そこからヴィータはどこかギクシャクしてしまった。アトラクション事態は楽しみ、移動中はそれの感想を。そしていざ長い行列に並び出すと、いうに言い出せず、沈黙を保ってしまう。
そして楽しい時間というものはあっというまなのだと、ヴィータはその身を持って体感した。
「ヴィータさん。もうすぐパレードが始まりますし、広場に移動しましょうか」
「…………あっ、ああ。うん」
己のふがいなさに、うまく思考が回らない。このままパレードに行ってしまったら、それこそもうタイミングがないのでは。そんな考えが頭をよぎる。すると待機中のデバイスが突然震えだした。
「すまねえ、ちょっとメールみたいだ」
こんな時に誰だろうと、中身を確認する。するとそこにははやてからのメッセージが書かれていた。
【パレードもいいけど、カップルちゅうもんは締めには観覧車に乗るもんやで】
「観覧、車――――」
その言葉と共に頭上を見上げる。そしてそこにあるジェットコースターと双璧を張るアトラクション。巨大観覧車が目の前にあった。
「ヴィータさん観覧車に乗りたかったんですか?それなら今がチャンスですよ。みんなパレードに向かって、空いてますしね」
「お、おお」
自身の意志ではないからか。どちらかというと、パレードの方がみたかったヴィータは空返事のまま観覧車に向かう。
だがそんな思いとは裏腹に、観覧車の窓から見える景色にヴィータは思わず目を奪われた。
「すげえぞカイズ。ほら、ここからならパレードが全部眺められるぞ」
眼前に広がる無数の光。動き出す乗り物。踊り出すマスコットやそれにフラッシュを向けるお客。それら全てが一つのパレードであるかのように、本当に美しいものだった。
「おー、おー、すごいぞ。ランドのメンバーはみんないろんな格好してるし、ほかの客も売店で耳のカチューシャとか買ってるから、もう本当に別の国にいるみたいだな。ほらカイズ見てみろよ。あそこの客、筋肉質な体のくせにはしゃぎすぎて、耳は五個つけてるは、おみやげは十個近く持ってるは、ポップコーンも両手に持ってるぞ」
「まあ老若男女問わず、人を童心に返してくれる国ですからね。どのへんですか?」
カイズは身を乗り出すと、ヴィータの座っている席に移動する。その瞬間、ぶつかり合う肩と肩を見て、ヴィータは頬を染めた。
いやいやいや。ここで恥ずかしがってる場合じゃねえ。もうチャンスはここしかないんだ。バシッと決めないと。
決意と共にヴィータはカイズが座っていた席に座り直す。
「よし、カイズ。ちょっとそこに座ってくれ」
「はい?もう座ってますけど」
「そうじゃなくて、こっちを向けって言ってるんだよ」
「……わかりました」
その言葉に少しだけカイズは寂しそうな顔を見せる。だがそんな彼に気づくことなく、ヴィータは大きく深呼吸をすると、心を落ち着かせていく。
何も心配することなんてねえ。ここにはあたしとカイズしかいないし、ただ好きだって伝えるだけでいいんだ。
「あ、あのよ。今日ずっと言いたいと思ってたことがあったんだ」
「……なんでしょうか」
「そ、そのな。私は、その、カ、カイズの、その――――」
たった一言。時間にすれば一秒で済むことなのに、それでも言葉に出すことができない。
自分は言語障害にでも陥ってしまったのか。その言葉は結局声になることはなく、ヴィータはまた俯いてしまう。
そんな彼女を見て、カイズは頭を下げた。
「すみませんでしたヴィータさん」
「えっ、なに言ってるんだよ?」
「いえ。やっぱり初デートでいきなり遊園地っていうのはハードルが高かったんですかね。何だか少し時間を持て余したこともありましたし」
「時間なんて持て余してねえよ。私は今日十分すぎるほど面白かったぞ!」
きっぱりと否定するヴィータ。だがカイズは寂しそうに首を振る。
「いいんですよ無理しなくて。だってヴィータさん。アトラクションに並んでるときとか、お昼の時とか、会話がなくなるとずっと下を向いてたじゃないですか。だからその、無理させちゃってたんじゃないかって」
「そ、それは」
それはお前に好きだって言おうとしたからだ。
そう言葉にできればどれだけ楽だったろうか。だがそれを言うことは、同時にカイズを好きだと言えないということでカイズを傷つけてしまうのではないだろうか。
早る心と焦る心が、ヴィータの動悸をどうしよもなく高鳴らせた。
「今日はすみませんでした。でも俺、ヴィータさんのことが大好きなんです。だから、今度はもっとしっかりデートプラン考えてくるんで、その――――ヴィータさん!?」
謝罪の言葉がそこで止まる。だがヴィータは止めることができない。彼女は目から涙をこぼしながら、ギュッと下唇を噛んでいた。
「ど、どうしたんですかヴィータさん。お腹でも痛くなったんですか、それとも―――――」
「…………勘違いするなよ」
「えっ」
「私も今日はすごく楽しかったんだ。それにな」
言葉を切ると、ヴィータはカイズを抱きしめ。そして――――そのまま唇を交わした。
それはたった五秒の出来事。だが今日一日分の愛情を込めたそれは、何分にも、何十分にも感じられた。
やがて、ヴィータのほうから顔を離すと、彼女は頬を真っ赤に染めながら、カイズを見つめる。
「ヴィ、ヴィータさん?」
「これでわかったか。私だってカイズのことが大好きなんだよ。好きで好きで堪らないんだ!だけど何か変なんだ」
「変って、何がです」
「ただ好きって言うだけなのに、カイズの前だと心臓がバクバク鳴るし、すぐ顔が赤くなって言葉に出せないんだ。そ、それによ。今までこんな状態の経験なんてなくて、どうしてこんなふうになるのか見当もつかねえんだよ」
「本当に、そう、なんですか?」
「こんなことで嘘ついてどうするんだよ。だ、だから安心していいぞ。あたしは、お前のこと、す、す、好きだからよ」
プシューと頭から湯気がでそうになる。それくらい羞恥で顔を赤くするヴィータ。そんな彼女を見て、カイズはその場にぐったりする。
「はあぁぁぁぁぁっ、よかったー」
「お、おお?どうしたんだよ」
「いや、だって今日一日中ヴィータさんが難しそうな顔をしてたから、デートがつまらないのか、それこそ俺と付き合ったことを後悔してるのかって、そんなことばっかり考えちゃって」
「後悔してるって、そんなことないぞ!」
「いやでもそう思っちゃいますって。はぁー、一安心した」
嘘も誇張もなく、心の底から安心したのだろう。カイズがほんの少しだけ、涙目になっている姿を見ると、ヴィータはうっとたじろいでしまう。
「ま、まあ今日一日のことはあたしが悪かった。だ、だからよ。何かしてほしいことがあったら、その、言ってくれても構わないぞ」
「何かしてほしいことって、そんな俺はヴィータさんがいるだけで――――」
「だあぁぁぁぁっ、私の気が収まらないから何か言えっていってるんだよ。いいぞ、この場でひっぱたいても、今日のデート費全部払えって言っても」
これだけ心配させてしまったのだ。むしろそれくらいするほうが平等であろう。ヴィータは大人の余裕を見せつけるが如く、胸を張って見せる。
別にいいですよ。カイズは改まってそう言葉にしようとする。だが赤くなっているヴィータを見ると、少しのイタズラ心が顔を出した。
「やってほしいことが決まりました」
「おう。何でも言っていいぞ」
「だったら俺がいいっていうまで、俺のことを好きだって言い続けてください」
「なんだよ、そのくらい。……えっ?」
あまりのことに、一瞬思考が止まる。
「お、お前今までの話聞いてよな」
「はい。だからこれからのことを考えて、ヴィータさんには好きだって言う練習をしてもらおうと思いまして」
「だ、駄目だ、駄目だ。その願いは却下だ」
「でもヴィータさん何でもいいって言ってましたよね」
「そ、それはそうだけどよ」
「それに俺、さっきヴィータさんに初めて好きって言ってもらえて本当に嬉しかったんですよ。だから、もっと言って欲しいなって。……駄目でしょうか?」
ジッとヴィータのことを見つめる真っ直ぐな瞳。そんな真面目な顔をされると、どれだけ期待されているかが嫌でも理解できた。
「…………わ、わかったよ」
「ありがとうございますヴィータさん。それじゃあお願いします」
「あ、あたしは、その。えっと」
恥ずかしそうに両人差し指をぐるぐるさせる。だが一度口にできたからか、二度目は先ほどまでの苦労はなかった。
「カイズのことが、好きだ」
「もう一回お願いします」
「だ、だからあたしはカイズのことが好きだ。大好きなんだよ」
「もう一回、今度はもっと大きな声で」
「あ、あたしはお前のことがす、ん、んん!?」
突然交わされる口づけに、ヴィータの言葉が止まる。
「い、いきなり何するんだよ」
「ほら、まだ俺はいいって言ってませんよ。続けてください」
そう命令を下すと、再び顔を近づけていく。
「だからあたしはお前のことが好きで、好きで、ん、んんー、ちゅき、ちゅき、ジュル、あっ、大好き、大好きっ」
重ねるだけのキスではない。侵入してくる舌と絡まり合う粘膜に果たしてうまく声を出せているのだろうか。
ヴィータはもう何も考えられずに、カイズの舌に自身の舌を絡ませる。
「ん、んん。ちゅ、あ、ん。ちゅきなんだよ」
「はい。ありがとうございました」
ゆっくりと唇を離すと、二人の唾液が糸を引き合う。このままでは下に落ちてしまう。ヴィータはカイズに抱きつくと、再び唇を重ねる。
ズズッと音を立て唾液を飲み込むと、ヴィータは不思議そうな顔をした。
「お前の唾液って何だか甘い味がするんだな」
「それはさっきアイスクリームを食べたからですよ。その証拠にほら」
カイズもまたヴィータの口内を舐めとると、ゴクリと唾液を飲む。
「ほら、ヴィータさんのはチョコレート味がしますよ」
「は、恥ずかしいからやめろよな…………」
どうしてこいつは、こうも恥ずかしげもなくいろいろなことができるのだろうか。
このままでは年上としての威厳が保てなくなってしまう。ヴィータはそんな危機感を覚えると、抱きついた拍子に口以外のもう一つの感触に気がつく。
ソロソロと下に目を向ける。
「ど、どうして大きくなってるんだよ」
カイズの下半身に目を向けると、今にもズボンを突き破りそうなほど膨らんでいるのが目に付く。
「それは大好きな女の人とこんなことしてたら、なるようになりますよ」
「あたしのことが好きだから大きくなるのか?」
ヴィータは好きという単語に導かれるまま股間の膨らみに触れる。
「うっ、ヴィ、ヴィータさん!何してるんですか!!」
「え、その、何だか苦しそうだったからついな」
「そんなことされたら余計に苦しくなりますよ」
「…………やっぱりそうなんだな」
ヴィータは確信めいた顔をすると、カイズの体から離れ床に膝を突く。そして改めて彼の膨らみに手を伸ばす。
「な、何しようとしてるんですかヴィータさん!?」
「はやてやシャマルが言ってたんだ。自分の大好きな男が誰もいないところでズボンを膨らませたら、介抱してやれって」
「そ、それは間違った知識ですよ。というか、ここ観覧車の中ですよ!」
「でもまだ頂上にも達してないだろ。それともなにか?」
ヴィータは上目使いのまま、カイズを見つめる。
「私に介抱されるのは嫌ってことか?」
「そんなことありません。むしろすごくやってほし……いえ、い、いまのはその」
「もうぐだぐだ言ってるんじゃねえよ。元からお前には拒否権なんてない。それにさっきまであたしにあんなに恥ずかしい思いをさせたんだ。お前にも恥ずかしい思いさせてやるからな!」
ヴィータははやてとシャマルから教わったベルトとズボンの早外しを実行する。
「へっ、あっ」
そしてそんなカイズの情けない声と同時に、脱がされた下着。そこから弾かれるように肉棒が露わになる。
天井に向かい反り返り、血管の浮き出すそれに、ヴィータは思わず後ずさってしまう。
「す、すげえな。ズボンの中でこんなになってて、その、痛くねえのか?」
「痛いというか、ちょっと切ないと言いますか。何とも表現に苦しむ感じです」
「へぇー、男っていろいろ大変なんだな」
ビクビクとまるで何かを待つように佇む肉棒。ヴィータは人差し指を出すと、ちょんとそれに触れる。
――――ビクンッ!
「お、おお!い、いま触ったらビクってしたぞ。何だ、カイズが動かしたのか!!」
「えっと俺が動かしたといいますか、体が勝手に動いたといいますか。……えっと、あの、ツンツンするのやめてもらえませんか?」
「だって何か面白くてよ。ほら、見て見ろよ。私が触るたびに、ビクン、ビクンって。へぇー」
子供が新しい玩具を買ってもらったかのように、何度も何度も肉棒を刺激する。
年上であるが、見た目が小学生で通じる幼い体つきのヴィータ。そんな彼女がグロテスクな勃起した肉棒をつっついている姿は、端から見れば余裕で犯罪であろう。
だがそんな背徳感を抱きながらも、徐々に感じる快感にカイズの顔は険しいものになる。
「ほ、本当にそのそろそろやめてもらっていいでしょうか。何というか、このままじゃ生殺しといいますか。本当に辛いんで」
「そ、そうだな。こんなに腫れてるのに何度も触ったらさすがに痛いもんな」
「ちょっと違うんですけど。まあそういうことでお願いします」
少し名残惜しそうに指を引くヴィータ。そんな彼女を見ると、カイズはそういえばと表情を変える。
「でも意外でしたね。シャワー室では驚いてたみたいですけど、今は結構平気そうなんで」
「まああの時は突然のことだったし、あとお前の本音もまだ聞けてなかったしな。それに初めて見たときは何だか怖いってイメージがあったけど、よく見ると結構かわいい感じがするしな」
「か、かわいいですか。でもこれでも男性の平均以上の大きさはあるんですけど」
「ん?別にでかいからって全部が全部かわいくないってわけじゃないだろう。まっ、あくまでお前のだからそう感じるのかもな」
まだ遊び足りないのか。デコピンで軽く肉棒を弾く。その行為を見ると、下半身に血がさらに溜まるのをカイズは感じた。
「そ、それでしたら、あの、ちょっとこれをおさめるのを手伝って欲しいのですが」
「おう、そのためにズボン降ろしたんだからな。でもその方法はお前に教えてもらえって、はやて達何も言ってくれなかったんだよな。なぁ、どうしたらいいんだ?」
無垢な目で顔と肉棒を交互に見つめる。そんなヴィータを見て、カイズはゴクリと唾を飲み込む。
「あ、あの、その。大変失礼だと思うのですが、えっと、な、舐めて欲しいんですが」
「舐める。どこをだ?」
「そ、それは、こ、ここを…………」
怖ず怖ずといった感じで、自らの股間を指さす。ヴィータの視線がそこに移動すると、待ちわびていたかのように肉棒がビクビク動き出す。
「こ、これを舐めるのか?」
「え、いや、その。えっと、舐めてくれたら嬉しいなと言いますか、あー、やっぱり嘘です。こんなの放っておけばそのうち収まりますし、ヴィータさんのお口を汚すわけには――――」
何を自分はトチ狂ったことを言っているのか。自らの発言に脳内が暴走するカイズ。だがそんな彼の言葉とは正反対に、ヴィータは肉棒を右手の平で包んでいった。
「あっ、う、ヴィータさん?」
「別に大丈夫だ。いや、もちろんかなり勇気がいるけど、お前のおちんちんならそこまで抵抗がないというか」
「ヴィータさん!」
ガシッとヴィータの肩を掴むカイズ。彼の血走った目を見ると、ヴィータは一瞬たじろいでしまう。
「ど、どうしたんだ?」
「い、今なんて言いました?」
「えっと、別に大丈夫だって」
「そこじゃないです。その後です」
「えっ、あの、お前のおちんちんならそこまで抵抗がないかなって」
「ありがとうございますっ!」
「お、おお?」
何をそこまで喜ばす単語があったのだろうか。だがこのままお喋りをしていては、それだけで観覧車の時間が終わってしまう。ヴィータは右手を離すと、ゆっくりと顔を近づけていく。
「そ、それじゃあ舐めるぞ」
「よ、よろしくお願いします」
ヴィータは肉棒を目の前にすると、チロリと舌を出す。そしてソフトクリームの要領で、亀頭をペロリと舐めた。
「うっ、ぐうぅぅっ」
「ど、どうしたんだよ。痛いのか?」
「いえ、そうじゃなくて。それよりももっと続けてください」
「お、おう、わかった」
ヴィータは突き出した舌でさらに亀頭を、そして茎の部分を舐める。
「あっ、うっ」
「やっぱりあたしのやり方が間違ってるのか。そうなんだろう」
「いえ、これは気持ちよすぎて悶えてるだけです」
「で、でもよー」
「えっと、それだったら、口でくわえてくれませんか。その方がもっと気持ちよくなるんで」
切なげな表情でそう訴えるカイズ。そんな彼と肉棒の太さを見比べると、ヴィータは勢いよくそれを口に含んだ。
「ん、んん、んー!」
だが小さな口のヴィータにその全てが収まるはずもなく。半分ほど口に含むと、一度口を離してしまう。
「ぶっ、こほ、こほ。大きすぎて口の中に入りきらないぞ」
「だったら入るところまででいいんで。その、口の中に入れたら、そのまま舌で舐めてくれるとありがたいです」
「なかなか注文が多いんだな。……よしっ、それじゃあもう一度いくぞ」
再チャレンジと肉棒をふくむヴィータ。だが先ほど体感したように、やはり全ては飲み込めない。半分の手前ほどで進行を止めると、亀頭を中心に舌を這わせる。
小さな密室のなか、クチュクチュと湿っぽい音が鳴り響く。その音を聞くたびに、二人は感情の高ぶりを感じる。
――――ビクンッ!
「ん、んー!い、いひなりうごかちゅな。ひっくりしゅるだろう!!」
「す、すみません。でもここの制御は自分でできないと言いますか。なんと言いますか」
「しょういえば、しょうだったひゃな。うー、じゃあがんひゃるぞ」
肉棒をくわえたまま会話をする。そんなもどかしい快感と光景に、カイズの腰にブルッと震えが走った。
その間にも、カイズに気持ちよくなって欲しい一心で、ヴィータは肉棒にむしゃぶりついた。
「ん、んん、んー。ジュル、ズズ。どうひゃ、ひもひいか?」
「は、はい。というか、あ、や、やばいです。そろそろ、で、でます」
「でりゅ?扉はまだ閉まっへりゅぞ??」
「そうじゃなくて、あっ、うっ!」
このままでは口内に全て吐き出してしまう。先ほどむせていたヴィータを思い出すと、このままではまずいと一気に肉棒を引き出す。
だが同時に閉じられたままの唇の感触が、最後の引き金となっていった。
「がっ、はっ!」
「えっ?ふあっ!」
――――ビュ、ビュビュ、ドビュ!
驚きの声と同時に痙攣を起こす肉棒。そして今までため込んでいたものを全て放つように、白い液体がヴィータの顔や、髪の毛に遠慮なくかけられていく。
「や、やばいです。気持ちよすぎて、全然止まらない……」
さらに勢いよく放たれる精子。ヴィータはほっぺたに感じる熱い感覚に思わず目を丸くしてしまう。
「な、な、何だ。何なんだこれ!?わ、私が何か間違ったのか!?」
「い、いえ。気持ちよくて、そのイっただけです」
「イった?それっておちんちんから白いおしっこを出すことなのか?」
「はい、そうなんです」
「へぇ~、これがそうなんだな」
物珍しげな顔で、精液で汚れた髪や肉棒を見つめるヴィータ。そんな彼女を見て、カイズは頭を下げる。
「そ、それとすみません。ずっと出してなくて、その、溜まってまして」
試験があるからと、ずっと自慰行為をしなかったのがいけなかったのだろう。自身でもどん引きするほどに、ヴィータの顔を汚した精液をみて、カイズはおろおろと慌ててしまう。
――――チュー。
「なっ、うわっ!」
だが尿道で何かが吸い出される感覚がすると、気持ちよさのあまりに腰が引けてしまった。
「ヴィ、ヴィータさん。なにしてるんですか!?」
「えっ、だってこのままじゃおちんちんが汚れててズボンはけないだろ。だから綺麗にしたほうがいいかなって思って」
――――ジュー。
「や、やばい、それ以上はやばいですってヴィータさん!」
先ほどよりも強い吸引を感じると、いったばかりの肉棒がピクピクと動き出す。
「いや、だけどこのままじゃ汚いだろ?」
吐き出された精液で顔と髪の毛を汚されながらも、ヴィータはさも当たり前のような表情をする。そしてそのままもう一度尿道から精液を吸い出そうとした。だがその甘い誘惑を断ち切ると、ガバッとヴィータを離していった。
「俺のことよりも、自分自身の格好を気にしてくださいよ!いや、全部俺のせいなんですけど、このままじゃ!」
とてつもなく危ないです。そう言葉を続けようとしたが、扉の外で金属が擦れる音が聞こえると、ピシリと体が止まる。
「はい、お疲れさまでし……どうしたんですか?」
「い、いえ何でもないです」
「でもそちらのお客様、顔がジャケットでぐるぐる巻きに」
「いえ、突然顔が寒くなっただけなんで何でもありません!そ、それでは」
「は、はぁ?」
カイズは逃げるように観覧車から降りると、ジャケットで顔を隠したヴィータを担ぎ、一目散に走り出していくのだった。