「あ、ヴィータ。昨日ぶりだね」
「おっ、テスタロッサか。一緒にお昼でもいくか」
「うん。行こう」
今日はヴィータのほうから誘われると、フェイトは彼女に近づく。
「あっ」
フェイトは自身の胸が揺れていることに気づく。だがヴィータの表情には焦りや嫉妬は見えないのをみてホッとした。
二人は昨日と同じ席に座ると、フェイトは嬉しそうに口を開く。
「その様子だと昨日はうまくいったみたいだね」
「おう。テスタロッサの言葉を思い出して、あたしらしく全力で頑張っていったぜ」
「うん。よかった、よかった」
「そうだ。テスタロッサには随分世話になったから、いいこと教えてやるよ」
「へぇー、何だろう?」
満面の笑みのヴィータを見ると、フェイトもまた笑顔を浮かべる。ヴィータはフォークをその場におくと、自身の経験を口にした。
「知ってるか。彼氏に胸をイジられるとなんかビリビリーってしたのが体に走るんだぜ」
――――ピシリ。
ヴィータの一言にフェイトの顔が。そして食堂の空気が凍り付く。
だが周りの変化にヴィータは気づいていないのだろう。無邪気な顔で自身の胸を指をさし話を続ける。
「あのあと自分でも触ってみたんだけど、やっぱりなんか違うんだよなー」
「ちょ、ちょっとヴィータ!」
フェイトは声を上げてヴィータの言葉を遮ろうとする。だが特に気にしている様子もなくヴィータは思ったことを喋り続けていくのだった。
「あたしのちっちゃい胸でビリビリーってくるんだから、きっとテスタロッサのでかい胸じゃバリバリーってくるんじゃないか」
「―――――ッ!」
話の矛先が自身に向けられるとフェイトはとっさに隠すように胸を押さえる。
だが時すでに遅し。食堂の男たちの視線が彼女の胸に向けられているのは、きっと彼女の勘違いではないであろう。だが周りを気にすることなく、ヴィータは話を続ける。
「それに胸だけじゃなくて、ちくび―――――」
「ヴィータストップ、ストップ!ここは公共の場だって!!」
これ以上は本当にいけない。フェイトはあたり一面に響き渡る声で、ヴィータの声をかき消していく。
「お、おい、ちょっと待てよ。まだ話は終わってないぞ」
「わかった。わかったから、とにかく一緒に来て」
ヴィータはフェイトに手を捕まれると、そのまま席を立ち上がらされる。
フェイトは頬を真っ赤にすると、顔をうつむかせ食堂から走り抜けていくのだった。ヴィータは訳が分からないと頭に疑問符を浮かべながら、フェイトに引っ張られるままついていくのだった。