年が明けて8日も経ってますが、あけおめでございます
今年も「東方被嗜虐」を何卒、何卒
2017年も皆様の性的趣味を歪ませられたらと思います
-あらすじ-
紅赫と蓬莱山輝夜の戦いは両者共に敗北する形で決着した
慢心から敗北した鬼と能力を使わされた事で敗北を認めた姫の再戦は…
注意・オリ設定強めです
数人は1人、充てられた部屋の真ん中でゴロリと横になっていた。神子に用意してもらった巫女服を纏ったまま、大の字になって、天井を見つめていた。
瞼を閉じれば、自分が壇上に座って豪族たちを見下ろしていたあの光景が蘇る。
神子達にとって一際大事なイベント、神の巫女・鴇矢数のお披露目が遂に今日、行われたのだ。
(…凄かったなぁ。まさしく時代劇のそれだったもんなぁ)
親が某テレビ局の大河ドラマにどっぷりとハマっていたのを思い出す。特に篤姫とか坂本龍馬は親と一緒に見ていた記憶すらある。しかし日本の偉人、歴史人に焦点を当てた作品は多くあっても、聖徳太子を主人公にしたドラマは見たことがなかった。
そんなドラマの記憶と今日の体験を照らし合わせると、偉い人たちが一同に会するという場面は昔から流れが同じらしいと分かる。
先に豪族の長たちが入室し、後から神子たちが少し高めの床の上に上がる。そして屠自古が良いと言うまで長たちは顔を伏せたままだった。
そういう非現実的な光景を、よりにもよって神子の真隣で見ていたものだから、数人は大河ドラマの主人公にでもなったかのような高揚感で胸が一杯だったのだ。
「俺凄い経験しちゃってんだな」
三国志の世界にタイムトリップしてしまったというあらすじの某ギャルゲーがあった。そのゲームは男とされていた存在が悉く女体化しているという設定で、主人公はそんな彼女たちと懇ろな関係になっていくというハーレム系作品だった。軍師孔明から覇王曹操に至るまであらゆる武将たちと関係を結んでいく様は、プレイしていて妙な爽快感すらあった。
「神子に何か教えてもらおうかな…」
軍知軍略を教えて貰っていたあの主人公のように、自分も聖徳太子から何か学べないだろうか。
青娥から作法や礼儀を教えてもらったのならば、布都からも何か教えてもらえないだろうか。
あの体験は、数人に今自分を取り巻く環境がどれだけ貴重であるかを再認識させた。
「どうしたの?、そんな真面目な顔をしちゃって」
「うわぁっ!」
突如として、数人の視界を逆さまの青娥の顔が覆う。それがまた一切気配を感じさせず、しかもやたら近かった。
目を見開いて驚く数人を見て、青娥はしてやったりと微笑む。その顔はまるで近所にいる年上のお姉さんを彷彿とさせて、(実際の数人の家の周りにはそんな人は居なかったが)、数人の顔を見る見るうちに赤く染めさせた。
青娥が両手を数人の脇に差し込むと、そのまま自分の膝の上に引き上げる。
「今日はありがとうね。数人ちゃんのおかげて上手くいったわ」
「いや、そんな別に…」
青娥の柔らかい太ももを枕にした数人は、優しく額を撫でられていた。見上げれば、2つのせり出た青いお山越しに彼女の声が降りてくる。
「一筋縄では行かないと思っていたから、ね。本当にありがとう」
「や、も、もういいですって。それより勝手に喋ってしまってごめんなさい」
青娥の指が数人の髪を梳いた。
「ちょっとびっくりしちゃったけど、怒ってくれたんでしょう?、…嬉しかったわ」
あのお披露目の時、案の定、反体制派の1人らしい人物が数人を前にして偽物だと言い放った。洩矢神の巫女がここに居るわけがないと指摘したのだ。
それだけだったらまだ良かったが、それに加えて偽物を祭り上げた周りに対して嫌味や皮肉を言い続けたものだから数人がキレたのだ。
私は洩矢、八坂の両柱の意志でここに来ています。それを偽と指摘されるのか。
押し黙り続けるという計画を忘れて言い放ってしまうと、言われた本人以外の人間たちにも動揺が広がっていった。その様子を見た屠自古が、少し慌てるように会を閉めたが、後から聞くとその男は集まりを開く度に何か言う人物らしく、今回もその“いつも”が起きただけのことらしかった。神子たちは聞き流すつもりでいたらしい。
「…」
「座って?」
数人は言われるがまま起き上がると、青娥の太ももに座った。今まで座ったどんな椅子よりも柔らかい座り心地と後頭部を受け止める女性の象徴が数人を幸せな気分にさせた。両腕が左右から交わるように抱き締められると、彼女の体温が心地よく感じられて、いっそう心身共に暖かくなった。
数人にとって青娥は心を預けられる存在にまで昇華していた。彼女に対する二次創作的な悪女イメージはとうに消え去っていた。
「初めて会った時は、どうしてこんな弱々しい子が、なんて思っていたけれど、私の目も曇ってしまっていたのかしらね」
自嘲気味な声だ。初めて聞く彼女の声色に数人は目を丸くする。
青娥に対して数人は、いつも何処か楽しげで、まるで足のない幽霊のようにふらふらしているという思い込みがあった。しかし上から聞こえてくる声は、そんな思い込みを覆すような寂しそうな声だ。
「ねぇ、数人ちゃん」
「ん…、どうしたんですか?」
「…今、何歳?」
思いがけない質問に、数人は少し口籠る。
(自分の身体がおかしいのは青娥も知っているから、正直に言って良いのかな)
諏訪子たちから注がれた神力のお陰で、生命力が増えた事を数人は知っている。しかしそれを正直に言って信用して貰えるかと言うと、自信が無い。
3日3晩青娥と致していたのだから、その人並み外れた精力を理由として挙げれば可能性はあるだろう、と考えた所で、数人はある疑問に直面した。
(今何年だっけ?)
数人は真面目に元の世界の時の年齢から、今に至るまでをしっかり数えようとして、思考が止まる。
てゐたちの下に移送されてから、気の所為か年月が飛んでいるような気がしてならない。
聖徳太子の生まれは西暦で574年だ。今の神子の成熟具合から考えれば、その年から凡そ20年くらいは経っていると考えていい。とすれば今西暦は大体600年と考えられる。
しかしそれでは自分は100年単位の生活を送っていた事になるが、そんな記憶は何処にもないのだ。何というか、気分的にはまだこの世界で生活し始めてから5、6年も経っていない。
「うーん、ちょっと待って下さい。今計算してます」
押し黙っている訳にも行かないからと、思った事をそのまま口に出した数人。
人に年齢を教える前に、計算しないと分からない、と言われて唖然とする人間はいない。
「け、計算?」
当然青娥もその内の1人だった。
しかしどうして青娥が急に数人の年齢を気にするようになったのか。それには理由がある。
青娥は邪仙だ。あらゆる修行を積んで、不老長寿となった仙人だ。これでも彼女は既に200年近く生き長らえている。長く生きるからこそ、出会いと別れを人一倍多く体験する。悪戯した男の子が、たまたま一緒にご飯を食べた女の子が、皆んないつの間にか大人になっていって、そして老けていった。不老長寿だからこそ、有限である命に敏感なのだ。刹那的な快楽や享楽を好むのも、その時の思い出を色濃く忘れ難いものにしたいからだ。
数人が人から外れた存在であることは、青娥は当然知っている。しかし、どの程度外れているのかは、イマイチ把握しかねていた。浴びた精液から感じた熱い生命力が、彼の一体何に起因したものなのか分からない。
「えぇっとぉ、多分ー…、400歳、くらいだと思います」
「よ、400?!、本当に?」
「いやまぁ、そういう反応は当然だと思いますけど、はい。あれだったら、輝夜に聞いて下さい。そしたら正確な年齢が分かるはず、です、多分」
数人は諏訪大戦の起こりからアバウトな数字を導いた。それは意外なことにあながち間違っていない答えだったが、当然ながら青娥の頭を混乱させた。
何故なら青娥よりも遥かに年上だからなのと、また数人が400歳という事は神代の時代を生きていたことを裏付けているからだ。
青娥は、数人の言うことを信用したいとは思いつつも、どうにかまた輝夜と接触できないか考え始めていた。それだけ彼女の混乱は大きい。
「400歳って…、私より年上よ?、冗談にしては出来が悪いわ」
「えぇっ、青娥より年上なの俺?!、…そんな馬鹿な」
数人も青娥の発言に驚いた。まさか自分が仙人より年上であるとは思わなかったから、思いがけず振り向いた。
「…ちょっと数人ちゃん?、それはどういう意味かしらぁ~」
彼の目に映ったのは眉間にシワを寄せた青娥の顔だ。額には怒りを表すあのマークが浮かんでいるように見える。やってはいけない反応をしてしまった、と数人は後悔した。
青娥の腕が数人の身体を締め上げる。そこには数人の反応に対する怒りが無いわけでもなかったが、傍からはじゃれついているようにしか見えない。
彼女は数人が長生きする存在だということを知って大きく驚いたが、それと同時にとても嬉しく思ったのだ。
「じゃぁこれからは数人ちゃんのこと、数人兄さんって呼ばなくちゃね」
「えぇ!?」
青娥より年上であるということがもう驚愕の事実なのに、まさか彼女からお兄さん呼ばわりされるとは。現実感の無い展開に数人はどう反応して良いのか分からなくなった。
どう見たって自分は弟ですよと言ってしまえば、青娥を見た目で年上扱いしてしまうことになる。しどろもどろの数人に青娥は頬ずりしながら、腕に力を込める。
「兄さん、お兄さん、お兄ぃさん♪」
仙人になった父に憧れて、青娥も仙人となった。しかし目的のためには手段を選ばない性格から仙人とは認められず、邪仙とされてしまう。天に登ることが出来ないまま、ただ地上を行く宛もなく独りで彷徨うのは、強靭なはずの彼女の精神でさえ、ゆっくりと蝕んでいった。心の中にいつの間にか出来てしまった寂寥という腫瘍は、彼女の少年嗜好を加速させる。しかし誰と付き合おうとも、その子たちはいつの日か青娥を追い越して、そして居なくなってしまう。有限の命と付き合う以上、彼女の心に棲み着く病巣は消え去ることはない。
(……………)
青娥は数人の頭の上に顎を乗せていた。
数人は抱き締められるまま、顎を乗せられるがまま、青娥を受け入れている。
それがとても堪らなくて、嬉しく感じる。
「数人兄さん」
とても小さなお兄さんだ。
自分でもおかしなことを言っているという自覚がある。第一、数人が本当に400歳であると分かった訳ではないのに。
でも、それでも、これが凄く、良い。
お兄さんと呼ぶ度に、冷たい自分のどこかが優しく温まっていく。凍っていた身体の中心が溶けていく。
(………)
視界がうっすらと滲む。どうも凍っていたのが溶けた時に水を流したようだ。
このままではいけないと青娥は瞼を開きっぱなしにして、水分の蒸発を試みた。
お兄さんお兄さんと甘えつつも、それでもまだ涙まで見せるのは恥ずかしい。
(輝夜には感謝しきれないわ、本当に)
輝夜には再び会った時に礼を言わねばならない。数人と引き合わせてくれてありがとうと言う必要がある。
しかしどうして輝夜はここに数人を連れてきてくれたのか。その答えを推測することは出来ないが、唯一分かるのは、彼女もまた数人に虜にされてしまった1人ということだ。それだけは私にも分かる。
(そして布都ちゃんや屠自古ちゃん、神子様も…)
案外屠自古の方が先に堕ちるかもしれないと、青娥は心の中で笑った。
「天使の囀り 著・貴志祐介」を読みました
グロいのかって言われるとまぁまぁグロかったと思いますが、
個人的に恐怖のピークが研究者と主人公が話し合っている時だったので、大浴場のシーンを読んでも不思議な事にさほどビビりませんでした
現実離れしすぎた造詣を挿絵無しに文章だけで、しかも恐怖を煽るように表現するのはプロでしか書けないと納得した本でした
ウアカリprpr