…はい、という事で本編の執筆をほったらかして番外編です
決して筆が進まないからではありませんよ
今回の番外編は、もし最初に数人が出会った存在が諏訪子以外であったらどうなっていたのか、というお話を短編式で書いてみようという形です
本編の進みが遅いせいで書きたいのに書けないキャラを優先的に書こうという企画でもあります
所謂IFものなので、本編に一切の繋がりはありません
そんな記念すべき番外編新シリーズの頭を務めるのは一体…?
もし数人を最初に見つけたのが諏訪子じゃなかったら その1
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「堕として、アヘらせて、精液でドロッドロにして、私はあなたの雌奴隷ですって言わせたい!!」
「そうか、そうか。それは楽しみだ」
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薄暗い森の中、様々な草木が生い茂る場所で数人は目を覚ました。木々の間から差し込む陽が自分を照らしている。
横たわった身体を起こすと、ツンとした木の香りが鼻を突く。下を見ると、切り株の上で寝ていたことに気付いた。
「何処だよここ…」
ゆっくりと身体を起こし、切り株に腰を掛けて辺りを見回した。
人の手入れが一切されていない森のようだ。草も木も勝手気ままに生え散らけている。しかし切り株の周りだけが不自然なことに何も生えていなくて、まるで数人を転移させる時にそこだけ空間ごと切り取られたかのようだった。
「幻想郷、なのか?」
数人は自信なさげに呟いた。
周りから得られる情報はここが鬱蒼とした森の中、という事だけ。
それでも何となく幻想郷である気がしたのは、周りの木の根本に生えている色のキツイ茸の群生を見たからだった。赤に白、青もあれば紫に黄色まである。茸素人の数人から見ても、それらが駄目な奴というのは明らかだ。
「幻想郷で森と言えば、なぁ?」
茸繋がりであの黒白魔女を思い出し、そしてそこから魔法の森を連想した。そして数人は慌てて口元をジャージの袖で塞いだ。
魔法の森は化け物茸の放出する瘴気や胞子が充満する危険な場所だ。その要素が魔力を高めるとして黒白以外にも人形遣いが住んでいたり、それに耐えられる妖怪たちの住処になっているのだ。
もう数人の中では、この場所が魔法の森で確定してしまっていた。もしかしたら違う普通の森であるかもしれないのに、心の中であの声の持ち主に文句を垂れた。
(くそっ、くそっ!、あの馬鹿!、もっと転移させるにもマシな場所を選べよ!)
あの自分の部屋に響いた謎の声。あの声の持ち主が笑ったかと思えば、自分はいつの間にか落下していて、そうしてここにいる。
(しかしどうしたもんかな。このまま誰かが助けてくれるのを待つにもいかないし)
幻想郷に異物が混入した場合、大概管理者である八雲が気付くだろう。
しかし転移してしまった場所が悪い。人里で八雲を待つのと、この森で待つのとでは安全度に大きな差がある。
自分でどうにかする他ないか。数人はそう考えて切り株から降り、そして再び座り込んだ。彼の顔には早くも不安の色が浮かび始めている。
(ここから下手に動いたら益々迷っちゃうんじゃ)
あたりを彷徨った挙句、野良妖怪に遭遇してしまっては一巻の終わりだ。仮に話せる相手だったとして、妖怪は人肉を好む連中だ。物語のように口八丁手八丁で騙せる自信もない。遭遇しないに越したことはないのだ。
数人の顔が段々青褪めていく。
ここで救助を待つのも危険。だからと言って自力で森から脱出を図るのも危険。まだ待ち続ける方が余計な体力も使わないので良いような気がするものの、数人のいる空間だけに淡く差し込む陽の光が既に暗み始めている。万が一このまま夜を迎えてしまえば更なる危険に身を晒してしまうことになる。
(静か、だな…)
自分が緊張しているのもあるだろう。森全体が無音であることがやけに身近に感じられる。木々が風に揺られる音、葉同士が擦れ合う音、小動物が蠢く音、そのどれもが一切無い。小鳥の囀りすら聞こえない。
魔法の森とはこんなにも恐ろしい森だったのか。数人の心は益々不安でいっぱいになった。
数人は悩みに悩んだ末、自分を鼓舞するように両手を膝に叩き付けた。パシンと乾いた音が森に響く。
「行こう」
このまま夜を迎えるのは余りに心寂しいし、恐ろしい。それに自分はじっとしていられない性分だと、半ば言い聞かせるようにして立ち上がる。
そしておもむろに振り返り、切り株の年輪を観察し始めた。
数人は記憶の海から年輪で方角を調べる方法を朧気に思い出したのだ。自分の命に関わることだから尚更目を皿のようにして調べ始める。確か年輪の幅の広がっている方が南だったはず、と呟きながら、わざわざ指で尺取をした。すると丁度数人の立っている方角が南であることが分かった。人は不安な気持ちになった時、他の行動に気を反らしたくなるもの。この行動が森からの脱出に何の意味も為さないと心の何処かで感じつつも、極度の不安に陥った数人はやらずにはいられなかった。
数人は自分の心を熱り立たせ、切り株に背を向けた。自分の今向いている方向は南だと、そう信じてゆっくりと歩み始めた。
「ミスティアかリグル辺りに遭遇出来れば…、或いは…」
頭の中では早くも誰かに会った場合の時を想定して、どう喋るかを考えていた。
目の前に広がる木枝や身長の高い草を掻き分けて、自分が助かる道を模索する。
「奇跡でも起きて魔理沙かアリスの家に着けばそれが一番良いけどな…」
しかし悲しいかな、数人の歩む方向は南ではなかった。
そもそも年輪から方角にアタリを付けるには、その木が平坦で陽の良く当たる場所に生えていなければならない。魔法の森のような過密地帯ではこの方法は使えないのだ。
では数人が歩いて行く方向は何処なのか。そして何故、この辺り一帯が異様に静かで生き物の気配すら感じられないのか。それらは後数人が50メートルも歩けば、理由が分かる。
ガサガサと生い茂る草木を掻き分けつつ、地面から浮き出た木の根っこを踏み締めながら、着実に歩みを進めていく。
数人は不安と戦いながら、本当はあそこでずっと待っていれば良かったのではないか、という気持ちを押し退けながら、方角を信じて進み続ける。
「イタッ」
どうやら葉っぱを押し退ける時に切ってしまったようだ。右手の甲に赤い筋が出来てしまっている。逆の手を見れば怪我こそしていないものの、それでも木枝に何度も引っかかれた痕がある。
数人の目にじんわりと涙が滲んだ。
こうなるはずでは無かったのに。転移が上手くいっていれば、今頃もう誰かには会えていたはずなのに。
最早彼の中では陵辱願望など無くなっていた。兎に角誰かに会いたい。東方プロジェクトの名のあるキャラクターに会って、寂しさをどうにかしたい。
南に行けば自分は助かるとまで思い込んで、歩みの速度が上がった。ガサガサ、ガサガサ、と掻き分け続ける。
「ぁああっ!!、でっ、出口だぁっ!!、あってた!!、あってたんだ!!!」
すると自分の背の高さ以上ある茂みの奥から、ぼんやりと光が漏れているのに気付いた。その光は橙色だ。もう夕暮れ時らしい。
数人は喜びと同時に夜から逃げるつもりで走り始めた。後ろから何者かが追ってくるかのような錯覚を伴いつつ、早く森から脱出しようとその茂みに身体をめり込ませた。
「くそっ、このっ、じゃっ、邪魔ぁっ!!」
自分が助かると分かった途端、その最後を阻む茂みに苛立ちを覚えた。
細いながらにやたらと丈夫な枝が絡み合った茂みは、中々掻き分けようにも難しい。
数人は乱暴に葉をむしり取り、枝を無理矢理折り曲げながら、光を求めて突き進んだ。段々光が強くなっていく。
ようやくここから自分の幻想郷デビューが始まるのだ。転移のミスで大変な目にあったが、ここからがスタートなのだ。不安も何も無い、屈託のない笑顔を浮かべて、最後の一歩を踏み出した。
そして。
「やったぁ~!!、森から出」
数人の身体は勢い良く前のめりに倒れた。
茂みの反対側は急な斜面になっていたのだ。
「うわぁぁぁああぁあああっ!!!!!!」
数人は迫りくる地面に慌てて身体を丸め込んだ。そのおかげで顔面を地面に叩き付けることにはならなかったが、今度は坂道をゴロゴロと転がり落ちてしまう。
「あああぁぁああああぁあぁぁァあっ!!!!!」
転がる勢いは止まらない。それは斜面を下り切っても尚、まるでボーリングの玉のように転がり続けた。
天地の反転に遠のく意識。しかし数人の頭の中ではそれでもあの魔法の森から脱出出来たことで胸が一杯だった。少なくとも1つ難が去った。人生山があれば谷があるという。難を乗り越えたということは、次に来るのは喜楽なのだ。
ようやく身体の勢いが収まると、そのままその場に寝転んだ。瞼を開いて空を見る。森の中では見えなかった空が、今では見えた。三半規管がおかしくなったせいで、雲と橙色の空が渦巻いているが、それでも数人は嬉しかった。
「はぁ、はぁ、はぁっ、くくっ、ぁあはははははっ!!!」
これからの事を思うと先の事故も楽しかった記憶に感じてしまう。高校生の自分が森を探検して、最後に斜面を転げ落ちて脱出するのだ。中々面白い経験が出来たのではないか。
そんな数人を撫でるような風が吹き抜ける。興奮で火照った身体が心地よく冷まされた。
左手が何かを触っているのに気付き、引き抜いてみる。顔に寄せるとそれは一輪の綺麗な花だった。薄赤色の綺麗な花だ。花弁は5枚、茎は生命力を感じさせる黄緑色で、香りは椿を彷彿とさせる。こんな花が一面に咲き誇っていたら、それは正しく幻想的な景色なのだろう…。
(花?)
幻想郷で、花…。
幻想郷における、花を象徴する存在…。
そんな、そんな存在は…。
「うそ、だよね?」
数人はこの時初めて、血の気が顔から引く感覚を味わった。そして身体が急に寒さを感じ始めた。頭がガンガン鳴り始め、指が震え始めた。
ゆっくり、瞳を閉じる。そんなのは有り得ない、悪い冗談に決まっているはずだ。ただの思い込みに過ぎないのだ。そう考えようとしても、早鐘を打つ心臓が阻害する。息苦しい。
身体をゆっくりと起こしていく。その際、両手の掌に感じる嫌な感触を極力意識しないようにした。
目を瞑ったまま、深呼吸を1つ。そして悪夢から目を覚まさんと、瞼を開けた。
数人は見た。見てしまった。
一面に咲き誇る色とりどりの絨毯の奥に、ひっそりと佇む洋式の一軒家を。そしてその一軒家を囲むように群生している、トレードマークの黄色の花を。
「ひぃ」
この景色をただの観光として、遠目からであれば、この土地の素晴らしさだけを見つめていられただろう。実に幻想らしい景色だと、気ままに感想を述べられただろう。
「あ、あ、あぁ、ぁぁ」
しかし。
「こ、これ、は。だ、ダメだって、最初、が、か、かのじょは、ダメだって」
今自分は何処にいるのか。
そして、どうやってここに来てしまったのか。
数人は先の体験を思い出して、苦虫を口いっぱいに頬張って噛み潰したような顔をした。
震える膝を手で抑えながら、立ち上がる。立った時自分の足元を見て絶望したが、確認しなければならないことがあるのだ。
数人は意を決して後ろを振り返った。
「あぁ…、も、もう駄目だ。終わった…、俺死ぬんだなぁ」
数人の身体から力が抜けて、崩れ落ちた。
彼の視界に映ったのは、茂みに出来た割れ目から今自分がいるところまで一直線に出来上がった、1本の道だった。自分の身体で押し潰され、薙ぎ倒された花たちが無残な姿になっていた。
「逃げる気も起きないな…」
涙は不思議と出ない。心は完全に絶望してしまったというのに、涙は出なかった。
今思えば、あの森が異様に静かだったのは、彼女の領域に誰も近寄ろうとしなかったからなのだろう。…ということはあの切り株でずっと待機しているのが一番安全だったのだ。夜を迎えたとしても、ほぼ間違いなく無事に朝を迎えることが出来たはずだ。
「…とりあえず、謝るだけ謝ろう」
許されるとは到底思えない。数えたくはないが、彼女が大切に育てたであろう花を幾本も死なせてしまったのだ。殺されても当然。死んで当然だ。
ただそれでも、自分はただ森から脱出したいその一心だったということだけは伝えたい。絶望の中で見たとはいえ、それでもこの広大な花畑を美しいと感じた。それを悪意でもって汚す気などは無い。それだけは伝えたい。貴方の育てた花は本当に美しい、と言えたら、もうそれでいい。
さっき見た時彼女の姿は無かった。もしかしたら人里とかに買い物にでも行っているのかもしれない。
待つにしても花を下に敷くのはマズイと思った数人は立ち上がった。一度、茂みの方まで戻ろう。花を踏んでいくのは忍びないが、仕方がない。数人はそう考えて、歩こうとした。
そして、肩を叩かれた。
彼女にしては、とても優しい力だった。
深夜テンションで書きました
エロは本編で楽しんでもらえたらなぁって思います
要望があれば書きますが、尋常じゃないくらいハードなプレイになると思います
いやしかし、彼女とは一体誰だったんでしょう?
幻想郷で花と言っても他に中国人とかもいますからね
誰とは言っていないからセーフです