あとヌけるシチュか何かあれば参考にさせて頂いたり頂かなかったり。
だいぶお腹に余裕のできた私は、次の相手はじっくり選んでみようと思い立ちビルの上から街を観察していた。三人の若者が与えてくれた満腹感は一週間程度なら空腹感もなく持ちそうだったし。
行き交う人々の中に、異彩を放つ二人組を見つける。
「美咲」と同じくらいの年頃の女子と、不釣合いな中年の男性。
肩を抱かれる女の子は不機嫌になることもなくそれを受け入れ、男の方も上機嫌に歩を進めている。んー、カップル?
なんとなく面白そうだと思った私はみょんみょんと魔力を飛ばして思念を読んでみる。
ふむ、援助交際、略して援交ねえ。あんな年の差があるから、男の方がとんでもない性技かモノを持っているのかと期待したけれど、対価はたった数万のお金のみだった。まあ、ただの女の子なら自身の価値はそんなものと思っているのかしらね。
私ならもっとふっかけちゃうけどね。なんて言っても対価は全精力、つまり命しかあり得ないのだから。んー、でもこれはこれで面白そうかも。
「援交……そういうのもあるのね」
私の容姿に釣られた男を頂くのは変わりないけれど、相手をじっくり選べば質に関しては問題ないし、ラブホって言うの? セックスするための建物、私にとってはさながらレストランと言ってもいい施設でゆっくりできるのはイイかもしれない。
次はそういうシチュエーションを楽しもうと決めた私は、淫魔のお目にかかる標的を探して行き交う人々を見つめ続けた。
* * *
あれから三日ほどして繁華街から一本外れた道のコンビニの前で、私はぽへーっと座り込んでいた。体型はそのままに、髪を伸ばして背中まで達している。これはターゲットにした男性の好みに合わせたためだ。黒髪ストレートとかいうのがお好きらしい。顔立ちも元より若干幼さを増している。
私が狙いを定めた男は、「援助交際」と言われる行為において、何度かデートを繰り返すのみで性交渉まで至らないチキンなオジサマだ。会社帰りにここを通るので、そこで釣り上げるつもりで座り込んでいる。
彼は中年とはいえ、でっぷりと太っているわけでもなく、なかなか肉付きのいい身体をしている。それも高評価だが、何よりモノのサイズが大きめなのが良かった。ふふふ、今から楽しみだわ。
――そろそろ来る頃かしら?
予想通りのタイミングでヒトが歩いてくる気配がする。まだ姿は見えないけどそのくらいなら何とはなしに感知することができる。
果たして確認できた顔は狙い通り、ターゲットのおじ様だった。向こうにも顔立ちが確認できる距離まで近づくと、彼は足を止めて私をじっと見つめてきた。
ふふっ、念には念を入れて理想を読んできたからね。私は今、彼の理想を突き詰めた姿をしているはず。そんな存在を見かけてしまえば、声をかけるしかないわよね。
「ねえ、キミ――」
「……なんでしょう」
想定通りに声をかけられ、にこやかに対応する。彼の理想の性格は「援助交際」に否定的な真面目ちゃんだけれど、ここで拒否っても意味がないのでそこはある程度妥協してもらわないとね。
「もしかして、誰かを待ってるのかい?」
柔和な笑みに短く整えられた口髭が良く似合っているわね。ダンディだわ。
顎や頬には無精髭を許さず、清潔に保たれているのも高評価。
「ええ、ここに居ると"優しいおじ様"がお小遣いをくれるって、友達が言っていたので」
「そうか、それは……」
もちろん私にオトモダチなど居ないので出まかせである。しかしこう言った方が向こうも誘いやすいでしょうしね。どれどれ、ちょっと読んでみようかしら。みょんみょんみょん。
『か、可愛い……。容姿も声も私の理想通りだ……、ぜひお近づきになりたいな』
やだもうそんなに手放しで褒められたら照れちゃうわ♡ 声に至っては偶然だけれど、ある程度世界の理想に集約される私のスウィートボイスは彼も気に入ってくれたらしい。
「こういうのは初めてなんですけど、おじ様はどうですか?」
こういうの、と初めて、にアクセントを持たせて問いかけると、おじ様は若干嬉しそうな顔をした。やっぱり男性は性交渉の多寡には敏感なのかしらね。
「ああ、私は何回かね。どうかな、君が良ければ私にエスコートさせてくれないか?」
「ふふっ、優しくしてくださいね」
大仰な仕草に魅惑の笑みで返して右手を差し出すと、おじ様は恭しく手を取ってくれた。一般的な「援助交際」ではまず金額の提示から始まるみたいだけど、私はお金になんて興味はないから、ホテル代だけ(無一文だし)出してくれれば構わないからね。
「もちろんだとも。あー、君は……」
「美咲です」
「そうか、美咲ちゃんはもう夕飯は食べたかい?」
「いえ、そんなお金もないので……」
三日前に吸ったきりだしね。まだお腹には余裕があるから、今日はじっくりゆっくり楽しめそう。
おじ様は「ふむ」と頷くと、私の手を取ったまま歩き出したのでそのまま抵抗することなく横に並ぶ。
「今日はとびきりのレストランにご招待しようか。……美咲ちゃんはお小遣いはどれくらい欲しいのかな」
おじ様の手に、柔らかな感触を味わわせてあげながら私は思案した。そういえば
「そういうの、分からなくて。おじ様が決めてくださっていいですよ」
「え? そうか、じゃあ……これくらいかな?」
すでにこの返しが突飛だったのだろうか、面食らった顔をさせてしまった。その後手を広げて見せる。えーっと、どういう意味かしら。5? 五円? はっ倒すわよ。
みょんみょんと心理を読んでみると五万円のことだった。危ない、キレる所だったわ。それにしても、この人の過去の女の子に比べて二倍近い金額ね。さすが理想を極めた私と言ったところか。
金額はいくらでもいいとか嘯いておきながらキレかけた私だけれど、過去最高金額というだけで上機嫌になった。我ながら安い女だわ……。
「はい、じゃあそれで♪」
「そうか、よかった。じゃあ食事に向かうとするとしよう」
繁華街を越えて大通りへ出たおじ様は、私の手を取ったのとは逆の腕を上げてタクシーを呼び止める。目的地のレストランの名前を運転手に伝えると、車は迷うことなく走り出した。
「ねえおじ様、これから行くのはどんなお店なんですか?」
現在時刻は19時前と言ったところか。日はとっぷりと沈み、空は暗く染まり切っている。しかしヒトの世は光に満ちて、夜でも明るく、これはこれで情緒ある風景なのかしらね。
夜の世界に目が眩んだ私は、おじ様に向き直って目的地について聞いてみた。正直なところサキュバスにとってヒトの食事はあまり興味がないのだけれど、会話のネタくらいにはなるだろう。
運転手がバックミラーでちらりと私たちを見やる。まあ年の差からして援交っぽいものね。通報はしないけど、どんな子がそういうコトをしているのかとか気になるのかもしれない。
「うん、私のお気に入りの店なんだけどね。静かで、落ち着いた雰囲気の良いところだよ」
そんな目線に気付いているのかいないのか、おじ様は柔和な笑みを崩さずに私に答えた。静かで落ち着いた、ね。一応みょんみょんしてその店のイメージを見せてもらったら、そのまんまの店だった。なんだ、そこで至るわけじゃないのか……。
「へえー、楽しみです♪」
お金で繋がる不義な関係なのに、真面目にお店をチョイスしたおじ様にご褒美とばかりに腕に抱き付いてみる。紺色のセーラー服越しの豊満な胸におじ様の腕が沈み込む。若干脈拍は上がったものの、性欲の気配の上昇は僅かなものだった。うーん?
タクシーの運転手の眉間が少しだけ寄っている。羨ましいのかしら。私のお腹が空いているときに出会ったら食べてあげてもいいけど、今日はお相手できないの、ごめんなさいね。
気恥ずかしそうなおじ様に、車内が揺れるたびにむにむに攻撃をしているとあっという間に目的地に到着した。
先ほどイメージを見せてもらった通りの、和風の食事処。レストランと言うよりは料亭? 周囲は笹か竹か区別はつかないけど植物に囲まれていて中が見えないようになっている。
私が獲物を物色していた繁華街のどんな店よりも高級に思えた。
「さ、行こうか」
はーい、と返事をして入店するおじ様に続く。迎えてくれたのは着物を着た女性だった。年の差からみて怪しい関係を勘ぐりそうな私たちに対しても、何も聞くこともなく、眉根ひとつ崩さずに営業スマイルで案内してくれた。さすがはプロ。
個室に通されて、何かありましたらお呼びくださいと伝えられ扉……襖って言うのかしら。紙でできた板が音もなく閉じられた。せっかくだし隣に座っとこっと。
「なんか……すごいお店ですね」
「ははは、緊張しなくてもいいよ。ここの人たちは何も聞いてこないし、誰にも言わないからたまに使ってるんだ」
もしかしてこのおじ様ってかなりのお金持ちなのかしらね。少しだけ気になった下世話な私は、またみょんみょんして心を覗く。……うーん、普段は取引だとかそういう事にここを使っているみたいね。女の子を連れ込んだのは私が初めてらしい。そしてやはりお金持ちのようだ。どこぞの社長みたい。なんでそんな人が援助交際なんてしているんだか。そこら辺も気にはなるけど、どうせ明日の朝日も拝めないのだからいいかと魔力を遮断した。
おじ様に勧められたメニューを開いてみると、店の雰囲気に合った料理の名前がずらりと並んでいる。え、ちょっと待ってよ。この一番高いフルコース、十万円超えてるじゃない。
そ、そんなバカな……。私より高い? 私が料理ごときに負けた、ですって……?
まあおじ様は対価として命を吸われるのだから金額は余り関係ないのだけど。それでも何となく悔しくて安い料理を頼んでしまう子供っぽい私。いいもん、まだ生後一週間経ってないもん。
「遠慮しないで好きな物頼んでいいんだよ?」
「いえ、大丈夫です。そんなにお腹も空いてないですから」
ヒトのフリとしても、淫魔としてもね。
子供用メニューの比較的安いグラタンを選んだ私におじ様が気を使ってくれている。いいのっ。意地でもここのお会計を五万円以下にしてくれるわ。
意味の分からない意地を張っている私。おじ様は小さく笑って、自分の注文も決まったのか店員さんを呼ぶボタンを押した。
「じゃあ、これとこれを。飲み物は、ウーロン茶だね? それと……そう、いつもので」
慣れた様子で注文を終え、料理を待つ。そういえば前回の不良たちも「いつもの」って言葉使ってたけど、おじ様が言うとなんだか上品に見えるから不思議ね。これが上流階級なのかしら。
先に到着した飲み物を受け取る。私はウーロン茶、おじ様は小さな徳利に入った日本酒だ。ここですかさず注いであげる私マジ気遣いできる良い子。まあ思念読んだからだけど。おじ様も「おっとっと」なんて言って上機嫌だからいいわよね。
「美咲ちゃんは……その制服は棚元中学かな?」
「そうですよ。学級委員長だって任されてるんですから」
お通しをつまみながらの会話。あ。そういえばこの設定ってこの前の不良一号(名前忘れた)に向けた出任せなんだったった。うーん、まあいいか。おじ様も別に気にしてる様子もないし。
「そんな子がどうして……あ、いや詮索は無しにしようか」
「ふふ、ありがとうございます」
おじ様は気が利くわね。詮索もされなければ妙に設定に凝る必要もないし、気が楽でいいわ。
「いやあでも、美咲ちゃんを見かけた時はびっくりしたよ。こんなに可愛い子が現実にいるのかって」
「もうっ、そんなに褒めたって何にも出ないですよ」
色んな液体出ちゃいそうですけど。
下ネタは空気ぶち壊しなので封印しておきましょう、そうしましょう。
しばしの歓談をしていると、失礼します、と襖が開いて注文していた料理が運ばれてきた。私の前にほかほかのグラタンが、おじ様の前には長方形の皿に乗った何個かのお寿司。静かに閉められた襖を合図に、いただきますと手を合わせた。
……おちんちんを前にしないで言ったの初めてね。どうでもいいけど。
「! おいしいです」
「それは良かった」
淫魔の舌にだって味覚はある。けれど精液が極上の味に感じるのだからヒトとはやはり違うのだ。だからまあ、この感想は適当に述べたものだけど、不味くはないから演技に支障はない。
「おじ様もひとくちどうですか?」
「え、えっと……いいのかい」
「もちろん。はい、あーん♡」
好感度稼ぎに余念のない私である。究極的には出会い頭に吸精するなんてこともできるけれど、相手にとって理想の姿形をとり、できる限り気持ちよくなってもらうのが淫魔のプライドなのだ。だから私(たち?)はヒトを食糧だからって見下したりはしない。自分以外の淫魔に会ったことは無いから多分だけど。
その後もグラタンを食べさせあったり、お寿司を食べさせあって指まで舐めたりとイチャイチャし続けた私たちだった。
会計を終えて店を出ると、時刻は22時過ぎ。子供が出歩いているとまたも警察に追い掛け回される時間帯だ。まあこれからホテルに行くのだし心配は無用だけどね。
おじ様は財布から茶色いお札を何枚か取り出すと私に差し出した。
「今日は楽しかったよ。最初に言ったお金と、タクシー代も渡しておくね」
「え?」
……は?
あっ。声に出すところだった。ナニ言ってるのこのおじ様。美咲わかんない。
「あと、また会いたいから連絡先を教えてくれると嬉しいんだけど」
いやいやいやいや。ほんとに何言ってるのかしらこのチキンは。そんなんだから他の女の子ともヤれないんでしょうが。
完全に想定外の言動に頭がフリーズしかけたものの、何とか持ち直してみょんみょんと心を探る。
『いきなりホテルなんて誘って断られたら終わりだからなあ、何回か会って心を許してもらわないと』
本当のほんとに何を言って、あ、思っているのこのチキン! あそこまでイチャついておきながら許すも許さないもないでしょうが!
あー、どうしてくれようかしら。自分から誘うのもおじ様の理想からは遠いし、そもそも携帯なんて物は持ってないから連絡先なんてないし。
ん……? その手でいけばいいか。
「あの、私……今携帯止められちゃってて。使いすぎてお父さんに怒られちゃったんです」
何かおじ様の脳裏にパケホとかよく分かんない単語が流れているけど無視して押し通そう。連絡先もなくこれっきりかもしれないと分かれば向こうも多少は押してくるでしょ。
「そ、そうなのか……」
『あちゃー、……嫌われちゃったか』
ちっがうでしょうがぁぁ!!
チキンか! 骨なしチキンかアンタは!
もう、しょうがないから私から行こう……。援助交際って楽だと思ってたけど、これなら不良に囲まれた方が簡単かもしれないわね。
「だから、その……。思い出、作っていきませんか?」
「……いいのかい」
ウルっと瞳を湿らせて上目使い。断言するけどこれで落ちない男はいない。
さすがのチキンおじ様も心が揺れ動いたようだ。落胆から期待へギューンとメーターが傾いた。最初からそうしておいてよ……。
「はい……、おじ様はとっても良くしてくれたし、良い人そうだから……」
良い人すぎて一生独身で終わりそうよね。今日終わらせるんだけど。
コンビニの前で出会った時のように手を差し出すと、おじ様はその時と同じく、恭しく私の手を取った。
「……ありがとう。じゃあ、行こうか」
「はいっ♪」
もう今更純情ぶっても無駄だし、適当に誤魔化してみよう。
私は手を引かれて、やっと待ち望んだピンク色のホテルへと足を向けた。
* * *
こ、ここがラブホテル……。これがセックスをするための施設!
おじ様が選んだのはラブホの中でも高級な部類らしく、見た目からして豪奢なもので、内装もたがわずキラキラと輝いて見える。
部屋に入ると大きなソファに大きなテレビ。部屋の中央にあるこれまたどデカいベッドが辛うじてここがラブホテルだと言うことを主張しているようにも思える。
なんかこう、もっとピンクでチープなのを想像していたから面食らっちゃうわね。
おじ様は若干緊張した面持ちで私の手を放してソファに腰を下ろした。
「初めて入ったけど、なかなか豪華な作りなんだなあ」
「あれ、初めて……なんですか?」
うん? 援助交際は食事だけって記憶は読んだけど、こういう所に来るのも初めてなのかしら。
「ああ、うん。……恥ずかしい話、私はその、女性とした事が無くてね」
なん……ですって?
このダンディなおじ様が……童貞?
それならばあのチキン具合も分かるけれども。それはそれとして、まさか童貞を頂けちゃうなんて……!
淫魔、特にサキュバスにとって美味と感じる精気の持ち主とは。
一つは生命力の強い者。これはそのまま、身体の強さなどで決まる質の高さである。
そしてもう一つは童貞。別に初物がどうとかの背徳感ではなく、純粋に濃厚なのだ。これはいくら身体が強くてもベクトルが違うので比べることはできない。
自慰行為で出す物とは違う、初めて雌を孕ませるための精液の濃さは、ヤり慣れた者には再現できない特別なモノなのである。
私が初めて摂ったのも童貞のショタっ子だったけれど、あの子はまだ若すぎた為にその濃さが足りなかった。美味しかったけど。
一般的に高齢の童貞というのは生存競争で負けた残念な男が多い。だから私はあまり気にしていなかった。大学生くらいのをターゲットにした時に当たればいいかな程度だ。
しかしこのおじ様は。中年と言っていい年齢に差し掛かっているけど身体は引き締まっているし、ちょっと押しが弱いものの社会的にも強者である。
そんな男の、初射精が不味いわけがない。絶対に味わってみたい。俄然ヤる気出てきちゃったわね。
「そうなんですか。……じゃあ、初めてどうしですね♡」
我ながら良く回る舌よね。てへぺろぺろ。まあ膜なんていくらでも作れるから誤魔化すのは簡単だし。
おじ様は少し猜疑的な目を私に向けている。当然か。処女の中学生が一回り歳の違う男をラブホテルに誘うなんてなかなか無いものね。挿れれば分かるから! 挿れれば分かるから!
下手に疑って機嫌を損ねるのを避けたのか、おじ様は柔和な笑みを浮かべ直して私の肩を抱いた。
「本当かい?」
あ、疑ってた。大丈夫よ。私は機嫌を損ねたりしないからね。
真偽はどっちでもいいと思っているのかしら。それなら、と挑発的な瞳をおじ様に向けてみる。
「ふふ、確かめてみますか……?」
上着を脱いだおじ様の、ワイシャツの薄い生地を撫でると、ごくりと生唾を嚥下した。偽の膜だけど、それこそ童貞のおじ様には分かるまい。歴戦のヤリチンにも分からないのだろうし。
「そうさせてもらおうかな」
「ん……♡」
私の顔の輪郭に沿って手があてがわれる。それに抵抗せずに目を瞑り、口づけを受け入れた。短い口髭が少しくすぐったいけれど、これも悪くない。
ある程度純情ぶるのは辞めたのだし、と若干開き直って口を小さく開くと、おじ様も意図に気付き舌を入れてきた。にゅるりとした感触が快感を伴って口腔を犯していく。
「んちゅ……ん、はぷ……♡」
キスくらいはしたことがあったのかしら。それとも永い童貞ゆえのイメージトレーニングの賜物か。存外上手なディープキスに気分が昂ぶる。背中を甘い痺れが駆け上り、お腹の奥底が熱を持ち始めた。
「っはぁ……、キス、気持ちいいです……」
涎の橋が二人の間に落ちていく。おじ様も腹を括ったのだろう、私の胸元に手を伸ばすと赤いスカーフを掴みゆっくりと引き抜いて行った。
しゅるしゅると音を立てて胸元を通っていくスカーフの感触に期待が膨らんでいくのが分かる。無理やり引き裂かれるのもそれはそれで興奮したけれど、ゆっくり脱がされていくのもエロくてたまらない。
横開きのセーラーは脱がしにくいことを反省して、今回からは前開きになっているのでいかな童貞のおじ様でも初見で分かるだろうファスナーに手がかけられた。待望の眼差しを向けると、ゆっくりと、静かにファスナーが昇っていく。
ジジジ、と小さな音が終わって胸元の襟の先まで上がりきる。最後に留め具が外されると、ブラが残るのみの豊満な肉体が露わになった。
おじ様を含む世の男の理想が集約した肉体美。一部の特殊性癖を覗いて大多数が絶賛するだろう芸術品。細い首と鎖骨が華奢さを醸し出しているのに、その下で自己主張する母性の大きさは手に余るサイズ。幼さの残る顔には情欲の炎がちらついていて、あたかも肉体と同じようなギャップを与えていく。
もちろん胸だけが私の武器ではない。その下には余分な脂肪など1グラムたりとも無く、薄いお腹が細いくびれに挟まれている。真ん中には切れ長のおへそがひっそりとだがしかし、形の良さがアクセントを加える。
「おお……」
おじ様はため息のような感嘆の声を漏らした。ふふ、私の身体に見惚れちゃったのね。じっくりと見てもいいけれど、まだ下着が残っているでしょう?
セーラーの上を脱ぎ去り、背中を向けてブラの留め具を見せつけると、ガラス細工を扱うようにそっと触れられ、静かに最後の防壁が外された。
解放された私の胸は重さに負けることもなく、張りのある艶めきを伴って形を保っている。おじ様にはまだ見えていないので、染みひとつない背中を預けるように寄り掛かって、眼下にその谷間が覗く体勢に収まった。
呼吸すら忘れておじ様は私の身体を抱きしめた。胸に触れないようにお腹に回された腕がおじ様の臆病さを表しているみたいだ。まったく。
「ふふ、触っていいんですよ?」
私の許可を受けて、おじ様は恐る恐る手を持ちあげ、そおっと包むように私の双丘に触れた。男性の大きな手にも余る自慢の胸は、ほとんど力を入れられていないにも関わらず手のひらの形に合わせて姿を変えていった。
「ああ、柔らかくて……気持ちいいよ」
「は、あん……、良かった……あっ♡ です……」
柔らかさを確かめるような手つき、時折先端に指が触れる度に私の身体がぴくりと反応する。完全におじ様に寄り掛かり、真剣な目で私の身体を見下ろすおじ様の顔を下から覗き込んだ。私の口から零れる吐息にはもちろん魔力が込められていて、淫靡な香りをもっておじ様の鼻腔を通って脳を侵していく。
ある程度の力を込めても私が痛がらないのを確認して、おじ様は本格的に私の胸を愉しみはじめた。持ちあげて重さを確かめてみたり、どこまで指が沈んでいくのか試してみたり、乳首を抓って私の嬌声を楽しんでみたり。
「はあぁ……んっ♡ おじ様ぁ……胸ばっかり、ひどいです……♡」
十数分はそうしていたかしら。私の胸はすっかりおじ様に揉みほぐされて、重さに負けずにツンと張っていたはずの乳房は今では重力に負けて柔らかさを強調していた。
「あっ、ああ、すまない。つい夢中になってしまって」
「私のおっぱい、おじ様にほぐされちゃいましたぁ……」
解放された胸を抱き寄せるようにしてたゆんと波打たせると、おじ様は女の身体を作り変えた征服感に酔いしれたようだった。なんか妙なセリフ回しになっている気もするけれど、童貞たるおじ様の理想に沿うには、ある意味現実離れしたシチュエーションになりそうだ。私の存在自体がヒトにとっては現実離れしているからお互い様と言えばお互い様かしら。
「先にシャワー浴びてくるよ」
もじもじと太ももをすり合わせて無言のおねだりをしてみせると、おじ様はヤる気を出してネクタイを勢いよく外しだした。むう、気にしなくてもいいのに。むしろ一緒に入っちゃえばいいかしらね。
「お背中流しましょうか♡」
「いや……」
私の申し出にしばし葛藤を見せたおじ様だったが、やがて顔を横に振った。私の誘いを断るなんて、いったいどういうつもりなの……。
内心ムっとしながら寂しそうな目をすると、おじ様は気恥ずかしそうに頬を掻いた。
「すまないね、その……私は女の子の匂いが好きなんだ」
あー、そういう。なるほどね、そういうことなら貴方の期待に応えるとしましょうか。でも焦らされた腹いせに、上がったらとびっきりのをくらわせてあげようかしら。
「もう、……おじ様のえっち♡」
照れているおじ様にキスをして浴室に送り出して、私は部屋の中央に鎮座するベッドに飛び込んだ。うひゃー、ふかふかね。
あの人が匂いフェチなら、出てきたころには部屋中女の匂いでいっぱいにしちゃいましょう。そう決めた私はスカートを脱ぎ、ショーツを膝まで下ろした。
「ふふふ、楽しみだわ……」
独り言ちながら股間に手を伸ばす。すでに濡れそぼったそこを指で刺激してさらに男を迎える準備をしていく。別に触れずにだってできるけどそんな面白味の欠片もない行為はしない。
自慰行為と同時に自らの感度を上げていく。童貞の彼にもイカせ放題の変態JCの出来上がりだ。淫らな水音を響かせ、自分で胸もいじりながら吐息を零す。
「んぅ♡ はあ、はやくぅ……♡」
シャワーの音を後ろに聞きながらテンションが上がっていく自分を自覚して、もっともっとと指が深く沈んでいく。膣の天井を撫でながら軽い絶頂まで自らを導いた。普段は抑えている汗を分泌して雌の匂いを強め、少しだけフェロモンも混ぜて振りまくと、ベッドの上の私はどんな裸婦画よりも煽情的な艶姿と成り果てた。
「きもちぃ、けどっ、足りないぃ♡」
淫魔のテクニックは自分にも有効で、まあそりゃ性感帯も自由に変えられるのだから気持ちよくなることはできる。しかし圧倒的に足りないのは雄の獣欲だ。精力漲る立派な男の象徴で貫かれたい。凌辱されたい。征服されたい。
おちんちん、ペニス、肉棒、おちんぽ。頭の中で卑猥な単語がぐるぐると回っている。早く欲しいよぉ……。
「美咲ちゃん……」
いつの間にかベッドの脇に立っていたおじ様が私の痴態を見ていた。バスローブに身を包んだ肉体はがっしりとした印象を損なわず、屹立している下半身はもはや暴発寸前と言ったところだ。
美味しそう、おいしそう、オイシソウ……♡
「おじ様ぁ♡ ごめんっ、なさい、我慢、できなくてぇ……♡ みさき、ひとりでシちゃいましたぁ……♡」
見られているのも構わずに、むしろ加速していく指はぐちゅぐちゅと下品な水音を立てている。股を開いて誘惑すると、間髪入れずにおじ様が飛びかかるように私に跨った。そのまま唇を貪るように吸われる。
「あむ、んじゅ♡ ぷぁ、はむっ、んっ、んんぅぅぅ♡」
「はあっはあっ、美咲ちゃん、美咲っ、ちゃん……悪い子だね……!」
本能なので許してほしいものね。
吸われた舌に魔力を含ませておいて、おじ様の興奮もさらに高めた。いくらチキンな彼でも、もう避妊なんて世迷い言を抜かすほどの余裕はない。やっぱり一番濃い一発目は、中に直接欲しいのよ。
「ここぉ……っ、おじ様っ、美咲のここ、切ないです……♡」
「く、ふう、ふうっ……!」
血走りそうな目で私の濡れた指を見やる。ちょっと吸わせすぎたかしら……。これからフェロモンも摂取させるのに。
と思っていたら頭を抱きかかえるようにして首筋に顔を押し付けて深呼吸された。さっき分泌していた汗とフェロモンがおじ様に吸引されていく。
「――――ッ、はあぁぁ、あぁ、もう我慢できそうにないよ……」
甘い毒に脳を侵されたおじ様は少しだけ顔を離すと、私を真っ直ぐに見つめて呟く。最初っから我慢なんて必要なかったのだから、今更何も遠慮なんていらないわよ♡
「ください♡ おじ様の、おっきいの。美咲にくださいっ♡」
指を使って自ら秘所を開く。こんな処女がいるのか。おじ様は無言で怒張したモノをそこにあてがった。ここからが、本当のお食事ね。
「う、おおおおぉぉ……!」
なかなかのサイズのソレを迎え入れ、道中に作ってあった処女膜が大げさにぷちんと感触を残してちぎれた。実際こんな感触なんてないけれど、童貞さんにも分かるようにわざわざ作ったのだから感謝してほしい。
「ふぎゅ♡ ふぅぅうう……っ」
「み、美咲ちゃん……本当に」
偽物ですけど処女だったでしょ。挿れれば分かる!
自分の肉棒に纏わりついた赤い液体を、嬉しいような、罪悪感を覚えたような、複雑な表情で見つめて動きが止まるおじ様に、腰をうねらせておねだり。
「えへ、美咲の処女ぉ、気持ちいいですかぁ……♡」
「い、痛くないかな」
気を使ってるんでしょうけど、私はもう限界なのだ。飢餓感は無いとはいえ、今までで一番のごちそうを目の前にぶら下げられてマテができるほど人生……、魔生経験は豊富じゃないのだ。というか毎回勢いでやりすぎちゃってるし。
「らいじょぶですっきもちいですっ♡ おじさまも、みさきで気持ちよくなってくださいっ♡」
ぐいぐいと腰を押し付けると、おじ様もタガが外れたのか、大きなモノで一番奥まで突いてくれるようになった。この人が仮に童貞じゃなかったとしても満足できるくらいに気持ちいい。
「美咲ちゃん……! 気持ちいいよ! はあっ、良すぎて、長く持たない……!」
「はぎゅ♡ ふっぎゅ♡ きもひっ、いいっ!」
押し潰すような前後運動、私のお尻が毬みたいに弾んで、反動を使ってより深く強いピストンが返ってくる。ああ、コレよコレっ! この必死さが童貞っぽくてたまらなく美味しそうだわ♡
限界が近いことを察して、私はおじ様の腰に脚を絡めてその時に向けて備える。こんな、絶対濃くて美味しい精液を、外に出すなんてもったいないことさせられないもの。
それを受けて、自らの絶頂をすぐそこに感じている彼は焦ったように私を見るが、腰は本能に従ったまま動き続けていた。
「ああ! ダメだよ美咲ちゃん、う、おお……!」
「はあぁ♡ 出してくださいっ、おくっ、奥ぅ♡ 一番奥に、おじ様の精液、ください♡」
おじ様の動きに合わせて射精を促すグラインド。腰を引く事にさえ快感を与え、限界をさらに近いものにしていく。
ああ、あと四回くらいかしら♡ あとさん、にぃ、いちっ!
「うあああああっ!!」
ついに絶頂を迎えたおじ様が吠える。その様相にも劣らない勢いで精液が勢いよく吹きだした。初めて女を犯し、味わい、孕ませる為の特濃精液。情欲のパトスが迸って私の膣内を駆け巡った。
「んっ♡ にゃっ♡ ~~~ッ♡♡♡」
本気で頭が真っ白になった。おじ様の精子で思考まで染め上げられたかのよう。
生まれて初めて達する本物の絶頂。それは私にかつて味わったことのない幸福感を与えてくれた。
二人して肩で息をして(私は呼吸は要らないけど何となく)、私たちはお互いの顔を見つめ合った。
「はあ、はあっ、すま、すまない、中に……」
「はふ……、おじ様の、すごかったです……♡ もっと、ほしいですぅ……♡」
「み、美咲ちゃん!?」
何を謝っているのかしら。こんなに美味しいモノを、私の中以外のどこに吐き出すと言うの? 極上のミルクを味わった私はおかわりを要求しておじ様に甘えつく。まだできるわよね。だって精力自体はそんなに吸ってないもの。トびかけた意識の中で本能を抑えきった自分を褒めてあげたい。
絡めた脚をそのままに、引き抜くことも、フニャることも許さずに。腕は首に抱き付き、顔の距離が近づいて甘いキスを繰り返していく。
挿入したまますり寄ったからか、勃起が収まらないことには違和感を覚えないようで私のキスを受け入れてくれた。貸し与えた精力はいつもより多めだ。こんなに美味しいの、数回程度じゃ我慢できないわ。
「もっと、んちゅ、もっとしましょう……♡」
「ん、む、っはあ……ああ、キミが満足するまで、何回でも」
なんて嬉しい言葉なんでしょう。恍惚とした笑みでおじ様を見上げる。
いっぱい、いっぱい楽しみましょうね♡
* * *
「っぐ、っはあ、ああ……」
「ん♡ あ♡ あはっ♡」
騎乗位で好き勝手に腰を動かしながら嬌声を上げる。おじ様は若干やつれ始めて苦しそうだ。
あの珠玉の一発を味わってから、さまざまなプレイをした。童貞のおじ様の期待に全て答えたのだ。
寄り添いお互いに手で愛撫するペッティングに始まり、お口でのご奉仕、パイズリ、立ちバック。おじ様はお尻には興味がないようでそちらはノータッチだったけど。
休憩をするとかいって、お風呂でもしたり。どれも愛情を込めて、まるで恋人のようにイチャイチャしながらするセックスはなかなかに気持ちがいいものだった。
それでも、もう初めての濃厚さは失われて後は吸い切るだけかな、と思い始めていた。
「うっ、出る……っ!」
「はぁう……♡」
薄味にはなったけど、多めに貸した精力のおかげもあって勢いはそこそこだ。でもやっぱり、そろそろ、ね。
「ふう、そろそろいいかな」
「はあ、ああ、満足してくれた、かな……」
息をついて安堵の表情のおじ様。
「ふふ♡ 満足するのは、あとひとくち頂いてからかしら」
「……なっ!?」
おじ様に跨ったまま、背中から翼を、お尻から尻尾を生やして見せつける。まさに小悪魔となった私の悪魔的な笑みを受けて、おじ様は小さく息をのんだ。
「驚いた? 気付いているかもしれないけど、私は貴方の精気を吸っていたの。もう体力が切れているのにセックス出来ているのは私のチカラのおかげなのよ」
あと一回でも出せば、貴方は塵になって死んじゃうけどね。そう続けると、おじ様は予想と違って落ち着いた様子でため息のようにああ、と呟いた。
「そうか……」
「あら、ずいぶんと落ち着いているのね」
「ああ、うん……。キミみたいな可愛い子としながら腹上死するのも悪くはないと思ってね」
ふうん? どういうつもりかと思考を読み取る。
諦観の眼差しから読み取れたのは、天涯孤独のおじ様の人生だった。
親も無く、中学の頃には働き始め、今では何とか高い立場に落ち着いたが虚しくなり、有り余るお金で失われた青春を取り戻すように女の子を遊びに誘う。しかしそれさえも心のどこかで虚しさを覚えている。ふーん、なるほどね。今ここで私に殺されるのも、本気で本望だと思っているんだ。恋人みたいにイチャついたのは大きな癒しになってくれたみたいね。
「――あは♡ 気に入ったわ、おじ様。貴方は特別キモチヨク逝かせてあげる♡」
「はは、お手柔らかに、ね」
挿入状態の肉棒へ、直接触れた状態で精力を多めに貸し与える。もはや毒に侵された彼の脳は長くは持たないし、精気というのは生気であり魂のことでもある。奪って飲み込んだモノはもう戻らないし、精力を分け与えても寿命が延びるということもない。ただ一時のドーピングのようなものだ。
しかし、今一度の性交の為だけならばそれは大きな助力となる。疲れ果てているはずの彼の身体は、肉棒だけが活き活きとそそり立つ。今も私の中にあるから見えないけど。
もちろん連続の勃起による痛みなど与えない。何回ヤっても気持ちよさだけを感じる事ができるのだ。
「はぁ、んっ♡ えへ、おじ様の精気は、とくべつにっ♡ 美味しかったよっ♡」
「くっ、う、それは、良かった……!」
「それにぃ、おちんちんもおっきいし、とっても気持ちよかったわ♡」
「男冥利に尽きる、ね」
耳や頬、もちろん唇にもキスを落として愛撫していく。両手はおじ様の手と絡めて、いわゆる恋人繋ぎ状態だ。腰は淫らに踊り狂い、見ただけで射精感が高まるような淫靡なグラインドをしている。
「んふ♡ 分かる? そろそろ、よね?」
「ああ、もう、出そうだ……」
おじ様の肉棒へ、射精のための精力が集まっていく。それに伴い全身から生気が喪われ、渇きひび割れ始めていった。
「おじ様ぁ……」
「なん、だい……」
「気持ちよかった?」
息も絶え絶えな彼へ、最後の質問。もちろん気持ちよくないハズなどないけれど。それでも聞いておきたかった。
「……ああ、最高、だった……よ……」
「よか、ったぁっ♡ ふう、ん、ぅん♡」
多めに渡していた精力と一緒に、最後の一滴まで絞り出した射精を子宮に受けた。背を反らしてびくびくと震え、吸収しきるまで余韻を愉しむ。
跨っていたおじ様の身体は崩れて、絡めていた手も塵へと還った。折れ崩れた胴体から連鎖するように崩壊が進むが、最後に残ったおじ様の表情は……。
「ふふ、イイ顔しちゃって♡」
やつれてはいたものの全てに満足したような、安らかな笑みを浮かべた表情のまま、彼の全てが崩れ去った。
それを見届けて、ベッドから降りる。今日は汗を自発的に分泌したから少しべたつくわね。せっかくシャワーがあるんだから、最後にもう一度浴びていきますか。
浴室から戻り、下着と制服を着直して窓へと向かう。ここから出ていくつもりだ。受付は無人だったけれど、監視カメラは有ったし、二人で入って一人で出ていくなんて不自然だものね。
最後にベッドを振り返ると、そこには変わらずおじ様だった塵の山。ベッドメイクのヒト、お掃除大変そうね……。
――そういえば、名前を聞くのも忘れてたわね。
翼を生やして飛び立ちながら、私はすでにうろ覚えのおじ様の顔すらも記憶から消していった。覚えているのは、あの特濃精液の味だけだ。
もうすぐ朝焼けの始まりそうな空は、空気が冷たくて、とっても気持ちが良かった。
基本的に出てくるヒトは老若男女問わず塵になる。
DUST TO DUST エイメン(笑)