

 気を読めるラディッツ達は疑問に思った。しかし程なく、バーソロミュー・クマがでんでん虫を持ってきた。

 

「やつらは仲違いを始めているわ! 攻めるなら今よ!」

 

 ドレスローザのヴィオラ王女の声だった。彼女はギロギロの実の力で戦況を伺っていたのだ。

 

 その後、飛べる人間で急いで戦地に向かった。ラディッツ、シャンクス、ミホーク、クマ、コビー、青雉、黄猿である。

 戦地に着いたとき、ちょうどキラスリーとキラエイトがキラツーに止めを刺そうとしていた。

 ボロ雑巾のようになって海に落ちるキラツーに、キラスリーとキラエイトが手のひらを向ける。そして気弾を放つ。しかしそれは突如、明後日の方向に浮き上がる。キラツーには届かなかった。

 

「何のつもりだい? コビーくん」

 

 黄猿が言った。コビーの手には黒い渦が出ており、見る人が見ればヤミヤミの力で気弾を引っ張ってキラツーから外させたのだと分かった。

 

「いえ、子どもが死ぬのは忍びないかなあと」

「ふうん。あれが子供ねえ。まあそうなのかもしれないが」

 

 その後、キラスリー、キラエイト等と彼等がぶつかり合った。キラスリーは海軍の3人、キラエイトは海賊の3人。ラディッツは見ているだけだった。

 キラスリーは黄猿のスピードに着いていけず、一方的になぶられた。最後には太陽光を黄猿とコビーの能力によって集め、巨大ビーム砲のようにしてキラスリーに放った。キラスリーは燃えて海に落ちた。死んでいなかったが、動けないよう青雉が氷付けにした。

 キラエイトについては、硬い肌をいかに剣で斬るかという戦いだった。薄皮1枚。さらにもう少し。さらにもう少し、とシャンクスとミホークはそれぞれが自分が定めた場所を斬っていき、二人の競争のようになった。キラエイトにはキラツーと戦った時のダメージがあり、もともと疲労していた。その上に、さらなる戦闘と出血が合わさる。キラエイトは焦り、怒りっぽい性格のために、無駄に巨大な気功波を連発してしまう。遂には、バテた。ぜえぜえ言いながらふらつき、海に落ちた。そこをバーソロミュー・クマが拾い、しかし女達の治療で抜き取ったダメージの概念をキラエイトに送り込んだ。キラエイトは血を吐き、白目をむいて気絶した。

 

 この頃、SEEDの地球では、プラントに向かったザーボン達とルフィ達が戦い、ドラゴンは地球に向かっていた。息子にチャンスを与えるためと、ドラゴン自身の能力が星の中でより生きるためだった。

 ルフィ達に関しては、コロニーの中なので両者大技が使えなかった。よってスピードとパワーに優れるザーボン達が有利となった。ルフィ達は見る見るボロボロになったが、技と執念で食らいつた。そしてレイ達がやってくるまで耐えた。この時点でザーボン達もかなりダメージを負っており、てっきり仲間の増援と思ったら敵だったので、精神的にかなり堪えた。そこにルフィのギア4ガトリング、ゾロとサンジの大技が決まった。コロニーは一部壊れてしまったが、急いで修復したのでなんとかなった。ザーボン達とルフィ達は宇宙に投げ出され、ダメージと無呼吸によって気絶してしまった。が、どちらかと言うとルフィ達の勝ちな感じだった。

 

 SEEDの地球の戦闘では、始め大西洋連邦軍とオーブ軍がぶつかった。主にオーブ軍に多数の死者を出した。しかしそこで、ザーボンが到着する。初めのザーボンの攻撃で、大西洋連邦の10%近くが一瞬で壊滅する。これに対し、大西洋連邦は核ミサイルを発射。しかし途中でザーボンの気弾に破壊され、大きなダメージは通らない。この時点でオーブ軍は半分ほどになっていたが、カガリは勝利を疑わなかった。核兵器を非難する演説で士気を高めた。

 しかしそこで、戦闘区域全体に大音量で女の声が響く。

 

「私はラクス・クラインです! 双方武器を収めなさい!」

 

 さらには男の声も。

 

「俺はハラベコだ。俺達は生きているぞ。アズラエルを殺したって無駄だぜ」

 

 この声によってオーブ軍の士気が下がり、ザーボン達が不安になった。

 さらに、ここでドラゴン達の空軍が到着した。

 

「ザーボンの子等よ。お前達は騙されている。ここは一度拳を収めるのだ」

 

 そう言いながらザーボン達と戦い始めた。

 ザーボン達は、天候というか、空域全体を操るドラゴンに手も足も出なかった。何が起こっているのか、上下はどっちなのか、それすら分からずなぶられた。

 大西洋連邦とオーブは再びそれぞれ同士で戦うこととなり、当然大西洋連邦が押していく。カガリは不利を悟り、撤退することにした。自身もアカツキという機体で出撃し、敵を何機か撃墜していたが、オーブ軍は彼女を守るために必死だったので、アスハ派の軍人に死者が多かった。

 カガリはもう少しで旗艦に帰るところだった。ハッチが開き、そこ目掛けて減速していった。しかしそれを遮るように、緑色を主体としたガンダムタイプが現れる。そいつは周囲にオーロラのような物を見せ、カガリ達を惑わし、巨大なビームサーベルでオーブの旗艦に切りかかった。オーブの旗艦はものの見事に爆散した。

 

「キ、キサカー! トールー!」

 

 カガリは泣き叫ぶしかできなかった。そうしている内にオーロラのようなガンダムタイプが切りかかってきたので、種割りを発動して応戦した。

 

「このおおおおお!」

 

 しかし反射神経がよくなっても、どうにもならない機体性能の差があった。スピードもパワーも全く違う。謎のバリアーもある。反射速度さえ、徐々に相手が上回り始めた。やがてアカツキは手足をもがれ、捕まった。そこで敵パイロットの声を聞いた。

 

「なんだかんだ、自分で決めるっていうのに憧れていたんだよね」

 

 アズラエルの声だった。

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