※この作品はR-18です。

堕ちた勇者は魔王となって   作:安芸田老

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第四章――或いはスキルポイント稼ぎ

 とある辺境。

 とある大森林の更に奥。

 森を進む者たちは目にする。突如開けた視界を占有するように佇む厳かな屋敷を。

 

 未だ踏破されていない謎の屋敷やその周辺には様々な魔物が生息している。その事実は樵の通報を受けた冒険者ギルドが確認し、彼らは布告する。

 屋敷の踏破、及び魔物の駆逐を。

 彼らは知らない。

 【死霊術士】としてのスキルを磨くために【勇者】高田正樹が作り出した空間である事を。

 

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 館に入って間もない廊下。

 二人の傷だらけの少女、対すは館の命無き番兵二人。

 番兵は嘗て、神聖王国オーシェンの属国であるカノー神聖国で騎士を務めていた男達。今はただ、正樹の名に従うだけの誇り無き兵。

 彼らの足下には昏倒する男が二名。

 対峙する少女二人が焦燥を隠せぬ様子で、伏せる彼らに視線を向ける。

 牽制しあい、膠着する。

 

 二人が握る得物は師に賜った杖と魔の銀剣。

 短く切りそろえた赤髪に快活な色合いを覗かせる赤の瞳、勝ち気に自分たちを睨みながらも怯えを内包する剣士。

 冷徹に自分たちの現状を把握しながらも、諦観を宿さぬ瞳の色は澄んだ泉のように清冽な蒼。髪もまた流れる絹糸のような細さの蒼い髪が神秘的な魔術師。

 番兵達にとっては極上の獲物。正樹に課された使命とは別に、侵入者自体は好きにして良いと言われている彼らにとって、この二人を逃す理由はない。

 正樹の用いる【死霊術士】のスキルの優れている点は、思考や判断が個体個体で行える所にある。彼らは獣欲を宿しながらも、その奥に僅かながらも理性を宿して少女達を見詰めていた。

 捕獲に向け、一歩踏み出る番兵。

 一歩、下がる少女。

 

 この膠着した光景、当初はまるで異なる光景であった。

 剣士の少女と足下に伏せる青年ら前衛の三人は、館に入る前にパーティの資金をかき集めて購入したミスリル銀の武器を提げていた。

 高名な魔術師に祝福されたミスリルと、変哲のない鍛鋼という悲しいまでの武器素材の差は番兵らの膂力と経験を以てしても、覆すのは困難を極めた。

 それが為、当初は冒険者達の優勢で戦況は推移していたのだ。

 

 崩壊の切っ掛けはほんの小さな隙だった。いよいよ番兵の一人を追い込んだ冒険者パーティ。

 その最後の仕上げ、人を殺す――その業に、剣士のシルクが僅かに剣先を鈍らせただけの事。正樹の用いる【死霊術士】で蘇った人間でなければ、理性が覗えない曇った眼を向けるだけの死霊であれば、シルクも首を迷う事なく跳ね飛ばしていたろう。

 しかし、現実は此処を境に暗転する。

 番兵がその隙を狙い剣を振るう、冒険者の重戦士がその一撃からシルクを庇い、昏倒する。

 戦況の著しい変化にいち早く対応した番兵二人、視線を交わすと結託して更にもう一人の男性へ向けて疾駆する。東方のサムライを一撃の下に弾き飛ばして。

 

 広間で行われていた戦闘は、それまでの激戦が嘘のように、そんな瞬きを数度繰り返す間の時間で実質終結した。

 

 刻々と、戦況は番兵達に有利に傾いていく。

 四対二で何とか優勢を保っていた相手に、少女達が逃走を選ばぬのは倒れ伏す仲間二人を思って。

 降伏を選ばぬのは、勝利を確信した番兵達が戦気を纏いながらも、その瞳に下劣な欲望を滲ませていたからだ。

 魔術師のローブを纏うスフィアの肢体を透かすように眺め、ピタリと身体に密着した革鎧を身に付けるシルクの胸元や、所々裂け、日に焼けた肌からは想像出来ない肌理の細かい白皙の太ももを覗かせるズボンに眼を遣る番兵達が如何様な感情を抱いているのか、少女達はその身に備わった本能で鋭敏に感じ取っていた。

 故に、少女達は降伏せず、番兵達は無理に攻め急がない。

 少女達はそれしか選択肢が無く、番兵達はわざわざそれを選び取らせる。

 

「さてさて、お嬢さん方。いつまでも見つめ合っているのもいいが」

「ッ……そうですね。では、その武器を収めて頂けますか。勝手に踏み行ってしまった事は謝罪します。ですから――」

 

 唇をだらしなく歪ませて、言葉だけは丁寧に、けれどどこか挑発的に紡ぐ番兵。慇懃無礼な物言いに唇を浅く噛みながら冒険者としてシルクよりも長く過ごした魔術師のスフィアが対応する。

 時を稼ぎたい。せめて、重戦士か侍のどちらかだけでも意識を取り戻してくれれば――。

 

「――ああ、そういうのマジでいいんだわ」

 

 しかし。

 僅かでも時間を稼ぎ、仲間の回復を待とうとしたスフィアの狙いはすぐさま瓦解する。

 番兵の二人がそれぞれパーティの前衛二人の喉元に武器を押し付けた事で、二人の少女はそれぞれ固まる。

 

「っとぉ、お嬢さん方動くなよ。もうちょっとだけ刃滑らせちまえば人の命なんてかぁんたんに終わっちまうからなあ」

「っ!アナタ方っ……見損ないました……」

「何とでも言いな。つーか、勝手に踏み行ったのお前たちだかんな。へへっ、オイ、お前はそっちの剣士にしな。俺はこの女が気に入ったからな」

 

 番兵の言葉は、前半は下唇を白くなるまで噛み締め杖をただ胸の前で抱きしめるスフィアに向けて、後半はもう一人の番兵への物。

 

「イヤ、スフィア! レンジロウ!レヴ!!だ、誰か助け……」

 

 その言葉を吐き終わるよりも早く行動を起こしていたのだろう。

 もう一人の番兵は既に背後から細身の剣士の身体を掻き抱いていた。悲鳴にも構わず、乱雑に短く切られた紅い髪や首筋に鼻を埋めて胸いっぱいに少女の匂いを吸い込み、それだけで収まらぬ性欲のままに唾液を纏った舌を首筋に這わせていた。

 身軽さを身上とするシルクが、屈強な斧使いを撥ね除けられる道理もなく為されるがままに身体を嬲られる。

 

「やだっ、やだやだやだやだ!! レヴ! レヴってば! 起きてよ! 助けて、助けて! こんなのイヤだぁぁ!!」

 

 男の無骨な指が革鎧の下に無理矢理入り込み、薄くも形のいい膨らみを力任せにまさぐる。

 その心地悪さにシルクは幼なじみの重戦士へ助けを求めながら涙を溢れさせて、無駄な抵抗に終わると知れど身体を捩る。

 

 そんな欲望に忠実な相棒の姿に苦笑いしながら男は女魔術師へとにじり寄る。

 スフィアの視線はシルクへと向いていた。

 普段は明るく快活な笑みを浮かべている彼女が、怯えきり、まるで村娘のように訪れる蹂躙から逃れようと四肢を暴れさせている。

 

「おい。人の心配してる場合じゃねーぜ?」

 

 魔術師としてはあるまじき事に、思考を停止させてしまったスフィアの視界に、いきなり男が大写しになる。

 男はにぃと目元を歪めると、細い肩を掴み、力任せに衣服を押し下げる。襟ぐりを纏めていた紐が弾け、すっかりと弛んでしまったローブの襟がそのまま胸元まで引き摺り下ろされる。

 標準のサイズよりも豊かな、けれど形が良く上向く張りの有る乳房がふるんと揺れてまろび出て。

 頂の淡い先端が男の唇に吸われるに至ってようやく恐怖がスフィアを覚醒させた。

 

「きゃぁ! や、止めて。は、離しなさいっ、この、下郎! 下衆ッ!」

 

 未だ凛とした声をどうにか紡ぐだけの胆力は残っている物の、かといって逆転の妙手も無く、壁際に追い詰められる。男の肩に両手を宛がって離れようと力を込めても、屈強な男の力に敵うはずもなく。

 男はそんな抵抗を目を細めて眺めれば、膨らみをさわさわと感触楽しむように輪郭を乱さぬように羽毛の如き軽さで五指が這う。

 スフィアの肌に目に見えて鳥肌が立っていく。

 

「ふぁ……や、やめ! こんな辱め……殺す、ならっ、さっさと!!」

 

 胸の内を駆け巡る屈辱に言葉を重ねていくけれど、自身より体躯の大きい男にのし掛かられて、体力が目に見えて目減りしていく。荒ぐ呼吸、身を捩り肩を捻り必死に束縛から逃れようとする。例え徒労に終わると分かっていても、スフィアが肌を晒し、心を許すのは只一人しか存在し得ない。

 必死に左右に振る首、嫌悪と否定を載せた抵抗の中で、力なく伏している一人の男が眼に入る。

 サムライのレンジロウ。

 スフィアが只一人心を開く男。

 彼に求められ、愛され、愛す喜びを知ったスフィアの身体が、肉体の主の意向を裏切って勝手に反応を始める。

 鳥肌を立たせながら、乱れ方を知る肉体が甘い疼きを覚え始める段になり、スフィアは衝動的に、初めて、理性で無く感情で人を殺めんと魔力を練る。

 

「――っ、いい、加減に! …………………え?」

 

 吐息と共に出そうになる甘い声を何とか押し込めながら、番兵の肩口に、無詠唱で中級魔法の火球を放――とうとして。

 しかし、普段なら男をまるまる灼け尽くしても余りある大きさになる筈の火球は、今にも、消え入りそうな蛍火のよう。

 己の魔術の有様に、如何に自分の思考が乱されているかを間接的に知ったスフィアの瞳に、微かに絶望が過ぎる。

 

「くっ、かはははは! まぁ、落ち着けって。良い思いさせてやっからよ」

「……っ、くっぁ、ぁ、ダメ! …あっ、ぁん、やめ……おね…ッ、がい………」

 

 明るい声で男は肩を揺らすと、慎ましく奥に隠れたままの桜色の蕾をぬめる舌で転がし始める。

 背筋に走る電撃のような快感と、押さえ切れなくなる切ない濡れた吐息。

 構わず男は何かを搾り取るように五指に順次力を入れて、硬く自己主張をし始めた乳首に吸い付く。

 

「どした、感じて来たのかぁ?」

「…はっ、ち、違います……これ、は…触られたら、だ…誰だっ、て……んぁっ!」

「ま、良いけどよ。下着越しに濡れてるのは何だろうなぁ? 小便か? あ? 魔術師ちゃんは怯えてションベンちびっちゃいまちたか~? っか、はははは!」

「――……~~ッ、最ッ、低!! っは、ぁ!?」

 

 ギリ、と噛み締めた歯が鳴る。睨む蒼の瞳には殺気すら篭められているのに。

 足の付け根の秘裂はじんわりと湿っていて。

 男の無骨な手がその上をなぞる度に、薄布に秘められた翳りを撫でられる度にスフィアは健気に白い喉元を反らし反応する。

 

「やぁ…こ、んなの……いやぁぁ」

 

 力無く男の腕元に手をやれば生地を握り締め、堕落を勧める頭の中の囁きを拒絶するように緩く首を振り続ける。

 脳裏に描くのは不器用で、無口で、偶に口を開けば嫌みばかりのコジロウの顔。

 誰よりも優しい彼に、スフィアは心の中で幾度も謝罪の言葉を並べる。

 

 ――ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。

 

 秘所から漏れる愛液は前後になぞる指先に素直に顕著に反応し、量を更に増して行き滑りを良くし。粘着質な音を廊下に響かせる。

 自分から出るそんな淫猥な音に耐え切れぬようにうわ言めいた言葉にならぬ音を発しながらスフィアは首をただ振り続ける。

 遠く、破瓜の痛みに絶叫し、人語と思えぬ悲鳴をあげるシルクを羨ましいとすら思った。

 

「けけ、淫乱な女だよなぁ、おら、豆が勃ってきてるぜ」

「ひゃうっ…やあっ…あっ……ダメ、ダメダメぇ、いやぁぁぁっっ!!」

 

 嬲る言葉、指は股布を退かして人差し指を入り口に一気に突き込まれ、入り口を突き入れられる感覚に思わず甘い甘い声がスフィアの濡れた唇から漏れ出る。

 そんな状態で、男のかさついた親指で秘核を擦り上げられれば、指だけの愛撫で軽く達してしまい四肢を痙攣させる。

 達しようとも、スフィアの花弁は更に刺激を求め、男の指を締め付けながらひくついてしまい。

 膣壁のそんな動きに男が気づかないはずも無く、すっかりいきり立った己の分身を

 少女に見せ付けるように露出する。

 

「挿れてやるからなぁ、楽しみにしてろよ?」

「ふ、ぁ……や、ムリです………そんな、の……大き、すぎます……れ、ん…の、より、大きすぎる、もの…」

 

 入り口に当てられる熱に、思考力奪われ霞がかる頭でも男の長大さは認識できて、ふるふると弱弱しくかぶりを振る。

 恋人の楔と比べても、明らかな異形と分かる其れに、白皙の肌を更に青ざめさせて魔術師は許しを請う。

 それは、男の嗜虐心を煽ることはあれ冷ますことは無かったけれど。

 男は愉しげに笑みを浮かべ、亀頭に愛液をまぶすように秘核を一度逆撫で上げると、一気に最奥までモノを突き込む。

 

「ひぁっ、あああぁぁぁぁぁぁぁ―――ッ!!」

 

 不意をつかれた様に一気に最奥まで貫かれると、悲鳴にも似た声を上げ大きく背を仰け反らせる。

 再び絶頂に押し上げられるとびくびくと体を痙攣させながら中のものを強く締め上げ、愛液に濡れた襞を絡みつかせる。

 懸命に抱き着いてくる締め付けに男はくぐもった呻き声を上げると、下品な笑みを浮かべながら律動を開始する。

 

「締め付けすぎだぜ、おい……強姦されてこんなにイキまくるかぁ、淫乱?」

「ち、違うのぉ……そ、んなんじゃ、ないもの、私、わたしぃ……あはぁっ! ち、違うの………レン、ぁ、っひ! これは、ちが、のぉ」

 

 言葉紡ぐ間に指先で秘核を押し潰されれば嬌声以外の何者でもない声が漏れ。

 そんな声を出した自分に羞恥心よりも快楽が押し寄せてくる。

 

「ふぁっ!あああっ…あ…ひぃ……いい…ッ!」

 

 貫かれるたび、その純白の背を仰け反らせ繋がる部分から蜜が弾け飛ぶ。

 あられもない声を抑制なんて真似は出来ず、初めて自分を満たしてくれる楔に、現実を認めたくないスフィアの心が快楽を覚えて。

 乳房を揺らし、涎を垂らし、尻肉がぶつかる度に肌のぶつかる音を撒き散らし、喰われ貪られる雌として揺さぶられ続ける。

 

「出すぞ、中に、中に出してやらぁ!」

「ぁんっ!やああっ…中は、ダメぇ……あぁぁっ、また、イっちゃうぅー…!あはぁ、イクぅぅっ!」

 

 知らず腰を揺り動かし、自分の感じるポイントに誘導しながら、

 男に抱きつくように腕を回すととうに力の抜け切っていた足に瞬間力がこもり、背を持ち上げて。

 しばしの静止の後、最奥に滾る灼熱を発射されると今宵3度目の絶頂へと上り詰めて。ガクガクと震えるも一瞬、力無く床に倒れ伏す。

 荒い呼吸を抑えられず、桜色に染まる肌を隠そうともせず胸の膨らみを上下させ空気を貪る。

 

「へへっ、良かったぜ。礼だ、この先に進んでいっていいぜ。俺たちゃ、もう休む時間だからよ」

 

スフィアの髪を手繰り寄せて、自分の汚れを蒼い髪にて拭き取ると男はどこぞへと消えて。

言葉、虚ろな眼差しを向けたまま聞くも暫しの間力無くそこに座り込んで。

気付けば、獣の如く鳴いていたシルクも向こうで放り出されていた。

 

ようやく立ち上がれば、秘所から漏れる精と愛液が太腿に文様を描く事に涙を流しながら、

仲間の所へと震える膝を何とか押さえ壁に半身を預けながら歩みを寄せる。

 

――サムライ、レンジロウ。初恋の想い人が静かに涙に流している事に気付くまで、あと数秒。

 

 

+-+-+-+-+-+-+-+-+-

 

 

「ん? 今日はD級魔術師に侍か。それなりにレア引いたな。こいつらは軍団入り、っと。あ、こっちの重戦士と剣士はいいや、適当にお前等にやるよ、どういう意味でも食っても自由にしていいよ」

 

 

 そうして、殆どの人間が知らない間に、正樹は手駒を獲得、育成していた。

 

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