辱ものならよくある展開です
-あらすじ-
勉強会から1週間が経ち、
数人を取り巻く環境はガラリと変わってしまいました
「やっぱりズルいと思わない?」
「…いやいきなり何の話しをしとるんじゃ。知らんし、帰れ」
布都は声のする方向も見ずに、適当にあしらう。
壁から顔を覗かせていた青娥はそれを気にすることもなく、よいしょ、と穴を広げて部屋に乗り込んだ。
「数人ちゃんから色々聞いたのよ。…色々と」
「…我には関係のない話じゃ」
青娥の言葉に布都は背を向けたまま、そう突き放す。彼女の机の上にはいつもの木簡が幾重にも積み重なっていた。
「何言ってるのよ。色々聞いたって言ったでしょ?、数人ちゃんに随分と気持ち良くしてもらってるそうじゃないのよぉ」
ピタリと布都の手が止まった。額からじんわりと汗が滲み出す。
「いつも布都ちゃんはイク時に“きす”をしてもらってるのよね?、そうしないともう落ち着かないからって」
「……知らん。そもそも口吸いなどあ奴としたことなど一度も無い」
「数人ちゃん言ってたわぁ。布都はお尻でするのも……」
布都は筆を片手でへし折った。とある豪族から貰ったもので、それなりに使い易いと気に入っていた筆だった。
青娥はそんな彼女の反応を見て気を良くした。彼女の動揺は中々にレアなのだ。
しかし布都も黙ってはない。恥ずかしい趣味を暴露されては我慢ならなかった。
「…我だって聞いておる。お主物凄い数人に甘えておるようじゃないか。ん?、まるで赤子のように振る舞って、頭を撫でられるのが一番好きらしいじゃないか。数人にいさん、数人にいさん、と年甲斐もない」
今度は青娥が固まる番だった。
「それにお主最近は数人に抱き締められて寝ておるそうじゃな?、ほんとにあの青娥か?、らしくもないなぁ」
「それは布都もでしょう。最近休みを多めに取ってるけど、何処で何をしに行っているかは知ってるのよぉ」
「……」
「……」
不毛なやり取りだった。
ん゛んっ、と布都は咳払いをすると、青娥の方に身体を向ける。
「…で、本題は何じゃ。こんな会話をする為に来たわけじゃないんじゃろ」
「ええ、ええ、そうよ。ここから先は真面目な話。私達のこれからを決めるお話」
頬を染めていた青娥も気を取り直す。本来話したかったことはもっと大切で慎重に話すべき内容だ。
「私“たち”じゃと?、お主だけじゃなくてか」
「当たり前じゃない。数人ちゃんの為に私達がどうしてあげられるか、という話。先に結論から言うけれど、布都ちゃん、仙人になって欲しいの」
衝撃的な発言なはずが、布都は驚かない。むしろそう言われるのを分かっていたという素振りすら見せた。
「…数人の為にか」
「だって私だけよ?、ここから先まだまだ長生き出来るのは。寂しいじゃない」
「じゃが、あいつにはおるじゃろ?、その、輝夜みたいなのが」
布都も数人の周辺については知っていた。輝夜という女が実はどういう存在だったのか聞かされた時は、驚くよりも先に溜息が出てしまったのを憶えている。神に飼われ、月と交流を持ち、妖怪とも通じる存在が数人なのだと知ってどこか諦めてしまっていた。
「いい?、布都ちゃん。ここで引いたら勿体無いわぁ。私達も輪に入る必要があるの。第一、諏訪神だけがいい思いをするなんてズルいじゃない」
「あ奴を最初に見つけたのが諏訪神だったな。本当かどうか知らんが、あの諏訪大戦も数人を取り合ってのものだったとも伝わっているが」
「数人ちゃんの周りにはそれはそれはとんでもない傑物ばかりが揃い始めているわぁ。諏訪神、八坂神、月の姫、因幡の白兎…」
青娥はゆっくりと指を折って数えていく。
布都はその様を見て少し悲しくなった。自分の死後、その存在はもっと増えるのだろうと。
「早い内にその輪に食い込めれば、というのはお主の算段か?」
勿論その感情を面には出さない。つとめて無表情を貫いた。
「……肩肘を張らないの。それにね、私が考えているのはそれだけじゃないの」
「…」
「いい?、どれもこれも規格外な存在ばかりでしょう。となれば誰かが暴走した時、それを止めるのには途轍もない労力が掛かるわけ。仮にあの諏訪神が何かの理由で暴れ出したと考えてみなさい。大変なことになってしまうわ」
青娥は監査会のようなものを立ち上げるべきだと力説する。数人を守る会が既にあるのなら、それを監視する組織があって良い筈だと言う。
「そんなものは詭弁じゃ。それを言い出したら二次会三次会と派生する理由になる。そもそもとして神子様がお許しになるはずがないじゃろう」
「詭弁になり得ないわ。だって神子様にその筆頭をやってもらうもの」
「…何を、何を言っておる。神子様がそんな戯れを許すはずがないと」
「分からないじゃない?」
布都はハッとした。青娥の発言の意味を今、理解した。
「神子様を巻き込む気じゃな」
「どうして睨まれるのかしらぁ。抱かれる悦びを知った貴方にその権利は無いでしょう。神子様も色々と抱え込まれているご様子。そろそろ手助けして差し上げようと思っただけよぉ」
「手助けなどと聞こえの良い言葉を使うな。お主は私利私欲で神子様を巻き込もうとしておる」
「私利私欲?、ふふふ…、そうねぇ…。ところで今、数人ちゃんが何処に行ってるか知ってる?」
「まさかお主…」
「屠自古ちゃんたら案の定性行為を変に捉えちゃったんだもの。やっぱりそういう先入観は早い内に壊してあげるべきでしょう?」
一回書き直しました
…で、時間が掛かってしまったという
短くて申し訳ないですが、次回はエロですエロ
久々過ぎてどうなるか分かりませんが、頑張ります