※この作品はR-18です。

もんむすくえすと 覇龍伝   作:エクスドラゴン

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第27話 立ちはだかる強者

ルカ Side

 

 

 

ミミック娘を撃退して奥へ向かってから数分後、海神の鈴があると思われる

宝物庫の扉が見えた。

扉は所々錆び付いていることから、長い年月が経ったものと思われる。

そして、その扉の前に立ちはだかる一体の魔物がいた

 

 

ルカ「あの魔物は?」

 

 

龍牙「狐の魔物のようだが、少し前に戦った妖孤より遥かに強いぞ。

尾の数を数えてみろ」

 

 

そう言われて数を確認する。1、2・・・数え間違えで無ければ全部で七本。

洞窟の入口近くで戦った妖孤の尾は確か二本、つまり目の前の魔物はかなり格上の

存在ということになる

 

 

ルカ「お前もあの妖孤の仲間か?」

 

 

七尾「ええ、私は七尾と申します。」

 

 

てっきりこの魔物がたまもだと思っていた。だとしたら、たまもという

魔物はそれよりも上ということになる

 

 

龍牙「アンタは見た感じ、宝物庫に入ろうとする奴を抑えるための見張りか?」

 

 

七尾「ええ、そうです。引き返すというのであれば私からあなた方に危害は

加えません。それでも進むとおっしゃるのであれば、排除致します」

 

 

龍牙「だ、そうだが?」

 

 

ルカ「それでも、行くしかないよ。力尽くでも」

 

 

龍牙「だよな」

 

 

僕と龍牙はそれぞれ抜剣して戦闘態勢に入る。洞窟に入ってから連戦で

体力が著しく消耗しているが、引き下がるわけにはいかない

 

 

七尾「仕方ありませんね。分かりました・・・たまも様の側近、七尾が

お相手致します」

 

 

七尾が戦闘態勢に入った瞬間、緊張が走り出して体が震えそうになった。

それほどまでに目の前の七尾の迫力が凄まじかったのだ。それでも、

逃げ出すわけにはいかないんだ!!

 

 

ルカ「龍牙!!」

 

 

龍牙「ああ、同時にいくぞ」

 

 

ルカ・龍牙「「雷鳴突き!!」」

 

 

僕と龍牙は同時に深く踏み込んで、相手に鋭い突きを繰り出した。踏み込む時に

解き放った魔力で勢いも増しているため、大きなダメージを期待した

 

 

七尾「成る程、ここまで来ることが出来たのも納得の強さですね」

 

 

龍牙「ちっ、手応えがまるで無い」

 

 

ルカ「そんな」

 

 

しかし七尾は僕達が放った雷鳴突きを片手で防いでしまった。僕の全力にも

等しい攻撃も僅かな傷を作るに留まっている。

 

 

七尾「ですが、あなた方を見た限り今の攻撃で殆ど力を使ってしまったのでしょう?

既に息を切らしていますよ」

 

 

七尾の言う通り、僕も龍牙も今の一撃に力を使い過ぎて肩で息をしている。

このままだと敵の攻撃を避けることも難しいかもしれない

 

 

七尾「時間を掛けていたぶる趣味は無いので、すぐに終わらせましょう」

 

 

そう言った七尾は尻尾を揺らめかせた次の瞬間、僕と龍牙に七尾の尻尾が

槍で突き刺すかのような勢いで襲い掛かった。

龍牙には四本、僕には三本の尾が襲い掛かり避ける余力すら残っていない

僕達はまともに受けてしまう

 

 

龍牙「ぐあっ!!」

 

 

ルカ「うわあぁぁぁ!!」

 

 

肩や腕、腹部に鈍い痛みが走り抜け、地面に転がされる。龍牙の方は尾の数が

一本分多かったせいか吹き飛ばされる距離が長かった

 

 

ルカ「げほっ、ごほっ!!」

 

 

龍牙「参ったな、ここまで強いとは」

 

 

お互いに血が混じった咳をしながら立ち上がる。立ち上がったはいいが、

打開策がまるで思いつかない

 

 

七尾「おや、まだ立ち上がる元気はあるのですね?」

 

 

龍牙「バカ言え。まだ始まったばかりだぞ」

 

 

七尾「ならば幕を閉じて差し上げましょう。たまも様が戻られる前に

面倒事は片づけておきたいので」

 

 

そう言った七尾の目が怪しく光った。その直後、龍牙に異変が起きた

 

 

龍牙「・・・体が、動かない。何をした?」

 

 

七尾「貴方には暫くの間、体を麻痺させる魔眼を使いました。今から行うことの

邪魔をされたくなかったので」

 

 

一体何をと思ったのも束の間、僕の体は七尾の尻尾に巻き付かれて持ち上げられた。

ジタバタと拘束を解こうともがくが、まるで抜け出せそうにない

 

 

七尾「ふふっ、可愛らしい抵抗ですね。ですが、あまり暴れられては

精が取り辛くなりますね。

ほらっ、私の目をじっと見なさい」

 

 

顔を無理矢理七尾の正面に向けられる。舌舐めずりしている姿は、今から

獲物を食べる獣そのもので全身に鳥肌が立った

 

 

<キイィィン>

 

 

ルカ「うっ・・・むにゃ」

 

 

七尾の瞳が光ったのを見てしまった瞬間、強烈な眠気が襲ってきた。

抵抗を出来ないまま、七尾の尻尾の中で意識を失った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍牙 Side

 

 

 

龍牙「おいルカ、起きろ!!」

 

 

七尾「無駄ですよ。私の魔眼を直視してしまったのですから、暫くは

耳元で叫ぼうが目を覚ましませんよ。

さて、たまも様が戻られる前に速やかに搾ってしまいましょう」

 

 

ルカの精を搾り取ろうと尻尾を蠢かせる七尾を見て、つい焦りが生じてしまう。

一度精を奪われると強制的に脱力させられるため、そうなったらルカが

脱落していよいよ勝機は無くなる。

ルカを助けないといけないと頭では痛い程分かっているのに、肝心な体が

全く言うことを効かない。

以前戦ったマンドラゴラ娘の悲鳴を浴びた時も体が痺れてしまったことがあるが、

今回のはその比では無い

 

 

七尾「この子を搾り終えたら、あなたも搾ってあげましょうか」

 

 

龍牙「ぐっ」

 

 

勝ち誇るかのように舌なめずりしながら言われ、歯噛みする。

そうこうしている内に七尾の尻尾の先端が搾精機のように変化し、

ルカを襲おうとした時・・・拘束されていた筈のルカがいなくなっていた

 

 

七尾「っ、何時の間に!?」

 

 

ルカ「むにゅっ・・・」

 

 

七尾の背後に回っていたルカは立ったまま眠っている。あんな状態で

どうやって拘束から逃れたんだ?

 

 

七尾「搾り取ることを優先して無意識で拘束を緩めてしまったのでしょうか?

いずれにせよ、もう一度拘束するだけです」

 

 

数本の尾が一斉に拘束のためにルカに襲い掛かる。拘束されてしまう所を

ただ見るしか出来ないと思っていたが、その予想は大きく外れた

 

 

ルカ「むにゃむにゃ・・・」

 

 

1本目の尾を左に動いで避け、2本目の尾は反対にズレて躱す。3,4本目が

左右から同時に襲い掛かるが、バックステップで難なく回避した。

まるで攻撃の軌道が最初から分かっているかのような完璧な回避だった

 

 

龍牙「っ、嘘だろ」

 

 

七尾「まさか、躱されるとは・・・」

 

 

七尾もこの結果は完全に予想外だったらしく、かなり驚いた様子だ。

 

 

ルカ「えへへっ、新しい技を覚えたぞ~」

 

 

鍛錬の夢を見ていると思われるルカが地面に落ちているエンジェルハイロウを拾う。

あの状態で攻撃を仕掛ける気か?

 

 

ルカ「いっくぞ~」

 

 

七尾に向かって行き、エンジェルハイロウを尋常では無い速さで振るう。

見間違いで無ければ、剣を9回振るっていた

 

 

七尾「くっ、図に乗らないで下さい!!」

 

 

ルカに向けて尻尾を3本、遅れて4本の尻尾が襲い掛かる。どの尻尾も俺達が

最初に喰らった攻撃よりも数段速かったが、これも先程と同じく最小限の

動きで躱している

 

 

ルカ「どーん」

 

 

七尾に向かって手を翳した直後、ルカの掌から激しく光る何かが現れたと

同時に爆散し、七尾に襲い掛かる

 

 

七尾「うあっ!!な、何なのですか、この魔力は!?」

 

 

ルカの猛攻を受けて尚、七尾は立ってはいるが表情から見るに余裕は

全く無さそうだった

 

 

七尾「ここまでやるとは思いませんでした。こうなれば、出し惜しみなど

してられませんね」

 

 

目を瞑って七尾は瞑想を始めた。すると七本の尾が妖しく蠢かせながら、

可視化出来る程の魔力が七尾の体から溢れ出した

 

 

七尾「御見せしましょう。私が放てる最大の技を!!」

 

 

両手を突き出して魔力を一点に集中させて、やがて強い光が現れる。

地面が地鳴りと共に割れ出したことで、七尾の魔力の強さを物語っている

 

 

龍牙「あんなもの喰らったら、一溜りも無いぞ!!」

 

 

七尾「くらいなさい。月影魔光陣!!」

 

 

通路も覆い尽くす程の魔力が解き放たれる。放たれた魔光は地面を抉りながら

突き進みルカに襲い掛かる

 

 

ルカ「むにゃ、むにゅ・・・」

 

 

ルカが魔光に向かって手を向け、七尾を攻撃した魔力とは違う色の魔力を

解き放つ。七尾が放った魔光とルカが放った魔光が触れた途端、七尾の方の

魔光が跡形も無く消え去った

 

 

七尾「そ、そんな!?」

 

 

ルカ「おかえし~」

 

 

一層強まった光が七尾に襲い掛かり、咄嗟に七尾は防御の姿勢を取るも

耐えられそうに無い

 

 

七尾「うっ、くぅっ」

 

 

ついに力尽きた七尾が地面に倒れる。どうやら気を失ったようだ

 

 

龍牙「っと、動けるようになったか」

 

 

魔眼の使用者が戦闘不能になったことで効果が消えたみたいだ。

それにしても、さっきのルカの状態はなんだったんだ?

七尾という強力な敵との戦いは謎が残った終わり方だった

 




原作でルカの睡眠状態になってから強くなるシーンは自分が好きな場面です。
ルカが行った堕天舞踏・九重の羅刹・魔天回帰・明けの明星を初めて見た時は
「何、この技!?」と驚いた記憶があります。
原作では七尾が最後に放った技は『七つの月』で快楽ダメージを与える技でしたが、
「強大な敵という設定ならこれくらいやりそうだな~」という作者の勝手に
考えた結果が一点集中から放たれる強力な魔法攻撃『月影魔光陣』です。
(いい歳して考える事が中二病みたいになってる)
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