ようやく藤堂という戦術も戦闘も任せられる人材が手に入った。ラクシャータという技術者も。それを踏まえて組織を大幅に再編成した。……これでいよいよ俺という存在が試される時がきた。
「ゼロ、幹部メンバーだけを集めて話しって、一体なんなんだ? そろそろ組織の改変について発表があると思っていたが……」
会議場には扇グループ、情報担当ディートハルト、戦闘幹部藤堂と四聖剣、技術主任ラクシャータがそろっている。藤堂と四聖剣はついこの間加入したばかりでまだ正式な役職は与えられていないが、近日中に行う再編成の結果についての発表、その前に既に内示してあるので幹部として集まってもらった。
「これまでずっとごまかしてきたことだ。……私の正体だよ」
「「「!?」」」
まずは前置きからするべきか。
「今までずっと隠していた私の素顔を見せようと思う。だが、もしこの中に私の正体を知りたくない、私が誰であろうと構わないという者がいたら退室してくれ」
「……そういうことなら私は退室します。ゼロ、私にとっては貴方がどんな人物であれ、私に見せてくれるものには変わりがないのでね」
「ケッ、ブリキ野郎が」
ディートハルトが退室を申し出た。それに対して玉城が毒づく。少しは仲良くやろうという気持ちがないのかお前は。
「…………退室するのはディートハルトだけか。ではよい。扉のロックはしたな? それでは仮面をはずそう」
葛藤がなかったと言えば嘘になる。それでも俺は、仮面を取り素顔を見せることが誠意だと思った。それに勝算がないわけではない。「ブリタニアの学生」だと知っても命を賭してくれた卜部、「皇帝の実子、皇子」だと知っても味方になってくれたカレン。そういった存在も原作にちゃんといたのだ。だからそこまで分の悪い賭けだとは思わない。実際アニメを見ていた視聴者達だって、行動が外道だったり卑怯だったりする原作ルルーシュを応援していたではないか。中途半端にブリタニアの学生とか、皇子とかだけを知られたら反発されるかも知れないが、全て、本当に全部の事情を知ったら味方になってくれる団員だっている、と俺は思う。――だから!
俺は、封印していた仮面をとり素顔を見せた。
「!? 嘘、なんで!?」
「ブ、ブリタニア人!?」
「まだ少年じゃないか!?」
素顔を見た幹部メンバーの反応は大体予想通りの驚愕だった。カレンは一人違う驚きに身をすくませている。
「ル、ルルーシュ、そんな、なんで。嘘よ」
「カレン、彼を知っているのか?」
「まずは自己紹介をしよう。私の名前はルルーシュ・ランペルージ。そこの紅月カレン――租界ではシュタットフェルトを名乗っているが――のクラスメイト、同じ私立アッシュフォード学園に通う学生だ。そして見てわかる通りのブリタニア人だよ」
「学生!?」
「ブッブリタニア人だと!?」
「あらまぁ」
まずは段階を踏んで現在の身分を明かす。次に本当の名前もだ。
「だがそれすら偽りの経歴! 私の本当の名前はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。現ブリタニア皇帝シャルル・ジ・ブリタニアを父に持つ、ブリタニアの第十一皇子だ」
その一言に、驚愕に沸いていた会議場内は静まり返った。ブリタニア人と知られれば驚きもするだろうが、いきなりブリタニア皇帝の息子だと言われたらあまりの突飛さに脳がついていかなくなったようだ。これも予想通り。
「この顔でお会いするのは久しぶりになりますね。お久しぶりです藤堂さん」
藤堂に再会の挨拶をする。
「君が……そうか。君か。君がゼロだったのか」
「藤堂さん、彼を知っているんですか?」
「ブリタニアの皇子、だって!? それじゃあ俺達は」
騙されていたのか、と続きそうになる言葉を遮って、俺は目の前の机を大きな音を立てて叩いた。バン! と大きな音が響いて再び場に静寂が訪れる。
「静かに!! まずは俺の話を聞いてくれ。裏切られていたと思う者もいるだろう。だがその前に、話を聞いてくれ。この場から去るのも糾弾するのもそれからにしてくれ!」
そうして俺は語り始めた。自分の物語を。
ブリタニアの皇子として生まれたこと。
妹がいたこと。
母マリアンヌは騎士の出で王宮内での権力争いでは権勢がなかったこと。
九歳の時に母の暗殺事件が起きたこと。
その事件で妹は両足の自由がきかなくなり、事件のショックで盲目になったこと。
母を守れなかった父を糾弾したら不興を買い、当時敵国であった日本に留学生という形で人質に出されたこと。
日本の枢木家に預けられ、そこで枢木スザクと知り合い友人になったこと。
藤堂や桐原とそこで知り合ったこと。
人質であったのにブリタニア本国が日本に戦争をしかけ、命が危険にさらされたこと。
敗れていく日本を見ながら、日本での新しい生活を壊されたことと、人質だったのに戦争をしかけ事実上の見殺しにあったことで父親に激しい憎悪を抱いたこと。
他国を侵略するブリタニアを許せないと思ったこと。
戦後の混乱で妹と生き別れになってしまったこと。
そこから母の後援をしていたアッシュフォード家に辿り着き保護されたこと。
家名を変えてブリタニア人を装い、皇子としての自分はブリタニア内部では死亡された扱いになったこと。
それから七年間、学生として過ごしながらもブリタニアを倒すつもりで計画を練り、準備を進めていたこと。
偶然シンジュクのテロと虐殺事件に居合わせて、そこで初めてブリタニアに反逆しクロヴィスを殺したこと。
「その後のことは諸君らが知る通りだ。自分の身代わりとして容疑者にされた友人の枢木スザクを救うと同時に、ゼロとしてデビューし、黒の騎士団を設立し、今まで組織を運営してきた」
俺の長い話に、皆は文句も言わず聞き入ってくれた。さすがに泣いたりする者はいなかったが、皆神妙に話を聞いてくれた。
「俺は……俺はあの男。ブリタニア皇帝を許すことができない! 自分達を人質として扱い、あまつさえ戦争をしかけて見殺しにしたあの男のことを! 俺は絶対に許さない!! あの男だけは必ず俺がこの手で殺してやる!!」
はぁ、はぁと肩で息をするくらいに熱を上げ、身振り手振りを交えて皇帝への憎しみを語った。……実を言うとそこまで父親を憎んでいるわけじゃないんだけどね。いやそりゃ見殺しにされたことは恨みに思っているし憎んではいるけどね。その為に生まれとは関係ないこのエリアで抵抗活動をして日本を復興させ、その後ブリタニアと戦争をして、勝って、王宮に乗り込んで皇帝を殺してやる! とまでは思っていないよ。だからこれはポーズだ。見殺しにされた皇子として皇帝を恨んでいますよー。だから俺のブリタニアへの怒りは本物ですよーというポーズだ。
「熱くなってしまったが、それが、俺がブリタニアへ反逆する理由だ。これが今回皆に集まってもらった理由の半分だ。だが過去の話はもういいだろう。次はもう半分の未来の話をしたい。――これから先、黒の騎士団を率いていくゼロの話だ」
そう、ここからが重要なのだ。俺が今後も黒の騎士団にいられるかどうかのターニングポイント。
「俺としては、この事実を知った皆に俺への不信感が芽生えたと思う。それでなくてもブリタニアへの反抗組織のトップをブリタニア人が務めることをよく思わない人間も出てくるだろうからな。そこで俺は提案したい。これから三日後、こんな話を聞いてすぐの今では皆も平静でいられないだろうから三日後、俺が仮面のリーダーゼロを続けていくかどうかの投票を行いたい」
「投票?」
「そうだ。無記名での投票を行うつもりなので、誰がどういう意思をもっているかはわからないようにする。俺がゼロを続けるかどうかへの賛成と反対の投票だ。その投票で過半数、今ここには俺を除いて十三人の人間がいるから七人以上の賛成があった場合、これまでと変わらず俺がゼロを務める。反対の票が七人以上あったら、その時は、俺はゼロの座から降りる。その時は誰か適当な人間に仮面を被せてゼロを演じ続けてもらえばいいだろう」
俺がそう言うと、現在副リーダーという地位にいる扇に視線が集まった。扇は皆に見られて落ち着かなそうな態度だ。
「そして、その場合今後の俺の処遇については二通りの道がある。一つは、ゼロの仮面を被った者の傍で参謀として組織の運営や団員への演説、戦闘中の戦術などをサポートする役目に就くことだ。その時はディートハルトと同じように、最近入団したばかりのブリタニア人だが、参謀という役職に就いたということにしよう。学生の参謀、それもブリタニア人など大多数の団員は納得しないかもしれないが、それ以後の参謀としての働きをみて認めてもらえるように頑張るしかないだろうな。……反対の票数が多くても、俺の能力が必要だと皆が思ってくれた時にはそうしようと思う。もう一つは、反対の票数が多く、かつ俺の能力など必要ない。ブリタニアの皇子など黒の騎士団には必要ない――と多数の者が思った場合、俺は静かにこの組織を去ろう」
「…………」
「…………」
会議場は静まり返っている。この沈黙は苦手だ。胃の辺りが痛くなってきた。
「それでは、長く続いた俺の話はこれで以上だ。わかっているとは思うが、俺の正体についてはここにいる幹部メンバー以外の団員へ知らせることは禁止する。絶対に、俺の正体については秘密にしてくれ。ゼロがブリタニア人だったなんて噂が一般団員の間で広まったらこの組織は瓦解する。それは皆が望む展開ではないだろう」
絶対催眠を使って発言したので、これで迂闊な人間によるゼロバレも起きないだろう。
「投票までの三日間、幹部メンバー同士で相談するのはOKだ。ただし団員のいる場所では控えてくれ。……一応聞くが、この投票そのものに反対の人間はいるか?」
念の為確認したが反対する者はいないようだ。ならばよし。玉城とか、色々と文句を言いたい幹部もいるだろうが、投票のことを先に言ったことが功を奏したようだ。文句を言うぐらいなら三日後の投票で反対票に入れればいーや、と思ってくれたのだろう。
「それでは、今回の会議はこれで終了とする。皆、退室してくれて構わない。ただ、カレンは少し残ってくれないか? 個人的に話がある」
その言葉で、幹部達はゆっくりと部屋から出て行った。そうして会議場には俺とカレンだけが残る。
「……カレン。長い間騙し続けてすまなかった」
俺はカレンに対して頭を下げる。
「…………」
「これまで俺はクラスメイトや生徒会の仲間として過ごす一方で、ゼロとして君に命令していた。ずっと君を欺いてきたんだ。許してくれるとは思っていないが、せめて謝らせてくれ。本当にすまなかった」
「……や、やめてよ。そんなの。……私は、まだ混乱してる。あんたがブリタニアの皇子だって聞かされて。……でも、そんな風に謝ってもらう必要はないよ。わ、私だって、学校の皆を騙してる。本当は日本人とブリタニア人のハーフなのに。黒の騎士団の人間なのにそれを隠してる。私とあんたは一緒だよ。同じ、嘘つきだ」
「カレン……」
まあカレンなら許してくれるだろうと思っていたけどね。
「ありがとう。そう言ってもらえて少しだけ気が楽になったよ。三日後の投票がどうなるかはわからないが、今は礼を言わせてくれ」
「だ、だから、お礼とかもいいんだってば!」
カレンは顔を赤くして怒鳴る。……かわいいなぁ。
「投票……か、どうなるのかな」
「こればっかりはわからない。ただ、俺が今までどれだけ黒の騎士団で信用されていたかという結果が示されるんだ。俺はその結果をただ受け取るだけだよ」
今回の俺の過去話で、ゼロの幹部に対してのカリスマ性は減少したと言わざるをえない。仮面の人物・ゼロでいた頃より確実に皆に訴えかけるカリスマ性はなくなっただろう。だが一方で同じ人間としての親近感のようなものは芽生えたはずだ。一応視線を合わせての絶対催眠で、「俺に対する嫌悪感などの悪感情を薄めてくれ」と暗示をかけておいたが、絶対に賛成に票を投じて欲しいとはやらなかった。結果はまさに神のみぞ知る、だ。
何故俺がそうするのか? これは余人にはあまり理解できない感覚かも知れない。やっぱり、俺という存在は異質で異常なのだ。この世界本来の存在では無い。それは俺がこの世界で過ごすにあたりずっと胸の中でくすぶり続ける思いだ。だから、俺は世界と勝負がしたい。俺が本当の意味でこの世界に認められるかどうかの勝負だ。だから絶対催眠で賛成票に投じてくれとは命じなかった。投票の結果を世界の答えとして受け取ろうと思う。
反対票が多くて参謀になった時には、黒の騎士団を掌握して行動を起こすことは出来なくなる。コーネリアとユーフェミアも諦めざるをえないだろう。だがそれでも参謀として残れるだけありがたい話だ。参謀ならブラックリベリオンの成功も五分五分というところかな。
反対票が多く、さらに皆に拒否されたら、宣言通り黒の騎士団を去り、また一から出直しだ。一人だけの状態から反抗勢力を組織することになるだろう。だがそれでは世界への働きかけ、合衆国日本の立ち上げ、ブリタニアの乗っ取りなどは行えなくなる。その時は素直に敗北を受け入れよう。
§
三日後、俺とディートハルト以外の幹部メンバーは再び会議場に集まっていた。
「それじゃあ、開票するぞ」
俺の指名で投票のしきり役になってくれた扇が開票を行う。俺が賛成に投じてくれると思えるのは、扇、カレン、藤堂、ラクシャータの四人だけだ。あと三人、扇グループと四聖剣から賛成があれば……卜部あたりは賛成にいれてくれそうな気がする。玉城とかは確実に反対に入れるんだろうなぁ。
「反対」
ぐ、いきなり反対票か。これはさい先が悪いぞ。
「賛成」
よし! よし! 賛成に票が入った。
「反対」
っく、クソッ。
「賛成」
「賛成」
賛成に三票、反対に二票。これはどうだ? いけるのか?
「反対」
「賛成」
「賛成」
賛成に五票入った! 反対は三票。このまま、このままいけ!
「反対」
「反対」
ぐぉぉおおお。クッソがぁあああああああ。
「賛成」
「反対」
「賛成……票は以上だ」
!? ?! !! ?? !!!
「じゃあ……賛成は七票、反対は六票。賛成多数だ!」
ワッ! と皆が沸き立った。そのメンバーは大体が賛成票なのだろう。逆に不満げな顔をしているのは反対の人間だ。俺は全力でガッツボーズしたいのを堪えながら、晒していた素顔をゼロの仮面で覆った。
「賛成に投じてくれた皆、ありがとう。これで私はこれからもゼロとして活動していける。反対票を投じた皆、すまないがこれが結果だ。受け止めてくれ。私がリーダー相応しい人間であることをこれから先の活動で示してみせよう」
やった。俺は勝負に勝ったんだ……。
§
それから日は過ぎ。ただいまインド軍区から受け取った潜水艦の中である。
「それでは、黒の騎士団の再編成による組織図を発表する。軍事の総責任者に藤堂鏡志朗。情報全般の総責任者にディートハルト・リート」
ブリタニア人であることで多少の言葉の応酬が行われた。だがゼロも日本人でないことを盾に反論を封じた。
「副司令は扇要。技術開発担当ラクシャータ。零番隊隊長、紅月カレン。零番隊だけは私の直轄となる。親衛隊と考えてくれればそれでいい」
「親衛隊……ゼロの」
カレンが少し嬉しそうに呟く。
「一番隊隊長………………~~~~」
その後も細かく作られた組織図を発表していく。
「ゼロ。後ほど協議すべき事項が……」
ディートハルトが提言してくる。これは確かスザクのことだったはず。奴が騎士になったことへの対抗策などだろう。
アジトの車にて。
「枢木スザク。彼はイレヴンの恭順派にとって旗印となりかねません。私は暗殺を進言します」
原作通り副総督で皇女のユーフェミアに、騎士として選ばれたからな。
「暗殺? 枢木をか?」
この場にいるのは扇、藤堂、ラクシャータ、ディートハルト、カレン、俺だ。
「反対だ。そのような卑怯な手段では、日本人の支持は得られない」
「そうです! 俺達黒の騎士団は武器を持たない者を殺さない。暗殺って彼が武器をもっていない状態で殺すってことでしょう!」
「…………」
顔見知りで清廉な藤堂は当然のように反対。扇には随分と黒の騎士団の流儀が擦り込まれているようだ。嬉しい限りやで。地道に何度も宣言してきたかいがあったというものだ。ゼロと黒の騎士団は民間人を殺さない。それが俺達のスタンスだ。カレンは沈黙している。クラスメイトで生徒会仲間の彼に複雑な感情を抱いているのだろう。
「最も現実的な手法を提言したまでですよ。決断するのはゼロです」
涼しい顔をしてそう述べるディートハルト。さて、ゼロとしての見解を話そうかね。
「フフ、ディートハルトよ。そういきり立つものではない。……私は枢木スザクをさほど脅威とは考えていない。その理由は、彼を騎士に選んだ皇女にある」
「脅威とは考えていないのですか? 皇女に何か問題でも?」
「私のもつ情報によれば、彼女の普段の穏健的な態度は全てポーズだよ。彼女はあれで姉であるコーネリアよりも苛烈な性格の持ち主だ。ブリタニアの国是であるナンバーズ政策に賛同し、日本人を差別しているはず」
「ユーフェミア皇女が……ですか?」
ふふ、皆驚いているな。特にディートハルト以外の幹部は、俺とユフィが異母兄弟だと知っているからな。その俺がもたらす情報はある程度信用してくれるだろう。
「そうだ。彼女は日本人を差別し、心の底では認めていない。今回枢木を騎士に選んだのはただの演出だろう。普段のゆるい印象を持つユーフェミアなら枢木を選んでもそう不思議ではない。だが今に見ていろ。彼女はいつかボロを出す。日本人をイレヴンと蔑む醜い心がな。だから私は枢木を脅威だと思っていないのだよ。奴は自分が信じる内部改革への道を順調に歩んでいるつもりなのだろうが、その実、自分が信じるのとは真逆の皇女に取り立てられ、今に行き詰まるだろう」
これは真っ赤な嘘だ。ユーフェミアには仮面などないし日本人を差別もしていない。だがこれから俺が行う「最低な手段」によってユーフェミアは日本人を蔑む皇女になるのだ。だから俺はこの幹部達の前でこう言ったのだ。ユーフェミアは穏健な人間ではありませんよー。日本人にとって敵対すべき危険な人物ですよーと幹部達に、また彼らを通じて下の団員にユーフェミアをそういう人物だと認識してもらう為に。
「カレン、君は確か通っている学園で彼とはクラスメイトだったな。ゼロとして命じておく、学校などで彼を暗殺しようなどとは考えるなよ。そんなことをせずとも枢木はじきに埋もれていく」
原作でカレンはスザクを暗殺しようとしていたからな。あらかじめ釘を刺しておく。
「は、はい。わかりました」
§
さて神根島だ。実際に行動を起こすのは別の島だが。
「ユーフェミアが本国からの客人を迎えにあの島へやってくる。騎士である枢木スザクとナイトメア、ランスロットも共に居るはずだ。これはチャンスだ。作戦目標はランスロット及び枢木スザクの捕獲。戦場で勝って堂々と捕虜とする!」
ナイトメアで拠点に攻撃をかける。すぐに建物から噴煙が上がる。この情報がユフィに渡れば、スザクは救援にやってくる。そこを捕らえる。俺は事前準備を終えて悠々とした態度でいた。ちなみに準備とは扇への指令とカレンへの催眠暗示だ。
ゼロ専用の無頼をおとりにしてランスロットを窪地へと引きつけた。よし、ゲフィオンディスターバー作動!
「話がある! 枢木スザク! 出てきてくれないか!」
ナイトメアの駆動系に使われているサクラダイトに干渉する装置だ。これで無頼とランスロットは止まった。さあ出てこいスザク、出てこないとお前は蜂の巣だぞ。
「枢木スザク。単刀直入に言おう。私の仲間にならないか?」
「断る! 前にも言ったはずだ。間違った方法で手に入れた結果に価値は無いと」
俺の素顔を知る幹部達は友人のスザクをなんとか仲間にしようとしているように映るんだろうな。実際は全然違う。俺はスザクを仲間にするつもりなんて更々ない。だがこの後の展開が必須なのでそうしているだけだ。
「~~!」
「~~!」
言葉の応酬が続く。七年前、父枢木ゲンブを暗殺したスザクの罪を微妙に突っつきつつ話をする。
「君のやり方には賛同できない!」
悠長に話していたらスザクを足止めにして、スザクごと俺を殺そうという後方のブリタニア軍からスザクに指示がきた。ひ弱なゼロは簡単に捕まってしまった。
「黒の騎士団! 総員そのままだ! 私のことは助けなくていい! 特に零番隊隊長は決して持ち場を動くな!」
事前にカレンにはこの作戦行動中決してナイトメアを降りるなと絶対催眠をかけてある。そうして人質にとられていると、フロートシステムを使用して浮かんでいる戦艦が近付いてきた。きたかシュナイゼル! 本当の作戦目標はお前なのだよ! さて、ではひっさびさにギアスを使いますかね。
「生きろ!!!」
そして、戦艦からナイトメアの砲撃によって窪地が真っ赤に染まった。
さて転生ルルーシュが告白した訳ですが……都合良すぎでしょうか? 一応私の頭の中では、この人物は賛成、この人物は反対、と票数を計算してあります。