Metro2033 -影を見る者- 作:きゃすたー(7mg)
肩凝ったし首は痛いしで眠いです。
ヴェートちゃんはきっと受けも攻めもいけるクチだと思います。はい。
彼の胸板に顔を埋める。彼の心臓の音が私の耳に届く。すぐそこに命の脈動を感じる。
どくん、どくん、どくん、と力強く脈打つ心臓の鼓動。どうにか平静を保とうと必死になっているんだ。私で興奮してくれている。それは純粋に嬉しいことだ。
足をそっと絡め、腕を取り、ぎゅっと体を密着させる。頬ずりするように彼の傍らに寄り添い、じっと彼の出方を伺う。
呼吸は一定を保っている。だけど彼の鼓動は早いままだ。もう寝たようにみせかけているのか、それとも今必死に眠りにつこうとしているのか。
ゆらゆらとランプの灯が揺れるだけで何も変化がない。仄暗い通路の奥まった場所だが、人払いがされていることもあって誰かが近くに居る気配は無い。
待てども彼は動こうとはしない。私に手を出そうともしない。ああもう、もっと手を出して欲しいのに。もう少しで手が届くところにあるのに。
意外とアルチョムの精神は強靭だ。興味無しというわけではないのだろうけれど、奥手なのだろうか、それともどうにか持ちこたえているのか。
「ねえ、アルチョム」
甘えるように耳元で囁き、そっとパジャマの前を開いて胸元をはだけさせ、素肌で彼の二の腕を感じる。見た目よりもがっしりとした体格に、ずしりと重みを感じる筋肉の鎧。逞しい雄だというのはすぐにわかる。
彼の胸元を這うように手を伸ばす。その首周りもなかなかのものだ。戦う人間、その強靭さを感じさせる。
「………はぁ…ふっ……ん…」
彼の右手をとり私の割れ目へと誘う。ぐりぐりと擦り付けるように、下腹部を彼の右腕に摺り寄せる。パジャマのズボンを脱ぎ捨てて下着の上から彼の手の甲を宛がう。
ぴく、と指先が震える。ああ、やっぱり起きてるじゃないか。
「………動かして、いいよ…」
つう、と指が下着の上を這う。じわりと熱を帯びる胎。僅かな刺激さえ快楽に変換されていく。彼の指が私の秘部を下着の上からなぞるたびに、私の中の本能が呼び覚まされていく。
毛布の中で彼の上に跨る。動揺するアルチョムを気にも留めず、唇を重ねて彼の“影”を貪る。
「…んっ……んー…ふ…」
流れ込んでくる。熱くどろどろとした黒い思念が私の唾液と交じり合って、私の中へと入っていく。
ああなんて濃厚で、芳醇で、マグマのような熱を帯びた“業”だろう。きっと彼はブルボンと共に“あちら側”へ立ち入ってしまったに違いない。
アルチョムは死者たちの眠る闇へと踏み入れてしまったんだ。生きながらにして彼岸と此岸の境界を踏み越えた“業”がこれほどに甘く溶けるような感触だとは!
彼のシャツを留めるボタンを外せば、逞しい雄の肌が顕になる。アルチョムの下腹部に跨ったまま体を起こし、はだけたパジャマを脱ぐ。
木箱の上に置いたランプのわずかな光が私を照らし出す。胸はさらけだし、男の股座に腰を下ろし、悦んで口付けをする今の私は彼の瞳にどう映っているのだろう。
淫婦のようだと呆れられているのだろうか。
娼婦のように浅ましいと思われているだろうか。
子供のようだと見ているのだろうか。
私の股の下へと手を伸ばせば、そこには分厚いズボン越しでもはっきりとわかるほど隆起した雄の象徴がある。
私を、女を、雌を貫きたくてうずうずしている。ベルトを外し、ズボンの下からいきりたつ彼の肉槍を解き放つ。
「……ふふっ、元気になったね」
ぶるん、と揺れたその凶器。暗闇の中を照らすランプはお互いの顔と上半身までしか見させてくれない。暗闇の中で営まれる情事は、これだからやめられないのだ。
薄らと見えるお互いの姿。共に暗闇へと溶け込んでしまったような、そんな不確かさがもたらす不安。それを払拭するためにお互いの肉を貪り、その存在を確かめ合う。
指先で恐る恐る触れて、少しずつ掌に収めていく。豚の串焼きに使う鉄串よりも熱を持っているのではないかと思えるほど、彼の槍は天を突くように私の下着を押し上げてその熱を伝えてくる。
背中に被った毛布がアルチョムと私を覆い隠す。胸を重ね、彼の耳元で囁く。
「アルチョム……一つだけ、聞いていい?」
頷くアルチョム。見えているのはお互いの顔と、密着させている私の豊満な胸くらいなものだ。それ以外は全て毛布の下に覆い隠されている。
私の秘裂の入り口を執拗に擦る肉棒。今か今かと待ち望む彼。
私は、いつでもいい。頃合だ。さあ、はじめよう。
ここから先は―
第十一話 夜の少女
「何故ポリスに向かうのかな」
私の領域だ。
「…あ……ぅ…う…」
彼の首に傷を残さないように右手でそっと掴み、その爪を突き立てる。その気になればいつだって彼の喉笛は掻き千切ることのできる場所。それは動脈に近く、そして最も脆弱な部分にナイフを突きつけられているにも等しい。
眼と眼が合う。彼の眼は「まさか、そんな」という驚愕に見開かれ、その奥には恐怖が揺らいでいる。
すぐに抵抗することさえできないほどに気圧された彼は声にならない声を出すばかりで、私の問いに答えることをしない。
今頃彼の頭の中では私に対する認識を改めているころだろう。だからカーンも言ったんだ。
『この子は見た目は仔犬だが中身は狼だ』
かつての私の戦場は閨の中だ。好きでもない男と交わり、愛してもいない男に愛を囁かれ、いつしかそれに慣れたころに与えられた役目が、
キタイ・ゴーロド駅の夜を血の花で彩る暗殺者。
「答えろ。そのためにわざわざこんなシチュエーションまで用意してやったんだ」
例えランプの灯りがあって私達が見えていようとも、同じ毛布の中で体を寄せ合い眠る男女にしか見えない。そして囁き声は私達二人にしか聞こえない。
傍から見れば事に到る寸前にしか見えないだろう。カーンがすぐそばで立ち聞きしていようがどうということはない。彼もまたアルチョムの目的を知りたがっているだろう。
「ただポリスに向かうにしてはやけに急ぎなんだね。旅人のアルチョムさん?」
「……急ぎの用事が、あるんだ」
「へぇ、それはわざわざ“自分はお茶の商人です”と言ってまで行かなきゃならないのかな?」
「そう、だ」
「一介の駅の歩哨が、お茶の商人のふりをして、ポリス駅に?」
彼の瞳が一層強く見開かれる。どうして自分の職業を知っているのか、何故どのようにして私が知ったのかという疑問が彼の脳裏をよぎっていることだろう。
どく、どく、どく、と鼓動が早まる。彼の首を掴む右手、その指先が感じ取る血の流れが一気に速度を増している。
ああ、動揺しているんだねアルチョム。わかるよ。
「アルチョムは銃の腕はすこぶる良い。優先すべき狙いも定まっているし、周囲をよく見ている。些細な変化にも気づいて対応しているし、何より地上を突破したっていうんだから素晴らしい素質だと思うよ。
だけど君はメトロの情勢を知らない。遠征部隊の人間なら何かしらメトロ内の情報について詳しい人間が一人は着くものだ。そして商人ならキタイ・ゴーロド駅は知っていて当然。なのに君はそれらについて何も知らないし、第四帝国さえ知らないときた。
他所の駅に出ることが少なく、そして銃の訓練を受けることができ、かつ駅の外に装備を持ち出せる人間となれば……駅の歩哨か監視所の警備員くらいじゃないかな?」
苦々しいという表情でアルチョムは押し黙る。
今の彼は何を思っているのだろう。私を見誤っていたことへの後悔だろうか。それとも私を信用した己の未熟を悔いているのか。それとも、私に嵌められたと恨んでいるだろうか。
「アルチョム」
「……ある人に、託されたんだ」
ぽつり、とアルチョムは口を開いた。僅かな煙草の残り香がする。
「ハンター……僕は彼に、託されたんだ。ある人に、メッセージを伝えてくれと」
「……一体何を託された…! 吐け、クソガキ…!」
「グッ……か、彼から……ミラーという…人物に…!」
まずい。落ち着けヴェート。熱くなり過ぎるな。彼の義父はハンターの友人だと言っていたじゃあないか。
冷静になるんだ。このままじゃアルチョムの首筋を掻き切ってしまいかねない。
「それで……ハンターからミラー大佐に何を伝えるんだ?」
「……教える前に聞くけれど、君はミラーという人物を知っているのか?」
「当然だよ。スパルタンオーダーの総大将であり、ポリスの
「ほ、本当なのか!?」
「シーッ、静かに…!」
ちらりと毛布をどけて伺ってみるものの、人の気配は無い。
くそっ、本気で姿を隠して覗き見か聞き耳立ててるなあの放蕩親父め。
「事実だよ。私はハンザのストーカーが本業だけど、オーダーの連絡員も兼ねてコムソモーリスカヤ駅に住んでるんだよ。オーダーはメトロ全域で活動する組織だからね。ポリスにほど近いところはすぐにでも対応できるけれど、遠隔地はそうはいかない。だから主要なハンザの駅には必ず一人はオーダーが配されているんだ。
ただしレッドラインと第四帝国は通行さえ拒否されるし、独立駅でもポリスに友好的な駅ばかりというわけじゃないから、全ての駅に居るわけじゃあない」
グリゴリーに代役を任せておいてよかった。なにやらこの一件は長引くような予感がする。
「アルチョム、私は君が善人なのは知っている。そして私はオーダーだ。君がハンターから預かったメッセージを届けるというのなら、私が手を貸す」
「……君は、本当にオーダー、なのか?」
疑り深い。流石に自分で“臆病”と言うだけあって、警戒心がかなり強い。
ああ、だから私が擦り寄ってもすぐ手を出さなかったのか。彼は本能的に危険を察知していたんだ。ラスヴェート=ロマノフスキーは脅威だと、肌身で感じ取っていたんだ。
「ちょっとまってて」
壁に立てかけた背嚢の一番上のチャックを開け、一つのタグを取り出す。モスクワメトロのシンボルとオーダーの刻印が刻まれた、赤い認識票をアルチョムに手渡す。
「ハンターのものと、同じ……」
「信じるか、信じないかは君に任せるよ」
彼の瞳に再び意志が燃え上がる。険しい表情で、かみ締めるように瞳の奥で強い意志の炎が滾っている。
「判断を下すのは、君だ。アルチョム」
アルチョムの瞳は閉じられたままだ。どうするべきなのか、手を貸して貰ってでも前に進むべきか、信用してはならないと言い聞かせているのか。それは私にはわからない。
彼の帯びた使命がどのようなものかも聞いていないし、何が彼をそうさせているのかも分からないままだ。だけど、確かなことが一つだけわかっている。
ハンターは、アルチョムを信頼して託したということだ。
アルチョムが彼の銃を持っていることから、彼との接点があるのは確かだ。
だが、彼本人が出向かずにこうして代理人を立てたということは、つまり―
彼に、歴戦の戦士であるハンターに、何かがあったということ。
死んだ? そんなわけがない。彼が死ぬわけがない。あの強靭な男が、不屈の精神で戦う人が、メトロの未来のために戦い続けると言ったあの人が死ぬなんて有り得ない。考えられない。
きっと動けないだけなんだ。彼は何か怪我をしたか、敵への対処のために現地に残っているだけなんだ。
そう、死ぬわけがない―
―君は、死ぬ
あのハンターが死ぬなど―
―君に近しい人も、死ぬ
はっ、と立ち上がって振り返るものの、そこには誰も居ない。ただ木箱の上でランプの明かりがゆらめいているだけで、“影”も“闇”も居ない。カーンが盗み聞きしていたずらでもしているのかと思ったが、そういうわけではない。
なのに、声が明確に聞こえた。アルチョムの声ではない。彼の声ではない。カーンにしてはイタズラが過ぎる。こういう重要な場面で茶々を入れるような人間でもない。
第三者? なのに気配は無い。誰かが盗み聞きしているような様子は見られない。
きゅ、と胸を締め付けられるような不安が渦巻く。じわりと何者かが忍び寄っている。そんな不安が漂うばかりで、目の前には何も変わった様子などない。もし変化があれば即座にカーンか私のどちらかが察しているはずだ。
「ヴェート」
アルチョムの一声で我に返る。振り返ると、アルチョムは確かな決意を秘めた瞳で私を見ていた。
「僕を、ポリスに連れて行って欲しい」
「お安い、御用だよ」
まだ手が震える。自身ありげに返したものの、この暗闇でなかったらきっと私の顔は情けないものだっただろう。そうだ、きっとカラダが冷えたからだ。だからあんな幻聴を聞いたんだ。
「………アルチョム」
「…なんだい?」
「本当は、このままで終わらせておこうと思ってた。けど、ごめんね」
彼の目の前で最期の下着を脱ぎ捨てる。少しばかり濡れ始めていた秘裂を晒すと、少し肌寒い駅の温度で身震いがする。
「さむいんだ、アルチョム」
「ヴェート…?」
彼の上に覆いかぶさるように肌を重ね、その上に毛布を被る。冷えた四肢に彼の熱が走る。
強い男だ。彼は、どんな雄よりも強靭な雄だ。
「あっためて、ほしい」
私に巣食ったこの不安を快楽で消し去ってほしい。心を塗りつぶすような恐怖から守ってほしい。その手で、一時だけでいい。
私は人に尋ねれば十中八九、ふしだらな女と後ろ指を指される生き方をしてきた。
その日一日を生きるために男に抱かれてきた。
我欲を満たすために奉仕していた。
仲間を守るために閨で幾人もの男を消してきた。
ああ、こんな私を彼に知られたくないから、あの時の私は“火”を使うことを躊躇ったのか。
「………わかった」
「スパシーバ……んぅ……ふっ…」
ねだるような口付け。舌を絡めあい、優しく唇が触れ合う。彼の指は私の秘裂を掻き分けるように入り込み、ほつれた糸を解すような丁寧な愛撫を始める。
再び彼の槍が持ち上がる。ゆっくりと、起き上がるにつれて熱を放ちながらその存在感を増していく。その柄が私の内股にぶつかるたびに、火傷しそうな熱を持った槍が先走りを塗りたくる。
肉と肉が擦れあう。指先が私の下口をすりあげる度に声が漏れそうになる。はぁ、はぁ、とお互いの吐息だけが聞こえるだけの、全てが暗闇の中で行われる行為。じわじわと侵食するように体が熱を放ち、同時に水っぽい粘液の音が混じり始める。
「んあっ…く…ンッ……す、すご……」
「どうかした、かい?」
「ゆ、指……そこ…いいっ…!」
「長い、だろう? ソフィアにも言われたよ…いっ…!」
「女の話は、ダメ、だよ…」
ぎり、と乳首をつまみあげる。びくんと股間の槍が跳ね上がり、先走りを撒き散らして私の内股をべたべたに濡らす。熱い。ただ塗りたくられただけなのに、こんな熱さを感じるなんて。
ぐちゅぐちゅと毛布の中で水音が弾ける。アルチョムの指が長いのと、私の体格もあって深いところにまで指が届く。おまけにがっしりとして指自体も太い。
動くだけなのに押し広げられているような感覚がする。開拓されていくような、久しく味わっていないあの感覚だ。
「ふあっ…あ、もっ…もう……やめっ…」
「こんなに感じてるんだ、すぐイけそうだね」
「だ、だから…も、もう…いいってば…!」
「……っ…ああ、ならイクんだ」
指が、三本になる。三本の指が膣内を蹂躙するようにかき混ぜるたびに、カラダが跳ねる。びくびくと快楽に押し流されていく。意識がふわりと宙に浮くような感覚が、閃光と共に駆け巡る。
「ッ――! フーッ! ―――ンッ!」
「んっ………はっ…どう、かな?」
「はぁっ……ゆ、指だけで…こんな…!」
思わずアルチョムの着ていたシャツをかみ締めていた。あれがなければ、この静かなホームに雌の遠吠えが響いていたことだろう。ああ、やっぱり私はふしだらだ! 見つかるかもしれない、見られるかもしれないという状況でさえ、快感を感じてしまうんだから。
「でも、気持ちよかったんだね? すごいキモチよさそうだったよ」
「……うー、アルチョムの意地悪…!」
「ヴェート、やっぱり君はかわいいよ」
「……………卑怯だ…このタイミングなんて……」
「ねぇ、そろそろ………いいかい?」
もう少し楽しみたい、という意思はあるけれど、早く
やはりここは、素直にいこう。人間は我慢してはいけない。
アルチョムの突撃槍は既にいつでも、というほどにいきり立っている。手触りだけでも滑り、焼けた鉄のような熱さを放って今か今かと待ち構えている。
「ヴェート、腰を落とすんだ」
……言ったな。何様のつもりだか。良いともやってやろうじゃないか。明日の夜明けのベルさえ拝めないほど搾ってやろうか!
「気が変わった」
「………どうしたんだい?」
「受けの快感を教えてあげる…!」
アルチョムの反論を聞く間も無く彼の肉棒を口に含む。鈴口をちろちろと舌で舐めると次々に先走り汁があふれ出す。亀頭を包み込むように舌で舐め回し、カリの部分も時々刺激するように舌を這わせる。
正直きつい。こんなものをぶち込まれたら一発で気をやってしまいかねない。それに、このまま押されっ放しというのも気に入らない。
獣のような交尾で組み伏せられるのもいいものだけど、やはりやられたらやり返さなければ楽しくない。
「アルチョム、力抜いてね」
「え……ぐっ…そ、そこはダメだよ!」
「じゃあ覚えておくこと。セックス中に私に、命令するな」
ずぶ、と私の唾液で濡らした指が埋まっていく。ぎちぎちの穴をゆっくりとほぐしながら、少しずつ目的の場所へと指を進めていく。
とん、と指先に当たる感触。アルチョムの表情は指を挿入された違和感で歪んでいる。
「ほらほら、リラックスして力を抜かないと辛いよ?」
「ぐっ……お…こ、こんなこと…何のために…」
「少しずつさ、良くなってくるんだ。ちょっとずつ、ちょっとずつ…」
右手でアルチョムの前立腺を刺激しつつ、口で亀頭を舐める。竿を、カリを、丁寧に舌で拭うように、時折舌先で玩びながら愛撫する。
十分ほども舐めまわせばアルチョムの表情は焦燥感で歪んでいる。
「あっ、ぐっ、へ、変だ…も、もういい。もう、やめてくれ」
「おかしくなりそうでしょ? ドライオーガズムってね、女がイッたときの感覚と同じなんだ。男の射精の100倍だとか言われるくらいだからね。………全身が痙攣したようにガクガク揺れるほどなんだよ」
「た、頼む…もう、もう…やめてくれ…」
「さぁ…どうしようかなぁ…?」
「ぐうっ…! 変になりそうだ…! す、すまない。頼むから、もう許して…!」
周囲に人が居ないなら最期までするのだけど、この状況じゃあどうしてもどこかでやめざるを得ない。……久々に攻め立てて遊べたからいいか。
指をゆっくりと抜き去るとアルチョムは息を荒げて厚い胸板を上下させている。全力で走りきった後のような汗をかき、その眼の焦点はどこか遠い。
息が整うまでの間に冷えた薬缶の水をかけて指を洗い、消毒用のウォッカで濡らした布で吹き上げる。
しかし彼のペニスは、雌を貫かんとそそり立ったままだ。その凶悪な肉槍を手で導くように膣口に添える。
「ほら、アルチョム」
「………ヴェート」
「入って……んんっ……はっ…」
少しずつ、杭が打ち込まれるように私の中を満たしていく。飲み込んで、飲み込んで…まだ、根元には届かない。逆に私のほうはもう限界が近い。
「ぐっ…はぁっ……ま、まだ…あるの…?」
「いくよ、ヴェート」
アルチョムの手が彼の上で跨る私の腰を掴む。ぐっと込められる力に抗う間も無く―
「ま、待って、アル……ッ…!?」
―――――――ッ!
ア、頭が…痺れそうな…!
「はは、…入りきらない、なんて…」
「…ぅ………ぁ……」
「ま、まだ……入らないのか…?」
は、入ったぁ…! もう、もうこれ以上入らない!
「……む………む、りだよぉ……は、入らない、からぁ…!」
有無を言わさずアルチョムは突き上げる。深々と、私の胎の奥まで、抉るように肉の杭が打ち込まれていく。
ごり、ごりと最奥の門を叩く杭の感触に息が荒れる。突き上げられる度に体がふらつくのを見かねたのか、アルチョムは私をそのままマットに寝かせて、入れ替わるように起き上がる。
腰はアルチョムが掴み、離そうとはしないままだ。膣に入りきらない肉槍を再び打ち込み始める。
「んあっ……ふっ…!」
「ああ…すごいよヴェート…飲み込んでるよ……全部咥えこんでる」
どん、どんと子宮が突き上げられるように揺らされる。腕に力さえ入らない。
次第にペースまで早くなる。もう、もう無理だ。欲しい、あの灼熱のような迸りを、私の胎内に浴びせてほしい。
「ああっ…で、出そうだ…! うっ…ぐっ…はぁ、はぁ!」
「い、いいっ、よ…ナカで、出していいよ…」
「………ぐあっ…! あぁっ…はぁっ…」
「――んっ! あ、あぁ……」
胎を焼く精液。どくどくと注がれるその熱量は絶えることなく、止め処なく流し込まれていく。じんわりと熱を帯びる子袋が精を受けた悦びに打ち震える。
「……こ、これ…スゴイ…!」
痙攣によってくの字になるほどの快感。アルチョムの体が私を包むように覆いかぶさる。
未だに私の子宮に向けて精を吐き続ける肉棒。脈打つ感触を感じながら、アルチョムは再び二度三度動いて、残った精液を吐き出す。
「………どう、したの…?」
返事がない。だけど彼の吐息は一定のリズムで聞こえている。ああ、限界だったんだね。
「…おやすみ」
彼はよく頑張った。殺したくも無い相手に銃を向けて引き金を引き、共に旅した相棒を失い、自身では理解できない不可解な現象に直面した。
その上にミュータントと戦い、危機に瀕した駅の住民を助けるために戦い続けた。
休んで良いんだ。今日はもう休んでいいんだ、アルチョム。
君の背負ったその“影”は、君が感じている“業”は、私が飲み干したのだから。
ぼんやりと見開いた視界にランプの明かりが見える。
昨日は、何をしたのだったか。いろいろあった。短かったとはいえ共に旅をした仲間を亡くして、カース駅でミュータントを相手に戦い抜いて、ヴェートと…。
彼女は、どこだ。
見回しても彼女の姿は見えない。鞄にぶら下げた腕時計を見れば時間は既に朝の十時を過ぎている。トンネルの中で太陽は存在していないが、既に昼間の時間だ。
「あれ、もうちょっと寝てるかと思ってたんだけど」
博覧会駅産のキノコ茶の香りと共に、彼女が姿を現す。その姿は深い青色の戦闘服姿で、昨日見たカーキのものとはまったく違う印象を僕に与える。髪は相変わらず束ねられて、その凛々しい表情は昨日の昼間に見たような、“狼”のような印象を与える。
首からはシルバーの簡素な十字架と共にモスクワメトロのシンボル、スパルタンオーダーの認識票が提げられている。
その様子は昨晩の不安げな様子で求めてきた姿とも、暗殺者のような冷徹な表情とも違う穏やかな笑みが浮かんでいる。
夜の彼女とはまるで別人のようだ。男を誘う妖艶な少女であり、時に闇夜に潜む暗殺者のような夜の姿。打って変わって朗らかで穏やかな笑みで、人懐っこい声で喋りかけてくる普通の少女である昼の姿。
「起きないもんだから服も変えたし体も拭いておいたよ。もう、大の男が妹みたいな歳の女の子になんでもかんでも世話になってちゃダメだよ」
おどけた様子でお茶を飲む少女。ただ普通の少女と違うのは、彼女は銃を手にして防弾ベストを着て、ナイフやライフルの弾倉を身に付けているという点。
「カーンとロマノヴィッチが待ってる。お茶を飲んだらさっさと支度してね」
「…わかったよ」
「それと、昨日はありがと。ハンターのこと、教えてくれて」
そうか、彼女は聡明な子だ。ハンターの身に何かがあったのだと、気づいたんだ。気づいてしまったんだ。だから、あんな風に…。
「ポリスに、行こう」
「……もちろん!」
ブルボン、新しい相棒ができたよ。ちょっと意地っ張りなところがあって、仔犬のように人懐っこい、だけど正真正銘の“狩人”である“狼”のような頼もしい相棒が。
ようやくカース駅が終了しそうです。
なんかめちゃくちゃ長かった気がします。
このペースで書いて行けば何かすっごく長くなる予感が…。
それはそうと下巻読書中です。足をやってから仕事暇になるだろうし本読めるだろうとか思ってましたが、そんなことはなかったぜ!
シルバーウィークってなんなの。なんであんな休暇作ったの。
仕事がめっちゃハードになるだけっていう…。
あと異種姦ネタは好き嫌いがあると思うのでしませんっぽいかもかもー(予定)
というかそのシーン入ったら即BADENDの未来しかない気がするので。