ブリタニアの少年ルルーシュは、力を三つ持っている。一つは絶対催眠能力。彼が欲し、神から送られた能力。一つはギアス。いかなる相手にでも命令を下せる絶対遵守の力、最後の一つは黒の騎士団。日本を復興させる為の彼の軍隊。ゼロという名前で彼は動き出す。全ては女性とのエロの為に。その行動が何を生んでいくのか、今はまだ、誰も知らない。
§
さて黒の騎士団を設立しましたよ、と。次はリフレイン事件だ。
「黒の騎士団!」
なんつう危険ワードを学園の教室で叫ぶんだあんたは。
「「「ワハハハハ」」」
教室が笑い声に包まれる。今は授業中、居眠りをしたカレンが寝ぼけて叫び声を上げたのだ。まあ笑われているからいいか……しかし眠い。最近黒の騎士団の活動ばかりでエロもとんとご無沙汰……じゃなかったね。朝の奉仕(ヴィレッタ)は毎日の日課です。
黒の騎士団の活動は幅広い。民間人を巻き込むテロ、横暴な軍隊、更には汚職政治家、営利主義の企業、犯罪組織などを一方的に断罪していった。瞬く間に正義の味方として認識された俺達は、協力者も増え、ナイトメアも手に入れることができた。諜報部隊の咲世子さんもやっと俺の役に立てると張り切ってくれている。
もちろん表だっての評判は最悪だ。リーダーのゼロである俺がクロヴィス総督を殺しているから。仲間内でもゼロへの懐疑的な感情はある。扇には「いつか明かす」と伝えてある。
「あんなところで泣くなよな、恥ずかしい奴め」
「純粋って言ってよ」
夕方になって、今は生徒会室で休憩中。会話の相手はスザクだ。ちなみに泣いたのは河口湖の事件に巻き込まれた生徒会のメンバーが無事だったからだ。
「まあ皆が助かってよかったよ。その点だけは黒の騎士団に感謝するがな」
「犯罪者を取り締まりたいなら警察に入ればいいのに、彼らはどうしてそうしないんだろ」
「よくわからないが、警察じゃできないこともあるんじゃないか? いろんなしがらみとかさ」
「今は駄目でも警察の中に入って変えていけばいい。それをしない限り彼らの言い分は独善だよ」
スザクは黒の騎士団に鼻息荒くなっているようだ。ここはスザクの意見を否定せずなあなあに答えておこう。
「確かにそうかもな、まあしょせんはテロリストの言うことだ。独善だけで活動しているんだろう。その点、名誉ブリタニア人で活動しているスザクは偉いよ。時間をかけて変えていこうと頑張っているんだからな」
「い、いや、僕は別に……」
褒めると引くのか。まあスザクも100%純粋な気持ちで軍にいる訳じゃないからな。半分くらいは自殺願望や過去の自分の否定といった感情なんだろうし。……でも例えスザクの内心が内罰的な感情だったとしても、それで救われる人がいるならそれはスザクの功績だ。それはつまり、スザクが反対する結果主義なんだけどな……そのところスザクは気づいているのかね? 俺は自分の行動が人によっては、というか大半の人にとって独善と呼ばれる危険思想だとわかっている。わかった上で行動しているのだ。だがスザクは自分が抱える自己矛盾について自覚がない。この自覚がないってのが厄介なんだよな。
ま、それはそうと、黒の騎士団での活動はよくよく気をつけないといけない。原作のナリタ戦のように知らないうちに民間人を犠牲にするようなことは極力さけねば。もちろん人のやることだから100%完璧にとはいかないのだろうが、それを目指して行動しなければならないのが黒の騎士団だ。その為、俺は地道な絶対催眠の行使をしている。少ない団員一人一人に「ブリタニア人だろうと民間人を犠牲にするのは駄目だ」「日本人でも民間人を虐殺するような人間は許してはいけない」と思考を擦り込んでいるところである。目を合わせて頭の中で思い描くだけで催眠にかけられるのだ。マジ便利。え? それって洗脳じゃないかって? そうだよ。洗脳しているんだよ。もちろんわかった上でね。
§
リフレイン。それは麻薬の名、過去に戻った気になれるというところが日本人に受けているらしい。やれやれ、専横なブリタニア人も問題だが、卑屈になっている日本人にも問題はアリ、と。
「何とか言ってみろよイレヴンが!」
「謝罪しろ、謝罪!」
町を歩いていたらもめ事か。日本人が租界で商売をしていたら、ブリタニア人に因縁をつけられたってところか。と、近くにカレン発見。相手は五人……と。俺はカレンの肩に手をかけて止めた。
「ルルーシュ」
「相手の人数を見ろ、五人だ。勝てる訳ないだろ」
「だからって放っておけるの」
「よく見ろ、やられている日本人を……下手に加勢して勝ったら、あの日本人はこれからあそこで商売できなくなる。彼は自分でブリタニアの奴隷を選んだんだ。租界で働くってことはそういうことだろ」
「だからって」
俺は前に進んで相手全員を視界にとらえると、催眠をかけた。
「あんたらももう飽きたろう、日本人いじめは」
「…………」
「あーあ、つまんねぇの。ゲーセンでもいくか」
「――エリア11は日本であった頃よりよくなったとも言えるよ。ブリタニアの植民地になったおかげで軍事も経済も以前より安定した。市民権だって手に入る。役所に行って手続きさえすれば、名誉ブリタニア人になれるじゃないか。ま、あとはプライドの問題か」
「それで? それがわかっててルルーシュ・ランペルージはどういう考えなの? 何がしたいの?」
「黒の騎士団」
「――!!」
「彼らのような活動も俺はありだと思うよ。とは言っても、彼らがブリタニアの学生を受け入れてくれるかはわからないけどね」
「…………」
「ま、冗談だ」
そう言って誤魔化す。
「じょ、冗談。そう、そうよね」
その場はそれで別れた。
§
その夜、リフレインの摘発を行った。案の定カレンの母親もそこにいた。それだけではなく摘発の場にはナイトポリス(警察)がいた。事前に原作知識があってサザーランドを持ってきていたので苦戦はしたが制圧することができた。
カレンと母親の確執は、原作通り解消されたようだ。だが……。
「薬の後遺症です。会話はほとんどできません。回復するとしても長い時間が必要です」
「判決、出たよ。二十年だって。待ってて、お母さんが出て来るまで変えてみせるから……だから、だから!」
――こうして、カレンには戦う理由と意思が生まれた。俺はこれを知っていた。だから、手を打たなかった。何もしなかった。……いつか罰を受けるときがくるのだろうか? カレンのことも自分のモノにしようと考えているこのゲスな俺に――。
§
「ん? ブリタニア人……ってなんだディートハルトか」
黒の騎士団の入団希望者を確認している時に、ブリタニア人がいるので何だと思ったらTV局員のディートハルトだった。こいつは混沌を好むあまりいきすぎた行動もとってしまう奴だが、まあ入れても問題なかろう。というか色々使える奴だから入れないとマズイ。原作通りにことが運ばない。問題行動については絶対催眠で解決だ。こいつというより、入団する全ての人間に面通しという理由で会うつもりだから、その時に入団希望者全員に黒の騎士団としての精神を擦り込む。民間人を犠牲にしない。ブリタニア人を差別しない。虐殺行為を許さない。とな。
「結構なことだな。入団希望者が増えて」
共犯者のC.C.が楽しそうにそう言う。
「ブリタニアは憎いがテロという手段は賛成できない。それが大多数の日本人の意識だからな。民衆が体制側に連絡しないだけでも大助かりさ。キョウトという集まりもナイトメアをこっちに回してくれるって話だ。情報提供も加速度的に増えていく」
「その為の正義の味方か」
「皆大好きだろう? 正義の味方って奴は」
「くく、その表情となりはとても正義の味方とは呼べないけどな」
確かに、今の俺を見た人はこう言うだろうな。変質者! と。裸なんだから当然だ。いつものC.C.との情事タイムの後なのだ。彼女は彼女で情事と引き替えに手に入れたピザを美味しそうに頬張っている。……これでは確かに悪の軍団の首領とその情婦だな。
「すっげえ。これってグラスゴーだろ」
「無頼! 日本が改造したやつだって」
「黒の騎士団ってすげぇな!」
「キョウトの人達、こいつまで」
「紅蓮弐式、純日本製のナイトメア!」
「――玉城はともかく、井上達まで浮かれ気分か。キョウトは複数のレジスタンスを支援しているそうだな」
「はい。その中にやっと私達も入れてもらえて」
「違うな、間違っているぞカレン。これはただの試験にすぎない」
「そう思ってもらえただけでも凄いことです」
「前向きだな」
少し浮かれた様子のカレンに紅蓮のキーを渡す。
「紅蓮弐式、君がパイロットだ。カレン」
「え? 私が? でも今は人が増えたしそれに紅蓮の防御力なら貴方が」
「私は指揮官だ。前線で戦うエースパイロットは君だよ。それに、君には戦う理由がある」
会話内容で大体わかってもらえるだろうが、黒の騎士団に多数のナイトメア・無頼とエース機・紅蓮弐式が搬入された。キョウトからの期待の表れだろう。特に神楽耶はゼロ贔屓だしな。これでナリタでも戦える戦力が揃ったというわけだ。
「ゼロ! ちょっといいか? 例のブリタニア人からの情報なんだが……」
と、思っていたら早速ディートハルトからナリタの情報だ。さあ忙しくなるぞ。
「週末はハイキングだな、ナリタ連山に」
§
週末の前に学校を休んでナリタまでやってきた。それというのも山での戦闘で山崩れが起きるからだ。この付近にいる民間人に避難するよう催眠暗示をかけなくては。
そう意気込んでいたら、拍子抜けするような結果が待っていた。なんとナリタ周辺の民家や企業には既にブリタニア軍から避難勧告が出ていたのだ。既に多数の民間人が避難しているとのこと。これはアニメでは……ああ、記憶にあるな。ほんのちょっとしたシーンだが避難を促すアナウンスが町に流れていた。ちゃんとブリタニア軍もやることやっていたんだな。
さて、それはともかくとして、俺のやるべきことは避難勧告が出ているのにも関わらず避難していない人達に暗示をかけることだ。……こうして考えると、シャーリーの親父さんが原作で死んだのってルルーシュだけのせいとは言えないじゃん。まあ「避難していなかった人が悪い」なんてアホなことを言うつもりはないが、軍から避難勧告が出ていたならルルーシュが全て悪いと言い切るのも違うだろう。
ま、考えるのは後だ。今はバリバリ絶対催眠をかけていきますかね。
頑張って働いたその週末、黒の騎士団を率いてナリタ連山へやって来た。見張りの日本解放戦線のメンバーを催眠状態にして先へ進む。今回は例外的にC.C.を現場へ連れて来ていた。彼女にはやってもらうことが一つだけあるからな。報酬はピザ三回分だ。
「C.C.、何をやっている。こんなところで」
地図をながめていたら外をふらふらと出歩くC.C.を見つけた。
「やることがあるんだろう」
「それは既に説明したようにもっと後での話だ!」
だからうろちょろ歩くなよ。もう!
「ルルーシュ、お前は何故ルルーシュなのだ?」
「……名前の話か。名前なら新しく名乗っただろう? ゼロと。それがブリタニアに反逆する俺の新しい名前だ」
「確かにその名前は新しいものだな。だがルルーシュの名前も残っているではないか。それはどうするんだ?」
「黒の騎士団での活動、幹部メンバーとの信頼関係、それらにはまだ俺の過去が必要なのさ。母親を殺されて妹とも生き別れたという哀しい過去がな。それは説得に役に立つ、だから残しているにすぎない。俺は甘さで過去を残したんじゃない。『使える』と思ったから残したまでさ」
「…………」
「問答は終わりか? それならこっちへ来い」
まったく、不死人様は気まぐれでいらっしゃる。
「ゼロ、本当にやるのか?」
「相手はコーネリア、ブリタニアでも屈指の武力を誇る相手だ」
とはいえ、今回の作戦で武力はあんまり関係ないんだけどね。ルルーシュのお家芸、地形を使っての掃討作戦だから。扇は日本解放戦線と協力しないことが不安らしい。まだゼロは完全に信頼されていないようだな。まあいい、ゼロの信用については「その時」がきたら審判されるだろう。
そうこうしている内にブリタニアの大軍勢が行軍を始めた。
「始まったな」
「じょ、冗談。冗談じゃねぇぞゼロ。あんな大軍じゃ完全に包囲されちまう。帰りの道が……」
「もう封鎖されているな。生き残るなら戦争するしかない。」
その俺の言葉に幹部達が不安を口にする。
「確かに、これで私達が勝ったら奇跡だな」
「ゼロ! 今更」
「メシアですら奇跡を起こさねば信じてもらえなかった」
「あのなあ! 奇跡は安売りなんかされてねえっての! ……やっぱりお前には任しちゃいえねぇ!」
これは玉城の言うとおり、奇跡はそう簡単に起きないから奇跡なのだ。俺は懐から拳銃を取り出すと反転させてグリップを前、銃口を自分に向けた。自分を撃て、というように。幹部達が息を飲んだ。
「既に退路は断たれた。誰でもいい、この私抜きで勝てると思うのなら私を撃て。黒の騎士団に参加したからには選択肢は二つしかない。私と生きるか! 私と死ぬかだ!」
話している間にもブリタニア軍は日本解放戦線を駆逐していく。
「どうした? 私に挑み、倒しみせろ」
「ケッ、好きにしやがれ!」
「ああ、あんたがリーダーだ」
「……ありがとう」
本当にありがとう。今はその小さな信頼が嬉しい。
俺は無頼に乗り込むと、地形と布陣からコーネリアの位置を読み取った。
「さすがだよコーネリア。貴方は優れた指揮官だ。だがそれ故に読みやすい。お前の位置すらもな」
紅蓮弐式に乗ったカレンに指示を出す。ブリタニアの軍人を殺す策の始まりだ。直接手を下すのは団員だが、責任はリーダーであり指示を出す俺にある。団員が殺すのではない。「俺が」殺すのだ。……覚悟を、決めろ!
「よし! 全ての準備は整った。黒の騎士団総員出撃準備! ……作戦目的は敵将コーネリアの確保だ!」
そうは言っても、本当にここでコーネリアを確保するつもりはさらさらないがね。仮にやろうとしてもランスロットが突っ込んでくるから無理。今回の目的は黒の騎士団に勝利という成功体験を味わわせることにある。一度でもブリタニアに勝ったという体験があれば組織は大きくなる。団員達も強くなる。
「カレン、貫通電極は三番を使う。一撃で決められるな」
「はい!」
信頼されているカレンは命令に対して喜んでいるらしい。忠節を感じるぜ。信頼して、その信頼を返されるのは思っていた以上に嬉しい。そうだよな、まずリーダーである俺が団員を信じないとな。
紅蓮の輻射波動が炸裂した。……少しの時間が経って、山崩れが発生した。いよいよだ。といっても今回はこの山崩れが全てだ。
「コーネリアへの援軍は限られている。一気に突き進め!」
敵ナイトメアを破壊しながら進む。背水の陣をしいた我ら黒の騎士団は止まらないぜ!
「ゼロはいるのか。いるならこの私と、ジェレミア・ゴットバルトと戦え!」
「今貴方に関わっている時間はないんですよ」
お前との接触は少し後だ。と、紅蓮弐式が横合いから突っ込んできた。少しやりあった後、その右腕がジェレミアのサザーランドを捕まえた。輻射波動が炸裂する。機体が破壊され、イジェクションシートが発動してジェレミアが後ろに投げ出される。あいつの場所は把握しておかないとな。俺は後ろについてきていた団員の一人に指示を出すと、ジェレミアを捕捉しておくように伝えた。
よし、全ての条件はクリアされた。後はコーネリアだ!
最近の悩み。皆さんが多くの感想をよせてくれて大変嬉しいです。中にはエロのリクエストもあったり。ただ……贅沢かもしれませんが、一つ希望が。「エロの感想」が欲しいです。他でもないエロSSなのですから、エロについてご意見が欲しいです。このエロは良かったとか、このエロはいまいちとか。使えたとか使えなかったとか。できればでいいのでそういう感想お待ちしております。