私クリスマス大好きなんです
彼女は勿論いませんが、クリスマス独特のあの雰囲気だけで幸せに感じられるんです
なのでよく名古屋駅のイルミネーションとか1人で見てます
皆様にはサンタさんに代わり、楽しくなれる話を贈りたいと思います
注意・このお話には「血」「微グロ」表現があります
風見幽香はお手製のじょうろを使い、花壇に水を撒いていた。
白樺の皮を使って作られた木製のじょうろから、花壇に向けて小さな虹が伸びている。
空を見上げれば小さな雲と大きな雲が1つずつ、後は透き通るような青空が広がっていた。
「長閑でいいわね」
彼女は上機嫌だ。
一昨日、花を育てるのに丁度いい苗床を手に入れたのだ。種を直接土に植え込むのと、苗床である程度育たせてから植え替えるのでは、成長の速度に差が出る。それに苗床の体液を吸わせると、その方が花もより元気に瑞々しくなり、寿命が延びるのだ。
とても良い拾い物をした、と幽香は微笑んだ。
「随分と御機嫌ね。何かあったの?」
声の主は八雲紫だった。
振り返ると、庭に置いてある白い石で出来た椅子に腰掛けていた。その椅子は幽香が外で本を読む時に使うお気に入りの椅子だった。
いつも通りなら勝手に座るなと怒っていただろう。挨拶代わりに傘を薙いでいたかもしれない。しかし、今の彼女はとても満たされていた。まるで生クリームいっぱいのケーキを頬張ったかのような甘い満足感が、彼女の口かららしくない言葉を紡がせる。
「あら、いらっしゃい。珍しいじゃない、どうしたの?」
優しい声だった。
紫の手から扇子が転げ落ちる。珍しいじゃない、とはこちらの言葉だ。目を見開いた彼女は慌てて幽香に駆け寄った。
「ちょ、ちょっと!?、どうしたのよ?、幽香らしくないわ、何か悪い物でも食べたの?」
フラワーマスター風見幽香と境界の賢者八雲紫は非常に長い付き合いになる。とは言っても友人同士と呼ぶには少々難しい仲だが、であるからこそ紫は驚いた。余りにも彼女らしくない発言だったからだ。
挨拶代わりの罵倒。相槌代わりの嘲笑。ドSの権現であり、幻想郷屈指のサディストと言って過言ではない風見幽香が、紫を受け入れる発言をしたのだ。
異変なのかとすら思い込み始める紫の肩を幽香は優しく、至って優しく抱き止めた。
「何言ってるのよ。私はいつも通りじゃない。…ちょっと待ってなさいな、紅茶を持ってくるから」
「こ、紅茶ぁ?、…鳥兜とか煎じた奴じゃないわよね」
「それが良いならそれにするけど。っていうか貴方よしんばソレ飲んでも死なないでしょう」
「死ななくても、出されたら心が死ぬわよ」
「はいはい。普通の持ってくるわね」
そう言って幽香は家の中に消えていった。
それを呆然と見ていた紫は、やはり異変なのではないか、何かしらの精神操作を受けたのではないのか、と事の起こりを推理しようとした。幽香相手に精神操作を行ったとしたら敵は相当な手練である。地底の主ほどの力量があってようやく出来る技だが、あの妖怪がわざわざ約束を破ってまで幽香にちょっかいを掛ける意味が分からない。
他に考えられるとすれば侵略者だろうか。まだ幻想郷の外に妖怪はいる。今のご時世で外に住むというのは、余程の物好きか相当な妖力を蓄えた者でしか有り得ない。後者が幻想郷を侵略するつもりで入ってきて、幽香がその牙に掛けられてしまったという方がまだ考えられるが、しかしそれならそれで侵入に気付け無いはずがない。
どうして幽香は自分に異様なほど優しい言葉を掛けたのか。紫はそれを幻想郷の危機の如く感じていた。
広大な花畑に橙色の光が当たり始めると、幽香は外に干していた服を取り込んだ。
乾いた服を片手に玄関の戸を開ける。天井からぶら下がっているコードを引っ張ると、妖力を変換して光に変えるという河童謹製のライトが家の中を照らした。
彼女の家はさほど大きなものではない。玄関から入って直ぐがキッチンとリビングであり、リビングの右奥にある戸を開けた先が寝室になっている。
幽香は寝室に入ると、手に持っていた服や下着をベッドの上に放った。そしてキッチンに戻ると、夕食の準備をし始めた。
(………)
リビングの机に置いてあるすりガラス製の花瓶に、1本の花が生けてあった。花弁は5枚、色は薄赤色で椿に似た香りを放っている。
花瓶の根本を見ると、そこには白く濁ったピンク色の液体が水代わりに注がれていた。
(森に異物、ね…)
幽香は花を見ながら、昼に紫が来たことを思い出した。
賢者は魔法の森に外来の存在が認識されたことを伝えに来たのだ。しかしその反応の小ささから幻想郷を脅かすものではないと彼女は判断したらしく、緊急の案件では無いと最後に言った。
幽香はソレに対し、知らないわ、と答えた。よりにもよって幻想入りが魔法の森だなんて不幸ね、とも。
その発言を受けて紫は、なるほどそういうこと、と返した。ビクビクしながら紅茶を飲んでいたのが、突如として落ち着き出したのだから幽香はその意味が理解出来なかった。
「いただきます」
幽香は出来上がったご飯を食べながら、グラスを傾ける。
グラスの中身は花瓶の中身と同じだった。
鉄さびの香りと栗の花の香りが入り交じる強烈な液体にも関わらず、彼女はさも美味しそうに喉を鳴らした。
結局4杯もその液体を飲むと、アルコールが入っている訳でもないのに彼女の頬はほんのりと朱に染まっていた。滅多に酔わないはずの彼女の表情はとても楽しげで、今にも笑い出しそうだ。
「そろそろね」
幽香は椅子から立ち上がると、食器を片付け始めた。何故か彼女の手つきは何処か急いでいるようで、5分も立たない内に食器を棚に閉まってしまう。彼女の横顔は、玩具を前に我慢する子犬のような、そんな顔をしていた。
「…この時間がもどかしい。どうにかなってしまいそう」
テキパキと他の片付けも終わらせてしまった幽香は、玄関に向かって歩き始めた。
玄関から見て直ぐ左側、河童が作った冷蔵庫の隣にある石で出来た戸の前に立つと、1つ息を深く吐いて心を落ち着かせる。まるで恋惑うヒロインじゃない、と自分を戒めるも、逸る期待に心臓は再び早鐘を打ち始める。これでは深呼吸の意味が無いと彼女は笑いながら扉を開いた。
「本当に私は幸せ者だわ」
あの子を誰にも取られなくて良かったと思う。私が見つけることが出来て良かったと思う。
もし、あの時紫が最初に見つけていたら。もし、魔法の森から無事脱出して、他所の場所に行ってしまっていたら。
そう考えると身震いすらしてしまう。
この感情は恋愛だろうか。ただの支配欲だろうか。
幽香は体験したことのない感情に戸惑いつつ、戸の先に続く階段を降り始めた。
階段を降りきると、再び扉に対面した。この扉の先に、あの子がいる。
「今晩も、楽しみましょう」
戸を押し開けた先には、花畑があった。
地下室の広さは8畳ほどで、壁は苔石で作られている。地面には赤や青など様々な色の花が咲き誇っていて、部屋奥の壁に向かって芝生の道が続いている。壁の近くには椅子や机もあり、見た目は小さな公園のようなのだが、奥の壁が異様だった。
他の壁は薄緑色の苔で覆われた石壁なのに対して、その壁だけ濃緑の蔓がまるでカーテンのように一面を覆っていた。
幽香が近付くと、幾本もの蔓がざわざわとざわめき始める。そして彼女が両手を開くように動かすと、モーゼの海割りの如く蔓のカーテンが中央で割れた。
蔓のカーテンの奥からせり出てきたのは、蔓が人の形をしたトピアリーだった。人形の身長はは幽香より小さく、両手足を大きく広げて大の字のような姿をしている。
「こんばんは」
幽香が声を掛けた。
トピアリーがピクリと動いた。
「貴方に植えた花の種、大きくなったようだから、また抜くわね」
絡み合う蔦の奥から、うーっ、ふぅーっ、と唸るような声が聞こえた。
幽香は人形の胸辺りからピョコンと生えている、蔦とは明らかに違う、黄緑色の双葉の茎を優しく掴むと、ゆっくりと引き抜き始める。
その瞬間、トピアリーが大きく揺れ始めた。内側から聞こえるくぐもった声が更に大きくなった。
「はぁっ、ぁはっ、素敵…。素敵な声だわ、もっと、もっと聞かせて?」
幽香の引き抜く手に力が入る。
ミチ、ミチ、と何かを引き千切るような音が蔓の真ん中から聞こえ始めると、呻き声に悲痛さが混じりだした。
茎を伝って赤い雫が手を汚す。鉄さびの香りが彼女の鼻をくすぐった。
「痛い?、痛いの?、痛いわよね。痛くて当然よね。だって根が胸の中に伸びているんだもの。それが引き抜かれたら、胸の中ボロボロになってしまうわ。痛くて泣いてしまうのも仕方ないことよね」
「う゛ーぅ!!、うぅーーっ!!!!、ぉ、おぇんぁぁぃ!!、おえんああいっ!!!、おえんああいぃぃっ!!!!!」
「何を言っているのか分からないわ。ちゃっと喋ってくれないと」
幽香は嗤っていた。口角を三日月のように吊り上げて、誰にも見せたことのない満面の笑みを浮かべていた。
「ほら、ようやく根っこが見え始めたわ。あとちょっとだから我慢しましょう?、そしたらまたアレをやってあげる。気持ちいいの大好きでしょう?」
「う゛う゛お゛おお゛っ!!!、あ、あ゛あ゛あ゛っ、おお゛いえ゛っ!!!、おお゛い゛えうあ゛ああいぃぃぃいっ!!!!!!」
「殺すなんてそんな悲しい事を私にさせないで?、…貴方にはまだ498本育ててもらわないと。ね?」
「い゛い゛ぃぃぃぃっぃいいいぃあ゛あああ゛ああああああぁァあぁあぁぁっ!!!!!!!!!!!」
ブチ、ブチ、ブチ。
トピアリーの中から大絶叫が地下室に響き渡った。耳をつんざく悲鳴を幽香は天使の楽演のように聞き惚れていた。
わざと時間を掛けて引っこ抜いた幽香は、双葉を机の上に用意しておいた花瓶に入れた。長い根に絡みついていた破片や雫が花瓶の底を赤く染める。
彼女が赤くなった指を鳴らすと、蔓はもぞもぞとトピアリーの中に入るこむように蠢き始めた。引き抜いた際に作り出した傷を修復しようとしているのだ。そしてそれと同時に、人形の頭の部分に巻き付いていた蔓がするすると移動し始める。すると現れたのは泣きはらし、瞳を真っ赤にした数人の顔だった。激痛で意識が朦朧としているのだろう。瞳に光が無い。
「ぅ、ぁ」
「その顔も素敵ね。見れば見るほど好きになってしまうの。どうしてそんなに可愛いの?」
幽香は微笑みを湛えたまま、右手を振り被った。
パァァンッ!!!!
数人の頬を張った。顔を濡らしていた涙と手に付いていた血が飛び散った。
「ぅあ、ぃ、ぃ。た、すけ、て…、たすけて、くだ、さぃ」
失神していた数人が目を覚ますと、縋るように言った。
「ご、ごめん、なさ、ぃ。ごめん、なさぃ。ゆぅ、して、くだ、さい」
辿々しい口調で謝り続ける数人の両頬に幽香の手が添えられる。しばらくそうしたまま、幽香は数人の謝罪を楽しんだ。
彼女の手がゆっくり下がっていくと、数人の声に嗚咽が絡み始める。
「ひっぅ、ごべんなざいっ、ごべんなざいっ、っううぅ、ゆ、ゆうがざんの、おはなをだめにじでごべんなざいぃ!!、ぅっ、ぅえっ、やだぁっ、ぞれやだっ、や゛めっ、えあ゛ッ!!!、げぇっ!!、え゛っ、お゛ぇっ…、ぐぅぅじ、ぃぃ…」
首に彼女の指が巻き付いていた。
幽香は隠しきれない興奮を口から漏らしながら、数人の気道を優しく締め付けていく。
「だえ、か……、あえかっ、……、え゛ぉっ、あうえ、ぇ……… …ぁ、 … … …、お゛っ」
絡み付かれている身体が一際大きく震えると、数人の目が白く剥いた。ガクンガクンと頭が揺れたかと思うと、ぐったりと首が傾いた。
地下室に臭気が漂う。股間の部分に巻き付いていた蔓から精液が滲み漏れていた。
幽香は蔓を操作して漏れ出した精液を一滴残らずコップに受け取ると、指を再び鳴らした。すると開いていた蔓の壁が再び閉じ始め、数人の身体は奥深くにしまい込まれていく。
蔓が部屋に来た時と同じように1つの壁になってしまったの確認した幽香は、コップを机に置いて椅子に座り込んだ。
「素敵…」
胸から絞り出したような声だった。感無量といった所だろうか。
彼女の耳には、悲鳴と謝罪と嗚咽がしっかりと焼き付いていた。脳内で繰り返し再生するだけで、ゾクゾクとした喜びが背骨を震わせる。
彼女の手には、彼の柔らかく、温かい首の感触が染み付いていた。あの締める感触を思い出すだけで、熱い吐息が漏れ出してしまう。
風見幽香はとても上機嫌だった。花畑を駄目にされたことなど、彼の入手に比べれば安すぎるとすら考えていた。
この高揚感。この満足感。そして昂る嗜虐心。
最高に、堪らない。
「誰にも渡さないわ」
今は彼の体力の都合上これだけしかやれないが、私の妖力を注いで頑丈にしてあげればもっと虐められるだろう。
もっと、もっと、もっと虐めたい。
つんざくような悲鳴を聞きたい。泣き叫ぶ嗚咽を味わいたい。
私は数人に惚れてしまった。私は彼をもっと愛したい。
風見幽香は彼の分身である双葉を慈しむように、指で弄んだ。
感想からアイデアを頂きました
ありがとうございました
尋常じゃないなんてハードル上げた5日前の自分のせいで、こんなプレイになりました
数人が苦しんでいるセリフを書いている時、何故か自分も苦しくなって挙句むせました
マジ泣きする数人を楽しんでもらえたらと思います
クリスマスイベントということでもう1話おまけを書こうと思っています
今度はまったりです
多分
追記:
もうちょっと首絞めを長く、緩めて締めてを繰り返すようにやれば良かった
次に活かします