※この作品はR-18です。

聖侍が斬る!!!   作:UMAの風

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前話はすこし不備により段落が入れ替わっていましたが訂正しました。  すみませんでした。



それでは気を取り直して行ってみましょう。


隷(しもべ)を斬る

帝都に程近い街道を一台の馬車が走っていた。 周囲には兵士の姿も見え、それなりに身分のあるものが乗っていることが伺える。

 

暫く走りとある村に入ったところで馬車の中の老人は呻く。

 

「全くこの村もひどいものじゃ。 民あっての国じゃというのに……」

 

「そんな民を思い毒蛇の巣窟である宮殿に戻る父上は立派だと思います」

 

彼の名はチョウリ、元々はかなり高名な文官で大臣に媚びへつらわない数少ない良識を持った人物だ。

 

そしてその横で槍を壁に立てかけ座っているのは彼の娘のスピアだ。  スピアは帝国でも有名な皇拳寺で武術を習ったそれなりに腕の立つ護衛でもある。

 

村を抜けてすぐ、馬車が急に動きを止める。チョウリが前方を見ると黒い服に身を包んだ3人の人間がたっていた。

 

 

スピアは馬車を出て槍を構えるが、

 

「待てスピア!!」

 

慌ててチョウリが止める。

 

「お前たち、まさかエスデス将軍の直属の部下 三獣士か!!」

 

「お久しぶりです、チョウリさん。 あなたの政治手腕には尊敬しておりました。」

 

その中の一人、髭を蓄えた渋い男が前へ出る。

 

「ならば、何故私を狙う!?リヴァ!」

 

リヴァと呼ばれた男は指輪のはめられた右腕を掲げると

 

「我らが主の命令は絶対ですので。 貴方には敬意を示して私の最大の技で葬り去ってあげましょう。 水龍転生 」

 

 

村のすぐ側にあった溜め池の水が急に跳ね上がり数匹の龍を形作る。

 

「スピア!! お前だけでも逃げるんじゃ!!!」

 

「でも、父上は!?」

 

「いいから行け!!!」

 

「逃がさん」

 

水龍の一匹がスピアの前に回り込む。

 

鎌首をもたげ水龍は二人に襲いかかる。

 

 

 

しかし、

 

 

『スキャニングチャージ!!!』

 

そんな声と共に水龍は全て真っ二つに切られて本の水に戻る。

 

「誰だ!?   ダイダラ、ニャウ 注意しろ!!」

 

ダイダラと呼ばれた大斧を持った男とニャウと呼ばれた笛を持った少年が周囲を警戒する。

 

 

ドサッとチョウリとスピアの側に一人の戦士が着地した。 赤いフェイスガード、黄色の胴、緑の足という奇妙な鎧を着たその戦士は、

 

「間に合った……チョウリさんですね? 無事で何よりです。」

 

チョウリに向かい話しかける男を見たリヴァは先にスピアを消すべく、

 

「水塊弾!!」

 

弾丸程度の大きさの水の塊を飛ばす。 見た目こそただの水だが、その威力は弾丸より遥かに高い。

 

だが、

 

「はっ!!」

 

右手に構え剣の一振りで消されてしまう。

 

「大丈夫ですか?」

 

スピアを庇った男は三獣士を睨みつける。

 

(帝具持ち三人の相手をするのは無理だ。  ここは逃げ切る!!!)

 

 

「お二人とも逃げますよ!」

 

そういうと鎧の人物はベルトにつけてあった丸い形の何かでベルトをスキャンし叫ぶ。

 

「変身!」

 

『ライオン トラ チーター   ラタラタ ラトラータ』

 

全身の鎧が黄色くなりライオンを思わせるフェイスガードになったと思うと、三人の方向へ高熱の光を放つ。

 

「くっ!」

 

水の壁を精製し防ぐといつの間にか彼らの姿はなくなっていた。  辺りには馬車が止まる直前にリヴァが倒した兵士の死体しかなかった。

 

 

「やむをえない、一度帰投するぞ。  ビラだけ撒いておけ。」

 

 

 

ビラには一言

 

『ナイトレイドによる天誅』とだけ書いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先程の戦場から数キロ離れた場所で俺は木にもたれかかり休んでいた。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…コンボを使える時間が……延びたとはいえキツいな……」

 

チョウリさんとスピアさんを抱えて走った俺は全身を激痛に襲われていた。  無理をしてラトラータを使ったのだ。これくらいは仕方ない。

 

「大丈夫か少年?」

 

チョウリさんは俺を見て心配する。 

 

「お水を汲んできました!」

 

スピアさんが水の入った器を渡してくれる。  一息ついたところで、

 

「少年、君は何者だ?  リヴァに正面からやりあった所を見るに大臣の一派ではない。  だが、さっきの鎧は帝具だろう?」

 

「俺はナイトレイドの人間です。」

 

「やはりか…   ナイトレイドが革命軍と繋がっていると言うのは本当なのかね?」

 

「繋がっていると言うよりは革命軍の暗部がナイトレイド何です。」

 

「そうか…」

 

「あの…貴方のお名前を伺っても?」

 

スピアさんが顔を赤くしながら聞いてくる。

 

「俺は三上聖侍っていいます。」

 

「セイジ…」

 

スピアさんご何か呟いていた気がするが今は置いておこう。

 

「俺達はあなたが大臣とやり合う気があると聞いてスカウトに来ました。」

 

 

「大臣とやり合うには君らの力が必要だ。  私も君達に協力しよう。」

 

「とりあえずナイトレイドのアジトまで行きましょう。」

 

コンボによる疲労が辛い身体を引きずりながら歩くと、

 

「先ほどはありがとうございました…」

 

スピアさんが礼と共に肩を貸してくれた。 

 

ここでスピアさん達を助けたならもう直ぐあの三獣士は竜船を狙う。  残り少ない時間でやれるべきことはやりきる。   そうしないと兄貴が……  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

間もなく帝具使い同士の闘いが始まる。    帝具使い同士が闘うと必ずどちらは死ぬ。  これから起こる闘いも例外ではない。 

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