※この作品はR-18です。

パラダイス・ロスト Birth of UNKNOWN   作:さみに

8 / 18
はい、また酷い様子です。
※今度は若干グロ方向に向かっているのでやっぱり閲覧注意です!※

わからなかったじゃ済みませんので、ちゃんとここ見ておいてくださいね?


Dream

 

―――見慣れた天井。

 

 

目を覚ました戸田若菜の目に飛び込んできたのは、普段と変わらない光景だった。

気分が悪い、寝覚めは最悪だ。

酷く悪い夢を見ていた気がするが、内容が全く思い出せない。

ただ、寝汗で身体中がびっしょり濡れていて、肌に纏わりつくパジャマの感触が気持ち悪い。

いくらプールで泳ぐといっても、部活の前にシャワーが浴びたかった。

季節は夏、きっと学校まで辿り着いた頃にはまた汗だくになっているだろうけれど、それでも、まずは気分を入れ換えたい。

着替えを箪笥から取り出して小脇に抱えつつ、風呂場へと向かった。

 

 

汗を流し終えて身支度を済ませると、自慢のポニーテールを揺らしながら家を出る。

予想通りの真夏日よりにうんざりしつつも、泳ぐことを考えればそれも随分和らぐ。

彼女は昔から泳ぐことが大好きだった。

 

小さい頃に連れられた水族館、その大きな水槽の中を泳ぐ魚たちを見て、自分もああいう風になれたらと思い水泳を習い始めたのだ。

好きこそ物の上手なれ、喜びと楽しさを糧に泳ぎ続けた彼女はその才覚を伸ばし、小学生の時にはいくつもの大会で記録を打ち立てるほどになった。

年齢を重ね、中学・高校と進学する内にも才能を日々の修練と努力で磨き続け、高校初めての夏では多くの予想を上回り、全国二位の座に輝いている。

高校水泳の世界にて一躍有名選手となったが、彼女にとっては二位であったことが不服だった。

無論、相手は全国区の選手であり、その試合のレコードは若菜と相手の両方が旧日本記録を上回っているほどで、関係者達は期待のホープに胸躍らせるほどであった。

だが、若菜は違った。大好きな水泳で、初めて負けたのだ。自分よりも早い人間が居たという事実は衝撃的だったが、それ以上に負けたということの方が遥かに大事だった。

それからは、水泳部に入ってから一度もまともに受けなかった監督からの指示をよく聞く様になった。同じ部員に話を聞き、自分の泳ぎ方を見つめ直した。

 

入部当初はその才覚故にどこか孤独だった彼女も、その甲斐あってか一年経った今では他の部員や顧問とも良好な関係を構築している。

校門をくぐり、屋内プールへと向かう。靴箱を見ればどうやら既に他の部員も来ているらしい。

更衣室に入って自分のロッカーにバッグを置き、道中で流した汗をタオルで拭き取っていると先輩達が入ってきた。

他の部員と同じように若菜も軽く会釈をして、ようやく競泳水着に着替え始める。

 

白のカッターシャツに青のプリーツスカートという平々凡々な学校指定の制服を身に纏っているものの、彼女にはそれらの生地を押し上げる豊かな双丘と美尻があった。

ボタンを全て外し、前が開かれたシャツの間からは見事な谷間と、それを形作る稜線がはっきりと見て取れる。

隣に居る同学年の部員からは恨めしげに―ご丁寧に舌打ちつきだ―、後輩からは羨ましそうに、先輩からは生唾を飲み込まれながらと三種三様の視線が突き刺さる。

別にそこまで気にしたことは無いがたまに揉まれたりするので少し困っていた、これが悠乃ならまだ別に……

 

「…悠乃?」

 

そういえば彼女のことをすっかり忘れていた。

まるで最初から知らなかったかのように、記憶が抜け落ちていた。

モーニングコール、というわけではないが朝のちょっとした時間に電話で喋るのが楽しみだったのに、何故だろう?

後ろ手にホックを外し、健康的なライトグリーンに淡い白の水玉模様の入ったブラを抜き取る。弾みでたゆんと揺れ動く胸を目の端に捉えていた隣の同級生がまた舌打ちした。

同じくライトグリーンで塗られたストライプのショーツをそそくさと脱ぎ去って一糸纏わぬ姿になると、後ろからは感嘆の溜め息が聞こえてくる。何なんだろう。

バッグから取り出した競泳水着を身に纏い、瑞々しい太腿を僅かに締める生地を人差し指で直すと、更衣室を後にする。

 

 

……それにしても、今日はやけに身体の調子が良い。今まではあんなに誰かの視線をはっきり感じたり、ため息なんて聞こえなかったのに。

今日の練習は実りのあるものになりそうだ、と意気込みつつ準備運動を始めて――

 

 

『フフフ……ずーっと、見てるよ…若菜』

 

プールの入っている建物の外、そのすぐ傍にある山の中から、悠乃が…

――否、メメコレウスオルフェノクがその様子を観察していた。

木漏れ日で作られた影に青い裸身を浮かべながら、若菜に憧れを抱いていたらしい一年生の身体へ尻尾の針を突き立て、使徒再生を施している。

自らの奥底から溢れ出てくるエネルギーを注ぎ込み、相手の心臓を犯す度に下卑た感覚が背筋を奮わせてくれる。

この快感がたまらない。ただ人を殺すだけではこれほどの快楽など得られないだろう。

 

『あんた達、若菜のこと好きなんだよね?

 良かったじゃない、あんなに可愛くて素敵な若菜の姿が最期に見られるなんて幸せだよ?

 でも、若菜は渡さない。私と一緒に居てくれるって約束してくれた若菜は私だけのものなの。

 あんた達には、渡さない。絶対に渡さない。渡してやらない。

 そんな分も弁えないような奴は死んじゃえばいい。だから私が殺してあげるんだ。』

 

最後に残った一人の生徒に話しかけても、当人が既に狂ってしまっていた。

溜め息を吐く。こんな奴を殺しても何にもならない。

メメコレウスの身体に紋様が浮かび上がり、輝く。二足歩行の獣人がシルエットを変え、背にある翼を広げた四足の猛獣へと変わっていく。

装飾にしか過ぎなかった獅子が頭部に挿げ変わり、大口を開けたその次の瞬間に、放心していた女生徒をその口の中へと消してしまっていた。

骨の砕ける音、肉が潰れる音が響く。咀嚼する度に、血が口の中から溢れて垂れていく。

やがて嚥下し、既に地面にあちこち積もった灰の山を見渡してから、人間態――荒木悠乃へと姿を戻す。

 

「さて、何がどうなるかしら。楽しみだよね、若菜…♪」

 

 

       其は揺蕩う海の底――




というわけです、今回のアブノーマル要素はカニバリズム。

劇場版555で序盤にバタフライオルフェノクが出てきた後に増援で何体かオルフェノク出てきましたよね?
場面転換して広場に視点が移る前にオルフェノクに組みつかれた後に、水音っぽい音を出しながら悲鳴をあげてたシーンがあるんですけど、
あれって、多分ぼかされてるだけでそのまんまバリバリ食われてますよね?
そもそも海堂のことを考えたら思いっきり原作がやっちゃってますよね。
だからこういうことしてもいいんですきっと。そう思わないと二次創作やってられなさそうです。

■荒木 悠乃(あらき ゆの)
年齢:17 身長:162cm 体重:57kg スリーサイズ:B86/W72/H95

私立栄開高等学校に通う二年生。戸田若菜とは幼馴染で同級生、そして親友。
不運が不運を呼んだ結果、実の母親によって使徒再生を施され、再度『出産』される。
生前抱いていた感情が、疾走する本能に牽引されて暴走を始めていく。

■メメコレウスオルフェノク 格闘態
身長:235㎝ 体重:350kg

幻獣の類であるマンティコアの特質を備えたオルフェノク。
鈍重な印象を受けるが、その装甲は伊達でなく圧倒的な防御力を持ち、単純な質量兵器として凄まじい威力を誇る。
翼を備え、飛行能力を持つ。尻尾にある三叉の針には神経毒があり、獲物を麻痺させるのが主。
使徒再生の方法はオルフェノクとして標準的な口の触手の他に、尻尾の針と指の爪。
この容姿となった理由は精神的な脆さと弱さに因るところが大きく、外的要因から自分自身を守りたいという潜在意志が形になったもの。
本来のマンティコアの翼が貧弱なのに対して、こちらは大型な翼を四枚備える。翼が発達しているため空を飛べるが、それも「自分を守りたい→危害を加える相手から離れたい→同じ地上を歩けばいつかどこかで出会ってしまう、それならば空を飛べばいい」という無茶苦茶な発想からなのかもしれない。

■メメコレウスオルフェノク 猛獣態
体長:250㎝ 体重:280kg

メメコレウスの別形態。獣そのもの、マンティコアとしての特質が更に顕在化した状態。
分厚い鎧がいくつか消え去り身軽になっているため、ある程度の高速戦闘を行うことができる。
頭部の獅子の口によって捕食行動を取ることができるが、それによって使徒再生を行うことは「まだ」できない。
母親である悠子の遺伝子が今後どう作用するか、そして彼女自身がどう成長していくかで変わっていくだろう。
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