紅蓮弐式の攻撃でまた一機撃破した。
「よし、紅蓮は予定の位置へ! ここは残った者で突破し、コーネリアを狙う!」
「はい!」
「わかった。いけるぞ俺達」
そうだ。動け。この戦いに勝てれば俺達は本物の闘士になれる。通信がコーネリアの近くに無頼がやってきたことを知らせる。日本解放戦線らしい。ならそれは無頼改か。藤堂と四聖剣がきたか。
(奴らなら親衛隊の相手をしてくれるはず)
……そろそろ、か。奴が出てくるのは。たった一機で状況を変えてくる、向こうのジョーカーが。
「コーネリア殿下!!」
大きな声が戦場に響き渡る。コーネリアの騎士ギルフォードか。だが遅い。紅蓮弐式は既にコーネリアの前に立っている! そして俺も、な。俺はアサルトライフルで紅蓮と交戦中のコーネリア機に援護射撃をした。
「聞こえるか、コーネリア? 既にチェックメイトだ」
「ゼロか」
「我々に投降して頂きたい。ちなみに援軍は間に合わない。私達の勝ちなんだよ」
そう、この勝利は俺達黒の騎士団全てでつかみとったものだ。だからこそランスロット、スザクよ。お前の勝ちにはさせんぞ。
…………!! 来た、来た、来た、来たァ!! 白兜、ランスロットめ。一直線にこちらに向かって来やがる。この敵めが!
「紅蓮弐式は奴を破壊しろ。こいつの突破力は邪魔だ!」
既に黒の騎士団の中ではランスロットのパイロットが抜擢を受けた枢木スザクであることは話してある。カレンにも敵対した時は容赦するなと言い含めてある。お前の思い通りにはさせねぇぞスザク!
背後を任せたコーネリアがこっちに向かって来る。よし、ここまでだ。ちょうど紅蓮がランスロットのヴァリスを受けて右腕が駄目になったようだ。
「――引くぞ!! 全軍、脱出地点に移動させろ。これ以上は消耗戦になる!」
俺は急いで無頼を引かせる。原作のように撃破などさせるものか。コーネリアはエナジーが切れたのかその場に留まっている。ランスロットだけが追ってきた。く、クソッやはりランスロットの動きは滅茶苦茶だ! 簡単に武装を破壊されてしまった。手札を切るしかないか!
「待て! そのナイトメアのパイロット! 私はゼロだ。貴様には勝てん。投降しよう」
「!?」
急に投降しようと言われて敵機の動きが止まった。甘いなスザク。もしこれがコーネリアだったら躊躇いなく撃ってくるところだ。俺はコックピットハッチを開き、後ろで待機させていたC.C.を外にだしてやった。
「え、あれは。シンジュクの」
更に動揺するスザク。その隙を突いてC.C.がランスロットに近寄った。さあやってやれ! C.C.がナイトメアに触れると。
「ルルーシュの言う通り、間接接触だが、まあ何とかなるだろう」
C.C.とスザクが間接的に接触する。この役目は絶対催眠でもやれたが、条件付けが複雑になりすぎるのと、スザクが軍部内で疑われるのを避ける為に原作通りにした。ゼロを追い詰めたところで(絶対催眠で)急に止まったら、またゼロとの繋がりを疑われてしまうからな。ある時点までは原作通りになってもらわないと。俺のエロ計画に支障がでる。
「うわああああああああああああ」
ランスロットが無茶苦茶にヴァリスを射撃する。岩や木が壊され、その破片がC.C.に突き刺さった。この野郎! 俺の女によくも!!
俺はC.C.を抱えるとコックピットに戻り、無頼を発進させた。今日はまだやることがあるからな。報復は今度だ!
§
C.C.の再生能力はやはり尋常ではなかった。しばらくしてうめき声を上げるくらいには回復した。
「やっと呼んでくれたね」
寝言でそんなことを言う。だが俺はC.C.の本名は聞いていない。俺がゼロやランペルージを名乗っているように、彼女にも仮面はある。今更名前なんてどうでもいいじゃないかと俺は思う。
「一度しか言わないから良く聞け。……C.C.、ありがとう」
これじゃまるで俺がツンデレみたいじゃないか!
俺は無頼を操ってナリタの麓にある道路に来ていた。見張っていてくれた団員には催眠をかけて忘れさせた。今頃戦勝に浮かれている仲間の元へ合流している頃だろう。
キィィィィ-!
車、トラックがブレーキを引く音が響いた。そのブレーキの要因となった道の先には、杖を突いて息も絶え絶えな状態のジェレミアがいた。俺は無頼から声を飛ばした。
「催眠状態になれ!」
これで車の中の嚮団に繋がるブリタニアの研究者と、ジェレミアは催眠状態になった。
「そこで休んでいろ」
俺は後ろに居るC.C.にそう声をかけると無頼から降り、ジェレミアを目覚めさせた。
「催眠状態を解除。疲労しているだろうが起きろ。無理矢理にでも起きろ」
「……! お、お前は、ゼロぉぉお!」
「慌てるな、今仮面をとってやる」
俺は仮面を取り素顔をさらした。
「久しぶりだなジェレミア卿。こうして顔をさらして会うのは母上の葬儀以来か。……俺だよジェレミア。故マリアンヌ王妃の息子にしてブリタニア皇子のルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ」
「!? ま、まさか!?」
「驚くのも無理はないと思うが本当のことだ。俺がゼロだ」
そうして俺は語った。母の葬儀にもナナリーの見舞いにも来なかった父、日本に人質として送り込んだ父。であるのにも関わらず日本に戦争をしかけ、俺達を見殺しにした父、彼に反逆するためにゼロとなったことを。
「そ、そんな。馬鹿な」
ナナリーは日本で平和に暮らしていること。俺もアッシュフォードに身を寄せていること。だがもし見つかってしまったらまた陰謀の対象となってしまう為、ブリタニアの破壊をもくろんだこと。全て話した。……ギアスのことも。
「だから、オレンジという言葉には何の意味も無いんだ。そしてその能力、ギアスにかかっていたから、命令どおり貴方は全力で俺を見逃し、その記憶を失ったのだ」
「それで……」
さてここからは絶対催眠の出番だ。目を合わせて、ゼロに対する嫌悪感などを薄れさせ、俺への忠誠心を増やしてやる。
「殿下! また、こうしてお会いできるとは」
「ああ、俺も嬉しいよジェレミア卿。……実はだな、貴方に頼みがあるのだ」
そこで止まっているトラックと、催眠状態になっている研究者達について説明する。ギアス等を研究している機関だということ。ブリタニアでも重要な研究であるので、彼らに拾われて協力すればブリタニアの地位を復権できるかもしれないこと。俺自身ギアスのことについて知りたいので、自分の配下の者を潜り込ませたいと話した。そして研究者達とは別の外部組織、嚮団があること。そこのトップが叔父でシャルル皇帝の兄であるV.V.だということ。彼こそがマリアンヌを殺した人間であること。復讐の為に出来ればそちらの情報も欲しいことも、合わせて説明した。
「という訳なんだ。できれば貴君にはこのままこの研究者達に捕まって内部に潜り込んで欲しい。そしていつか嚮団にたどりついてV.V.の居場所を掴んで欲しい。……今更自分の立場にすがって申し訳ないが、ブリタニアの皇子としての命令だ。どうか聞いてくれないだろうか」
「…………殿下!!」
ジェレミアは感激し、俺に同意してくれた。よかった。これで、ナリタでやることは無事全部成功した。俺はジェレミアを安らかな眠りに落とすと、研究者達に催眠をかけてジェレミアを拾うこと。ゼロの無頼を忘れることを暗示でかけ、その場を辞した。
さて、次は局地戦で勝利した黒の騎士団の戦勝祝いだ。今回はパァーっとやろう。