※この作品はR-18です。

パラダイス・ロスト Birth of UNKNOWN   作:さみに

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うーん。こう、何となく違うなあと思う展開になりそうです。
しかしオルフェノクとは一体…うごご。原作無視ってレベルじゃありません。


寄生

「先生、先生っ」

 

ふと声をかけられて、意識が覚醒する。

場所は……教室。時間は、昼休み……?

そうだ、自分は担任の教室で昼食を取っていて、今は学校で…周囲に居るのは生徒。

何だったんだろう、何かを忘れているような気がして、もどかしい。

でも、それもすぐに靄のように消え去って、思い出すことも不可能なほどに有耶無耶になってしまった。

 

「先生、生徒が起きてるのに寝ちゃ駄目ですよー。」

「しっかりしてくださいねー、華先生ちゃん。」

 

生徒からのからかいの言葉に苦笑をしながら適当に相槌を打つ。

私、五十嵐華(いがらし はな)は自作の弁当に視線を落とし、食事を再開した。

午後の授業もあるというのに、なんとも情けない様を晒してしまった。日頃の疲労が溜まっているのだろうか。

普段から生徒との距離が近いのもあって、余計からかわれがちなのだから気を付けなければ。

気合を入れる意味を込めて頬を叩き、昼食を口の中に放り込んでいった――

 

 

 

 

午後の授業は問題も滞りも無く終了し、放課後。

ホームルームを済ませた後は、クラスの生徒との挨拶もそこそこに顧問を担当しているバスケットボール部の活動へと向かう。

僅かに朱色の混ざり始めた空を横目に、シューズが床を擦る音の鳴り響く体育館の扉を開く。

中では卓球部やバレー部も同じく額に汗かき、青春を楽しんでいる。

バスケ部員に集合をかけ、部員それぞれと挨拶を交わす。礼に始まり礼に終わる、作法に則った活動を心掛けるのが自分のモットーだ。

今日の練習を指示した後は一度解散、その後はマネージャーと一緒に備品の整理などの雑用。

 

「それじゃあ、今日も頑張りましょ、紗良ちゃん。」

「はい、華先生。」

 

この部にはメインの試合に出る選手以外の部員は少なく、マネージャーも一人しか居ない。

細身の女の子一人に任せるにしては少し荷が重い。

目の前の少女、久我紗良(くが さら)に微笑みかけながら二人で部室へと向かっていった。

 

扉を開ければ、中は普段から使われているはずなのに埃っぽくて、少し咳き込んでしまう。

この匂いが、嫌いといえば嫌いで好きといえば好きだった。伝えにくいのだが、どちらにも揺れ動くような好みなのだ。

今日の作業はというとユニフォームの洗濯、ボールや部屋の清掃。基本的に変わらない作業となっている。

此処、私立栄開高等学園は流石の私立高ともあって洗濯機が支給されているのだが、濡れた服というのは存外重たい。

部室のドアの前に吊るしてあるポールも少し背が高いせいで紗良には苦になっている。

そういう作業の時には自分の出番というわけだった。

 

 

 

――――一時間半ほど経った頃、夕陽が窓に差し込むような時間帯。

 

風に揺られてはためくユニフォームを眺めて出来映えに数度頷く。

いい大人ともあれば、これくらいは出来なければ情けないものなのだが。

ドアを開いて部室に入れば、紗良も一段落着いたようで、椅子に座って水筒を傾けていた。

後ろ手にドアを閉めて、隣に腰かける。

 

「お疲れ様、紗良ちゃん。」

「はい。いつもありがとうございます、華先生。」

「ううん、気にしないで。私が好きでやってるの、それに顧問だから。」

「いえ、本当に助かってますから。他の部員の子も手伝ってくれる時はありますけど、先生みたいにいつもじゃなくて。」

「それはしょうがないね。選手はやっぱり練習が一番、自分の備品くらいは自分で整備してほしいけど、これだけは。」

「ふふふ、そうですね。私もちゃんと皆のサポートしないと、マネージャー失格です。」

「そこまで言わなくても大丈夫だと思うけど…真面目だね、紗良ちゃんは。」

 

隣の席に腰かけている、健気な少女の頭を静かに撫でる。

労うように優しく、髪を梳きすかすように。

―――びゅる。びちゃ。

 

「え?」

「え?」

 

変な音がした。水が壁にぶつかるような音だった。

音のした方に視線を向ける。上、天井からのはずだ。

そこには灰色の粘液がべっとりと張り付いていた。もちろん、紗良はそんなものを使って掃除をしていない。

ではどこから出たのか。視界を一瞬通り過ぎて行ったとき、どういう通り道だったのか。元を辿り、視線を下げた。

 

自(・)分(・)の(・)衣(・)服(・)を(・)突(・)き(・)抜(・)け(・)て(・)、(・)灰(・)色(・)の(・)肉(・)棒(・)が(・)突(・)然(・)そ(・)こ(・)に(・)生(・)え(・)て(・)い(・)た(・)。(・)先(・)端(・)か(・)ら(・)は(・)、(・)灰(・)色(・)の(・)粘(・)液(・)が(・)溢(・)れ(・)出(・)て(・)い(・)る(・)。(・)

 

びゅる、びゅるる、びゅ、るるるるるる……!

一度認識した途端、粘液は爆発するかの如く噴き出していく。事態を飲み込めないままに、意志に関係無く溢れるそれに、二人は呆気に取られていた。

更に、華の胸の中心に奇妙な紋章の刻印されたエンブレムが浮かび上がっていく。

【挿絵表示】

 

噴水のように床に落ち、天井に付着していく粘液が、その出現に呼応して華の身体に向かって集合する。

目を見開いたままの紗良を残して、そこに在ったのは灰一色に染め上げられた華の像――の形をした繭だ。

【挿絵表示】

 

何が起こったのか。

さっきまで隣に座って、話をしていた先生は一体どうしてしまったのか。

 

「せん、せい…?」

 

どうにか、ようやく絞り出したであろう教え子の声。数舜の間を置いて、ぴしり、と繭が軋む。

明らかに紗良の声に反応していた。

 

「先生…先生、先生!」

 

ピシッ。ばきっ、びしびしびし…!

罅割れる。女の像が砕けていく。

真鍮色の輝きが割れ目から漏れ出て、室内を淡く照らし始め――一気に内側から崩壊する。

 

「――――。」

 

中から現れたのは、華とは似ても似つかない女だった。

身長は百八十はあるだろう、決して華も背が低いわけでは無いが、それにしても差がある。

女性としての凹凸に優れ、特に胸部に至っては柔らかそうに呼吸に合わせて弾んでいる。臍は括れ、熟れた果実のような尻肉、太腿はむちむちとした肉感を視覚に伝えていた。

髪は長く、薄い水色で絹糸のように美しい。瞳は宝石のような金色の輝きを湛えて、目の前の少女を見つめる。

【挿絵表示】

 

言葉にならない音を口から漏らしながら首を傾げる女を、紗良は戸惑いの視線でもって迎えた。

 

「あ、あなた、は。先生…先生は、どこに、…?」

「―――♪」

「ひゃ、わっ。」

 

女は質問の内容を聞いてすらいないとばかりに紗良を抱き締めた。

一糸纏わぬ女性の裸体に包まれながら、脊髄反射的に赤面する紗良を尻目に、満面の笑みで女は笑う。

――再び開いたその瞳には、真鍮色へと変じていた。次いで、露な裸身全てに黒い模様が奔っていく。

 

女の全てが再度灰を被る。

背丈はほぼ変わらないまま、豪奢なドレス状の装飾が応現していく。

花弁の形状を模したフリルがそれらをあしらい、元から母性の象徴のような肢体は更に豊かな実りと健康的な肉体美を併せて強くしていく。

花束を思わせるような襟の装飾に、顔面部は咲き誇る花々が彩りを添えている。髪はベールに似た布飾りで覆われていき、宝玉が散りばめられていた。更に首元には花を思わせるネックレスが形成される。身体に散りばめられた装飾全てが王族のそれと見紛う程に豪奢だった。

ただ、灰一色に染められているという事を除けば。

子宮の上、下腹部にあたる部位に身体を細く締めるようにリングが形成され、その前面部に先程華の胸部に現れていたものと同じエンブレムが嵌められたところで、変化が終了した。

【挿絵表示】

 

紗良が反応する前に、怪人が動く。顔面部の花々から触手が伸びて薄く開いた紗良の口に飛び込むと、瞬く間に心臓に到達してその先端を突き刺した。

何かが、その触手から注ぎ込まれているのだということを理解して、身体が炎に焼かれていることに気付いた時には既に紗良の命は終わっていた。

脱力した少女の遺体を両腕で抱きながら、怪人は元の女の姿に戻る。未だ上を向いたままの灰色の肉棒が再び嘶きを始め、粘液を噴き上げ始めると、女と紗良の身体に付着して繭を形成し始めた。

女が出現した時とは逆に、やがて繭が内側から崩れ落ちると中から今度は華が現れる。先程までの事など全く記憶に残ってもいない様子で、それどころか共に作業をしていた少女のことすら記憶から消え失せているようだった。

覚束ない足取りで立ち上がり、瞳の光を失った状態で部室から出ると、体育館にも戻ることなく何処かへと歩き去っていく。後に残されたのは、繭を形成していた灰の山だけだった。




という訳です。どういう訳でしょう。
一体どうなってしまうんでしょうね。
新キャラの設定を置いて、後はご想像にお任せします。


◆五十嵐 華(いがらし はな)
身長:168cm 体重:55kg 年齢:27 3サイズ:78-60-80

私立栄開高等学園一年四組担任。日本史教諭。バスケ部顧問。
細身で比較的長身、スポーツはそれなりに。真面目だが堅物過ぎず、かといって軟派でもない、生徒から見れば友達みたいな先生。
自炊しており、料理の腕前も平均の少し上くらいにはある。それもあってお弁当は同僚の教師や生徒からちょっと人気で偶におかずをせびられることもあるとか。

祢子によって強姦された上で使徒再生を施された結果、特異な個体として覚醒する。

◆謎の女
身長:183cm 体重:69kg 3サイズ:102-68-105

華が変化した繭から誕生した女。正体は祢子の精液とオルフェノクエネルギーによって華の命と卵子を材料に生成された娘というべき存在。
華は彼女にとってのガワであり、オルフェノクの姿を隠す人間態を更に隠す為の隠れ蓑。
生後間もない為、言葉も碌に喋ることができないが、祢子から植え付けられた『母性の象徴』がそのまま身体と精神性に宿った結果、このスタイルとなった。
備えられた灰色の肉棒は現状変化のみに使われるが、今後の成長次第で機能拡大が起こるかもしれない。
オルフェノクとしての本能は失われず、人間を襲おうという意思があれば華の身体を乗っ取り自身を誕生させる。本編の行動は正にそれ。

◆フラワーオルフェノク
身長:215cm 体重:170kg

花の特質を備えたオルフェノク。特に固定の種をモチーフとしておらず、身体の各部には様々な花の意匠を持ち、四季によって姿が変わるという。
ドレスのような服装、宝石を散りばめたベール、首元のネックレスなどは正に王族の出で立ちであり、ロングスカートは足も隠されるほどに長い。
髪にあたる部位や裾、袖から触手を伸ばして使徒再生する。また、口からもオルフェノクとして標準装備の触手を伸ばせる。
人間態の時と同じく包容力に優れており、香りなどで獲物をリラックスさせたりして包容力に秀でている。
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