※この作品はR-18です。

コードギアスでエロSS   作:月影57令

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 お待たせしました。このSSで最高に外道な回です。


STAGE 15 ゼロ

 特区日本への申請は二十万人を超えた。スザクの存在が大きいんだろうな。彼を希望とみた日本人はこぞって参加している……、か。シュナイゼルが後押ししたのも大きいだろうな。コーネリアも賛成はしている。ブリタニア初となるこの試みは、だが失敗する。失敗するのだ。

 

「事態は深刻だ。支持者だけではない。団員の中からも特区に参加する人間が出てきている」

 

「黒の騎士団と違って特区日本にはリスクがありませんし」

 

「それに謎の仮面の人物より優しい皇女殿下の方がいいってのが人情でしょう?」

 

 団員も紛糾しているな。

 

「……でも無視はできない!」

 

 やれやれ、行政特区が始まるからってみんな騒ぎすぎなんだよ。

 

 

     §

 

 

 桐原らキョウト六家も行政特区日本に参加するとのこと。だーかーらー、ブリタニアを信じすぎなんだって。まあだからこそ正義の味方・黒の騎士団が輝くんだがな。

 皇帝とV.V.もギアスが使われることを今か今かと待っているのかな? だが俺は原作のゼロのように特区日本の式典などには参加しないぞ。

 

「ゼロからの決定を伝える。――黒の騎士団団員の中で、特区日本に参加したいと思う者は自由にしてよい。だが! 参加した後でやはり黒の騎士団に戻りたいと言ったところで受け付けはしないぞ。特区日本に参加するのなら、ブリタニアに頭を垂れることを自覚しろ! そして黒の騎士団の兵士達に伝える! 行政特区日本の成立式典には会場の外側にナイトメアを含め武装した状態で様子を見守ることにする。――私の意思も伝えようか? 今回のことは全て茶番に過ぎない! ユーフェミア・リ・ブリタニア、奴はコーネリア以上に苛烈な性格の持ち主だ。特区日本は彼女による日本のレジスタンス組織壊滅を狙った策である。恐らくある程度の時間をおいて、特区日本の中に入った日本人は飼い殺しにあうと私は予想する。したがって組織・黒の騎士団としても行政特区日本には参加しない! 私からの通達は以上だ!」

 

 これが黒の騎士団内部で伝えた俺の意思だ。そして今俺は宣言通り式典会場の外側でナイトメア、ガウェインに乗って準備している。

 

「なあ、いつまで待てばいいんだよ」

 

「私が指示するまで待機だ」

 

 さあユーフェミア、その牙をむけ! この式典は全世界に中継されている。ここでブリタニアの皇女である君が日本人を撃つ、するとどうなる? 答えは暴動だ! メシアは一人でなければならない。その為には穢れてもらうぞ! ユーフェミア・リ・ブリタニア!!

 

 

 

――~~で、アッシュフォード学園の学園祭で行政特区日本の設立を宣言するのだ。そしてそれからは行政特区日本の設立に邁進したまえ。……そして、行政特区日本の設立式典、その開催の挨拶を行う時、その時から君は「日本人を皆殺しにする」人間になれ。――

 

 

 

 それが神根島で俺がすり込んだ絶対催眠の内容だ。コードギアス最大の悲劇「虐殺皇女事件」をわざと起こす。それが、俺が選んだ策だった。外道なんてもんじゃない。地獄へ行く準備はとっくに完了済みだ。だが、原作通りこの悲劇を起こせば、原作通りレジスタンスや民衆が奮起するはずだ。それでなくては政庁を陥落させ、日本を起こすことはできない!

 ナイトメアのモニターでTVを見る。LIVEと右上にテロップが出ている。

 

「私は…………。日本人を名乗る皆さん! お願いがあります。死んで頂けないでしょうか!!」

 

 キタ! ユフィは虐殺皇女になった!

 

「えーっと自殺して欲しかったんですけど、仕方ないですね。兵士の方々、皆殺しにして下さい! ぎゃくさつです!」

 

「ぬぁっ本気か」

 

「マイクとカメラを切れ!」

 

 ――パァン!!

 

 銃声が響いた。ユフィが護身用の拳銃で最前列にいた民間人を撃ったのだ。……あの民間人はユフィが殺したのではない。俺が殺したのだ。そしてこれから虐殺される人間もみな……。

 

「ひぁぁあああああああああーっ!!」

 

 日本人の悲鳴が響く。どうだシャルル、V.V.(そしてC.C.)。俺はギアスなぞ使っていないから感知できないだろう。原作のように会場に現れてユフィと二人きりで話してもいないから、そこから「ゼロと会った直後にユーフェミア様がおかしくなった」とダールトンやスザクが疑問に思うこともできない。俺が絶対催眠をかけたのはかなり前の神根島での出来事だからだ。まさかそこからゼロがユーフェミアに催眠暗示をかけたとは誰も疑えまい。

 

ナイトメアによる虐殺が始まった。それを確認して俺は黒の騎士団に命令を下した。

 

「黒の騎士団総員に告げる! やはりユーフェミアは奸賊だった! 行政特区日本は、我々をおびき寄せる卑劣な罠だったのだ! 会場の日本人を救いだせ!」

 

「「「おう!!」」」

 

 ガウェインを操作して会場内部に入る。まずはユフィ。その次にダールトンだ。そうして動こうとしたその時、ランスロット・エアキャヴァルリーが近付いてきた。いつもならば撃墜されることを恐れる相手。だが今回は別だった。

 

「お前は!!」

 

 カレンと紅蓮が立ちはだかる。そこに。

 

「…………ゼロ、枢木スザクだ。僕は、黒の騎士団に投降する」

 

「……はぁっ?」

 

 事前に学園でいる時に催眠暗示をかけておいたのさ! 「行政特区日本の式典後、初めてランスロットに乗ったら、催眠状態になって黒の騎士団とゼロに投降せよ!」とな。

 

「ユーフェミアの残虐行為を目の当たりにし、目が覚めたという訳か」

 

 スザクは答えない。投降しろという命令以外は催眠状態になっているからな。そこにあらたな催眠暗示をかける。頭の中で対象をスザクだけに絞り……。

 

「わかった。今は少しでも戦力が欲しい。仲間にしよう。だが! これまでのお前の敵対行動を許した訳ではない! 私の命令には絶対服従してもらうぞ!! まずは会場内部のブリタニア兵を倒せ!」

 

 これでスザクは片付いた。後は……。

 

 

     §

 

 

 ユーフェミアを見つけた。なんとナイトメアに乗って戦っていた。俺はガウェインを操って敵機を粉砕した。イジェクションシートすら作動させずに機体を壊す。

 

「どうしますゼロ?」

 

「ぎゃくさつです! にっぽんじんはぎゃくさつです!」

 

ユフィは手に持った銃を乱射している。

 

「……捕縛する! この女には公開処刑こそが相応しい……さあ大人しく捕まっていただこうかユーフェミア」

 

 後半の言葉で催眠をかけ、捕まえる。よし、コックピットに乗せて……と。

 

「咲世子、ロープで捕縛してくれ」

 

「了解しましたルルーシュ様」

 

 次はダールトンか。確かどこかの通路にいるはずだから地面を移動して探すか。

 

 

 

 黒の騎士団によって会場はなんとか鎮圧された。辺り一面日本人の血で血まみれだがな。さすがに気分が悪い。だが俺はここで演説せねばならないのだ。気をしっかり持て! 騎士団の皆のユーフェミアへの、ブリタニアへの憎しみは最高潮に達している。今の士気があれば計画はクリアされるだろう。

 

「やっとお会いできましたね♡」

 

 神楽耶か。キョウト六家の一員でスザクの親戚。しかし俺の興味からは対象外の女だ。

 

「ゼロ、これからのことだが、わしらの元で……」

 

 特区に参加していた桐原が前に出る。

 

「逆だ! あなた方は行政特区日本に参加していた。だが裏切られた。我が黒の騎士団はユーフェミアの企みを見抜いて参加しておらず、ブリタニアの兵士を鎮圧し皆を助けた。こうなった以上キョウト六家の方々は私の指揮下に入って頂く。反論は許さない。他にお前達が生き残れる道は無くなった!」

 

 これでキョウトはその資金や組織力を完全に黒の騎士団にだけ割り振ることになった。また条件がクリアされていく。

 

「日本人よ! ブリタニアに虐げられし全ての民よ!」

 

 キョウト六家達との話し合いもそこそこに、俺は式典会場で集まった民衆に向けて演説を行っていた。

 

「私は待っていた。ブリタニアの不正を陰から正しつつ、彼らが自らを省みるのを!」

 

 この映像はディートハルトのつてを使って日本中に配信されている。これで民衆の決起を促す。だがただのブリタニア人、民間人への攻撃・虐殺などは許可しない。それも言葉の中に織り交ぜて催眠暗示を日本中に届ける。これこそ絶対催眠が輝く時だ。電子機器を通しても効力を発揮するのだ。

 

「……しかし、私達の期待は裏切られた。虐殺という蛮行で! そうだ。ユーフェミアこそブリタニアの象徴だ!」

 

 全て自分で起こしたことだというのに、マッチポンプなんてもんじゃないほどにど汚いことを行ったのに、俺は今平然としている。……堕ちたな。魂まで外道に堕ちた。だが後悔はしない。全てはエロの為に! あとついでに世界の為に!

 

「私は今ここにブリタニアからの独立を宣言する。だがそれは、かつての日本の復活を意味しない。歴史の針を戻す愚行を私は犯さない。我らがこれから作る新しい日本は、あらゆる人種、歴史、主義を受け入れる広さを、強者が弱者を虐げない、矜持を持つ国家だ。その名は! 合衆国日本!!」

 

「ゼロ!」

 

「ゼロ!」

 

「ゼロ!」

 

「ゼロ!」

 

「ゼロ!」

 

 

     §

 

 

 トウキョウ租界に攻め込む。全てのレジスタンスを、民衆を巻き込んで政庁を落とす!次はコーネリアだ! ダールトンへの暗示は成功した。ユーフェミアの公開処刑は民衆も望んでいたが、政庁を落として日本を起こしてからと言ってある。ニーナへの対策はしてあるから爆弾を作られることもない。スザクも俺の手にある。ほぼ条件はクリアしたようなものだ。

 

「コーネリアさえ倒せば我らの勝ちだ!」

 

 神楽耶がまとわりついてきたのでうざったかったが、振り払った。……そう言えば彼も目覚める頃だな。上手く対応しないと。

 俺はガウェインでトウキョウ租界の外縁に来ていた。

 

「聞くがよいブリタニアよ。我が名はゼロ! 力あるものに対する反逆者である! 0時までまとう。降伏し我が軍門に下れ! これは最終通告だ」

 

 「我が軍門に下れ」このキーワードで租界の職員へ暗示を思い出させた。職員達は催眠暗示で各種操作を行っていく。……もうすぐ0時だ。よし! トウキョウ租界が崩れていくぞ……!

 

「コーネリア。正面からの戦いにとらわれたお前の負けだ。……地震対策の為の対層構造、しかしフローパーツを一斉にパージすればこれほどもろいものはない」

 

 外縁部を全て崩した。ここからだ。ここから政庁を落とす!

 

「これでいい。後は政庁陥落の映像とともに、独立宣言を全世界に向けて発信すれば合衆国日本の独立日だ。学園地区は……」

 

 ガウェインのハドロン砲で航空戦力を叩く。スザクのランスロットにも指示を出してやる必要がある。

 アッシュフォード学園に本部を置く。直接行って保護してやらねばなるまい。

 

「手を上げて後ろを向け! この学校は黒の騎士団がもらった」

 

 アッシュフォード学園に着いたが……。

 

「やめろ! 手荒なまねはするなと言っただろう!」

 

 玉城とリヴァルが激突寸前だった。

 

「でもよう、ここに司令部を置くっていうから」

 

 やはり絶対催眠も「絶対に○○しろ」というかけ方でなければ絶対ではないな。

 

「この学園は我々黒の騎士団が徴用し司令部として使用させてもらう」

 

「拒否権は、ないのよね」

 

 ミレイ。気丈な人だ。こんな時でも貴方は強い。だが不安に思うことはない。無事にブリタニア本国へ返してみせるさ。

 

「君達の身の安全は保証しよう」

 

「そんなの信用できるかよ。戦争してんだろ俺達と」

 

 リヴァルが反論した。そこにカレンが歩を進める。

 

「リヴァル、言う通りにして」

 

 カレンがバイザーを取って素顔を晒す。生徒会の皆は驚愕を顔に貼り付けた。

 

「カレン!? ……そうか、そういうことか。生徒達の安全は保証してくれるわよね」

 

「ああ、約束しよう」

 

 

     §

 

 

 ランスロット・エアキャヴァルリーは凄いな、敵の戦力をゴリゴリ削っていってくれる。特派の二人も確保するように指示してある。じきに捕まるだろう。さて司令部も構築したことだし、次は政庁だ。エナジーフィラーは交換済み。ハドロン砲で一気に片付けてやる。

 

「藤堂、私は政庁に空中から侵入する」

 

 藤堂に連絡を入れ、政庁へ向かう。

 

「ようこそゼロ。やはり誘い出されてここに来たか!」

 

 コーネリアが待っていた。いよいよオーラスだな。

 

「ユーフェミアは返してもらうぞぉおおお!! ……捕まえたァ! これが裁きだ!」

 

 ガウェインが追い詰められたその時、コーネリアのグロースターが後ろから撃たれた。

 

「姫様、命までは取りません。姫様をゼロに差し出す為の……」

 

 ダールトン(みかた)に撃たれるとは思ってもみなかっただろう? コーネリア。これでチェックだ!

 

「ありがとうダールトン」

 

 用済みになったダールトンをハドロン砲で殺す。第二皇女コーネリアは俺の手に落ちた。原作と違い仮面を取らずにコーネリアに近付く。血を流している。治療させた方がいいな。俺はまたコーネリアをコックピットに収容し、コーネリアを人質にした。

 

「オォールハァイルブリタニアァ」

 

 ナイトメア、ジークフリートとジェレミアか。改造されて錯乱しているようだな。

 

「先程までいた所に戻るんだ。ジェレミア。嚮団に潜入して嚮主V.V.の居場所を俺に報告するんだ」

 

 今度は絶対催眠を使って命じる。

 

「…………リョウカイシタシマ」

 

 これで彼は片付いた。後は……。

 

「ゼロ! 空を飛ぶナイトメアが!」

 

 ん? あれは……テストパーツで組み上げた機体か。セシル・クルーミーがパイロットとして乗っているはずだな。

 

「枢木よ! あの機体を止めろ! だがパイロットは殺すな。必ず生きて捕らえろ!」

 

「……了解」

 

「スザク君ッ!?」

 

 今のスザクは俺の思い通りに動く人形だ。お前らの仲間じゃあないんだよ。

 

「枢木! ロイド伯爵も必ず捕らえるんだぞ!」

 

「……わかっています」

 

「スザク君! 私は……」

 

 セシルの機体が損壊した。やはりランスロットとスザクの組み合わせは最強だ。よし、これで案件は全て片付いた。後は……。

 

 

     §

 

 

「このニュースはトウキョウからの生放送です! ゼロが、黒の騎士団が!」

 

 画面には政庁の会議場と、縄で縛られたユーフェミアとコーネリアが映し出されていた。

 

「私はゼロ! 力もたぬ者の味方である! トウキョウ租界は、政庁は落ちた! 虐殺皇女ユーフェミアと総督にして指揮官のコーネリア皇女は我が手に落ちた。……これより、両名の公開処刑を行う。ユーフェミアは行政特区日本という罠をしかけて民衆を虐殺した。コーネリアも同様だ。サイタマゲットーなどの民衆を虐殺した。民間人を虐殺する者を私は、黒の騎士団は決して許さない!」

 

 仮面の男、ゼロが懐から取り出した拳銃で二人を銃撃した。

 

 ドンッ! ドンッ!

 

 撃ち出された銃弾が二人の左胸に飛び込み、鮮血を巻き上げた。……そのまま二人はぐったりと姿勢を崩した。

 

「たった今! 二人の皇女は私が処刑した。私はこのトウキョウに合衆国日本の建国を宣言する! エリア11と呼ばれた時代の五つの軍管区、その軍事勢力に通達する! この映像を見て絶望した者は大人しく頭を垂れ黒の騎士団に投降せよ! もし諦めずに反抗するのであればトウキョウに軍を進めるがいい、私達黒の騎士団が迎え撃とう。だが、ここに誕生した合衆国日本は負けない! それでもいいならかかってくるがいい!!」

 

 黒の衣装を身に纏い、仮面を被ったその人物は、大仰に両腕を広げて見せた。その映像が、エリア11という残滓に突きつけられた最後通牒だった。

 




 思いつく限り最低の外道行為。「わざと特区日本を作らせておいて、虐殺皇女事件を起こす」でした。これまでにも何度も「主人公が民間人虐殺をやる」と書いておいたので、聡い人には気づかれていたと思います。主要登場人物にだけ視点を置いている人にはそれほどでもないかも知れませんが、民間人、モブにもちゃんと目を向けている人なら、これがどれだけ最低な行為かわかってもらえると思います。「結局原作通りかよ」と呆れる人もいるでしょうが、ここで原作と違い、一人のブリタニア軍人が一人の日本人を撃つとかにすると、レジスタンスや民衆が奮起せずにブラックリベリオン失敗ということも可能性としてありえました。なので、ここはこれしかなかったと思います。
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