※この作品はR-18です。

Harry Potter and Ancient Wolf   作:クレカ

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初授業

盛大な新入生歓迎式から一夜、秋先の寒さが体に滲む早朝6時に、ドラコニカはハーマイオニーに起こされた。授業開始時間の実に3時間前である。曰く、興奮と期待でうまく眠れなかったらしい。勉学好きもここまで来たら頭が下がると思いながら、ドラコニカは眠気眼をこすって伸びをした。身の回りの事は出来るものの、フェンリル邸では殆どスキールニルに任せきりだったため、何と無く苦手意識があった。

 

同じくルームメイトであるパーバティ・パチルとラベンダー・ブラウンを起こさないよう細心の注意を払いながら、顔を洗ったドラコニカは共用の鏡台前に座った。向かって左の引き出しにはパーバティとラベンダーの小物が、向かって右にはハーマイオニーと自分の小物が置かれている。極東の国から取り寄せた、古くは宮廷への上納品とされる椿油とつげ櫛を使って、柔らかな金髪をゆっくり梳かした。

 

支度を終えてまだガランとした談話室に下りると、キッチリとローブを着こなしたハーマイオニーがすでに教科書を広げて座っていた。そして、ドラコニカを見るなり、片眉をあげて、得意げに杖を一振りして、紅茶を出してくれた。アッサムのレモンティーだ。

 

「おはよう。思ったより早かったじゃない?」

 

「まあね。何読んでるの?」

 

「変身術の教科書を読み返して居たの。今日の一限目。時間割にあったでしょ?貴女も予習したら?」

 

彼女らしいツンとした言い方に、曖昧な笑みで返して、ドラコニカは素直に小脇に抱えた教科書を開いた。一章目は小難しく退屈な魔法理論だった。基礎なくして実践なしとは言うものの、11歳にはおよそ不向きなテキストで違いない。恐らく多くの学生が読み飛ばしそうなその内容を、ハーマイオニーだけは真面目に繰り返し読み返して居た。ドラコニカは本の内容はあまり理解できなかったが、基礎理論は嫌いではなかったし、ハーマイオニーの勤勉な姿勢に学ぶべきものはあると考えていた。

 

「ねぇ、ハーミー、聞いていい?」

 

「んー?何?わかる範囲でなら答えるわ」

 

「ここなんだけど……」

 

さらさらと爽やかな秋風が少女たちの髪を撫でる。雲間から顔を覗かせる陽が二人の教科書に柔らかな陰影を投げ下ろす。紅茶の水面もまた微かに漣をたてる。わかる範囲で、とは釘を刺したものの、ハーマイオニーの解説は明解で、構造理論の理解に関して十二分に助けになった。ふと、姉が居たらこんな感じだろうかと少しむず痒く感じて、ドラコニカは少し頬を染めた。

 

「ごめんなさい。初歩的な質問ばかりで」

 

「いいえ、初歩こそが大事なのよ?これは、父の受け売りだけど、半学半教と言って、人に教えることで自分の考えの整理にも役立つわ」

 

「それなら良かったけど…」

 

「大丈夫よ、貴女、理解は早いほうだと思うし。そろそろ時間ね、朝食を取らなきゃ」

 

「賛成だわ」

 

 

 

2人が大広間に降りた時、まだ殆どの席が空いて居たが、腰を下ろして15分ばかりで、多くの生徒がグリフィンドールの机に押しかけた。獅子寮の生徒は一部を除いて遅めの時間に一斉に目が覚めるらしい。髪を整える間も無く慌てて朝食を掻き込む生徒たちを尻目に、ドラコニカはハーマイオニーと、イチジクのジャムを添えたスコーンに舌鼓を打って居た。ほろほろと崩れる微かな甘みを持ったスコーン生地と、同じく控えめな甘みと仄かな酸味を含んだイチジクジャムの相性は抜群である。

 

「おはよう、ハリー」

 

「おはよう」

 

寝坊助のロンを引っ張り、息を切らしたハリーが慌てて大広間にやって来たのは、朝食時間終了まで20分と言うタイミングだった。すかさずドラコニカの隣に一つだけ空いて居た席を陣取ると、ハリーはトーストに大量のハムとサラダを挟み、飢えた狼のようにかぶりついた。ロンもまたその向かい側でオートミールを流し込んでいる。

 

その様子にハーマイオニーはあからさまに顔をしかめたが、ドラコニカは意に介さず、むしろニコニコしながらハリーの隣で料理を取り分け、トーストサンドを量産して居た。しかも食べやすいよう丁寧に半分にカットしてである。ずっと世話される立場だった彼女にとって、純粋にハリーのために何かしてやるのが新鮮だっただけであったのだが…

 

「あなたたち、恋人を通り越してもはや連れ添って何十年の夫婦に見えるわよ?」

 

「ほへぇっ!?」

 

「オートミール。蜂蜜3」

 

「ぁ、はいっ」

 

呆れ顔で指摘したハーマイオニーに、ドラコニカは顔を紅潮させ、素っ頓狂な奇声をあげながら、思わずナイフを落としそうになった。一方のハリーは眉一つ動かさず、ずいとスープ皿をよこしただけだった。とんだ亭主関白である。慌てて器を受け取り、たっぷりのオートミールをきっかりティースプーン3杯で味付けすると、ハリーは満更でもない様子でそれを平らげた。たった15分間の早業である。

 

 

 

入学して初めての授業は変身術となった。グリフィンドールの寮監にして、厳格さで有名なマグゴナガルが受け持つ授業である。早々にがらんとした教室で2人が最前列に陣取ると、マグゴナガルは感心したように破顔した。

 

「随分と熱心なのですね」

 

「はいっ、授業が楽しみで!」

 

「私もとても楽しみです」

 

マグゴナガルの問いかけにハーマイオニーは元気に答え、ドラコニカもまた期待に満ちた目を変身術教師に向けた。予習してきたのかと続いて問われ、迷わず頷いた2人に、マグゴナガルは悪戯っぽい笑みを浮かべた。

 

「変身術の極致と言われるものの一つを、2人はご存知かしら?」

 

「……聞いた話ですが、動物そっくりになると言う、」

 

「動物もどき(アニメーガス)ですね!」

 

「その通り。2人とも本当によく予習しているようです。グリフィンドールに10点」

 

意外と先に思いついたのは、ドラコニカの方だった。曖昧な記憶の奥底に、小さい頃目の当たりにした狼がしっかりと刻まれて居た。あれは確かーー。その思考を現実に引き戻すように、ハーマイオニーは正解にたどり着いた。マグゴナガルは立派な虎模様の猫になって教壇に飛び乗り、そして猫の姿のままグリフィンドールに加点した。

 

「さあ、他の生徒たちが来ます。知らないふりをしていてください」

 

こくりと頷いて、ハーマイオニーとドラコニカはお互いの顔を見合ってくすりと笑った。

 

 

 

猫となったマグゴナガルが教壇上で優雅に尻尾を揺らす中、すでに着席したグリフィンドールの生徒達が、教師が居ないのを良いことに、ぺちゃくちゃと話していた。最前列の2人の少女こそ少なくとも当日分の教科書を持ち歩いていたため、一番乗りで教室に到着したが、その他の生徒達の殆どは朝食後一度教材を取りに帰るため、時間ギリギリに着いていた。グリフィンドールの寮がホグワーツの東端の、しかも全寮で最も高い位置にあることも理由だが、それ以上に、グリフィンドール生は根本的に堅実さが少ないものが多かったのだ。例えばーー

 

「先生っ、申し訳ございません!道に迷って遅れました」

 

「えっ、先生ってどこに?猫しか居ないじゃ無いか」

 

予鈴が鳴った瞬間、すでに同世代より頭一つ高く、体格の良いハリーが、自分より更に背の高い痩せ型のロンを引き連れて教室に到着した。ゼイゼイと息を切らし、教壇の猫に頭を下げるハリーに対し、もう1人の少年は首根っこを掴まれたまま間抜けな台詞を抜かした。周りのグリフィンドール生の笑い声は主に猫に謝るハリーの行動に起因するものだったが、事情を知る2人の少女は片方が冷ややかな視線を、もう片方は心配そうな眼差しを教壇前の少年達に向けたのだった。

 

「よく私がアニメーガスだと気づきましたね。それでも遅刻は遅刻です。グリフィンドールから5点減点。ほら、もたもたせず早く着席なさい」

 

凛とよく通る声で答え、本来の姿にマグゴナガルが戻ると、途端に波が引くようにざわめきが遠のいた。まだ呆然と口をパクパクさせているロンを引きずるようにして、ハリーは素早く最後列の空いた席に腰をおろした。

 

「あなた方も分かっているとは思いますが、ここで習う変身術は数多ある魔法の中でも特に複雑で危険な学問です。居ないとは思いたいのですが、遅刻、私語、妨害する生徒は二度と私の教室の敷居を跨がせません」

 

ごくりと誰かが唾を呑み込んだ。この厳格な老婦人は、言葉少なく生徒達を静かにさせる力に長けていた。二時限かけて行われるこの授業は、間に10分の休憩を挟み、前半は講義形式、後半は実践形式で行われる。理詰めの教科書をマグゴナガルが解説している時点で、多くの生徒が顔をしかめ、苦手意識を露わにしていたが、ハーマイオニーとドラコニカだけはせっせと羊皮紙に概要を纏めたり、教科書に補足を書き足したりしていた。

 

最初の課題は配られたマッチ棒を縫い針にすることだった。当然のようにハリーが真っ先に成功させ、失った点数以上にグリフィンドールに加点すると、それに続けるようにハーマイオニーもまた縫い針を完成させた。マグゴナガルは一頻り2人の縫い針の完成度を褒め称えると、他の生徒の手助けをするよう指示した。

 

マグゴナガルとハーマイオニーが後列に向かったのを良いことに、ハリーはさりげなく指導対象であるドラコニカの腰に手を回した。他人からは背の高いハリーが後ろから覗き込んで指導しているようにしか見えないが、その実、ローブに入り込んだ彼の左手は、少女の細い腰をいやらしく引き寄せていた。

 

「変身術の基本になるが、あるものを別の何かに変えるには、具体的なイメージ、魔力の集中、それから変化を起こしうる程度の魔力が必要になる。おまえの場合はイメージの部分で工夫したほうがいい。針と言う概念ではなく、針がどんな素材どんな形なのか、細かく想像するといい」

 

「…っ、んぅ……」

 

真面目な台詞を吐きながら、その実は密かにドラコニカの首筋に舌を這わせるハリーに、少女の鋭敏な感覚が反応し、思わず湿っぽい嬌声を上げそうになる。それを寸でで堪え、身をよじって逃げようとするものの、腰に回された鋼のような腕のせいでぴくりともしない。それどころか、今度は敏感な耳たぶを唇に挟まれ、弄ばれてしまった。

 

「ほら、真剣にやれ。集中力が乱れているぞ?」

 

「ぁ…ぁ……」

 

話をしながらも、少女の細い首筋は甘噛みされ、舌を這わされ、挙句の果てには唇で幾つかの花びらすら残された。ジワリと下着が濡れるのを感じながら、少女が思わず小さく鳴く。杖先はまだマッチ棒に向けられていたが、ガクガクと膝が鳴り、腰が砕けてまともに立てなかった。結局、この授業でマッチ棒を針に変えられたのはハリーとハーマイオニーだけだった。

 

 

 

授業後、ドラコニカはハリーに支えられるようにして、人けのない廊下に連れて来られた。人払い魔法を軽くかけて、少年は飢えた狼のように少女の柔らかな唇を貪った。素早くシャツの襟を開かせ、ローブのまま少女の軽い体を持ち上げると、足を開かせ壁に押し付けた。剥き出しの若い屹立を少女の未熟な割れ目に直に押し付け、ぽたぽたと垂らされる蜜をまとう様して擦り付ける。ハリーの首に手を回したドラコニカは声を押し殺し切れずに喘いだ。

 

「んぅ…」

 

「声を抑えろ。それとも他の奴らにお前の痴態を見られたいのか?」

 

「ぃ…ゃあ、ちがっ……」

 

羞恥に耳まで赤く染め、いやいやと頭(かぶり)を振るドラコニカを一層強く壁に押さえつけ、抵抗しようとする赤い唇を塞ぐ。舌を絡ませながら、擦り付けるようにして腰を動かせば、鼻にかかった吐息を漏らしながら、少女はすぐに果てた。無意識だろうか、いつの間にか少女はハリーに腕だけではなく、足すらからませてすがりついていた。力の抜けた少女を床に降ろすと、ハリーはその美しい顔に白濁を掛け、かわいらし頬に逸物を擦り付けた。

 

「咥えろ。次の授業まで時間がない」

 

「はぅっ…んっ…んっ…」

 

顔にかかった青臭い液体を手の甲で少し拭ってから、ドラコニカは靄のかかった思考で、従順に萎えたそれを口の中に迎え入れた。小さな口いっぱいに含み、丁寧に舐め回し、残渣を啜りつくしてようやく、ハリーは彼女の頭から手を放した。急に解放され、げほげほと咳をしながらへたり込む少女の姿を焼き付けるように眺めてから、少年は杖の一振りで彼女の身体を清め、身だしなみを整えてやった。

 

「次の満月が楽しみだな」

 

そう言って、ハリーはまだ余韻に震える少女の手を引いた。

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