<龍牙 side>
光が止み目を開けると、そこは自然が豊かな村だった。近くに大きな神殿があり、多くの人が入っている。
確認のため、神殿入口の神官に声をかけた。
龍牙「ちょっといいか?ここはイリアスヴィルで間違ってないか?」
神官「ああそうだ。お主もイリアス様に祈りを捧げるために来たのだな。」
龍牙「まあそんなところだ。」
神殿の中が気になったので、階段を上り中に入る。奥に進むと、イリアスにそっくりの石像があった。石像の前で祈りを捧げている人が何人もいた。本当に信仰されてるんだな。
龍牙「せっかくだし、やっとくか。」
俺は隣にいた奴のポーズを真似て祈る。と、そこへ・・・
村人「た、た、大変だぁ!!」
突然外から男性の叫び声が聞こえた。声から察するに大事だな。
村人「近くの森に魔物が出たぞぉ!」
村人2「な、なんだって!」
龍牙「ほう。」
魔物が出たことに俺は自然と戦いたいという感情がでてしまった。やっぱり昔からの悪い癖は治らないな。
龍牙「見に行くか。」
神殿を出て、村人から魔物の出現場所の詳細を聞き、すぐに向かった。
龍牙「確かこの辺か。んっ?」
そこには一人の子供と人型の青いゼリー状の生き物と対峙していた。
龍牙「あれが魔物か。一見可愛らしいが、姿は人間とかけ離れてるな。」
初めて魔物を見たが、特段驚くことは無い。むしろ戦いたい。俺は近付くと子供が静止の声をかけてきた。
????「あっ、そこの人。危ないからここから離れて。」
スライム娘A「あはは、余所見するなんて余裕だね。」
????「ぐっ。」
向こうはあの魔物の対応で忙しそうだ。危なくなったら助けてやるか。さて、他にいないかな。
と、そう思っていると、近くから女の子の声が聞こえた。
スライム娘B「あは、人間のお兄さんみーつけた。」
龍牙「二体いたか。」
????「もう一体いるなんて、早く逃げて下さい。」
この状況でも人の心配ができるとは、相当お人好しだな。
龍牙「大丈夫だ。こいつは始末しておくから、お前はそっちを頼む。」
????「わ、分かりました。僕もできるだけ早く行きますから。」
スライム娘B「ふーん、もう勝てる気でいるんだ。」
龍牙「ああ。」
俺はスライム娘に不敵の笑みを浮かべた。
スライム娘B「えへへ~、お兄さんの精液吸っちゃうよ。」
スライム娘は抱き付いてきたが、動きは遅かったので簡単に避けれた。
龍牙「よっと。」
スライム娘B:むー、避けないでよ~。
龍牙「無茶言うなよ。」
スライム娘は再び襲って来たが、俺は逆に前に出て距離を詰めた。
スライム娘B「えっ!?」
龍牙「そらっ。」
近付いて来たスライム娘の顔面に回し蹴りを叩きこむ。スライム娘の顔が吹き飛び、周りに青いゼリーが飛び散る。しかし、スライム娘の首の周りが蠢きだし、しだいに顔が再生されていく。
スライム娘B「あーびっくりした。でも君の攻撃は無駄だよ~。」
龍牙「再生はかなり厄介だな。さて、どうするか。んっ?」
どう応戦するか考えていると、胸ポケットに何か入っていることに気づき探ってみると、小型のナイフフォルダーだった。
龍牙「これは・・・」
確か牽制用に持ってたナイフだな。打撃よりは安定したダメージが与えられるかもな。
スライム娘B「それー。」
スライム娘はゼリーの腕で攻撃してきた。俺はその腕をナイフで切り裂いた。
龍牙「せいっ。」
スライム娘B「きゃっ。」
スライム娘の腕が地面に落ちた。だが、それでもすぐに再生されてしまう。
スライム娘B「えへへ。そんな攻撃効かないもんね~♪。」
龍牙「ちっ、面倒だ。」
最初の敵にしてはなかなかやるな。さて、どう攻めるか。
スライム娘B「隙あり。」
龍牙「っと。」
どう攻めるか考えている隙にスライム娘の体が足に絡まった。
スライム娘B「それじゃあ、いただきまーす。」
スライム娘が距離を詰めて来た。引き剥がそうとしてもベタベタでなかなか剥がせない。
龍牙「それなら。」
<スパッ>
スライム娘B「あっ。」
絡みついている腕をナイフで切り裂き、俺は脱出に成功した。
スライム娘B「む~。折角気持ちよくさせてあげようと思ったのに。」
龍牙「強引なのは勘弁だ・・・な!!」
強めに踏み込み、スライム娘との距離を縮めた。
龍牙「はああっ」
<スパパッ>
スライム娘B「ひゃっ。」
ナイフを連続で振り、スライム娘の体を切り裂いていく。周りにスライムがまき散らされる。
スライム娘B「ひ、ひどいよ~。」
スライム娘は体を再生していく。だが先程よりは再生速度が遅い。
龍牙「すぐには再生出来ないようだな。」
そうと分かれば攻撃あるのみ。敵を切り刻む事のみを考え、腕、肩、胸、胴にナイフを走らせる。
スライム娘B「ふぇぇ~ん。助けて~。」
スライム娘は体を引きずって逃げていった。
龍牙「ちょっとダサい戦い方しちまったが、とりあえず俺の勝ちだ。」
この世界に来ての初戦闘は勝利に終わった。