※この作品はR-18です。

快楽主義者《ヘドニスト》の輪舞曲《ロンド》   作:ポップマン

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この学校は上履きないです。土足です。うちの高校がそうだったんで。





第7話 百合中毒《リリー・ホリック》

 

 

 

 

「おい、香川。お前が出かけてる間に女子がお前訪ねてきたぞ」

 

部屋に入って早々石河に言われる。

 

「え?」

 

日曜の夕方。土日は遠出も可能なので、都心に買い物に行って帰ってきたところである。

 

「女子ってどうせ園羅か最上さんだろ」

多少の諦めとともに答える。

 

「いや、窪田(くぼた)さん」

 

それが同じクラスの窪田 裕美(ゆみ)だと気づいたのは少し後だった。

 

「なんで窪田さんが…?」

 

――――――――――――――――――

 

次の日。

 

 

2週間目にして俺の怠けグセが遺憾なく発揮され、授業の予習復習はほとんど間に合っていない。

 

俺が理不尽だと思ったのは、園羅が勉強が得意だったことだ。

 

各科目をそつなくこなし、宿題もすべてやってくる。教師の質問にも完答する。

それなのに、必死でやっているという雰囲気もない。一番イラつくタイプだ。

 

昼休みも、園羅は最上さんと一緒に食堂へと出かけ、かたや俺はヒーコラ言いながら次の日本史の授業の課題をやっつけ仕事でやっつける。

 

「あらあら、ご精が出ますことね」

 

この高飛車な雰囲気は…。

顔をあげるとやはり有栖川さんだ。

 

「なんだ、有栖川さんか」

「なんだとはなんです」

 

フフン、と笑って有栖川さんは言う。

 

「用件は分かっておりますわね。あなたは園羅さんの腹心の部下。ここで潰させて頂きますわよ」

 

え?

 

ちょっと、よく分からないぞ。

俺の耳が悪くなったのかな。ホジホジ

 

「すいません、ちょっともう1回言って下さい」

 

有栖川さんは少しムッとする。

「ここであなたを潰させて頂きますわよ!」

 

「いや、そこじゃなくて」

 

「あなたは園羅さんの腹心の部下?」

 

「そう、そこです」

 

俺はクックックと笑う。

「有栖川さん。あなたは一つ勘違いをしている。園羅は俺のことなぞ腹心の部下とは思っちゃいませんよ!」

 

あいつは下僕だと思ってるからな!

 

「なぜそんなに誇らしげなんですの!?」

 

フッそれは…それは…なんでだろう。

 

い、いや、別に園羅に従うのが誇らしいとかじゃねぇし!あんなやつ、機会さえあれば、下剋上してやるし。

 

「まあ、それならそれでいいですわよ!しかし乗りかかった船、食べかかった据え膳、あなたはここで完膚なきまでに潰させて頂きますわ!!」

 

ちょっと待って、食べかかった据え膳なんてことわざあるの!?それは女子の方が使うことわざなの!?

 

「さあ、高丸さん!大瀬さん!やっておしまいなさい!」

気がつくと俺は両側から有栖川さんの部下2人に羽交い締めにされていた。

腕に胸が当たっておいしいと言えばおいしい展開だが、この後に待ち受けている惨事を予想するにとてもそんなことまで気が回らない。

 

「ちょっと、ちょい待ち有栖川さん!分かった!俺はあなたには逆らいませんから、ちょっと止めて!」

 

有栖川さんは少し考える素振りを見せる。

お、つ、通じてくれた…のか?

 

「ハイ。"ちょっと"止めましたわよ」

 

ちっくしょおおぉぉぉ!!

情け容赦ねえぇぇぇ!

 

その時俺の前に1人の影が立ち塞がった。

 

「香川くんに手は出させない」

 

「……?」

 

黒髪を首のあたりで切り揃えた髪型。小さい肩、細い首。顔は見えない。

しかし、俺には分かった。

 

「く、窪田さん?」

 

少女は答えない。

 

「勝手なマネはさせませんわよ!」

臨戦態勢に入る有栖川さん。

 

少女は手を突き出す。

「いいの?わたしの能力も知らないのに手を出して…乳じゃすまないわよ」

 

「…くッ」

有栖川さんが唇を噛む。よっぽどあの出来事に懲りたらしい。

 

ジリジリと後ずさる。

 

しかしそこには先客がいた。

 

席に座った石河が。

 

「うわっ」

「キャアっ~~」

有栖川さんはガクンと石河に倒れ込む。

 

有栖川さんは図らずしも石河にお姫さまだっこされてしまった。

顔を真っ赤にする有栖川さん。

 

「ちょ、ちょっと!何を破廉恥なッ」

 

呆気にとられる石河。

そして驚愕の叫び。

「あっゴメンッ。今俺【大きな桃】(グレート・ピーチ)使っちゃった!」

 

有栖川さんの反応は迅速だった。

顔が青くなったかと思うと、パッと石河から飛びすさる。

「そ、その…【大きな桃】(グレート・ピーチ)っていうのはどんな能力なんですの…?」

 

「え、えっと…その……」

 

石河は黙り、ダッと駆け出す。

「触ったお尻をプリプリにする能力なんですうぅぅ!」

あっという間に石河は見えなくなった。

 

うむ、さすが野球少年!伊達に坊主頭じゃないな!

 

有栖川さんには【大きな桃】(グレート・ピーチ)の影響が出始めていた。

有栖川さんのスマートなヒップが、ちょっとずつ上に向けて拡大を開始したのだ。

スカートの外からでも分かるほどお尻が持ち上がり、はっきりとした形を浮き上がらせる。

 

確かに石河の説明通り、単に大きくなるのではなくプリッという擬音語が似合う、厚かましさと緊張感の同居する素晴らしいヒップが出来上がった。

 

「な、そんな…わたくしのベストバランスな下半身が…」

 

有栖川さんはブツブツと呟く。

 

プチッと音がすると、有栖川さんは教室を飛び出していた。

「くおらぁぁ!待ちやがれぇぇ!」

2人の手下は慌てて後を追う。

 

 

影の少女が振り返る。

「よかったぁ。香川くんが無事で」

 

それはやはり窪田 裕美(ゆみ)だった。

 

――――――――――――――――――

 

「ホントにありがとう。窪田さん」

 

「そんなにお礼言わなくていいよ」

笑いながら言ってくれる。

 

天使や。この子ホンマ天使や。

 

同じクラスの窪田 裕美。俺はまだほとんど喋ったことがなかったが、向こうには知ってもらっていたらしい。

 

今は2人で食堂に向かっている。

 

園羅とか最上さんとかのせいで悪印象を持たれてなくてホント~~っに良かったあぁ。

 

「それにしてもなんで助けてくれたの?」

 

窪田さんはハニカミながらそれとは違うことを言ってくる。

「香川くんて、第一中学だったでしょ?」

 

「え…?なんで知ってるの?」

そんなに有名じゃない公立なんだけど。

 

「実はね…わたしも一中なんだ。香川くんとは3年間クラス違ったけど…ずっと知ってたよ」

 

うおぉぉぉぉ!!

こんなシチュエイションあこがれてたぜぇぇ!

神が俺に微笑んでいる!!

 

窪田さんは顔を真っ赤にして俺をチラッと見る。

「それで、香川くんさえよければ…その…わたしと…付き…合って…らえ…って」

語尾はカスレて分からなかったが、窪田さん!あなたの気持ちは受け取った!

 

後やるべきことはただ1つ。

 

窪田さんの性癖が異常でないかどうかを調べることだ!!!

 

俺は意外とこの前の古賀さんのこと気にしてるんだぞ!?

 

「1つだけ訊いていいかな?」

「うん。…なんでもいいよ」

 

「あ、あのさ…窪田さんの能力って何?」

 

ここで俺が窪田さんの能力を訊いたのには理由がある。能力はその人の特徴を司るものになる確率が高いのだ。園羅が良い例だけどな!

 

「あ、有栖川さんに言ったあれ?あれはウソだったの。ホントはあんなところで使える乱暴な能力じゃないんだよ?」

 

首を傾けて笑いかける。可愛い!

いや~良かったあ。これで一安心。

 

ちょうど女子トイレの横を通りかかる。

「でも…あんな程度の人、わたしの体術で充分倒せるけどね」

「え?」

 

俺の体がフワッと浮かぶ。

 

足が引っかけられ、てこの原理で体ごと回されたことに気づくには何秒か遅かった。

 

「ガッ!??」

 

受け身もとれず女子トイレの床に転がされる。

 

「痛ッ、痛たッ」

手を後ろにねじ曲げられ、強引に前に押し出される。俺は抵抗も出来ずに個室の1つに押し込められた。

 

結局こんな展開かよ!

 

「ゴメンね、香川くん。でもわたし、どうしてもガマンできなかったの」

 

俺を蓋の閉じた便器に座らせ、後ろ手で個室の鍵を閉めると、すまなそうな顔で謝る窪田さん。そんな顔しないで!許したくなっちゃうから!

 

「~~~~んんん!!」

 

いきなり口を塞がれる。窪田さんの唇で。

 

柔らかい唇を味わう間もなく、ベロが俺の口に侵入する。俺の舌に絡まる窪田さんのベロ。いやらしく舌に絡みつくかと思えば、口の中をネットリと舐め回す。

俺は窪田さんが俺の口中を蹂躙する間ずっとバカみたいに、彼女の小さくかわいい鼻を見つめていた。

窪田さんは目を閉じ、俺の口中に全てを集中するかのようにずっと唇を離さなかった。

 

 

「…………………ン…ンン…プハッ」

チュプッ。

 

俺の口から彼女の唇、その中に収まる赤い舌へと唾液が糸をひく。

 

「フフ。キスしちゃった」

イタズラっぽく笑う窪田さん。

 

俺はあまりの出来事に心を奪われてなにも言えない。

 

「いいんだよ、香川くん。好きなことして」

その一言は俺の理性を荒野の彼方へと吹き飛ばすには充分な破壊力を持っていた。

 

「~~~~ッ!!」

窪田さんを抱きしめて、口づけを求める。我ながら"好きなこと"と言われてこの程度のことしかできないのは情けない。

 

「ンンッ―――チュッンン……」

2度目のキス。ただし今度は俺の方からも舌を絡ませて。ヌメヌメとした窪田さんの柔らかいベロに俺の舌が絡みつく。

まるで蛇の交尾のように。

 

長い間そうしていたと思うが、窪田さんは不意に自分から唇を離した。

 

「プハァッ………フフ、こっちも熱くなってるよ」

 

スカートの中に手を入れると、クチュクチュ…という音をたてる。

俺にはそのスカートの中の秘密の花園を想像することはできなかった。

 

「……こんなになっちゃった」

差し出された手には指と指の間に粘っこく糸をひく液がついていた。

 

ドクンドクンと心臓が脈打つ。

 

窪田さんの積極性は予想外だったが、こんなところで今まで使い古した童貞が捨てられるとは思わなかった。

さらば、俺のチェリー!!

 

窪田さんが囁く。

「ね。香川くんのも…見せて」

 

顔が熱くなるのが分かる。

 

ズボンのチャックを引き下ろす。

女子に見せるのは人生初の愛しのマイサンを俺はゆっくりと引き出した。

 

さっきからの情事で興奮はしているものの、いまだ100%中の100%とはいかないソイツを窪田さんはマジマジと見つめる。

 

窪田さんはゆっくりと手でマイサンを握ると、滑らかな動きで上下に扱き始めた。

窪田さんの指に絡まった汁が肉とすれて卑猥な音をたてる。

 

シュッシュッシュッシュッシュッ。

ヌチュッヌチュッヌチュッヌチュッ。

 

俺はあまりの歓喜で我を忘れ、荒く呼吸しながらただその愛撫を受け入れていた。

 

思えば女子トイレの中に入るのは初めてだ。

 

すえた独特の匂い。

 

窪田さんもここで…。

 

「…スゴい元気になったね」

 

気がつくと俺のスティックは窪田さんの手の中で破裂しそうなほど膨らんでいた。

血管がピクピクと脈打っている。

 

ここで俺は大事なことに気づいた。

「あっ、俺コンドーム持ってない!」

 

窪田さんはクスクス笑う。

「コンドーム?そんなのいらないよぉ」

 

俺の耳に口を近づける。

「な、か、で、出して、ね?」

 

ゴクリと唾を飲む。

「く、窪田さんがそう言うなら…」

 

「窪田さんじゃなくて、裕美って呼んで」

 

「ゆ、ゆ、ゆ、裕美…さん」

 

「それじゃ一緒じゃん」

クスクス笑いながら窪田さんは俺の上にまたがると、俺の肩に左手をやりスカートの中に右手を入れ、ゆっくり腰を下ろしはじめた。

 

俺のドキドキは既に最高潮だ。

 

初めてがトイレでとは思わなかったが、相手は申し分ない。思えば今まで苦節15年、長かったなあ(シミジミ)。

 

先っぽが何かの存在を感知する。

 

不意になにか喋らないといけないような気がして、とりとめもないことを言う。

 

「ね、ねぇ。裕美さんの能力って一体何?」

 

 

 

意外にも、窪田さんは動きを止め、俺を上目づかいで見上げる。

 

慌てたのは俺だ。

「い、いや…言いたくないなら言わないでいいんだけどさ…」

 

窪田さんは俺にしなだれかかると囁いた。

 

「わたしの能力の能力名は【百合中毒】(リリー・ホリック)。わたしのアソコに触れた相手は1日だけわたしのトリコになる」

 

た、確かに今の状況ではおそろしい能力だけど、まぁ1日だけなら…。

 

クチュクチュクチュ。

 

右手を入れたままの窪田さんのスカートの中から聞こえてくる。

 

「【百合中毒】(リリー・ホリック)には能力がもう1つ。わたしの初体験の相手は一生涯わたしだけを見つめて生きることになる」

 

「……え?…」

 

そ、それって……。

 

クチュクチュクチュクチュ。

 

「いいでしょ、香川くん?ここまでしたんだもん。最後までしたって、ね?」

 

「で、でも一生はちょっと…」

 

クチュクチュクチュクチュクチュ…。

 

「でもわたしも裏切れない。裏切ったらきっと…香川くんに殺されちゃう」

 

お、おっそろしい能力じゃねぇか!

 

不肖のマイサンはすっかり萎縮してしまった。

 

「あ、ゴメンね。こんな話しちゃって。早く、キモチよくなろうね」

 

そう言うと、スカートの中から右手を抜く。

さっき以上にヌレヌレだ。

 

「こぉんなにビショビショになっちゃった。ゴメンね、エッチな女の子で」

 

やめて、窪田さん!それ言われると興奮しちゃうから!!

 

 

窪田さんは唇を俺に押しつけ、舌を口内に挿入した。さっき以上に激しく俺の口中を犯しにかかる。

 

さらに、濡れた手で俺のスティックを包むと素早く回転をかけながら上下に擦る。

 

チュパッレロッチュパッレロッ。

チュッチュッチュッチュッチュッ。

ヌチュッヌチュッヌチュッヌチュッ。

 

やめなければ。頭ではそう思うものの、体は全く動かない。

その頭脳も快感の前に跪こうとしていた。

 

チュパッレロッチュパッレロッ。

チュッチュッチュッチュッチュッ。

ヌチュッヌチュッヌチュッヌチュッ。

 

「ン…ン…ンンン!」

 

「プハッ…フフ、スッゴい熱ぅい。じゃイれるね、香川くん」

 

ハァハァと息をつく俺はもうマトモに思考できない。

 

「…太郎って呼んで」

 

「フフッ、太郎…くん」

 

 

ゆっくり窪田さんの腰が俺の腰へと下りていく。俺に止めることはできない。

 

 

 

バタバタ。

 

「!?」

 

「ったくあのバカ来なかったじゃない」

 

園羅の声だ!

 

窪田さんは急いで俺の口をキスで塞ぐ。

 

「仕方ないですよ。きっと日本史の課題が終わらなかったんですね」

続く最上さんの声。

 

「まぁバカだから仕方ないわね」

 

バカというのは誰のことか丸わかりだ。

くっそー!本人のいないとこでバカにしやがってえぇぇ!!(ホントはいるけどな!)

窪田さんのキスで俺は声が出せない。もっとも今となってはあの人たちに助けを求める気は微塵もないが。

 

蛇口の開く音。勢いよく水の出る音。

 

「あれ。なんか変な匂いしません?」

 

「なにそれ」

 

「そうですね…ナニやらイヤらしい匂いが漂ってますけども」

 

最上さん嗅覚鋭っ!

よくトイレの中で気づけるなっ。

 

「どこから?」

「う~ん、そうですね…」

 

 

そして俺は見た。個室の扉の隙間から1つの光る目がこちらを見ているのを。

 

ヒイイッ。

 

もちろん声は出せない。窪田さんの小柄な体を抱きしめる。

 

 

 

「やっぱり気のせいだったみたいです」

 

え?

 

「まったく人騒がせね」

 

「すいません」

 

2人は連れだって出ていった。

 

 

 

「アハッ、気づかれなくてよかったね」

口を離した窪田さんが囁く。

 

そうだろうか。

最上さんは確実に知っていた。

 

「じゃ、そろそろしよっか」

「う、うん」

 

三度目の正直とばかりに窪田さんが腰を下ろす。心なしか焦っているようだ。

 

 

 

 

ベキッ!!!

 

「な!?」

 

音は扉から。正確に言えば扉に付けてあるスライド式の鍵から。

 

ベキッ!!!

 

「だ、誰ッ!?」

窪田さんが叫ぶ。返事はない。

 

 

ベキッ!!!!バキバキバキッ!

 

ガチャンという音をたてて、周囲の木材から引き剥がされた鍵が床に落ちる。

 

ゆっくりと扉が自動的に開いていく。

 

 

そこにいたのはモップの柄を槍のように構えた最上さんだった。

 

「なッ!!」

 

「いやー、隅におけない人ですねえ。」

ニッコリと笑う。

 

「じゃ、邪魔するなァッ!」

窪田さんが叫ぶ。心なしか目がイってる。

 

「おいたをした子にはオシオキしなくてはなりませんね」

最上さんはモップを投げ捨てると、目にも止まらぬ速さで窪田さんの首筋を抑えつける。

 

「わたしの能力は知っていますよね?【赤い菊】(レッド・マム)!」

 

「アアアッ!」

窪田さんの叫び。俺からは見えないが、きっととんでもなく拡げられているんだろう。

 

最上さんは窪田さんのスカートをまくり上げ、下半身を剥き出しにする。

「さて、ヤりましょうか」

 

 

「わたしも一枚噛ましてもらうわよ」

 

トイレの入り口に園羅がもたれかかっている。

 

「あら。マいたと思ったんですが」

「あんな芝居で騙されるわけないでしょ」

 

 

「クッ!」

窪田さんが舌を噛む。

「せっかく!せっかく、香川くんを手に入れたのに!!」

 

「ご託は済みましたか?イれますよ」

 

最上さんマジ鬼かよ!

 

ジュプッ。

 

「アガアァッ」

窪田さんが絶叫する。

 

「あら?さすがに5本はキツかったですか?」

 

鬼や!あんた鬼や!!

 

「せっかく香川くんをわたしだけのものにできたのに!あんたらみたいなクソに目移りしないように!」

 

グリッ。

 

「グアァッ」

 

「駄目ですよ。クソなんて言っては」

 

「クソッ!あんたらみたいなのがいるからァッ、いつまでも香川くんがッ!」

 

グリグリッ。

 

「アガアアァ」

 

「それは香川さんの為じゃなく、ただのあなたのエゴですよ」

 

 

「こんなヤツ言ってもわかんないわよ」

いつの間にか園羅が横に立っている。

 

「体に教えてやんないと」

 

スパアァン!

 

「アアッ」

 

窪田さんの尻を音をたててハタく。

 

俺の目の前には憎しみと屈辱、そして快感に歪む窪田さんの顔。すでにあの可憐だった窪田さんはいない。

 

スパァァン!

グリュグリュ。

 

「あんたらッ!覚えてろよッ!必ずッ必ず復讐してやるッ。香川くんをお前らから取り戻してやるッ!!」

 

その目には憎しみの炎。

 

俺は見ていられなかった。聞いていられなかった。

 

だから…。

 

「ンッ!?」

 

唇をつける。

舌は入れずに唇だけで、窪田さんの唇を愛撫する。さすがに今日5回目のキスともなればそこそこの出来である。

 

チュッ…チュッ……チュ…。

 

スッパァァァァン!

グチュグチュグリュグリュ。

 

「ンッ、ンッ、ンンンンンン!」

 

窪田さんはビクビクと肩を震わせる。どうやらイったらしい。

 

俺はそれからしばらく唇を離さなかった。

 

――――――――――――――――――

 

「待っててね!必ずあいつらを倒して香川くんを自由にしてあげるから!」

 

授業10分前のチャイムが鳴り、園羅と最上さんがトイレを出ていく。その後に続く俺の背中に窪田さんが叫ぶ。

 

俺は振り返った。

 

「そんなことはしないでいいよ。あの2人は友達なんだ。でも…」

 

そこまで言って窪田さんの目に涙が浮かんでいるのに気がつく。

手をのばしそっとぬぐう。

 

「…君も友達だよ。裕美さん」

 

「…香川くん」

 

「太郎でいいってば」

そう言って、俺は向きなおるとトイレを出た。

また大変な性格の人に好かれてしまったなあ、と思いながら。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

夜寮のベッドで気づいた。

 

あっ園羅にアレ渡すの忘れてたあっ。

 

 

 

 




病んでる人を書くのは楽しい。
次回学級委員編終わります。
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