快楽主義者《ヘドニスト》の輪舞曲《ロンド》 作:ポップマン
よーし、ガンガン書くぞー!!
学級委員の決まった次の日。
「何をやってる、置いていくぞ香川」
「ちょ、ちょっと待って下さい」
俺と若王子さんは学級委員の委員会に出席するために会議室へと向かうところだ。ていうか、俺はなんで凄い上から言われてるの?この人昨日は俺に丁寧語使ってたよね!?
―この日の朝
野嶋は俺に手を合わせて頼んでいた。
「香川!このとーりだ!若王子さんに謝っておいてくれないか!?」
「いや、気持ちは分かる。気持ちは分かるが、そういうのは自分でやれよ!俺は自分が可愛いんだから!」
「そう言わずに、な、頼む!」
まあ野嶋の気持ちは確かに痛いほど分かる。
決して自分のために能力を使ったわけじゃないが、若王子さんがそれを気にすることはないだろう。
「しかし、お前よくあんなことしたな~」
俺は尊敬をこめて言った。
そりゃあ俺ができない事を平然とやってのけたんだ。シビれたって、憧れたっていいだろう。
「分からん。気づいたら体が動いていた」
「…まああるよな、そういうの」
なんかコイツ主人公みたいなこといってるぞ。そう思いながらも俺は続けた。
「仕方ないな。俺が謝っといてやるよ」
「本当にすまん」
―そして、今
「あの~~、若王子さん…」
恐る恐る俺は言った。
くどいようだが、俺は若王子さんを(というか危険指数の高い女子を)恐れている。できればとばっちりはくらいたくないのだ。
「なんだ、香川?」
なんか背中からゴゴゴゴとでも音が出てそうなのは、きっと俺の勘違い。そう勘違い。
「い、いや、野嶋のことなんだけど…」
「聞く気はない」
「いや、そう言わずに。ほら、アイツだって悪気があってやったわけじゃないし…」
「くどい」
「ハイ、すいませんでした」
これは仕方ない。もうこればっかりは仕方ない。俺は悪くない筈だ。これで後で野嶋が血祭りにあげられても俺が良心の呵責を感じる必要は…と、自分で自分を慰めている間に目的の会議室へと到着した。
「少し遅れたかな?」
若王子さんが呟きながらドアノブに手をかける。
そして、扉は開かれた。
―少し後
「ふうぅぅ」
つっかれたぁぁぁ。こういうの慣れてないからホント疲れた。
しかもキャラ濃い連中ばっかりだし。なんなんあいつら。本当に俺と同じ高1かよ。
出た議題の中でも、
・今週の土日にある『防災訓練』
・来週にある『部活動オリエンテーション』
・2週間後に控えたキャンプ場への『遠足』
が重要どころということらしい。
その他にも『委員会決め』や『生徒会役員選挙』等々やらなければならないことは山積しているようだ。
まったく、学級委員なんて面倒ばかりでろくな事がない。
「香川、この後少し話があるんだが、いいか?」
会議室を出ると若王子さんが急に話しかけてきた。
「え、ええ、まあ」
怖いな~。何があるんだ?
もう俺は夢など抱かない。古賀さんに窪田さんでお腹いっぱいだわ!!
とか言いつつ実はちょっとドキッとしちゃったけどな!
連れていかれたのは使用していないとみられる空き教室。来年度からの入学生用にうちの学校にはそういう教室は山ほどあるのだ。今この教室に机はなく、段ボール箱が山積みになっている。
「えーと、用事はなんです?」
「それをこれからヤってもらうのさ、香川、『"気をつけ"の姿勢のまま動くな』」
若王子さんの
もちろん俺は直立して固まった。
「出番よ、園羅」
間髪入れずに若王子さんは園羅を呼んだ。
すると段ボールの列の影から園羅がスッといつものツインテールをなびかせて出てくる。
はっきり言って俺の脳ミソはパンク寸前だ。かつオーバーヒートもしてるぞ!
「えっ?ちょ、いや、え?」
完璧に挙動不審な言動を繰り返す俺を尻目に若王子さんは俺に聞いた。
「ズボンは脱いだ方がいいと思うが、脱ぎたいか?」
「その前に状況を説明してくださいよ!っというか、一旦ストップして!」
俺の頭には俺が若王子さんにイジワルされる理由がリストアップされる。
1.野嶋の話をして若王子さんを怒らせた
2.俺が学級委員であることに不服
3.単に気に入らない
……
ちょい待ち。どれも不充分だろがぁぁ!
あー、3はあるかも。でもそれは嫌だなあ。
…っと現実逃避している場合じゃないぞ。
驚異(園羅か若王子さん)が目前に迫っているんだ。なんとか対処せねば。
「ちょ、ちょいタンマ、これからなにするつもりなんです?若王子さん」
よし、俺にしては上手く聞けたぞ。これの返答を聞いて……。
「搾精」
ッッ、クソガァァァ!!
全然罪の意識ないよ、この人たち!?
時間潰しにもならねぇぇ!
どうする!?どうする!?
「まあ、いいか。そういう訳だから香川、『ズボンとパンツを下ろせ』」
……もちろん俺は従いましたとも!
だって抵抗どころか、その部位に力を入れることもできないんだから!
俺のムスコは突然冷たい外気に当たったので身を小さくしてしまった。
「…野嶋とは随分違うな」
うるさいわい!巨根と比べられても困るわ!こっちは平均サイズなんだから!
「じゃあ園羅、頼んだ」
「ハイハイ」
ちょい待てや!
なんでそんなにノリが軽いんだよ!
もうちょっと重々しく俺を扱ってくれよぉ!!
「お、おい園羅頼むよ、見逃してくれ。指ぬきグローブあげたじゃん。見逃して、ねっねっねっ」
あっ、しまったァァ!!
と思ったときはもう遅かった。立てたフラグはそうそうのことでは折れない。
園羅はニヤニヤしながらグローブをスススゥゥッと外した。
「見逃すか、見逃さないか心の中を…と言いたいところだけどアンタそんな能力持ってないし…わたしがどっちの手を使うか当ててみる?」
「どうせ両手なんでしょぉぉぉ!!?」
俺は叫んだ。ちょっと泣いた。
う、嘘っ。やっぱ泣いてない!泣いてないぞ!
「YES!YES!YES!YES!」
園羅がノリノリで両手を高くあげた。
俺は仕方なく目を閉じ、歯を食いしばった。襲いくる快楽の炎に少しでも立ち向かうために。
パッッッシイィィィンンンン!!
「はあぁぁぁぁっ」
ゴメン、やっぱムリだったわ。
俺の中の忍耐力が手を振って去っていった。
バシィィィィィィィィンッッ!!
「あぁぁぁっ」
膝がガクガク震える。腰が抜けそうだ。
頭が真っ白になりそうな快感の中、俺は
「まだまだっ!」
パッシイィィィィィィィィィンッ!!
「あああっ」
「これでッ!」
バッシィィィンンンンッッッッ!!
「あああぁぁんっっ」
「終わりだぁぁぁっ!!」
パッッッシッイィィィンッンンンッッ!!!
「クッソォォ、出るぅぅ」
ビクンッビクンッ。
俺のムスコが震え、そして…。
ビチャッ。
と音がした気がして目を開けると、若王子さんがそこにプラスチックのトレイを持って立っていた。中には俺の精液。
え?
そう思った瞬間、若王子さんはクンクンと俺の精液の匂いを嗅ぎ、小指をつけ、そのまま口にくわえた。
えええぇぇぇぇ!!?
若王子さんはしばらく黙っていたが不意に、手に持ったトレイを、同じく持っていたビニール袋に入れて、ボソッと一言。
「……クソマズ」
いや、聞こえてっから!!
別に俺なにも悪くないのに、なんで罪悪感感じちゃうんだよぉぉ。精液なんて誰のでも不味いだろぉがよぉぉ!
「やはり、野嶋の時とは全然違うな…どういうことかは知らんが…」
え?
ああ、そういや、若王子さんってあの時野嶋にフェラしてたのか。で、その時とは味が違うと。う、旨かったりしたのかなぁ?
でもそれって…。
「野嶋の能力にかかってたからでしょ?」
お、園羅が代弁してくれた。
「いや、違う…。それもあるかもしれないが、能力持続が終わった今でもあの時のことを思い出すと、胸がドキドキするんだ」
そ、それって……。
もしかして恋ですかーッ!?
ちっくしょーがぁぁ!
俺なんのためにヌかれたんだよぉぉ。
分かってるよ!ただの比較対象だろ!?
「ふーん、好きなの?」
軽ッ!
園羅いくらなんでもそれは軽すぎるだろ。そこまで他人の恋路に興味ないんかい!
若王子さんだってそう言われたら肯定しづらいだろーが。
「…まさか。わたしが人を好きになるなんて…許されていい筈がないよ」
なにやら予想の斜め上の回答が返ってきた。
「まあとりあえず礼を言っておこう。それと約束だったな?」
そう言うと若王子さんは園羅の耳元に口を近づけてゴニョゴニョと話しかけた。
するとみるみる間に園羅の表情が曇っていく。なにか知らんが俺には縁起のいいことなんだろうな。
「とまあそういうことだ。わたしはもういなくなる。後はお二人さんでごゆっくり。香川『休め』」
若王子さんは教室から足早に出ていった。
俺は急いでティッシュでムスコを拭きパンツとズボンをずりあげて、園羅に訊いた。
「若王子さんに何を聞いたの?」
園羅はハッと気づいたように俺を見た。
「アンタ、まだいたの?」
さっきからずっといるわぁぁぁ!
って、なんでテンプレのツッコミしなきゃいけねえんだよぉぉ!
「アンタ、ここでのこと黙ってられる?」
「そ、そりゃまあ」
「最上にも?」
「ま、まあうん」
正直最上さんの能力使われるぐらいなら喋っちゃうだろうけど、それはいいよね。だって俺だって秘密は聞きたいし。
「後もうひとつ条件があるわ。アンタの能力を教えること。いい?」
俺の能力ねえ。
「ま、いいよ?先にそっちが話してくれるんなら」
「…フン。若王子に聞いたのは『協力者と提示した見返り』。返ってきた答えは、アイツの協力者は『夏目
園羅は、出席番号14番と19番の女子の名前を出した。確かに2人とも若王子さんといっしょにいた気が…しないでもない。
もっともその2人の片方はとてもよく目立つ人物なのだが。
「能力は?」
「わたしの協力と口止めくらいでそこまで教えてくれはしないわよ」
「で、2人は具体的に誰を襲うつもりなの?」
ん?当然だろ?
『手出し無用』ってんだから考えてることがそれ以外のわけはないじゃん。もちろん"襲う"つっても性的な意味だがな!
「アンタとわたしよ」
は?
「…え?」
「だからァ、夏目はアンタを狙ってて、夜市はわたしを狙ってんの!」
え?
いや、夏目さんは十歩譲って分かるとして…。
「夜市さんって、そういう趣味なの?」
「知らないわよ!わたしに聞かないでよ!」
まあ薄々そんな気はしてたんだが。
夜市さんについては機会を改めて話そう。
園羅は、とにかく若王子はそう言ったんだから、と言って指ぬきグローブをはめた。
「帰るわよ」
「あ、てかそれ着けててくれたんだ」
「え?ああ、中々センスイイんじゃない?」
ふーん、天然の中2病患者であろうか。
「で、アンタの能力ってなに?」
「ああ、俺の能力はね……」
…
……
…………
―その日の夜
「おい、香川。どうだったんだ?」
うっわ!
ズイと顔を近づけて野嶋が聞いてきた。
「…ああ、まあまあってとこじゃない?」
「…具体的に言ってくれ。若王子さんは俺のことを許すのか?許さないのか?」
「いや、許すも、許さないも言ってないんだが…」
でもこれだけじゃ野嶋が不安になるしなあ。うーん。すこ~し癪だが教えてやるか。
「いいか!!」
「うわ!」
俺は野嶋にズイと顔を近づけて言った。
「若王子さんはお前のことが好きだ!」
野嶋はプイと顔をそらした。
「んなわけねぇよ。誰が自分をたらしこんだ男を好きになる?」
「あ、たらしこんだ自覚はあるのか」
「そういう話じゃないだろ!」
「…とにかくそれはお前の勘違いだ」
「いや、勘違いじゃない」
「勘違いだ」
「勘違いじゃない」
「勘違いだ!」
「勘違いじゃない!」
「勘違(ry」
「勘違(ry」
以下似たような会話のラリーが十回ほど続くがそれは省略するとして…。
「ハァハァ。とにかく若王子さんはお前のことが好きなんだよ」
「ハァハァ。百歩譲ってそれを信じるとして、それは俺が能力を使ったからだろ?」
「そりゃきっかけはそうかもしんないけどさ」
「けど?」
「それで不都合でもあんのかよ?」
「いいか。香川?」
「うわ!」
またもや野嶋がズイと顔を近づけてきた。
しかし、目はマジだ。
どうでもいいが、このとき俺は一瞬、こいつ、もしやホモ!?と思った。
「俺は中学の時一度だけ俺の能力
野嶋の手はプルプルと震えていた。
「俺の能力は記憶改竄まではできない。しかし俺は騒がれたらまた能力を使えばいい、ぐらいに思っていた。しかしその子は次の日の朝、俺に会うなりハサミで俺を突いた」
野嶋はあくまで淡々と喋った。
「さいわい傷は深くなかった。俺はその時からこの能力を自分のために使うのをやめた。噂は広まり、俺は中学で孤立したが、お前も
まあ、それはそうなんだが。
「とにかく、俺は能力を使わなくなった。昨日までな。たとえ若王子さんが俺のことを好きになったとしても、それは俺の卑怯な能力のおかげだ。俺はそんな
なーんか若王子さんも似たようなこと言ってたな~。『人を好きになるなんて許されていい筈がない』とかなんとか。
ハッキリ言って、そういうの…。
「すっげぇ下らねえ」
「な…」
「そりゃ別に理屈こねたってお前は構わないんだろうけどさぁ、そうやってお互いにグチグチやってんの見せられる側の気持ちにもなれよ」
「いや…」
「つーかさ、好きなら好きでスパッと告るなり誘うなり動いてくんないとさ~、見てるこっちが退屈するっていうかさ~、少年マンガじゃないんだからそういうので時間とんないで欲しいんだよね、ホント」
「いや、俺のはそういうのじゃなくて」
「とにかくだ!」
「うわ!」
「お詫びとか言って週末どっか誘え!土曜は防災訓練あるから日曜な。映画がいいぞ、映画が。ほらナントカとかいったピ○サーの公開中のアレ、あれにしろよ」
「…勝手に話進めんなよ」
「うるせ」
俺は立ち上がってのびをする。
「勝手に不幸せになろーとしてんじゃねーよ」
―次の日の放課後
俺は野嶋が若王子さんに話しかけているのを尻目に寮へと帰る。
ちょっといい気分。
「イイ気になってンじゃないワヨ!」
うわぁ。
目の前に幼女が立っていた。
もう一度言おう。
目の前に幼女が立っていた。
三回言おう。
目の前に幼女が立っていた。
スカートをはいた腰に手を当て、俺を睨みつけて。
いるはずのない、"幼女"が、だ。
ここは高校生が集まる学園。敷地内には入り口で生徒証明証をかざさないと入れないし、敷地内と外を隔てる壁は高さ8メートルだ。
繰り返す。
"幼女"なんているわけないんだ。
目の前の幼女はどう見積もっても10歳いくかいかないか。何度考えてもいるわけがない存在だ。先生の誰かの娘か?
「節介、お節介、帝王節介~~」
「は?」
「介入、参入、散弾銃~~」
「はあ?」
目の前の幼女はなにやらわけの分からぬセリフを節をつけて言いながらクルクル回っている。
フワフワのスカートが円く広がっている。
「わっかル~~、ア~ンタのやったコトってそういうことだヨ~ン」
クルクルと目を回しながら言う。
「手のひらの上で回ってルンだヨ~ンだ」
「…いや、回ってるのは君じゃん」
「この【国立祖土夢学園】の手のひらの上だヨ?」
「…どういう意味だ?」
この子は何を言ってる?
いや、何を知ってる?
「アンタ、この【学園】のナニを知ってンの~?ナァ~ンにも知らナイんでショ~?」
「…君は何を知ってる?」
気がつけば俺は幼女と対等に話していた。少し悔しい。
「アンタ、【学園】の手のひらの上だヨ~、今回はソンだけッ!」
幼女はピョンッと飛び上がる。
宙を掴んだ。
いや、空中から浮かび上がった
「アタシは
その刹那俺はどうしてあんなことを言ったのか。とにかく、質問は1つだけ、と考えたのは覚えている。
「『リヴァース』って何だ!?」
「――――」
幼女は一瞬にして掻き消えた。
これもおそらくあの宙に浮かんでた腕の持ち主の能力だろう。
俺は幼女―魔木 カスパが去り際に言った一言を反芻していた。
―それはアタシたちの新しいカタチ―
今回はリハビリの意味も込めて、エロ少な目。原点に帰って、バシィン、アッーな回でした。伏線もあり。
これからしばらくはガンガン執筆しますよ!