快楽主義者《ヘドニスト》の輪舞曲《ロンド》 作:ポップマン
「調子乗ってんじゃないわよ!」
金曜日の朝、俺の耳に罵声が飛び込んできた。騒ぎの出所は俺の右斜め前の席。椅子に座る女子1人を、他の女子3人が囲んでいる。
立っているのは、お馴染みの有栖川さんとそのお付きの2人だ。
席に座っているのは黒川
黒川さんの前髪はいわゆるパッツンに切り揃えてあるのも、違いの1つか。
スタイルもただでさえ細い最上さんをさらに細くしたような体つきで、スリムというより見ている方が心配になるほどだ。
「どうせ体弱いです~なんてブってんでしょ」
有栖川さんの右に控える大瀬さん――大瀬
「自分が美人だと思ってるんじゃない」
左に立つ高丸さん――高丸
「わ、私はそんな…」
黒川さんはきっぱり否定して有栖川さん達に立ち向かうだけの度胸はないようだ。
有栖川さんがおもむろに口を開く。
「はっきり言ってクラスの輪を乱していますわよ?もう少し自分がクラスのお荷物だと自覚してはどうかしら?」
アウット!!
有栖川さん!何があったか知りませんがそれはアウトですよ!
そうか、これがまさにイジメか!
俺は今その現場に立っているのか(座っているけど)!
俺以外の生徒はどうやら気づいていないようだ。
さて問題だ!
どうやって黒川さんを助けるか?
3択―一つだけ選びなさい。
答え①ハンサムな太郎は止めに入る。
答え②誰か他の人が止めてくれる。
答え③助けない。現実は非情である。
俺としては答え②に丸をつけたいところだが期待はできない。やはり、ここは答え①を行うしか…。
その時俺の脳裏に羽交い締めにされ、だらしなくムスコから精液を垂れ流す田宮の姿が浮かんだ。
俺はああはなりたくない。ダメだ。立ち上がることすらできない。
答え―③ 答え③ 答え③
「何やってんの?頭抱えて」
うぉっ!園羅か!
「や、べ、別にぃ?」
ちょっと変な声出ちゃった!
有栖川さんはチラッと園羅を見ると、そそくさと黒川さんの机から離れていった。
「いい気にならないことですわね!」
そう捨て台詞を残して。
何があったんだか。
「どうしたってのよ?」
あ、園羅まだいたのか。
「いや、何でもない…」
「なによ、怪しいわね」
「あれ、どうかしたんですか、お二人さん」
うぉっ!
「急に出てこないで下さいよ、最上さん」
「ひどい言われようですね。お仕置きしましょうか?」
最上さんは俺の首筋に手を置いた。
「うわっ、ちょっ、やめぇぇ」
2人と騒ぐ俺は黒川さんのことはすっかり忘れていた。
三時限目と四時限目の間の休み時間。
次の授業は体育だ。時間もないし、早く着替えないと。
もう俺以外にクラスに残っている人はいないようだ…っと、あれ?
黒川さんがまだ教室に残っている。机の周りをなにか熱心に探している。
「黒川さん、どうしたの?」
黒川さんは俺をチラリと見ると、下を向いた。
「体操着が…見当たらないんです」
俺の頭に瞬時に高笑いする有栖川さんの顔が浮かんだ。
「…俺も探しますよ」
黒川さんは首を振った。
「いいんです。私の落ち度ですから」
「黒川さんが無くしたんじゃないでしょ」
いつになくスラスラと言葉が口から出てくる。
手近なところを見渡すが、体操着の入った袋らしきものは見当たらない。
「何があったか知りませんけど、有栖川さんに嫌なら嫌って言ったらどうですか」
黒川さんは手を止めてこっちを見る。
「いいんです。私が不器用なせいですから」
んーもー!
前回といい今回といい、なんでこう面倒くさい性格の連中ばっかりなんだ。
「ダメですよ、泣き寝入りなんて!嫌なことがあるなら、戦わないと。俺も手伝いますから」
や、やばい。
自分のハンサム度合いに痺れてしまいそうだ。
「そうですね…戦わないと…」
黒川さんは手を止めて考えている。
「でも香川君は園羅さんに嫌って言わないんですか?」
「え?…い、い、いや、違うんですよ。園羅とは、絶賛戦ってるんですけど…いや、あは、あははは」
違うぞ!?園羅の下についてるのが好きとかそういうのじゃないぞ、誤解しないでくれよ!?
結局、黒川さんの体操着は掃除用具入れのロッカーの中に入っていた。まさか有栖川さんが自分の仕業だと言うわけもあるまい。
「なにやってたんだ!遅いぞ!」
結果15分ほど遅れた俺と黒川さんを体育の日野先生が怒る。
「すいません、私が体操着を探していて…香川君は一緒に探してくれていたんです」
「まったく。遅れたんなら香川も同罪だ。2人とも早くストレッチしてこい」
屈伸しながら有栖川さんを除き見るとニヤニヤしながらこっちを見ていた。まったく、もう。やることが子供っぽいというかなんというか。
「ありがとうございました」
「ひえっ?」
うわ。ちょっと変な声出ちゃった。
「香川君のお陰で少し自信が出ました」
「はあ」
「そうですよね。戦わないとダメですよね」
黒川さんは下を向きつつ唇を固く結んでいた。
「そうですよ。なにかあったら言って下さい、力になりますから」
うーん。誰かに頼られるって気持ちいい。
広い校庭をマラソンしながら、ふっと考える。黒川さんの"戦う"ってどういう意味なんだ?
五時限目、科目は数学。数学の
数学は眠い。中学からの癖で数式が黒板に流れていくのを見るとどんどん眠くなってしまう。
眠い眠い眠い眠い。
ほーら、目の前に花が見える。
もう夢の中だ。蓮の花が目の前を漂っている。強い匂いが鼻に入ってくる。ムッとする甘い匂い。
ハッと気づいた。
教室の中をキョロキョロと見回す。良かった。ウトウトしていたのはバレていないようだ。
ん?いや、変だ。
周囲の全員が固まっている。息はしているから肩と胸は上下しているが、目の焦点が合っていない。前に立つ火田先生もチョークを手に持ったまま、突っ立っている。
え?全員夢遊病にでもかかったのか?
「起きましたね」
黒川さんが椅子に手をかけ、俺を見ていた。俺は唾を飲む。
「こ、これは黒川さんが?」
黒川さんはコクリとうなづいた。
「はい、でもまだ序の口ですよ」
そう言うと2人の女子が席から立ち上がった。大瀬さんと高丸さんだ。2人はよろよろと一歩ずつ恐る恐る歩いていく。
「彼女たちには私達の声は届かないので、安心してください。これが私の能力
こ、これまたチート能力だなあ。
「もっとも、常に嗅がせ続けないといけないので、密室でないと使えないんですけどね」
大瀬さんと高丸さんはゆっくりと、俺と黒川さんの前を通り過ぎた。
「彼女たちは今、目の前に一本道を見ています。踏み外せない一本道を。私の
黒川さんの声は冷たかった。
高丸さんと大瀬さんは有栖川さんの席にたどり着き、大瀬さんが有栖川さんの肩に手をかけた。
「
大瀬さんは有栖川さんの名前を呟くと、突然有栖川さんを椅子から引きずり倒したッ!?
「えぇ!?」
俺は黒川さんを見る。黒川さんは冷たく笑っていた。
「ここからが本番ですよ」
倒れた有栖川さんはハッと意識が戻る。
何が何やらのまま、起き上がろうとする彼女を高丸さんは足蹴にした。有栖川さんは仰向けに床に倒れる。
「な、何をッ!?」
大瀬さんが腹を踏み、抑えつける。
「もう今までのアンタじゃないのよ」
大瀬さんが顔に歓喜の色を浮かべる。
「入学してから散々アンタにやられたことを仕返しさせてもらうから」
「違いますよ」
俺の視線に気づいた黒川さんが言った。
「私が操っているんじゃありません。あれは彼女の意志です。私はただ彼女たちに『権威を剥ぎ取られた有栖川真由璃』のイメージを見せただけです」
高丸さんが有栖川さんの制服の前部を無理矢理開く。ボタンが弾け飛んだ。ブラに包まれた豊かな爆乳がこぼれる。
「今のオマエに人間の服なんて勿体無くない?」
「なッ!!」
抗議しようとした有栖川さんの瞳が見開かれる。次の瞬間有栖川さんは腹から声を振り絞って叫んでいた。
「お待ち下さいィッ!お父様、お母様ッ!お姉様方ァッッッ!!真由璃をッ、真由璃を見棄てないでェッ」
有栖川さんは両の目からハラハラと涙をこぼした。
「これが彼女の『絶望』です」
黒川さんは冷たく言った。
「私の
「そして、尊厳が地に墜ちた彼女はかつての手下に玩ばれる」
有栖川さんは既に高丸さんの手によって上半身の服をむしり取られていた。大きな胸を抱えて肩を震わせる有栖川さんに、いつもの傲慢な彼女の面影は無かった。
「す…すみませんでした、お二人とも。お、お願いです。許して下さい」
額を地面に擦りつけんばかりに謝る有栖川さん。高丸さんは大瀬さんに意味ありげな視線を向ける。
「どーするぅ?渚ぁ」
「うーん…」
大瀬さんはわざとらしく顎に手を当てて考えるふりをしている。
「ダメだね」
またも有栖川さんを足蹴にする。倒れた有栖川さんの顔を高丸さんが鷲掴みにした。
「タップリといじめてやるよ。わたしの
黒川さんの顔を盗み見ると、彼女はただ冷たく笑っていた。
「うう…」
顔を掴まれた有栖川さんが呻く。と、どこからともなくチョロロロという音が聞こえる。まさか、あれは…。
「アッハッハッ、あははは、ヒーヒッ」
大瀬さんが腹を抱えて笑い転げた。
「有栖川、アンタおしっこ漏らしてるじゃん!ウケる!超ウケる!」
見ると、確かに有栖川さんの股の間には黄色い水たまりが発生しているし、脚の間からは湯気が立っている。
「くっくっく、どうよ有栖川ァ?」
高丸さんが笑いながら有栖川さんの顔を覗き込む。当然ながら、彼女の顔は羞恥で真っ赤になっていた。
「そんなわたくしがおしっこを…、そんな…」
有栖川さんの目には大粒の涙が浮かんでいた。そんな有栖川さんを高丸さんは嘲笑った。
「見てよ、渚。有栖川のヤツ泣いてるんだけど!」
有栖川さんの肩を掴んで強引に揺さぶる。
「酷いと思いますか?」
黒川さんが俺に尋ねた。
「彼女たちの復讐心を煽って、鬱憤を晴らすのを卑怯だと思いますか?」
おそらく俺が見るに見かねているのを察したのだろう。俺がどう思うか、だって?
「黒川さんにはこういう事を行う権利がある」
「そうですか」
「でも…」
「でも?」
「ここまでにするべきです。これ以上したら黒川さんと有栖川の立場が逆転するだけです」
「そうだ、アレやろうよ!」
大瀬さんが叫んだ。
「アレ?」
「ほら、コイツが男子にやってた」
高丸さんは得心がいったようだ。
「ああ、はいはい。アレね」
大瀬さんは有栖川さんの脚を無理矢理に持ち上げる。スカートがめくれ上がり、黄色いしみのできた上品そうなレースのついたショーツが晒される。
「ほーら、脱ぎ脱ぎしましょうね~」
高丸さんが手早くスカートとショーツを脱がせにかかる。有栖川さんは脚をバタつかせて抵抗するが、否応なくいっさいがっさい取り除かれてしまった。
今の彼女が身に付けているのは、黒いハイソックスのみである。
そして、俺はついに見てしまった。
脚を強引に広げられた彼女のその恥部を。みなさん勘違いされると困るのだが、俺は窪田さんの時は、アソコは見ていない。天に誓ってトイレに連れ込まれただけだ!
有栖川さんのソレは彼女自身の小水で淫らに濡れていたが、慎ましやかな毛の間から確かに小さなワレメが見えた。
「どうしました?」
黒川さんがいつの間にか俺の隣に立っていた。いや、気がつかなかったのは俺が夢中で見とれていたからか。
「やめてもいいんですよ」
フフ、と笑う。
「でも、もっと見たいんですよね」
「デカいケツしやがって。誘ってんのかよ」
大瀬さんが有栖川さんのお尻を撫でながら罵る。大瀬さんの目配せを受けて、高丸さんがポケットから前に見たローターを取り出した。
有栖川さんの目が見開かれる。
「や、やめてぇ。もう許してぇ」
彼女は分からなかっただろうが、細い腕で大きな胸を守りながら懇願するその姿は責め手の嗜虐心を煽るには充分だった。
「ニヒヒ。だーめ。
大瀬さんが有栖川さんの脚を握ったまま、自らの能力――決して偽りを述べることができなくなるという能力――を発動する。
続いて、高丸さんが有栖川さんのお尻に手を置いた。
「キモチよくしてやるよ。
さっきも使っていたが、実際どういう能力なのだろう?小便を流させるだけの能力なのか?
すると有栖川さんのワレメの下あたりからジュワッと汁が漏れ出した。アソコは丁度尻の穴のあたりか!?
「おいおい。腸液の出が早いんじゃない?大分使い慣れてんのな。え?」
高丸さんに言われ有栖川さんの顔がさらに赤くなる。今にも湯気が出そうだ。
てか、腸液って…。オイオイ。
「あはは。知らないとでも思ってたのかよ。アンタが自分の尻で遊んでるのぐらい分かってたっつーの。早く自分に能力使えよ」
そして俺は久しぶりに大瀬さんの
「そうなんですぅ。わたくしは上品なお嬢様面して裏では自分のアナルをほじるのが大好きな変態なんですぅ。今も怯えて小便漏らしながら、心の底で期待しているんですぅぅ」
恐ろしい本音の吐露。てか意外とドMだったんだな、有栖川さん。
「人間なんて一皮剥けばそんなものですよ」
黒川さんが俺の肩に手をのせて言う。
「香川君も今凄い興奮してるじゃないですか」
さっきから膨れ上がるばかりの俺の股間に目をやる。あ、言い忘れてたが、俺は少し前から絶賛勃起中だ。悪いか!?
「香川君さえよければ誰かでヌかせてあげましょうか?例えば…園羅さんで」
俺はゴクリと唾を飲んだ。
今回は長くなりそうなので次回に続く。
エロも次に回す。