※この作品はR-18です。

ヴィータちゃんは男友達が少ない(18禁版)   作:白翼

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ひとりででき――――

 そこから先は時には子供をあやすように。また子供に合わせるようにし、カイズはヴィータとの時間。

 

 一緒におやつを食べ、テレビを見て、本を読み聞かせて。そうして時間は優しく過ぎていった。

 

「はじめはどうなるかと思ったけど、これなら夜までもちそうだな」

 

 カイズがそう思い余裕を見せたときだ。

 

 ヴィータの体が小刻みに震えていることに、カイズはようやく気づくのだった。

 

「う、うう……」

 

「どうしたのヴィータちゃん?何だか震えてるみたいだけど」

 

ヴィータの体にカイズの指がチョンと触れる。すると彼女はビクリと体を震わせた。

 

「…………おしっこ」

 

「えっ?」

 

「ヴィータおしっこしたくなっちゃった」

 

「あ、ああ、なんだなんだ。それじゃあ早く行った方がいいよ」

 

 何かの病気だったらどうしようかと慌てていた心が落ち着く。

 

 だがヴィータが落ち着く様子はなかった。

 

「じゃあおにーちゃん一緒にきて」

 

「ああ、それはもちろ、んん」

 

「だってヴィータ一人じゃおしっこできないもん」

 

「ああ、なるほど。そういうことか。……はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 あまりにも自然に言ってくるので、思わず流しそうになってしまった。

 

「いやいやいやいや、それは無理だって。ヴィータちゃん、もう五歳なんだから一人でできるよね?」

 

「ううん。できないよ」

 

「え、あれ。一人でトイレって何歳くらいだったっけ。早くて三歳とかだった気が」

 

 だがこの状況に置いて、初トイレの平均年齢は関係ない。今ヴィータが一人でいけるか、いけないか。それだけが問題なのだ。

 

「いやいやいや、さすがにほんと無理ですって!」

 

 ヴィータの両足を持ち、おしっこをさせている。そんな姿を思い浮かべると、限りない犯罪臭がしてしまう。

 

「ねえ、おにーちゃん……」

 

「駄目!さすがにそれだけはできない!!」

 

「ひゃう!?」

 

 思った以上に大きな声が出てしまい、ヴィータはびっくりして尻餅をつく。

 

 そして――――。

 

「あ、あ、んん――――」

 

 何かを我慢するように唇を噛みしめる。だがそれはすでに遅い行為だった。

 

――――ちょろ。ちょろろろ。

 

 床にしたたる水の音。それはもちろん水漏れなどではない。ヴィータは必死になり両足をギュッとするが、流れるそれを止められずにいた。

 

 つまり、カーペットのうえでお漏らしをしてしまったのだ。

 

「あ、ああ、み、みないでおにーちゃん」

 

「え、ああ…………」

 

――――ちょろちょろちょろ。

 

 見ないでと言われても、年上の上司で恋人であるヴィータがお漏らしをしている姿から、カイズは目を離すことができなかった。

 

 さらに本当にギリギリまで我慢していたのだろう。ヴィータの放尿は一向に止まる気配はなく、軽く一分以上彼女は放心した顔でお漏らしを続けるのだった。

 

 そしてそれが終わると、カイズはようやく意識を取り戻し、放心しているヴィータに手を伸ばした。

 

「あ、あの、ヴィータさん」

 

「…………う、うう」

 

「え、あの」

 

「う、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁん」

 

 ヴィータはカイズの手を払いのけると、隠すことなく大粒の涙をこぼす。ヴィータのその姿を見て、カイズは右往左往してしまう。

 

「うわあぁぁぁぁん、わあぁぁぁぁぁん!」

 

「ま、まさかそんなに驚くなんて。ご、ごめんヴィ――――」

 

「ごめんなさい。ごめんなさい。ヴィータ、ヴィータ」

 

「ヴィータちゃん?」

 

「もう五歳なのに、それなのにお漏らししちゃって。はやてにきっと怒られるよ。それにおにーちゃんにも嫌われちゃったよおぉぉぉぉ!」

 

 スンスンと涙を流すヴィータ。だがそれは驚かせた自分への避難ではなく、ヴィータがはやてや自分から嫌われたという思いからであった。

 

 涙を流すヴィータの姿を見て、カイズは頭を金槌で殴られたような感覚に襲われる。

 

 そして胸を締め付けられる想いと共に、自らの愚かさを呪った。

 

「俺は、いったいなにしてるんだよ。……なに大切な人のこと泣かせてるんだよ」

 

 だが過ぎ去ってしまった過ちは、今更どうにもできない。だからこそ、カイズはヴィータに近づくと彼女を強く、強く抱きしめた。

 

「おにーちゃん?だ、駄目だよ。おズボンがよごれちゃうよ」

 

「そんなことどうでもいいよ。それよりごめん。ヴィータちゃんは俺にしっか助けを求めてたのに。それなのに俺は変なことばっかり考えて、その助けに答えてあげられなくて」

 

「……おにーちゃん?ヴィータのこと怒ってないの?呆れたりしてないの?」

 

「悪いのは俺の方だよ。だからむしろ許してもらうのは俺のほうだ」

 

「で、でもでも。きっとはやてはメッて怒ると思うよ」

 

「そんなことないよ。はやてさんは優しい人だし。それにもし誰かがヴィータちゃんを怒ったとしても、俺が絶対に守るから。……だからもう泣きやんでくれないかな」

 

 もうこれ以上、最愛の人の悲しんでいる姿は見たくない。

 

 カイズはその想いを込めて、優しく、そして力強く彼女を抱きしめる。

 

 そしてそのまま彼女に口づけをしていった。

 

「ふわ。お、おにーちゃん」

 

「だ、駄目だったかな?」

 

 ヴィータはぱちぱちと瞬きする。そして瞳に貯まった涙を自らぬぐい去ると、満面の笑みを彼に見せた。

 

「ううん。だってヴィータとおにーちゃんは恋人同士だもんね。どっちかっていうとね。……ヴィータ嬉しかったよ」

 

「うん、それならよかった。……でもまあどうしたものかな」

 

 お漏らしを吸い込んだカーペットは大掛かりだが洗えば済む。だがカイズの服もヴィータの服も彼女のおしっこで塗れてしまっていた。

 

 さらに言えばヴィータのいまの不快感はカイズの比ではないだろう。

 

 着替えさせるにしても、このままさせていいものだろうか?

 

 そんな彼の思いが通じたのか。はたまた彼女もそう思っていたのか。

 

 ヴィータはカイズの服の裾をちょんちょんと引っ張ると、小さく呟いた。

 

「ね、ねえおにーちゃん」

 

「ん、どうしたのヴィータちゃん?」

 

「あ、あのね。……ヴィータと一緒にお風呂入ろう」

 

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